「鎌倉三代記」の幸村ならぬ高綱は、なんと姫に「父親を殺せ」って頼むんだよ。アリか? | えいいちのはなしANNEX

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このブログの見方。写真と文章が全然関係ないページと、ものすごく関係あるページとがあります。娘の活動状況を見たいかたは写真だけ見ていただければ充分ですが、ついでに父の薀蓄ぽい文章を読んでくれれば嬉しいです。

 「鎌倉三代記」の主役は実は真田幸村だった! という話、つづきです。

 この看板絵の、上の人物、衣装に永楽銭が六つ、ついているのが「佐々木高綱」。正義のヒーローですが、実は井戸から出てきて「おとなしく父のところに帰って、そこで時政を暗殺しろ」って時姫をそそのかすんですが、それって倫理的にどうなの? 親を騙して殺せって、それ、正義!?

 んが。武士は「忠義」が最優先。「忠義」のためなら父だろうと息子だろうと殺すのが「歌舞伎の正義」なんだよね。そうだった。「熊谷陣屋 」も「菅原伝授手習鑑 」も、結局、そういう話だったよね。

 千姫を抱きこんで家康を刺させて大逆転、まさな「真田幸村の謀略 」というべきでしょうか。いいのか幸村、てゆうか、いいのか江戸時代の観客?
 相変わらず、歌舞伎ってすげえなあ、と思う一幕です。

 あ、それから。二幕目の舞踊のときに、常盤津でうたっている人の中に、鈴木英一先生をみつけました。
「渋谷金王丸伝説」の、渋谷区伝統芸能寺子屋のプロデュサーの。「あれ、鈴木先生じゃないか?」て、確認したくて筋書まで買っちゃいました。
 常盤津和英太夫、間違いない。

 いろいろ、いいもん見ました。