インディーズ唯一のアルバム『灰とダイヤモンド』のレビューはこちら。
GLAYの記念すべきメジャー1stアルバム『SPEED POP』をレビュー!
GLAY - SPEED POP
1995年3月1日リリース、メジャー1stアルバムにして何気にシングル曲やそのカップリング曲が多い『SPEED POP』は、名曲や隠れた名曲も盛り沢山!
トラックリスト
- SPEED POP(Introduction)
- HAPPY SWING
- 彼女の“Modern…”
- ずっと2人で…
- LOVE SLAVE
- REGRET
- INNOCENCE
- Freeze My Love
- 真夏の扉
- Life〜遠い空の下で〜
- JUNK ART
- RAIN
なんとMV(当時で言うところのPV)まで制作されております!シンセサイザーを駆使したくるぞくるぞ!的なワクワク感があるSEですね。
そして続いて2曲目、HAPPY SWINGにていよいよSPEED POPの幕開け!HAPPY SWINGはファンクラブの名前にもなっておりますが、ホーンセクションを駆使していたりと、明らかに『灰とダイヤモンド』にはなかった新たなGLAYの側面。そのまんま、ハッピーな感じにスウィング(独特な躍動/揺れ/ノリ)している。
3曲目、彼女の“Modern…”
留守電にkick!←二度目まして
山本くんが羨ましい曲ですけれどね。
こんなん一生の想い出ですよね。
彼女の“Modern…”は、『灰とダイヤモンド』収録Verとはアレンジ等が異なっている3rdシングルで、プロデューサーに初めて佐久間正英氏を迎えた楽曲であり、TAKRO曰くGLAYにとっての勝負曲と意気込んでいたものの、結果それまでのGLAY史上最悪のオリコン45位という数字を叩き出した楽曲でもあるストレートなロックナンバー。後に「100万人に聴かせてやる!」という野望を抱き、ベストアルバムである『REVIEW-BEST OF GLAY-』に選曲され収録された結果、最終的に500万枚以上を売り上げ、聴衆に聴かせることになるという皮肉なメカニズム←
リフもHISASHIさんのギターソロもカッコいいよ!
ドラムを叩いているのは元DEAD ENDのレジェンドドラマー湊雅史氏。(彼女のModern…のカップリング曲INNOCENCEも湊さんが叩いています。)
4曲目、ずっと2人で…
もはや説明の余地もない不朽の名曲、名バラードですね。
本作『SPEED POP』から5枚目のシングルとしてリカットされた楽曲で、TERUのお姉さんの結婚のためにTAKUROが書き下ろした楽曲。
シングルVerとは最後がフェードアウトするかしないかの違いがある。
ストレートな歌詞でありながら沁みるものがあり、英詞によるラスサビやアウトロのギターソロは本当に最高である。
“Too yung, I can't live without your love
Don't leave me all alone
Tonight thank you for your million smile
In my life never change my heart”
お前はんの愛なしでは生きていけへんから、一人にせんといてほしい。
今夜は数えきれない笑顔をありがとさん。
これからのオレの人生、オレの心は変わらへん。
なんで似非関西弁で翻訳してみたんやろうか?関西人でもないのに。西か東で言えば西やけども。(知らんがな。)
5曲目のLOVE SLAVEは、インディーズ時代のデモテープに収録されていた楽曲。ずっと2人で…の後にこういうハードなロックチューンを持ってくる節操の無さが、白でも黒でもないGLAY(grey)の特色でもある。
TERUの掠れたハスキーボイスとパッセージの早いボーカルがいい感じ。ドラムがHAPPY SWINGと並んでめちゃめちゃハネて躍動してるなと思ったら、このLOVE SLAVEをはじめ2,4,5,6,8,11は日本のレジェンドドラマーそうる透さんが叩いています。
6曲目、REGRET。
本作にも収録されている4thシングル、Freeze My Loveのカップリング曲で、デビュー前に在籍ていたドラマーに対して書いた曲らしいから、AKIRAに向けた楽曲だと思われる。非情な現実が描かれている詩でもあるし、前向きともとれる詩でもある。イントロ等で使われているオクターブ奏法によるギターリフが印象的。
7曲目、INNOCENCE。
シングル“彼女のModern…”のカップリング曲であり、GLAYの隠れた名曲の一つだと思う。SPEED POPのバラードはずっと2人で…だけじゃなく、この曲も聴いてあげてください。
シングルを争ったらしいけど、そら争う。後のBELOVEDとTogetherくらい争う!
最終番のサビメロのコーラスがまたイイんですよね。
詩も儚くて大好き。
“浮かんで消える INNOCENT EYES お前の顔が 全ての痛み癒すから どうか消えないで… 見つめて欲しい
OH BRAND NEW DAY 新しいドレスをまとい踊ったら 何もかも 記憶の奥へ奥へと 眠るまで”
涙で大河ができるわ!
8曲目、Freeze My Love
4thシングルだけれど、『灰とダイヤモンド』収録の隠れた名曲、TWO BELL SILENCEと同一線上にあるメタル直系のV系然とした曲だと思う。
イントロからのシーケンスフレーズが印象的で、ギターのツインリードもメロディアスで気持ちいい。大好きな楽曲。
“錆びたナイフ胸に刺して今は遠い君を思うよ Oh Freeze My Love Forever
同じ月が照らしている君と僕の違う人生 Oh Freeze My Love Forever”
ってここのボーカルパッセージも気持ち良くて大好き。
そしてバスドラをはじめ炸裂するそうる透氏のドラミング!ハイハットの刻み方とかめちゃくちゃ気持ちいい!
9曲目、真夏の扉
2ndシングルで『灰とダイヤモンド』収録のものとはバージョン違い。こちらの方が大分洗礼されている。
佐久間さんプロデュース前の曲だけれど、何気にJIROちゃんのベースがいい仕事しているんですよね。(とは言えプロデュースは元一風堂の土屋昌巳さんで、Life〜遠い空の下で〜と共にギターでも参加。)
ドラムはLife〜遠い空のしたで〜と一緒に元GLAYのAKIRA氏。
そしてその10曲目、Life〜遠い空の下で〜は、真夏の扉のカップリング曲。これはですね。うーん。
やはりお前かU2!
私、よくU2、U2言うてますけど、どれくらいU2かって言うともう、こんくらいU2。
始まるまでが少し長いけど。(Life〜遠い空の下で〜を載せない名(迷)采配。)
これはU2だと引用している記事
11曲目のJUNK ARTは、インディーズ時代のデモテープに収録されていた曲ですが、本作ではLOVE SLAVEとの双璧を成す荒々しさ、刺々しさですね。なんか一拍くらい間を置いてくるような独特なノリで、やっぱめちゃめちゃ跳ねてますね。そうる透氏の存在感、凄まじい。
そして最後12曲目が、『灰とダイヤモンド』収録Verとはアレンジが異なるメジャー1stデビューシングルのRAIN。
厳密にはシングルに入っていた雨の音はカットされています。
YOSHIKIがピアノを演奏し、アレンジもYOSHIKIであり、ストリングスが全面に出ていて明らかにYOSHIKIアレンジに仕上がっています。尚、作詞もYOSHIKI名義。
ここまでなってくると、どっちがどっちのプロモーションなりプロデュースしてんだいって思ったりもする。まぁセルフプロデュースもあるでしょうし、結果Win-Winなんでしょう!
RAINに関するGLAYとYOSHIKIの逸話に関しては、GLAYとYOSHIKIの出会いも含めて、興味あったらググってみてください。
TERUによる間奏部での英語のセリフ
“Laying down outside with a pain filled heart
Daybreak, gazing at the sky
The star shinning, holds my memory
Apart, yet under the same sky
I can see you light
But, why can't my heart reach you
You just shine my solitary heart
without saying anything
I embrace your light, your memory”
“痛みに満ちた心で外に横たわる
夜が明け、空を眺める
輝く星が、私の想い出を保持する
離れていても、同じ空の下で
あなたの光が見える
でも、何故私の心はあなたに届かないのだろう
何も言わずに
あなたの光、あなたの記憶を抱きしめる”
全オレが泣いたらしいけど、ここ、YOSHIKIが書いてんな!YOSHIKIさんらしい詩ってあるんですよ。こと特に当時の音楽面においてはYOSHIKIさんもリスペクトする私にはわかる!
はい。全体的に好きなアルバムだけれど…