数々の賞を獲った、大人のダーク・ファンタジー。
監督は『ミミック』『ヘルボーイ』などのギレルモ・デル・トロ。
私はファンタジーが大の苦手なので、『ハリーポッター』や『ロード・オブ~』などはあまり好きじゃありません。
しかしこれは本当に大人向けのファンタジー。重く切なくなる事請け合いです。
舞台は内戦下のスペイン。少女オフェリアは戦争で父を亡くし、新しい父親を迎える事になった。
しかし、その義父は独裁政権軍の大尉であり、臨月の母親とオフェリアは義父の宿営所での出産を望まれ、はるばる出向く事になる。
義父は生まれてくる子を男児と決め込み、その子だけを強く望んでいた。あまりにも残忍な義父の大尉での姿に驚愕しつつ、オフェリアは宿営所の横にあるラビリンスに興味を持つ。
そんな時、オフェリアの前に牧羊神・パンが現れ、「あなたは我々の王女である。ずっと捜し求めていた。永遠の命を持つ王女に戻るには、3つの試練を受けてもらう。」と言われる。
元々童話好きなオフェリアは、その牧羊神の話に飛びつき、恐る恐るながらも試練を受けていくのだった。
このオフェリア演じる少女、子役の頃のナタリー・ポートマンっぽくて可愛いです。
出てくる牧羊神や怪物なんて、結構ホラーちっくです。そういった描写も出てくるのですが、驚くほどリアルでした。
この監督がスペイン内戦下の話を書くのは、これで2作目なんです。スペイン映画だし、監督もスペイン人かしら?と思ったらメキシコ人でした。だからこそ、冷静な目で受け取っているのかもしれません。
義父にあたる大尉はとてつもない独裁者で、横顔などヒットラーに似た感じも受けました。この義父の元で辛い生活を強いられるワケですが、こちらは超現実的な話に対し、もう一方ではラビリンスや王女になるための試練など、超ファンタジーな話が繰り広げられます。
始まってしばらくはファンタジー色が濃かったのですが、徐々に現実での恐ろしい話に比重がいきます。怪物等が出てくるストーリーより、現実での出来事の方が何倍も恐ろしいです。
最後は一体どちらで締め括られるのかと思っていたら、見事に1つに纏まりました。
しかし、めちゃくちゃ切ないですよ。
確かにホラーな要素も結構あります。虫が苦手だったり針が苦手な人には背筋が寒くなるシーンも・・・。
でも、結果的には全然絵空事なファンタジーではないんです。だから、私のようにファンタジーが苦手な人も納得いく作品です。
それにしても見事な心理タッチ。そして見事な特殊効果。
この監督、監督になる前は特殊メイクに携わっていたとかで、なるほどな・・と思いました。
後ろで流れる音楽も、ストーリーに沿ってとても切なくなります。
これを見る前に『デビルズ・バックボーン』なんかも見ると更に切なくなる事請け合いです。
去年公開された『永遠の子供たち』なんかは『デビルズ・バックボーン』に本当に感じが似ているのですが、監督はJ・A・バヨナですがデル・トロが制作側に周っているんですね。
お勧めします![]()
ちなみに、これのスペイン原題は『EL LABERINTO DEL FAUNO 』となっていて、FAUNOとは牧羊神と言う意味にあたります。米国ではPAN’Sなんですね。
見たあと、しばらく心に残る映画です。
ラストの解釈は人によって違うようですが、私が思った事は↓に書きましたので読まれる方のみ反転してお願いします。
全ては極限までに追い詰められたオフェリアの妄想だったんだと、私は解釈しました。
辛い現実に置かれると、少なからず子供は妄想の世界へ逃げるものです。
この作品は非常に物悲しいものがありますが、リアルな世界ではもっと非情な事が子供を襲っているのではないでしょうか。
07/04/22




