この機関車は、国鉄ディーゼル機関車黎明期の昭和39年、三井造船が、汽車会社と東洋電機の協力で試作した大型電気式ディーゼル機関車で、客車暖房ボイラーを備えた旅客用で、純白のボディに赤と銀の帯が入った堂々としたもので、車体はEH10電気機関車に似ていました。
スウェーデン製のエンジンで発電してモーターで走行しました。当初DF41と附番され、DF92に改称されました。
同時期、日立はDF90(電気式)とDF93(液体式)、いずれもEF58に似た車体で独逸製エンジン搭載を造り、川崎重工はDF40→DF91(電気式、瑞西ズルツァー社製エンジン搭載)を造り、比較検討されました。
その結果、川崎製のDF91が、台車をCーCの3軸2台車゜これら試作大型機共通)からbーBーBと2軸3台車に変更、貫通式にするなどの改良を経て、DF50として正式採用され、DF91も貫通式にかいぞうされて塗装も改められて四国で共通運用されました。
また、DF50の2次型500番台には、DF90に搭載された独逸マン社のエンジンが搭載されました。
結果、スウェーデン製エンジン搭載の本機と、液体式の93は、不採用で、90と91が、改良の上量産されたことになります。
なお、これとは別に、たった1か月間だけ存在した、幻の初代DF90が存在しました。ほんのわずかな期間しか存在せず、我が国には現存しませんが、実はこの機関車は台湾国鉄の主力機で、完成後国鉄でテストし、終了後台湾に送られて量産されたもので、外観は凸型ながらボンネットの高さが運転席と同じ高さにある、アメリカンスタイルの特異な機関車でした。メーカーは日立で、電気式でした。現在も台湾で1両が保存されています。