親権停止の審判後の諸事情を考慮して同審判が取り消された事例 | 弁護士江木大輔のブログ

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判例タイムズ1427号等で紹介された事例です(和歌山家裁平成27年9月30日審判)。

 

本件は,前夫との間に8人の子がいる母親が,児童相談所から,当時同居していた交際男性からの二女らに対する性的虐待を受けているとの情報を伝えられていたのに,男性と三女を同室で寝させたり一緒に入浴させるなどしてさらなる性的虐待を招いたこと,男性からの子どもたちに対する暴言を容認していたりしていたことなどを理由として,子どものうち三男,四男,三女,四女に対する2年間の親権停止の審判を受けていたが,母親からの申立により三男の親権停止は解かれた(取り消された)というものです。

 

 

親権停止制度は,親権喪失までは至らない事案などについて一時に親権を停止させるというもので,平成23年の民法改正により規定されたものです。親権停止の期間は最長でも2年間とされています。本件では,期限を待たずに三男については親権停止が取り消されたということになります。

 

民法第836条  第八百三十四条本文、第八百三十四条の二第一項又は前条に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人又はその親族の請求によって、それぞれ親権喪失、親権停止又は管理権喪失の審判を取り消すことができる。

 

親権停止が取り消された事情としては,親権停止の審判後,虐待をしていた男性との交際は断ち切っていること,その後再婚して,三男は現在の夫とも生活しており三男も母親やその現在の夫に対して信頼を寄せていることなどの事情が挙げられ,児童相談所としても親権停止の解除が相当との意見を示していることなどが挙げられています。

 

 

児童相談所が親権停止の取消に賛成しているので家裁としても判断し易かっただろうとは容易に推測できますが,仮に児童相談所が反対しているような場合に,それでも判断が微妙であるケースについてはどのようになるのだろうかとなどと思ったりします。

 

 

 

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