「鎌倉三代記」の主人公は実は真田幸村であり、雀右衛門は千姫なのだ! って、知ってました? | えいいちのはなしANNEX

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このブログの見方。写真と文章が全然関係ないページと、ものすごく関係あるページとがあります。娘の活動状況を見たいかたは写真だけ見ていただければ充分ですが、ついでに父の薀蓄ぽい文章を読んでくれれば嬉しいです。

三月大歌舞伎 中村雀右衛門襲名披露公演です。

というわけで、もなかアイスなど食べながら見に来ているわけですが。

今回、三幕目の演目が、「鎌倉三代記 絹川村閑居の場」です。主人公の時姫(もちろん雀右衛門)は、北条時政の娘だそうです。姫は三浦介義村の許婚なんですが、夫の主君である源頼家と、父の北条時政が戦争になってしまう、という。・・・なんだ、この設定は? 歴史好きとしては、どういったもんか、いくらか歌舞伎でもさあ。そもそも鎌倉幕府っていうのはさあ・・・とか言ってもしょうがないんだが。
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その三浦義村が、負け戦の途中で絹川村の実家に、母に会いに逃げ帰ってくると、許婚の時姫が待っているんだけど。母は情けないと会ってくれない。んで、義村と時姫があれこれやってるうちに、なぜか井戸の中から、父・時政の使いだという男(吉右衛門)がやってきて(・・・ニンジャか?)、こいつがおちゃらけたヤツで、「今すぐ父上のもとに帰りましょう」とそそのかす。なんでも、首尾よく連れ帰れば、時姫をオマエの妻にやるといわれたから。
・・・あれえ? どっかで聞いた話だなあ?
当然、時姫は、無礼者、私は夫に貞操を尽くし、夫の主君に忠義を尽くすのだ、と言って追い返す。そりゃあそうだよね。

ところが、井戸に逃げ込んだそのオチャラケ男が、いろいろあって戻ってくると、実は我こそが「佐々木高綱」! と言って衣装をぶっかえすんだ。その衣装には永楽銭の模様が!
あー! 六文銭か! こいつ実は真田幸村かあ! あれは千姫で、このいくさは大坂夏の陣なんだ!
で、幸村ならぬ佐々木高綱は、姫に向かって、おとなしく父のもとに戻って、そこで時政を暗殺してください、って頼むのよ。それで大坂方、じゃなく頼家様は勝利である、と。
えー? それ、酷くないか、幸村さん!  じゃなくて高綱さん!
鎌倉三代記のはなし、つづく。