西村健 ギャップ GAP(集英社・文庫) | 勝手に映画紹介!?eigasukiの読書忘備録用ブログ

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ギャップ (集英社文庫) [ 西村健 ]

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積読本の整理をしていて発見…2012年4月発行、西村健の「ギャップ GAP」を読了。もともとは角川書店から1998年に出ていた同名作品の文庫化であり、加筆・修正が加えられているそうだ。文庫の発売が12年以上も前なんだけど、作品自体はさらに古く、かれこれ26年も前に書かれたものだったのね。西村健は…デビュー初期の講談社から出ていた、やたら分厚いノベルス(バー“オダケン”が出てくる一連のシリーズ)は読んでいたし、なんとなくこの作品もタイトルだけは記憶にあるけど…実際に手には取らなかったんじゃないかな?どうやら非シリーズ、独立したハードボイルドテイストのミステリーなんだけれども…主人公の設定が多重人格という、なかなかぶっ飛んだ作品でもある。サイコセラピストと探偵を兼業している主人公には、他にも人格があり…何かの拍子に、喧嘩っ早い乱暴者になったり、小学生の少年になったり、女性の人格になることもある。だから、“仕事”の依頼が入っても、人格がコロコロと入れ替わると、どんどん脱線していってしまい、収拾がつかなくなる。いや、本来の本人の人格がなんとかして、軌道修正はするんだけどね…まぁ、そうしなきゃ一向に物語も終わりやしないよな。導入部は、幼い女の子が事務所を訪れ…“本当のパパを探して”という依頼をしたことで始まるんだけど、案の定、人格がコロコロと変わってしまったことで、仕事そっちのけで女の子を連れまわす結果となり、果ては誘拐犯として警察のご厄介にもなってしまう。結局、警察の介入もあり…依頼人の少女と引き離されてしまうんだけど、最初に受けた“本当のパパを探して”という依頼をなんとかこなそうと、少女の周辺事情を調べ始めると…少女の親である政治家側から暴力的な妨害工作なども受けてしまう。こりゃー何かあるぞと、躍起になって事件にクビをつっこみ…最終的に、意外な真実が浮かび上がる!クライマックス近く、少女が幽閉されている政治家の自宅(豪邸)へ潜入するくだりが、若干、ダラダラとして長いかなとは思ったけど…それ以外は、なかなか着地点が見えてこず、二転三転する事実に、最後のでっかい爆弾で、さらになるほどと唸らされた。26年も前の作品だが、今でも普通に面白く読める。あと、一応、“オダケン”の名前も出てきて、同じ世界観の話だということもわかって、なんか懐かしくなった。


西村健 ギャップ GAP(集英社・文庫)