![]() 老いた男 (ハヤカワ文庫NV) [ トマス・ペリー ] |
ブックオフの古本110円で入手した…2020年9月発行、トマス・ペリーの「老いた男」を読了。とある田舎町で、犬2匹と暮らし…妻に先立たれ、たまにやって来る娘や孫と他愛もない会話をする、一見、平凡そうな60代の男性。しかし、自分が何者かに見張られているのに気づき、警戒を強めると、まさに、その直後…家に、賊が侵入する。しかし、それを見越して用意してあった銃で、応戦、見事に賊を退治する!通報で駆け付けた警察も、不幸な事件として対処するも、男は、その後…そっと、住み慣れた土地から立ち去るのだった。実は、かつて政府関係の仕事をしていた、凄腕工作員だったのね。政府からも訳あって逃げており、他にも、過去に携わった作戦に関連して、命を狙われていたのだ。何十年も警戒はしてたけど、慣れで油断もあったのか、ついにこの日が来てしまったのねと。実は娘なんかも事情を把握しており、父親が逃亡生活を始めるのを黙認…ちゃんと独立している娘一家に迷惑をかけないようなプランも練ってあったのだ。とりあえず、愛犬2匹を連れて…次の潜伏先を探すんだけど、そこで魅力的な女性とも出会っちゃったり、なんかしちゃったりして…。何をして追われているのか、誰が追っているのかも、物語の進行と共に、追々わかっていきます。主人公は無事に逃げ延びることができるのか?嘗めてたジジイが強かった…という、アクション映画なんかでもよくあるパターン。老人版の「暗殺者グレイマン」みたいな雰囲気もちょっとある。自分の頭の中では、完璧にリーアム・ニーソンのイメージの主人公…マジでニーソンで実写化したらうまくハマりそう。主人公の追跡に関わってしまったCIAの雇われ工作員の青年との奇妙な関係性…お互いに自分を重ね合ってしまったのかな?実は、主人公の本名も謎(?)だったり…あらかじめ偽名をいっぱい用意してるんだけど、三人称で書かれた文章も、主人公が名前を変える度に、その都度、その呼び方になるんですよ。それが最初は慣れなくて…一瞬、誰だコイツって思う時もあった(笑)後半になると、あっ…また名前を変えたのねって、直ぐに理解できるようになったけど。クライマックスは、なるほど、そういう落とし前のつけ方なのねって感じ…想像してたよりもしっかりと冒険活劇していたな。
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