![]() 天空の犬 [ 樋口明雄 ] |
積読本の中にあった、2012年8月発行、樋口明雄センセイの「天空の犬」を読了…ブックオフの値札がまだ108円の頃に入手していたものだ(いったいいつだよ?)。2013年11月に「天空の犬 南アルプス山岳救助隊K-9」のタイトルで文庫化もされている…今、新刊で購入する場合は、文庫版の方が入手はしやすいだろう。別の出版社でも展開されている"南アルプス山岳救助隊K-9”シリーズの1冊…っていうか、これが一番最初の作品なのか?山岳救助隊員・星野夏実が初めて“山”にやって来た時の話で、着任前には…相棒の救助犬・メイと共に、東日本大震災の被災地へも出向いている。そこで壮絶な経験をし、しばらくはメンタルなどもやられてしまったが、ようやく体調が万全になり、シリーズではお馴染みとなっている“白根御池警備派出所”の常駐勤務となる。前半は、慣れない勤務地で、訓練や、実際の救助作業などを通じて、他の先輩隊員たちの絆を深めていく様子などが描かれる。同時に、県警本部の警察関係者たちが登山にやってくるも…やたらつっけんどんな態度で、山岳救助隊員のことを蔑ろにする。後に、政界のVIPが山に登る予定があるということで、その下調べや準備をしていたと判明…やがて、そのVIPが登頂する日がやって来たが、そんな時に限って、天候も悪いし、救助要請も入るし、そして何やら不穏な空気も漂い…VIPを巻き込んだとんでもない陰謀お進行中で…みたいな展開。他の作品でも、ちょっとだけ説明されていたので、なんとなく設定として知っていたけど…夏実が東日本大震災でどんな経験をしたのかという詳細がようやくわかった。それと同時に、いつもクールな深町巡査や、もう1人の女性隊員・神崎静奈巡査も色々と過去と対峙しており、そのあたりも物語に反映されている。クライマックス近く…1人でピンチを迎えていた夏実のもとへ、静奈が駆けつける、いや、とんでもない方法で参上する場面は、かなり痛快であった、やっぱ静奈さんカッコいい!シリーズを順番通りに読んでいなかったので、今さらになってしまったが…逆に、既に知ってるキャラのエピソード0的な楽しみ方ができて、これはこれでよかった。
![樋口明雄 天空の犬(徳間書店・単行)](https://stat.ameba.jp/user_images/20240717/23/eigasuki2/3d/cb/j/o0452033915464329680.jpg?caw=800)