勝手に映画紹介!?eigasukiの読書忘備録用ブログ

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何年か前に強制退会トラブルの時に、予備で登録したID。本家ブログの更新を再開しています⇒http://ameblo.jp/eigasuki/ ここでは読んだ本の忘備録を書くつもりです。書籍購入はブックオフ中心なので、新作は少ないかも?

 

本家の映画ブログ“勝手に映画紹介!?”(http://ameblo.jp/eigasuki/)ではAmeba Pickを登録したのですが、こちらのブログでは登録しなかったので…他社アフィリエイト禁止以降は、今までの体裁を崩したくないので、アフィリエイト風になってるだけで、実際にはアフィリエイトは使用しません、してません(禁止以前の記事はそのままで大丈夫だそうです)。
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暗殺者の矜持 下 (ハヤカワ文庫NV) [ マーク・グリーニー ]

暗殺者の矜持 下 (ハヤカワ文庫NV) [ マーク・グリーニー ]
価格:1,430円(税込、送料無料) (2025/1/4時点)


新刊購入した、2024年12月発行、マーク・グリーニーの「暗殺者の矜持」上下巻の、下巻を読了。潜伏生活をしていた、ジェントリーと恋人であるロシア人スパイのゾーヤが、“AI開発者(技術者)連続暗殺事件”に巻き込まれ、命を狙われる羽目になった上巻…昔の伝手なんかも頼って、自分たちが巻き込まれないように対処しようと動いていたんだけれども、“先手を打った敵”の刺客から激しい攻撃を受け、どうやらこうやら生き延びた…というあたりで、下巻へ続くとなっていた。そう、ジェントリーとゾーヤだけど、どんな敵と戦っていたのかというとAI兵器、もっと簡単に言っちゃうと、“武器を持ったロボット(メカ)”と戦う羽目になり…グリーニー版の「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング」かと思っていたら、いつの間にか「ターミネーター」(作中でも引き合いに出されてました)にまで近づいちゃったなっていう感じの内容でしたね。一連の事件の絵図を描いている黒幕、犯人の正体というのは…大方、予想通りなところもあったんだけど、“そんな敵にどうやって勝つんだよ!”っていうのが読みどころですね。上巻はAI技術の説明的な文章も少なくなかったんだけど、下巻に入ると…誰が真犯人かという物語の核心部分、事態の収拾なので、自然とアクションで読ませる部分も増えていった感じ。強大な敵にドリームチームで挑むジェントリーにジャンプ漫画のような熱さ、特にジェントリーとザックの関係性などが読み応えあり。そして、上巻でも触れたけど…終始、ラブラブっぷりが目立っていたジェントリーとゾーヤだけど、前作とは違った手法で、“お前らはそうか単に幸せになれない”を描くグリーニー先生、やっぱ酷い(笑)本作のラストを踏まえた、次回作の展開が目に浮かぶのであった…ああ、早く続きが読みたい。


マーク・グリーニー 暗殺者の矜持〔下〕(早川書房・文庫)

暗殺者の矜持 上 (ハヤカワ文庫NV) [ マーク・グリーニー ]

暗殺者の矜持 上 (ハヤカワ文庫NV) [ マーク・グリーニー ]
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新刊購入した、2024年12月発行、マーク・グリーニーの「暗殺者の矜持」上下巻の、まずは上巻を読了。基本、一年に一作ペースで刊行されている“暗殺者グレイマン”シリーズも気づけば13作目…途中までは古本購入に拘っていたが、ここ数年は、年末のご褒美がてら、奮発して新刊で購入することが増えてきた。ということで、今回の内容は…このシリーズもとうとうここまできたかって感じ、なにかと話題のAI技術と真正面からぶつかったお話、さしずめグリーニー版の「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング」といった趣きか?ロシア人スパイの恋人ゾーヤと、ひっそり潜伏生活を謳歌していたグレイマンことジェントリーだったが…ゾーヤの“身内”が接触してきたのが発端となり、2人はふたたび、命をかけた戦いに巻き込まれていく。ゾーヤの“身内”は、2人を捕まえるためではなく、手助けを求めてきたんだけど、その件で…敵対していた組織の“黒幕”に目をつけられてしまい、命を狙われる。2人が巻き込まれるちょっと前から…世界中でAI開発に携わるエキスパートたちが次々に暗殺されるという事件が起きていて、狙われる理由はその暗殺事件が関わってるらしい。一瞬、また別離を選ぶのかなと思いきや…2人で手に手を取って、事態に対処、とりあえず自分たちが狙われないようにするにはどうしたらいいかと行動を始める。1つ前の「暗殺者の屈辱」では、ニアミスしながらも、なかなかジェントリーとゾーヤを引き合わせないというのを徹底したグリーニー先生、その反動なのか、本作では初っ端からイチャイチャ、ラブラブしまくっている、戦ってる最中でも、終始そんな感じ…とりあえず上巻終了時点までは(笑)あとは前作で物足りなさを感じた、ジェントリーに縁のあるサブキャラたちの出番も大幅に増えていて…けっこう懐かしい人も出てきたりする。特に一時は敵対、最近だとマブダチ感の方が強くなったザックなんかも、ジェントリーとは別ルートで“AI開発者殺人事件”に関わっており…下巻でどう繋がるのかなと、期待を膨らませる。上巻のクライマックスは、あのジェントリーやゾーヤでさえてこずる戦闘…“何”が相手だったのかは、下巻の感想時に語りたいと思います。


マーク・グリーニー 暗殺者の矜持〔上〕(早川書房・文庫)

深淵のテレパス【電子書籍】[ 上條一輝 ]

深淵のテレパス【電子書籍】[ 上條一輝 ]
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電子書籍サイト“ブックウォーカー”のキャンペーンで…指定された電子書籍(今年発刊された新し目のもの)が決められた上限の金額まで1回だけ安く購入できるクーポンを配布していて、通常価格1599円から1366円引きの97円で購入した、2024年8月発行、上條一輝の「深淵のテレパス」を読了。東京創元社主催のホラー小説賞を受賞した、著者のデビュー作とのこと…新人らしからぬ文章力とお薦めされていたが、著者プロフィールを読むとライターとして活躍しているそうで、“ずぶの素人”ってわけではないようだ。アラサーのOLが、会社の部下に誘われ、怪談イベントに参加、その際に、“あなたが呼ばれています”と指名され、女子学生から不気味な怪談話を語られるという経験をするも…それを境に、自分の家にいる時に、不可解な現象(暗がりから奇妙な音がしたり、ドブのような異臭がしたり)に遭遇するようになる。悩んだ挙句に…オカルトの悩み相談をしているユーチューバーに相談することになる。主人公は、どちらかというとこのユーチューバーの方で、本職は映画宣伝会社に勤める先輩女性社員と、後輩男性社員のコンビ。女性の方が男勝りで姐御肌…男性がそれに付き合わされ、引きずり回さられる…ここは若干、ラノベ感あるキャラ設定、関係性。とりえず依頼を引き受け、原因を究明しようとするが…なかなかうまくいかない。そこで、女性先輩の人脈を使い、これまた個性豊かな連中が調査に協力…元天才超能力少年や元刑事の探偵など。他にも、途中から意外な能力を持った助っ人も加わる。専門家が怪現象の究明に乗り出すというところは、定番ながら…自分は映画の「インシディアス」シリーズっぽいかななんて思った。作中の引用作品として鈴木光司の「リング」と「仄暗い水の底から」が挙げられており…呪いの原因を究明していくみたいな展開、構成はそっちともけっこう似ているかもしれない。あとは…胡散臭い肩書の連中が寄り集まってドリームチームを結成する感じとかは、原作は未読なんだけど映画の「来る」(原作小説「ぼぎわんが、来る」)っぽくもあった。ちなみにこの作品が受賞したホラー大賞の選考委員の1人は「来る」の原作者・澤村伊智だった。あの作品、この作品をかいつまんでるなって印象も無きにしも非ずだが、やっぱ登場キャラクターが魅力的で、エンタメとしてうまくまとまっていた。せっかく映画宣伝会社の社員という設定なんだから、それこそもっと先輩後輩コンビにホラー映画の蘊蓄とか語らせても良かったかも。ホラー映画にとどまらず、様々な映画から対処法を引っ張ってくるみたいなこともさせていいかもしれないね。今後に期待する作家さんですね…ぜひシリーズ化、続編をお願いします!


上條一輝 深淵のテレパス(東京創元社・電子書籍)

遠い国からきた少年 (中公文庫) [ 樋口 有介 ]

遠い国からきた少年 (中公文庫) [ 樋口 有介 ]
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ブックオフの古本110円で入手…2018年4月発行の「遠い国からきた少年」を読了、2015年発行の「笑う少年」を改題。残念ながら2021年に他界されてしまった樋口有介センセイの、“風町サエシリーズ”の2作目。1作目の「猿の悲しみ」は、今から約7年前、2017年10月に読んでいた。元ヤンキー、殺人の罪で服役経験もあるシングルマザーが主人公…現在は法律事務所の調査員とは名目ばかりで、本当はかなりダーティーな仕事を一手に引き受けるのがお仕事。今回は…ピザ屋とアイドルを合体させたビジネス商法を成功させた社長からの依頼で…アイドル候補生のピザ屋店員の自殺、その少女の家族から賠償金を請求されたので、何か減額するすべはないかという相談を受け、調査を開始。一方で、別ルートから、件(くだん)の社長の胡散臭い経歴も調べてほしいという依頼も受けてまして、相反する依頼を同時進行でこなすことになる。風俗まがいの飲食業というのはフーターズあたりがモデルだろうか?そこにAKB商法まで掛け合わせたのが…本作に登場するアイドル。なんか既に実際にありそうで、やったら儲かりそうなビジネスだななんて思いながら読んでしまった。相変わらず主人公のサエや、彼女を取り巻く登場人物が個性的で…そのやり取りを読んでるだけで愉快な気分にさせるんだけど、なんと本作では、サエが調査を行うために、“我が地元の平塚”にも乗り込んでくるのだ。割かれてるページ数はそれほど多くもないけど、少ないわけでもない。地元の人間だったら、あのあたりかな?なんて想像できるレベルの情景描写であり、意外とご当地ものとして盛り上がる。サエの視点をかりて、樋口センセイに地元が皮肉られて嬉しくなる(笑)ただ、作品のキーポイントとなる“秘密の1つ”が、文庫タイトルのせいでややネタバレ気味…こういう秘密じゃないかなというのが推測できてしまう。単行本時の「笑う少年」の方がミステリー的には良かったんじゃないかなとは感じた。たぶん、このシリーズもこの2作目までしか出てないんじゃないかな(Wikipedia調べによると)…サエの子供の父親はいったい誰なんだとか、シリーズを通した気になる部分も、もう一生不明のままなんだなと、ちょっと残念に思う。新しい樋口作品が読めなくなったのは寂しいですが、幸い、自分はまだ未読の樋口作品がまだいっぱいあるので、今後も機会があったら読んでいきたいと思っている。


樋口有介 遠い国からきた少年(中央公論新社・文庫)

炎舞館の殺人 (新潮文庫nex(ネックス)) [ 月原 渉 ]

炎舞館の殺人 (新潮文庫nex(ネックス)) [ 月原 渉 ]
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ブックオフの古本110円で入手…2021年8月発行、月原渉の「炎舞館の殺人」を読了。“使用人探偵シズカシリーズ”の5作目かな?過去シリーズは6作目まで読んでいたんだけど、ひとつ前に読んだ1作目と、この5作目が今まで歯抜けだった。身体の一部が欠落した若者たちが、陶芸家の師匠に引き取られ、弟子として…山奥の館で共同生活をしているんだけれども、師匠に死期が迫り、後継者選びが急務となる。そんな中、肝心の師匠が失踪…そこへ師匠が呼び寄せたと思われる“異国の少女”が新しい弟子としてやって来るが、彼女は他の弟子と違い、目に見えた“欠落”がなかった。どうして、師匠は言葉もろくに通じない異国の少女を新しい弟子に選んだのか?そうこうしているうちに、弟子の1人が殺されるんだけど…死体がバラバラに損壊されていた!これが発端となり、弟子が1人、また1人と殺されていく…。失踪した師匠はどこへ?師匠が犯人なのか?パターンからいくと、館にやって来た異国の少女がシズカになる…案の定、彼女はシズカと名乗るんだけど、どことなく違和感あり。事件が起きる度に、カタコトの日本語で“事件解決のヒント”もあたえてくれるんだけど…。人里離れたな署にある館、事件の最中に、嵐が直撃して、外界と連絡がとれなくなるというのは…先に読んで1作目「使用人探偵シズカ ー横濱異人館殺人事件ー」と同じパターンだな。バラバラ殺人と、シズカのヒントにより…某有名ミステリーのトリック、オチを想像したんだけど、さすがにまんまパクるわけにはいかず、著者流にバラバラ殺人の必然性をしっかりと描いてましたね。違和感の正体は、だいたい予想通りでして…ついでにいうと、まぎれもなく“使用人探偵シズカシリーズ”の1つであり、それこそこの間まで未読だった1作目で詳しく書かれてるのかと思っていたら、そういうわけでもなかったシズカの生い立ちが、この5作目で思いのほか深掘りされていて、探偵まがいのことをしている理由も判明し、ようやく腑に落ちるよね。意外と、この作品でシリーズ一区切りの意味合いもあったのかな?6作目になるとタイトルのスタイルが変化しているのも、そのあたりに理由があるのかもしれないな?と…あくまで素人レベルの考察。


月原渉 炎舞館の殺人(新潮社・文庫)

使用人探偵シズカ 横濱異人館殺人事件 (新潮文庫) [ 月原 渉 ]

使用人探偵シズカ 横濱異人館殺人事件 (新潮文庫) [ 月原 渉 ]
価格:649円(税込、送料無料) (2024/12/11時点)


ブックオフの古本110円で入手…2017年9月発行、月原渉の「使用人探偵シズカ ー横濱異人館殺人事件ー」を読了。けっこう好きで読んでいる“使用人探偵シズカシリーズ”だけど、実は自分が初めて読んだのはシリーズ2作目の「首無館の殺人」からで、その後は順不同で、抜かしてる作品もありつつ、現段階のシリーズ最新作の「すべてはエマのために」まで読んでいる。今まで4作品くらい読んでると思うんだけど…探偵役を務める使用人のシズカが、とにかく謎めいた存在であり、それは1作目をちゃんと読んでないからなのかなと思っていた。ようやくシリーズ1作目で、シズカの正体に迫れるのかなと期待してたんだけど…結論から言うと、シリーズ2作目以降同様、既にいつもと同じように謎めいていたのね(笑)明治時代、日本の法律がまかり通らない、居留地内にある奇妙な館に…絵を届けに来た若い男性主人公。その絵は、父親の遺品であり、もともとは風景が描かれていたが、剥落した表層の下に“縊れ死んでいる男”が描かれているという不気味な絵だった。それが館の主に売れ、代金と引き換えに、絵を渡しにきたんだけど…そこではその絵を描いた画家に縁のある人物たちの集いが開催されていて、主人公自身も関りがあることが判明。他にも同じような絵が複数存在し、その絵に隠された謎を解くという趣旨の集いらしいのだが…参加者の1人が、“縊れ死んでいる男”の絵そっくりの死に方で殺されたのが発端となり、恐ろしい連続殺人が始まる。ちょうど嵐も直撃していて、外界との連絡が取れなくなり…館にいる者だけで、真相に迫らなければならない。その中に、使用人としてシズカもいて…抜群の推理力で、謎を一つ一つ解いていくんだけど、なかなか犯人の犯行をとめられない!いったい真犯人は誰なのか?嵐の山荘パターンのクローズドサークル…シズカシリーズにしては一番王道な感じがした。


月原渉 使用人探偵シズカ ー横濱異人館殺人事件ー(新潮社・文庫)

魔女の後悔 [ 大沢 在昌 ]

魔女の後悔 [ 大沢 在昌 ]
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ブックオフの古本で入手…2024年4月発行、大沢在昌センセイの「魔女の後悔」を読了…「魔女の笑窪」「魔女の盟約」「魔女の封印」に続く、シリーズ4作目、9年ぶりの新作とのこと。一応、一通り過去シリーズは読んでいるのだが、だいぶ年月が空いているので、内容もうろ覚えになっている。主人公の生い立ち等に関わる設定なんかは、毎回、どの話にも関わってきたりするので、関係する描写を読んでいると、そういえばそんな話だったなと、なんとなく思い出せる。なので、過去作を再読しなくても、問題なく読めた…ただ、そろそろ1回くらいは、シリーズ1作目からちゃんと読み返してもいいかもしれないよね。そんなわけで、壮絶な過去を背負った主人公、作中では“闇のコンサルタント”なんても呼ばれている女主人公…実際のところはトラブルシューターみたいなもんなんだけど、彼女が、恩義のある人物から、“ワケあり少女の護衛”を頼まれるんだけど…危惧していた通り、少女をつけ狙う謎の集団、それも複数組がいろいろと妨害、襲撃を試みてくる。当初は新幹線で目的地の京都へ向かう予定だったが、追手を撒いて、急遽、車での移動に変更にするも…それでも危機が迫る。全編に渡って、ロードムービーのような逃避行ものが展開されるのかなと思いきや、妨害はあったものの、あんがい、簡単に目的地にまでたどり着き、護衛ミッションは終了となる。が、しかし…その後からが、ようやく物語の本番という感じになってきた。主人公自身の“過去”なども、実は深く関わってきたりしながら、すべての絵図を描いている黒幕との対峙、そして護衛する少女も、“各国の諜報機関”につけ狙われる理由があったりして…過去の内容を覚えていなくても大丈夫だったけど、女主人公の過去の因縁話など、シリーズ1作目あたりを覚えていると、面白さは倍増するのかもしれない。


大沢在昌 魔女の後悔(文藝春秋・単行)

心眼 [ 相場 英雄 ]

心眼 [ 相場 英雄 ]
価格:1,980円(税込、送料無料) (2024/11/16時点)


ブックオフの古本220円で入手…2023年7月発行、相場英雄の「心眼」を読了。帯に声優の杉田智和の推薦文…何故に?と思ったら、オーディブルで朗読を担当しているそうだ。ちなみに単行本になる前の作品初出がオーディブル配信なんだそうだ、なんか今風だな。物語は…街角に立ち、行き交う人の中から指名手配犯を目視で見つけ、捕まえる…“見当たり捜査班”を題材にした警察小説。今までも羽田圭介の「盗まれた顔」、新津きよみの「指名手配 特別捜査官七倉愛子」などで同じような題材の話を読んだことがある。物語は3章構成…“見当たり捜査班”に、将来は捜査一課を希望する新人の若手がやって来たところから始まる。彼は“アナログ全開”の慣れない見当たり捜査に四苦八苦し、なかなか成果が出せないでいるんだけど…班内で、上司からも一目置かれている、一匹狼なベテラン刑事の独特な捜査手法に注目。そこに何か、成果を上げるためのコツがあるのではないかと…ベテラン刑事の周囲を嗅ぎまわったりもする。そのベテラン刑事も、もともとは捜査一課のやり手だったんだけど、なにか訳ありで“見当たり捜査班”に異動になったらしい。若手刑事が失敗や先輩刑事のサポートを経験し、段々と成長していく姿を見せながら…“見当たり捜査”とは真逆、ハイテクを駆使する捜査支援分析センター、通称SSBCとの生存競争も描かれる。実は、新任の捜査一課長がSSBCを贔屓し、“見当たり捜査班不要”という持論まで展開させ、排除しようとしていた。さらには、この新任捜査一課長こそ、ベテラン刑事の訳ありな過去に関する因縁の相手でもあった!相場作品らしい安定感で、可も不可もなく読めちゃうんだけど…“見当たり捜査”に関する部分は、先発作品とどうしても似通ってしまうので、新鮮さには欠けてしまうかなと…。


相場英雄 心眼(実業之日本社・単行)

香港警察東京分室 [ 月村 了衛 ]
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ブックオフの古本220円で入手…2023年4月発行、月村了衛センセイの「香港警察東京分室」を読了。香港警察(中国本土の息がかかっている)と日本警察が協力して捜査にあたるために新設された部署…正式名称は“組対部特殊共助係”なんだけれども、周囲からは皮肉もこめて“香港警察東京分室”などと呼ばれる。日本、香港…双方の警察組織から、訳ありな人材が集められ、日本側は、捜査権を持たない香港の捜査官たちのサポートを行う。あってもおかしくないけど、実際にはまだそんな部署はないだろうって感じ?宣伝で“「機龍警察」著者の最新刊”というアピールがされていたので、てっきりこれもロボットが出てくる近未来SF系なのかなって思っていたが、架空の部署が出てくる以外は…一般的なリアルな警察小説に近いスタイルで描かれていた。3章構成で描かれていて、物語スタート時には、既に“分室”は動き出している。現在の任務は…日本に潜伏している女性革命家の居所を突き止めることなんだけど、これがなかなかうまくいかず、だいたい途中で大規模な銃撃戦になってしまう(笑)日本も香港(中国)も一枚岩じゃなくて、その都度、複雑な駆け引きが展開されるんだけれども…物語自体は、そこまで小難しいものでもなく、アクション小説としてイッキ読みできましたね。ヤクザとコネを持ってるヤツとか、別の部署のスパイ(?)とか…彼ら、彼女らを束ねる女性管理官の警視なんかもなかなかの曲者。こういったメインキャラクターたちも、まだまだ本領を発揮していない感じもしたので、ぜひ続きは読んでみたいですね。現段階では、まだ続刊は出ていないようだ。


月村了衛 香港警察東京分室(小学館・単行)

11文字の檻 青崎有吾短編集成 (創元推理文庫) [ 青崎 有吾 ]

11文字の檻 青崎有吾短編集成 (創元推理文庫) [ 青崎 有吾 ]
価格:792円(税込、送料無料) (2024/11/12時点)


ブックオフの古本110円で入手…2022年12月発行、青崎有吾の「11文字の檻 青崎有吾短編集成」を読了。文字通り、様々な媒体で書かれた著者の短編集…たぶん文庫のオリジナルじゃないかな?てっきり創元推理文庫なので、同じレーベルから出ている“裏染天馬シリーズ”の短編集だと思い込んで読み始めたのだが、すべて独立した、関係のない短編集だった。全部で8作品収録されているが…そのうちの3作品はショートショートなどかなり短めな作品で、そのうちの1つ「your name」という作品は「超短編! 大どんでん返し」というアンソロジー集で既に1度、読んだことがあった。残りの5作品の中から、個人的に印象に残って、良かったなと思ったのは、一番最初に載っていた、“JR福知山線脱線事故”を題材にした「加速してゆく」、最初に尼崎という地名が出てきて、たぶん現代が舞台じゃないなという描写もあって…そういえば大きな事故があったなって思い出してたら、まさにそれを題材にした作品であり、一瞬、ノンフィクションみたいな話なのかなと思いきや、題材同様にデリケートな話になっていって、しっかりとミステリーとしても着地した。続く2つ目に載っていた「噤ヶ森の硝子屋敷」もけっこうお気に入りで、辺境の地にある全面ガラス張りの建物で殺人事件が起きるっていう今度はなかなかの本格ミステリー…オチもどんでん返しが綺麗に決まる。ぶっちゃけ、綾辻っぽいなって思って読んでたら、著者自身の巻末解説によると、「十角館の殺人」の記念アンソロジーのために書かれた短編だったそうで、かなり綾辻、本格を意識した作品だった、なんだやっぱりそうなのかと腑に落ちた。あとは最後に載っていた表題作の「11文字の檻」が書下ろしで…何も情報がない中で、“11文字のキーワードを入力して正解すれば外に出られる”という漠然とした難問に挑まなければならない、収容施設に入れられてしまった人たちの苦闘を描いているんだけど、主人公はこれを理詰めでなんとか攻略しようとする。解説には影響を受けた作品が羅列されていたが、自分はなんとなく映画「CUBE」みたいな不条理系SFミステリーのようだなって思いながら読んでいた。読んでる最中はこちらまで鬱になりそうになり、オチがつくのかと心配してたのだが…最後は解放感、爽快感を味わえる。他にも何作か掲載されてるんだけど意味不明な百合小説とか、知らない漫画のスピンオフ(サイドストーリー)とか、イマイチ、自分には解りづらいものもあった。


青崎有吾 11文字の檻 青崎有吾短編集成(東京創元社・文庫)