インディーズ唯一のアルバム『灰とダイヤモンド』のレビューはこちら。


GLAYの記念すべきメジャー1stアルバム『SPEED POP』をレビュー! 


GLAY - SPEED POP


1995年3月1日リリース、メジャー1stアルバムにして何気にシングル曲やそのカップリング曲が多い『SPEED POP』は、名曲や隠れた名曲も盛り沢山!


トラックリスト

  1. SPEED POP(Introduction)
  2. HAPPY SWING
  3. 彼女の“Modern…”
  4. ずっと2人で…
  5. LOVE SLAVE
  6. REGRET
  7. INNOCENCE
  8. Freeze My Love
  9. 真夏の扉
  10. Life〜遠い空の下で〜
  11. JUNK ART
  12. RAIN
全12曲中5曲がシングル曲、3曲がシングルのカップリング曲(B面)、一曲がイントロダクション。

ベストアルバムかな?←

それくらい充実しているということですね。実際改めて久々に聴いてみますと、すごく充実していました。何なら思春期だか青春時代だかに聴いていた当時よりも楽しめました。

1曲目、プロデューサーである佐久間正英氏作曲によるイントロダクションでありタイトルトラックのSPEED POP。



なんとMV(当時で言うところのPV)まで制作されております!シンセサイザーを駆使したくるぞくるぞ!的なワクワク感があるSEですね。


そして続いて2曲目、HAPPY SWINGにていよいよSPEED POPの幕開け!HAPPY SWINGはファンクラブの名前にもなっておりますが、ホーンセクションを駆使していたりと、明らかに『灰とダイヤモンド』にはなかった新たなGLAYの側面。そのまんま、ハッピーな感じにスウィング(独特な躍動/揺れ/ノリ)している。


3曲目、彼女の“Modern…”



留守電にkick!←二度目まして


山本くんが羨ましい曲ですけれどね。



こんなん一生の想い出ですよね。

彼女の“Modern…”は、『灰とダイヤモンド』収録Verとはアレンジ等が異なっている3rdシングルで、プロデューサーに初めて佐久間正英氏を迎えた楽曲であり、TAKRO曰くGLAYにとっての勝負曲と意気込んでいたものの、結果それまでのGLAY史上最悪のオリコン45位という数字を叩き出した楽曲でもあるストレートなロックナンバー。後に「100万人に聴かせてやる!」という野望を抱き、ベストアルバムである『REVIEW-BEST OF GLAY-』に選曲され収録された結果、最終的に500万枚以上を売り上げ、聴衆に聴かせることになるという皮肉なメカニズム←

リフもHISASHIさんのギターソロもカッコいいよ!

ドラムを叩いているのは元DEAD ENDのレジェンドドラマー湊雅史氏。(彼女のModern…のカップリング曲INNOCENCEも湊さんが叩いています。)


4曲目、ずっと2人で…



もはや説明の余地もない不朽の名曲、名バラードですね。

本作『SPEED POP』から5枚目のシングルとしてリカットされた楽曲で、TERUのお姉さんの結婚のためにTAKUROが書き下ろした楽曲。

シングルVerとは最後がフェードアウトするかしないかの違いがある。

ストレートな歌詞でありながら沁みるものがあり、英詞によるラスサビやアウトロのギターソロは本当に最高である。


“Too yung, I can't live without your love

Don't leave me all alone

Tonight thank you for your million smile

In my life never change my heart”


お前はんの愛なしでは生きていけへんから、一人にせんといてほしい。

今夜は数えきれない笑顔をありがとさん。

これからのオレの人生、オレの心は変わらへん。


なんで似非関西弁で翻訳してみたんやろうか?関西人でもないのに。西か東で言えば西やけども。(知らんがな。)


5曲目のLOVE SLAVEは、インディーズ時代のデモテープに収録されていた楽曲。ずっと2人で…の後にこういうハードなロックチューンを持ってくる節操の無さが、白でも黒でもないGLAY(grey)の特色でもある。

TERUの掠れたハスキーボイスとパッセージの早いボーカルがいい感じ。ドラムがHAPPY SWINGと並んでめちゃめちゃハネて躍動してるなと思ったら、このLOVE SLAVEをはじめ2,4,5,6,8,11は日本のレジェンドドラマーそうる透さんが叩いています。


6曲目、REGRET。

本作にも収録されている4thシングル、Freeze My Loveのカップリング曲で、デビュー前に在籍ていたドラマーに対して書いた曲らしいから、AKIRAに向けた楽曲だと思われる。非情な現実が描かれている詩でもあるし、前向きともとれる詩でもある。イントロ等で使われているオクターブ奏法によるギターリフが印象的。


7曲目、INNOCENCE。

シングル“彼女のModern…”のカップリング曲であり、GLAYの隠れた名曲の一つだと思う。SPEED POPのバラードはずっと2人で…だけじゃなく、この曲も聴いてあげてください。



シングルを争ったらしいけど、そら争う。後のBELOVEDとTogetherくらい争う!

最終番のサビメロのコーラスがまたイイんですよね。

詩も儚くて大好き。


“浮かんで消える INNOCENT EYES お前の顔が 全ての痛み癒すから どうか消えないで… 見つめて欲しい

OH BRAND NEW DAY 新しいドレスをまとい踊ったら 何もかも 記憶の奥へ奥へと 眠るまで”


涙で大河ができるわ!


8曲目、Freeze My Love



4thシングルだけれど、『灰とダイヤモンド』収録の隠れた名曲、TWO BELL SILENCEと同一線上にあるメタル直系のV系然とした曲だと思う。

イントロからのシーケンスフレーズが印象的で、ギターのツインリードもメロディアスで気持ちいい。大好きな楽曲。


“錆びたナイフ胸に刺して今は遠い君を思うよ Oh Freeze My Love Forever

同じ月が照らしている君と僕の違う人生 Oh Freeze My Love Forever”


ってここのボーカルパッセージも気持ち良くて大好き。

そしてバスドラをはじめ炸裂するそうる透氏のドラミング!ハイハットの刻み方とかめちゃくちゃ気持ちいい!


9曲目、真夏の扉



2ndシングルで『灰とダイヤモンド』収録のものとはバージョン違い。こちらの方が大分洗礼されている。

佐久間さんプロデュース前の曲だけれど、何気にJIROちゃんのベースがいい仕事しているんですよね。(とは言えプロデュースは元一風堂の土屋昌巳さんで、Life〜遠い空の下で〜と共にギターでも参加。)

ドラムはLife〜遠い空のしたで〜と一緒に元GLAYのAKIRA氏。


そしてその10曲目、Life〜遠い空の下で〜は、真夏の扉のカップリング曲。これはですね。うーん。


やはりお前かU2!


私、よくU2、U2言うてますけど、どれくらいU2かって言うともう、こんくらいU2。


始まるまでが少し長いけど。(Life〜遠い空の下で〜を載せない名(迷)采配。)

これはU2だと引用している記事


11曲目のJUNK ARTは、インディーズ時代のデモテープに収録されていた曲ですが、本作ではLOVE SLAVEとの双璧を成す荒々しさ、刺々しさですね。なんか一拍くらい間を置いてくるような独特なノリで、やっぱめちゃめちゃ跳ねてますね。そうる透氏の存在感、凄まじい。


そして最後12曲目が、『灰とダイヤモンド』収録Verとはアレンジが異なるメジャー1stデビューシングルのRAIN。



厳密にはシングルに入っていた雨の音はカットされています。

YOSHIKIがピアノを演奏し、アレンジもYOSHIKIであり、ストリングスが全面に出ていて明らかにYOSHIKIアレンジに仕上がっています。尚、作詞もYOSHIKI名義。

ここまでなってくると、どっちがどっちのプロモーションなりプロデュースしてんだいって思ったりもする。まぁセルフプロデュースもあるでしょうし、結果Win-Winなんでしょう!

RAINに関するGLAYとYOSHIKIの逸話に関しては、GLAYとYOSHIKIの出会いも含めて、興味あったらググってみてください。


TERUによる間奏部での英語のセリフ


“Laying down outside with a pain filled heart

Daybreak, gazing at the sky

The star shinning, holds my memory

Apart, yet under the same sky

I can see you light

But, why can't my heart reach you

You just shine my solitary heart

without saying anything

I embrace your light, your memory”


“痛みに満ちた心で外に横たわる

夜が明け、空を眺める

輝く星が、私の想い出を保持する

離れていても、同じ空の下で

あなたの光が見える

でも、何故私の心はあなたに届かないのだろう

何も言わずに

あなたの光、あなたの記憶を抱きしめる”


全オレが泣いたらしいけど、ここ、YOSHIKIが書いてんな!YOSHIKIさんらしい詩ってあるんですよ。こと特に当時の音楽面においてはYOSHIKIさんもリスペクトする私にはわかる!


はい。全体的に好きなアルバムだけれど…


  強いておすすめの曲を挙げるなら

3.彼女の“Modern…”、4.ずっと2人で…、7.INNOCENCE、8.Freeze My Loveって感じですかね。

INNOCENCE以外がREVIEW収録曲なのは、多分リアルタイムでヘビロテしていたのがREVIEWだったからなんだと思われる。
そしてRAINが入らないのは、凄く素晴らしい曲ではあるんだけれど、ピアノ、ストリングスアレンジを筆頭にあまりにもYOSHKI色が強すぎて、GLAYの曲としてとなると、同じバラードでもずっと2人で…や、INNOCENCEに、個人的な軍配があがる。