2、環境問題対策_高効率クリーンエネルギー自動車の研究開発_クリーンな排出ガスのエコ・ディーゼル車_日産ディーゼル工業株式会社_NEDO取材:November2008:http://www.nedo.go.jp/hyoukabu/articles/200804nissan/index.html
日本では大気汚染の原因と考えられやすいディーゼル車ですが、実は燃費が良いという利点では、地球環境にやさしい自動車でもあります。排出ガスを浄化する仕組みさえあれば、ディーゼル車はエコカーへと変わります。
ディーゼル車をめぐる排出ガスの規制
燃費の良さやパワーが大事な大型トラックや大型バスには、ディーゼルエンジンが利用されます。
一方、大型バスが縦横無尽に走り、全国津々浦々から物流トラックが集まる東京は、ディーゼル車による大気汚染問題に悩まされてきました。都独自の基準を制定し、基準を満たさないディーゼル車の都内走行禁止を条例で定めています。
国でも、こうした動きを受けて、ディーゼル車の排出ガス規制を段階的に厳しくしてきました。この動きは現在でも続いており、2009年10月からは、「ポスト新長期規制」による規制が施行される予定です。
厳しい規制値をクリアする製品を世に送り出すことが、ディーゼル車メーカーには求められるようになりました。
排出ガス規制をクリアするための技術課題は、2種類の大気汚染物質を同時に減らすことです。一つは人の気道や肺に悪影響を与えると言われている粒子状物質(PM:Particulate Matter)、もう一つは、酸性雨の原因となる窒素酸化物(NOx)です。
しかし、「PMとNOxの排出削減はトレードオフの関係なんです。あちらを立てればこちらが立たず。だから我々は苦労するんです」と日産ディーゼル工業PT商品開発アドバンスエンジニアリング担当主管の赤川久さんは言います。
ディーゼルエンジンではPMを減らす運転条件に設定するとNOxが増え、NOxを減らす運転条件に設定するとPMが増えてしまうのです。
こうした一筋縄ではいかない条件をクリアし、次々に厳しくなる規制値にも応えるため、赤川さんらは、新たな排出ガス浄化装置の開発に取り組み、新長期規制が制定される1年も前にその規制値をクリアする、大型ディーゼル車「Quon」を市場に送り出すことに成功しました。
詳しくは当該ページのリンク、並びにPDF資料を添付します。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「
※NEDOさんはH15年4月より国立研究開発法人となっております。
前の記事
【NEDO実用化ドキュメント001】軽油を極限までクリーンにする触媒
【NEDO実用化ドキュメント002】クリーンな排出ガスのエコ・ディーゼル車
次の記事
【NEDO実用化ドキュメント003】生物のしくみをひもとく、強力なツールレーザ顕微鏡の開発