111、三次元ナノ構造の制御利用へ
超低燃費タイヤの開発
株式会社ブリヂストン、JSR株式会社
取材: October 2019:https://www.nedo.go.jp/hyoukabu/articles/202001bs/index.html
超低燃費タイヤを実現する「三次元ナノ階層構造制御技術」の開発に成功
近年、自動車業界では急激な環境変化に伴い、地球環境、資源、安全などの社会的問題を解決するための技術開発が積極的に進められています。タイヤは、自動車の部品の中で路面に接している唯一の保安部品ですが、低燃費性能の向上は温暖化対策の観点から重要視されています。しかしながら、低燃費性能はスリップの危険性に関係するグリップ性能、タイヤの寿命に関係する耐摩耗性能とはトレードオフの関係にあるため、これらの性能を同時に向上させることは容易ではありません。こうした中、2012年、株式会社ブリヂストンとJSR株式会社は、NEDOプロジェクトで、従来のタイヤより転がり抵抗を大幅に削減した超低燃費タイヤを実現する「三次元ナノ階層構造制御技術」を開発しました。これによって従来の乗用車用低燃費タイヤゴム(※1)対比で、エネルギーロス(※2)を40%以上低減し、耐摩耗性能を25%以上向上するゴムの技術開発に成功しました。
※1 乗用車用低燃費タイヤゴム:ブリヂストン乗用車用低燃費タイヤ「ECOPIA」に搭載しているトレッドゴム。
※2 エネルギーロス:ゴムが変形をする際に生じるエネルギー損失。タイヤが転動する際にゴムが繰り返し変形することで生じるエネルギーロスは、タイヤ転がり抵抗の約9割を占める。このことから、タイヤ転動によるゴム変形のエネルギーロスを小さくすることで転がり抵抗を下げることができる。
※詳しくは下記資料をご覧下さい。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「
※NEDOさんはH15年4月より国立研究開発法人となっております。
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