勝手に映画紹介!?eigasukiの読書忘備録用ブログ

勝手に映画紹介!?eigasukiの読書忘備録用ブログ

何年か前に強制退会トラブルの時に、予備で登録したID。本家ブログの更新を再開しています⇒http://ameblo.jp/eigasuki/ ここでは読んだ本の忘備録を書くつもりです。書籍購入はブックオフ中心なので、新作は少ないかも?

 

本家の映画ブログ“勝手に映画紹介!?”(http://ameblo.jp/eigasuki/)ではAmeba Pickを登録したのですが、こちらのブログでは登録しなかったので…他社アフィリエイト禁止以降は、今までの体裁を崩したくないので、アフィリエイト風になってるだけで、実際にはアフィリエイトは使用しません、してません(禁止以前の記事はそのままで大丈夫だそうです)。


月曜日に母親の一時退院が決まり、昼間はその準備におわれる…夜は、時間ができたので読書に集中し、サクっと1冊読了したのだが…さすがにブログ更新の余力は残っておらずそのまま就寝。ブログは読了日の記録も兼ねてるので、この文書を書いてるのは日曜日の昼間なのだが、投稿日時を前日の23時59分に戻して投稿することにする。

先月末に発売していた、高島雄哉の「小説 機動戦士ガンダム 水星の魔女1」を珍しく、新刊書籍で購入する。タイトルから察せられる通り、ガンダムの最新テレビシリーズ、“水星の魔女”のノベライズ小説。本編のエピソード0から3までを、SF考証も担当している著者が忠実に描いた内容で…巻末には、オリジナルエピソードも追加されている。当然のこと今後も発刊が続くので、ストーリーは中途半端。オリジナルエピソードの方も、読み切りの短編というわけではなく、本編で描かれなかった“隙間のサイドストーリー”として、今後のナンバリングに合わせて続いていく話のようだ。本編ノベライズの方は、特にコレといった大きな変更点があるわけでもなく、本編をリアタイ視聴していた身としては、再確認、追体験の意味合いが強い。ただ、現時点で、アニメ本編のシーズン1、全12話を見終わっているので…点と点が繋がり、細かい伏線なんかにも気づくことができる。後の展開を知ってると、たまにニカねえの描写なんかで…色々とひっかかったりもする。アニメ本編をただ見てるだけだと、見過ごしてた部分の補完にはなる。あと、“接触回線”の説明を文字で読まされることで、ガンダム小説だなという再認識。そして、ミオミオの“ダブスタクソ親父”発言後の、ダブルスタンダードの詳細説明に思わず笑ってしまう。オリジナルエピソードの方は、スレッタとミオミオがバディを組んで学園の実習に挑む序盤、中盤以降はオリキャラ?新キャラ?なミオミオの幼馴染だというお嬢様が登場し、スレッタ、ニカねえ、チュチュが絡んだ物語が展開されていく。序盤の実習シーンは…宇宙で遭難した時(小型連絡艇が緊急停止してしまった体)のシュミレーションなんだが、ちょっと「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」の“第1話 二人だけの戦争”のシローとアイナをなんとなく思い出す。ちなみに、「第08MS小隊」のノベライズ小説を担当していたのが、本作の脚本家の大河内一楼さんで…キャリア初期の代表作、ガンダム関連の初仕事としてマニアの間では有名な話。今後も続いていくのだろう、ミオミオの幼馴染絡みの話は…学園ものテイスト、日常の延長のようなワチャワチャした感じが多めだが…ファッションに転用された新技術、ハロの新たなバリエーション、そしてセリフの中で語られていた“マスドライバー”など、さりげないSF描写が意外と良かったりもする。今後も新刊が出れば買い続けようかなとは思っているレベルではあったけど、惜しむなら、エピソード0と1の間に、ネットで発表されている大河内さんが書いた“オープニングテーマ YOASOBI「祝福」原作小説 「ゆりかごの星」”が併録されていれば、ベストだったと思う。


高島雄哉 小説 機動戦士ガンダム 水星の魔女1(KADOKAWA・単行)

赤の呪縛 [ 堂場 瞬一 ]

赤の呪縛 [ 堂場 瞬一 ]
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本家の映画ブログの方では説明していたんだけど、10日くらい前に母親が入院しまして、ちょっとバタバタしてて、読書もあまりする時間がとれなくて、しばらく更新が途絶えてました。おかげさまで、一時退院の日取りも決まり、ちょっと余裕ができてきたので読書やブログ更新も少しずつ再会していこうと思います。

そんなわけでブックオフの古本220円で入手…途中まで読みかけだった、2021年5月発行、堂場瞬一の「赤の呪縛」を読了。たぶん、非シリーズものだと思われる警察小説。銀座のクラブで放火殺人が発生…犯人がその場で火を放ち、犯人自身とクラブママが焼死した。犯人が死んでしまってるので、動機面や、犯人と被害者の関係性に捜査の焦点が絞られることになったが…調べれば調べるほど不可解な状況になる。さらに、捜査を担当する主人公刑事は、静岡県知事の父親に勘当された身分なんだけれども、被害者のクラブママが、父親の愛人であったという情報が舞い込む。さらに、この事件とは別件で…父親に近しい人間が射殺されるという事件お同時期に起きていた。それらを捜査本部には内緒にし、遺恨のある父親を破滅させるために、独自に真相を究明しようと、奔走する。導入部はなかなか面白く読めたし、主人公が決して”清廉潔白じゃない”感じも堂場作品にしては、ちょっと珍しく新鮮味もあったんだけど…肝心の父親との対峙が中途半端、なんか尻切れトンボで終わってしまった。完全に破滅させて復讐を遂げるなり、敗北して負けを認めるなり…それなりの結末を用意してほしかった。ここまで読んで、このオチ?


堂場瞬一 赤の呪縛(文藝春秋・単行)

命の砦 [ 五十嵐 貴久 ]
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ブックオフの古本220円で入手…2020年10月発行、五十嵐貴久センセイの「命の砦」を読了…以前読んでいた「炎の塔」「波濤の城」に続く、消防士・神谷夏美シリーズの3作目にして、完結編とのこと。著者自身も認めていたが、1作目の高層ビル火災は「タワーリングインフェルノ」、2作目の豪華客船火災は「ポセイドンアドベンチャー」のオマージュでしたが、今回は新宿の地下街が“火の海”になるというオリジナル要素強めの作品。今までと違って、実在する場所がメイン舞台となったことで、よりリアリティが増す内容となっている。もちろん、小説としての誇張も色々とあるんだけれども、災害との向き合い方という点では…それこそ“首都直下型地震”のシュミレーション的な側面もあったのではないか?もし自分が災害被害の当事者になってしまった時の行動の仕方なんかを今一度、深く考えさせられた。またSNSの闇、テロの脅威…ベタなテーマや問題提起も掲げられているけど、本作が発刊されたのは2020年ということで、ハロウィンの夜に起きた“京王線刺傷事件”や、昨年2022年の“元首相銃撃事件”の前であるということを考えると、そういったものをしっかりと予見しているなとも捉えられる部分があった。作中では、“桜を見る会”問題という、今となってはちょっと懐かしい話題も出てきて、“反社”の人間も参加していた事実の何がやばいのかという点から…日本という国のセキュリティ対策の甘さを指摘していた。そして何より、シリーズもののエンターテイメント作品としての読み応えがすごかった。過去作、とりわけ1作目の「炎の塔」とも密接に関わる内容でしたしね。いや~“まさか”の展開が何度もありすぎだよ。中盤の大きな出来事で、“マジか”って思ったんだけど…後半でも追い打ちをかけられる。今までのシリーズもそうだったけど、メイン主人公が死ぬ気で消火活動にあたる視点と、もう一つ、火災に巻き込まれた脇役(主人公の知人)的な人たちが避難する視点が同時進行で描かれてるんだけれども…片方の視点で起きた、前述の“大きな出来事”を、もう片方の視点の登場人物が、どこでどういう経緯で知りえるのかっていうのがね、気になり…いざ、そのシーンになるとめっちゃ切なくて。でもって、最後にとどめです。完結編=バッドエンドありえるんじゃねーかとか、ホント、最後までドキドキさせられっぱなしだった。完結編ということですが…まだもうちょっとこの世界観を読んでみたい気もする。“彼女”を主人公にした新シリーズとかアリなんじゃない?


五十嵐貴久 命の砦(祥伝社・単行)

死桜 D1警視庁暗殺部 (祥伝社文庫) [ 矢月秀作 ]

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ブックオフの古本110円で入手…2022年7月発行、矢月秀作の「死桜 D1 警視庁暗殺部」を読了。矢月センセイの現代版“必殺仕事人”な異色警察小説のシリーズ5作目、通算6冊目(3作目の「人間洗浄」が上下巻だった)。冒頭、見知らぬ新キャラ登場…今まであまり出てこなかった、暗殺部第三課という、いつもの主人公たちとは違う課員の活躍。と、思いきや、あっけなく死んでしまう。実は、何者かの罠にハマり、ミッション中のチームが壊滅したという。なんだ、新キャラかと思いきや、ただの噛ませ犬か(笑)暗殺部は主人公チームを含み3チームあって、1つが壊滅。残りの2チームが、裏切り者探し&処分に乗り出すという話だったのだが…同等レベルの殺しのプロたちがヤラれたんだから、当然、主人公たちもピンチに陥る。さらには、そんな芸当ができる敵は、身内なのではないかということで…暗殺部は、いつも指令を下す“第三会議室”、「必殺仕事人」で言うところの“元締め”からも距離を置き、敵の正体を探ることになる。はたして、どんな敵が待ち受けるのか。共闘することになる第二課の連中は、いつもの一課の面々以上に個性的であり…もはや漫画レベル(笑)ここまできちゃうとなと思う点もあるが…堅気を装ったヤクザな連中をただぶち殺すだけの、シリーズのワンパターン、マンネリはけっこう打破していて、その部分では面白く読めた。前作、闇カジノに潜入中の主人公チーム、凄腕執行人“サーバル”が…ギャンブルで挑み、ことごとく玉砕した謎のギャンブラーがめっちゃキャラ立ちしてて、再登場しそうな気配もあったけど、今回はぜんぜん出てこなかったな。あのギャンブラーは1作だけの使い捨てだったのかな?前作の中で、ギャンブラーの正体に言及してなかったので、それこそ、他の暗殺部のメンバーとして、サーバルの前に現れるのじゃないかと、期待してしまったんだけど…予想はハズレたな。あと、あんだけ漫画みたいだった第二課の連中も、思ったほど活躍せず。あの辺はもう少し膨らませても良かったんじゃないかな?最近の矢月作品…最後のまとめかたが、ややあっさりしすぎな気もする。今回なんかも、中盤で主人公チームが、“これはヤバイ”って感じたあたりが、なんかピークなんだよなぁ。



矢月秀作 死桜 D1 警視庁暗殺部(祥伝社・文庫)

壊人 D1警視庁暗殺部 (祥伝社文庫) [ 矢月秀作 ]

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ブックオフの古本110円で入手…2020年7月発行、矢月秀作の「壊人 D1 警視庁暗殺部」を読了。矢月センセイの現代版“必殺仕事人”な異色警察小説のシリーズ4作目、通算5冊目(ひとつ前の「人間洗浄」が上下巻だった)。前作の発売が2018年3月、自分が読んだのは同年7月…それ以来となる。ちなみに、シリーズ5作目、通算6冊目の「死桜 D1 警視庁暗殺部」が2022年8月に出ており、そちらも古本入手してあるので、この後、続けて読むつもりだ。冒頭、教育評論家の顔を被った、小児性愛者の変態ジジイが…秘密裏に、拉致され、殺されるところから始まる。てっきり…いつもの主人公チームのミッションなのかと思いきや、似たような“民間の別組織”だった。つまり、ターゲットは粛清されるような社会のゴミであったが、実行しているのも、何の権限も持たない、ただの人殺しということで、警視庁内の極秘部署のお偉方が問題視。ここでようやく、主人公チームに“正体を暴け”という命令が下る。変態ジジイの事件は、表向き猟奇的なバラバラ殺人として捜査がされてるんだけど…実は、移植可能な臓器が抜かれているという事実が判明。もしかしたら、臓器移植の知識がある人間が関わっているのではないかと…そのあたりに事件解決の糸口があるのではないかとなっていく。しかし、チーム内で”自分たちの仕事ではない”と造反するメンバーも…特に”サーバル”と呼ばれる執行人の1人で、元ヤクザの用心棒は、ミッションから離脱し、顔なじみのヤクザが経営する裏カジノに入り浸って、“賭神”と呼ばれる凄腕ギャンブラーとの勝負にのめり込む。いや、マジで…このギャンブラーが負け知らずで、一応、本人も、対戦相手も“イカサマはない”と断言する。もちろん、これがただの枝葉エピソードではなく、ちゃんと本筋に関わっていくフリにもなってるんだけどね。とにかく胡散臭い“賭神”の正体が、なんとなく想像できる描写はクライマックスであるものの、正確な正体に関しては作中で明かしていない。ってことは…次作以降にも再登場するのかな?という感じにはなっている。紆余曲折の果て、最終的には悪党たちを成敗する主人公チーム“暗殺部”の面々。結局、現場復帰するサーバルのピンチなどはそれなりの読みどころではあったが、黒幕の扱いが、めちゃめちゃ大物感を漂わせてる割に、ちょっと拍子抜けであった。“暗殺部”のメンバーたちが、“社会のゴミどもを勝手に粛清している敵”と、自分たちの違いは何なのかと悩み、葛藤する姿は良かったと思う。


矢月秀作 壊人 D1 警視庁暗殺部(祥伝社・文庫)


ブックオフの古本110円で入手…2021年8月発行、櫛木理宇の「灰いろの鴉」を読了。文庫書下ろし。櫛木理宇の作品を読むのは「死刑にいたる病」「鵜頭川村事件」に続いて3冊目くらいじゃないかな?ジャンル的には警察小説…鴉が唯一の親友で、言葉が理解できるという変てこな能力を持っているという設定を知った時には、もっとホラーやSF的な要素が入ってくるのかと思ったが、その特殊設定さえ気にしなければ、けっこうちゃんとした、本格的な警察小説だった。冒頭、老人ホームに暴漢が押し入り、殺傷事件が起きる…おりしも、高齢ドライバーによる暴走事故が多発して、問題になっている時期で、犯人も、老害の年寄りだったら、誰でも良かったのではないかと…当初は無差別殺傷の可能性が濃厚だったんだんだけど、被害者の1人の老人が、32年前に小学生の未成年が起こした“老人連れ去り殺人”の息子だったことから…関連性があるのではないかという疑いも生じてくる。アメリカ人のクォーターで、前述の通り一風変わった能力を持つ(他人には知られてない)主人公刑事も、ショカツの刑事とコンビを組み捜査にあたることになるのだが…実は主人公には複雑な生い立ちもあり、このショカツ刑事は、“血の繋がっていない弟(父親の再婚相手の連れ子)”だったりもして、その真実を相手に告げていないと。さらには、32年前の“老人連れ去り殺人”にも、間接的ながら因縁があったりして、そのあたりも事件、物語の行く末に絡んでいく。導入部の無差別殺傷事件から緊迫感があり、つかみはOK。その無差別殺傷事件や高齢ドライバー問題などはかなり現実の事件をモデルにしているところなんかもあり、時勢に合った意外と社会派な面は興味深く読めるし、主人公の生い立ち、人間関係までも複雑に絡み合った果てに、二転、三転する驚きもあるミステリーとしての面白さも感じらる。だからこその…捜査の転機になる証拠を鴉が持ってくる(もちろん正式なものとは認められない…あくまで主人公が捜査を進めるうえでの指針となる程度)なんて変な展開はなくても良かったんじゃないかなと…その部分は勿体なく感じる。文庫で約330ページほどのボリュームだが、思っていたよりは読み応えのある作品であった。事件は1冊で完結するが…現在は既にシリーズの続編も出ているそうなので、ぜひ読んでみたい。


ボーダレス (光文社文庫) [ 誉田哲也 ]

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ブックオフの古本110円で入手…2021年2月発行、誉田哲也の「ボーダレス」を読了。もともとは2018年8月に単行本で出た作品の文庫化。お話は長編小説なんだけれども、4つの物語が同時進行するスタイル。すべて若い女の子視点(女子高生から女子大生くらいの年齢)で描かれた話が、一区切りごとに、かわるがわる語られるんだけれども…最初は接点がぜんぜんなくて、かなり“とっちらかった印象”を受ける。夏休みの登校日、クラスメイトが小説を書いているのを知り、興味を惹かれていく女子高生の話が1つ目。続いて、家に賊が押し入り、盲目の妹を連れて山を逃げ回る女子大生の話が2つ目。3つ目は音大入試に挫折し、実家の喫茶店を手伝っている女の子と、バンド活動している女子高生の妹の複雑な葛藤を描く話。それから…最後の4つ目が、外出もろくにできない病弱な女の子が、通りすがりの美女にあこがれを抱く話。最初が“小説を書くのが好きな女の子の話”だから…もしかして、あとの3つは、小説家志望の女の子が考えたフィクションなのでは?とまず想像する。そして、小説家志望の女の子が繰り広げる“小説談義”の中で、自分たちの方こそ物語の登場人物ではないのかなんて意味深なことを語り出すから、余計に色々な部分で深読みしたくなる。ただ、まぁ、この辺はまんまと作者にのせられたミスリードでして(いいお客さんだよ)実は、そこまでひねくれた話ではぜんぜんなかった。どこかで繋がりはするんだろうなって思ってて、いざ繋がってからは、“展開強引だな”なんてツッコミを入れつつ、女の子が頑張るキャラ小説としてそつなくまとまった感じ。盲目少女の圭ちゃんは…かなりキャラ立ちしてます。振り返ってみれば、この“とっちらかった”4つの話がどう繋がるんだよって考えてる時が、一番、面白く読めたのかもしれない。なんか映像化されたらしくて、それに合わせた、実写の女の子が写ってるドラマの宣伝カバーと本来のカバーのダブルカバー仕様になっていた。へぇ~、この作品、ドラマで見れるのかとちょっと気になったけど、ひかりTVなどの配信コンテンツらしくて、今の自分が見るには敷居が高そう(汗)


誉田哲也 ボーダーレス(光文社・文庫)

誉田哲也 ボーダーレス(光文社・文庫)

白夜の警官 [ ラグナル・ヨナソン ]
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ブックオフの古本110円で入手…2019年3月発行、ラグナル・ヨナソンの「白夜の警官」を読了。このところ続けて読んでいた著者の“警官アリ・ソウル(ダークアイスランド)”シリーズの翻訳第3弾…実は本国の発刊順では1作目の「雪盲」の次に出ていた本当のシリーズ2作目らしい。翻訳第2弾の「極夜の警官」がなかなか入手できず、長らく積読だったのに…手元にずっとあった「雪盲」と「白夜の警官」を先に読んでも問題なかったというオチ(汗)正規の発刊順と違う…翻訳ミステリーのあるあるです。本当はシリーズ5作目だった「極夜の警官」の方で、1作目で破局した恋人と結婚(?)して子供まで儲けてたり、同じ署の先輩警官がお亡くなりになってたりして…“いったい何があったの?”って思ったんだけど…今回描かれるメイン事件を追いかけながら、そのあたりを詳しく語ったエピソードも同時に描かれていく。さて、メインの事件は…別の署の管轄地区で、トンネル工事に従事していた人間が殺されるという事件が発生し、その被害者がアリ・ソウルたちが管轄する町に仮住まいしていたことで、捜査協力することになる。被害者に関係する人物の多くも同じ町に住んでいたのも、捜査協力の理由の一つ。被害者はいったいどんな理由で殺される羽目になったのか?はたしてそこに事件解決の糸口はあるのか?警察が捜査する一方で、同じ事件に興味を持った女性ジャーナリストもやってきて、警察が聴取した相手なんかも重複して取材しながら、事件の真相に迫っていく。警官アリ・ソウルと女性ジャーナリストが事件を追うという2本の柱があるほかに、最初に書いたアリ・ソウルの元カノの現状だったり、この先どこかで死んじゃうらしい先輩警官の悩みごとだったりも同時に描き、さらには女性ジャーナリストの過去であったり、死んだ被害者の過去だったりも合間合間に挿入されることがあり…それ以外にもどこまでが本筋に関係があるのかつかみきれない事件関係者のバックボーンもやたらと掘り下げる。正直、解説等を抜かして320ページほどの物語のうち、200ページくらいまでは“話がとっちらかった印象”で、頭の中で整理するのが大変で、なんか思ったほど面白くないなって感じだったんだけど…ようやくそれ以降で勢いが乗ってきて、まぁまぁ面白くなってきた。女性ジャーナリストが事件に執着した理由に驚き、何かに対するタイムリミットに手に汗握り、アリ=ソウルと元カノの動向にもけっこう振り回され…。このシリーズの特色だけど、複雑な人間関係を読み解いていくのが本当は面白いんだろうなと。まだまだ各レギュラーキャラの気になることが色々とあるんですけど…この著者の翻訳第4弾以降は、警官アリ・ソウルとはまた違う主人公のシリーズが始まってるらしい。どうせなら先に未翻訳のアリ・ソウルの方をなんとかしてくれよ…。それとも日本の出版社的には、先に5作目の「極夜の警官」が出てるから、それでいいだろうってことなのかな?


ラグナル・ヨナソン 白夜の警官(小学館・文庫)

極夜の警官 [ ラグナル・ヨナソン ]

極夜の警官 [ ラグナル・ヨナソン ]
価格:825円(税込、送料無料) (2023/1/26時点)


ネットオフの古本139円(送料が2冊までメール便で150円)で入手…2018年7月発行、ラグナル・ヨナソンの「極夜の警官」を読了。ひとつ前に読んだ「雪盲」に続く、新人警官アリ=ソウルが活躍するシリーズものの北欧ミステリ、翻訳の第2弾。なんだけれども、本国と発刊順が異なっていて、本来はシリーズの5作目だった(翻訳ものシリーズあるあるですな)…“急に1作目の数年後の話”になってるので、おかしいなと思ったんだよな。でもって、このシリーズで一番最初に古本で入手した翻訳第3弾の「白夜の警官」が実際のシリーズ2作目でした。先にそっちを読めばよかった…けっこう色々なキャラ設定等でネタバレくらっとるがな。ネットでリサーチしてから読めばよかったのか、せめて巻末解説くらい先に読めばよかったのか…それはそれでネタバレに繋がったかもしれないので、なんともいえないけどな(泣)とりあえず内容の簡単な内容と感想を…。当然、本当は5作目なので…主人公のアリ=ソウルは新人ではなくなってます。で、1作目で遠距離恋愛がギスギスしてしまった恋人との間に、知らないうちに子供も生まれてまして、1作目でちょっと浮気した別の女とはそれっきりだったらしい(これはそういう記述がある)。それどころか、子供が生まれたばかりなのに…嫁さんに浮気の兆候が見えたりして、途中を読んでないので余計に、どうなってるんだこのカップル感。職場の環境もだいぶ変わってまして…1作目で警官に採用してくれ、指導役でもあった上司は栄転して都会の警察署に行っちゃった。で、1作目で同僚だった先輩警官はなぜかお亡くなりになってまして…どういう死に方なのかは書いてあるけど、その理由はあまり詳しくは描かれていない。もしかしたら、本来の2作目または未翻訳作品の中で詳細が語られてるエピソードなのかもしれない。そして新任の相棒兼上司(主人公と警察署長の座を争ってたらしいが、主人公の方が負けた)が既に赴任してまして…普段は2人で警察の仕事をこなしてるんだけど、なんと冒頭からこの上司、警察署長が何者かに撃たれるというショッキング展開から始まる。本作は、ほとんど事件なんか起きないはずの田舎町で発生した“警察署長銃撃事件”を縦軸に…関係者たちの過去に迫り、時にそれは事件とまったく別の闇を暴きながら、真相へ向かってくと。本筋の合間には、“精神病棟に入院している患者”視点が挿入され、これがいったい誰の話なのか?事件とどういう関わりを持ってくるのか?なんかもミステリーとしての読みどころ。「雪盲」よりは、アップテンポな感じで読みやすくはなってたんだけど…最初に書いた通り、翻訳の順番が変則だったことで、シリーズものとしての楽しみが損なわれているのが残念だった。これ「白夜の警官」を読んでからだったら、また印象も違ったかもしれない。これから読む人は、日本での発刊順ではなく「雪盲」(2017年発行)→「白夜の警官」(2019年発行)→「極夜の警官」(2018年発行)の方がいいかもね。


ラグナル・ヨナソン 極夜の警官(小学館・文庫)

雪盲 SNOW BLIND [ ラグナル・ヨナソン ]

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ブックオフで入手した古本…370円の値札がついているが、確か30%OFFセールの時に買った記憶があるので、実際の出費は259円くらいだと思う。2017年5月発行、ラグナル・ヨナソンの「雪盲」を読了…田舎町に赴任した新人警官アリ=ソウルが活躍するシリーズものの北欧ミステリ第1作目。実は、ゲームクリエイターの小島秀夫監督が推薦(巻末解説も担当)していた翻訳第3弾の「白夜の警官」というのを一番最初に古本110円で見つけてまして…その後本書を入手。それでもシリーズはなるべく発刊順に読みたいほうなので、未入手の2作目が揃うまで長らく積読だったんだけど、ようやく2作目の「極夜の警官」も古本で入手できたので、1作目から読み始めたと。両親と死に別れ、聖職者になるための勉強をしていたが挫折してしまった主人公…前述の通り、なぜか警察官の道に進むことになり、初めて採用されたのが、都会から離れたド田舎(アイスランドの北端)の警察署。署員も上司と先輩だけなのかな?主人公以外は、住民同士がほとんど顔見知りみたいな場所で…普段は事件らしい事件なんてめったに起こらないんだけれども、演劇の公演が迫る地元の劇団内で不審死が発生!さらには、主人公の新人警官も自宅に不法侵入された挙句、今度は若い女性(劇団関係者の内縁の妻)が半裸状態で雪の中で倒れて発見されるというもっと不可解な事件が続けて起きて…事件なんて起こらないんじゃなかったのかよ?ってことで、町中がザワつきはじめると。冒頭のプレリュード(いわゆるプロローグ)部分で、雪の中で女性が倒れている様子が語られるんだけれども、話はそこから1年近く前まで遡り…新人警官が、付き合っている恋人を置いて、田舎へと旅立つところから語られる。その後は、しばらく新人警官が町に溶け込んでいく様子、または他の住人たちの日常などが描かれまして…それと並行するように、たま~に“女性が自宅で強盗被害に遭う様子も描かれる”んだけど…この話がどうやって本筋に関わってくるのか、よくわからないんだよ。なかなか事件が起きないなって思ってたところで、ようやく最初の不審死に!でも上司たちは、どうやら事故死で片づけたいよう様子で…。想像していたよりも地味だったけど、後半は、一見、平凡に見える住人たちの“暗部”が次々に暴かれていって、ようやく面白くなっていったかなと。あとは主人公の新人警官の恋の行方だよね…遠距離恋愛中のカノジョと、スレ違いが多くなってきたところで、魅力的な相手といい雰囲気になっちゃうんだけど、その新しい女が事件関係者の1人でもあって…大いに悩む。事件の真相はある程度解ったけど(完全にスッキリしないところがリアルなんだろうなと納得)…登場人物の関係性が今後どうなるのか、けっこう気になるかな…。そういう関係性が2作目に継承されているのか…これから確かめたいと思う。


ラグナル・ヨナソン 雪盲(小学館・文庫)