一面の雪景色。あの金魚草も全滅だなーと歩いていたら、いじらしくも雪の中に咲いていましたよ。
だいぶ萎んでるかな。
誰かが雪だるまを作ったみたい。雪だるまと金魚草です!
今日の絵本は教科書シリーズ。
おにたのぼうし
あまん きみこ 文
いわさき ちひろ 絵
ポプラ社
おにたは気のいい鬼です。
まことくんの家の物置に隠れて住んでいますが、いつもお家の人のために
洗濯物を取り込んでおいてあげたり、
無くしたビー玉を見つけておいてあげたり、
いいことをしているのです。
でも、鬼は悪いものと人間は信じています。だから、節分には豆まきをされて、おにたは出ていかなければなりませんでした。そして、「悪い鬼ばかりじゃないのにな。鬼にも色々あるのにな」と思っています。
「いいうちはないかなあ」と、豆まきをしない家を探していると、とても貧しい女の子のお家に行き着きます。
女の子のお母さんは病気で女の子はお母さんのお世話をしています。お母さんが女の子に「お腹がすいたでしょう?」というと、女の子は「知らない男の子から赤ごはんと鶯豆をもらった」と嘘をついています。
おにたは女の子にご馳走を持って行ってあげました。女の子の嘘と同じことを言って、ご飯を届けたのです。
女の子がにっこり笑いました。でも、その後、女の子は言うのです。
「あたしも豆まきしたいなあ」
「鬼が来るとお母さんの病気が悪くなる」
と言うのです。
おにたはふるふるっと震えて言いました。
「おにだって、いろいろあるのに、おにだって…。」
おにたはかぶっていた麦わら帽子の下に黒い豆を残して消えてしまいます。
後に残った女の子が、その黒豆で静かな豆まきをするところでお話は終わります。
あー、気のいいおにたが報われない悲しい話じゃないか。幸せポイントなんてあるのかな?
と思いますが、
おにたが赤ごはんとうぐいす豆を届けてあげて、女の子が喜んだところ。
この時はおにたも女の子も幸せだったと思うのです。
そして女の子が豆まきをしているところ。
ここは女の子は、幸せかな。
読者としてはおにたはどこへ行っちゃったんだろう?豆になっちゃったのかな?と、ちょっと悲しいところです。
そんなわけで今日は幸せポイントと言っても、
儚くて、ほろ苦い幸せポイントでしたね…。
幸せ不幸せよりもおにたの心の美しさが際立つ
あまんきみこさんの名作でした。
いわさきちひろさんの絵も最高に素晴らしいと思います。