Aspirin Use to Prevent Cardiovascular Disease: US Preventive Services Task Force Recommendation Statement

JAMA. 2022 Apr 26;327(16):1577-1584.

PMID: 35471505

 

・10年のCVDリスクが10%以上の40~59歳の成人のために、個々の患者において一次予防のために低用量アスピリンを開始する(グレードC)

・60歳以上の成人に対して、CVDの一次予防のために低用量アスピリンは開始しない(グレードD)

 

前回の推奨では対象年齢がCVDリスクが10%以上の50~59歳となっていたのが、40~59歳に引き下げられた

それでも正味の有益性が僅かであり、グレードはCに留まる

60歳以上では正味の利益がなく、一次予防としてアスピリンを使用しないことを推奨されている

年齢が進むにつれ、有益性が低下し、出血リスクが増加するため、治療終了の年齢として75歳が提案されている

実臨床では一次予防としてのアスピリンが乱用されているように感じる

米国と日本では事情が異なる点もあると思うが、リスクも考慮して適切に開始または終了できるよう提案していきたい

Effect of 15-mg Edoxaban on Clinical Outcomes in 3 Age Strata in Older Patients With Atrial Fibrillation: A Prespecified Subanalysis of the ELDERCARE-AF Randomized Clinical Trial

JAMA Cardiol. 2022 Apr 13. doi: 10.1001/jamacardio.2022.0480.

PMID: 35416910

 

P:80歳以上の心房細動既往のある患者

I:エドキサバン15mg/日

C:プラセボ

O:3年齢階層毎の脳卒中または全身性塞栓症の複合、大出血イベント

 

結果:脳卒中または全身性塞栓症

80~84歳:I群で1.6%、C群で3.9%(HR:0.41、95%CI:0.13~1.31)

85~89歳:I群で2.8%、C群で7.3%(HR:0.42、95%CI:0.17~0.99)

90歳~:I群で2.4%、C群で10.1%(HR:0.23、95%CI:0.08~0.68)

大出血イベント

80~84歳:I群で2.2%、C群で0.4%(HR:5.27、95%CI:0.61~45.36)

85~89歳:I群で2.2%、C群で3.0%(HR:0.74、95%CI:0.24~2.33)

90歳~:I群で6.5%、C群で2.1%(HR:3.02、95%CI:0.82~11.21)

 

超高齢患者に対し低用量エドキサバンは脳卒中または全身性塞栓症予防効果があると考えられる

用量調節の幅が広がったことで、DOACの中でもエドキサバンは使用しやすい薬剤であると思われる

ただし、低用量であっても大出血イベントを増加させるため、塞栓症のリスクと出血のリスクのバランスの考慮は引き続き必要であろう

A non-inferiority study of the novel selective urate reabsorption inhibitor dotinurad versus febuxostat in hyperuricemic patients with or without gout

Clin Exp Nephrol. 2020 Mar;24(Suppl 1):71-79.

PMID: 31970593

 

P:尿酸値≧7mg/dLの通風既往患者、尿酸値≧8mg/dLで高血圧・糖尿病・メタボリックシンドロームを合併する無症候性高尿酸血症患者、尿酸値≧9mg/dLで合併症のない無症候性高尿酸血症患者

I:ドチヌラド2mg/日

C:フェブキソスタット40mg/日

O:尿酸値低下率

 

結果:血清尿酸値の低下率はI群で41.82(±11.47)、C群で44.00(±10.63)とI群のC群に対する非劣性が示された(両群の差:-2.17、95%CI:-5.26~0.92、非劣性マージン:-10%)

痛風性関節炎の発生割合はI群で3.0%に対しC群で5.9%であった

 

フェブキソスタットと同等の血清尿酸値低下作用があり、しかも腎機能低下患者においても同等の低下作用を示していたため、フェブキソスタットと同様に使いやすい薬剤と考えられる

痛風性関節炎の発生割合はフェブキソスタットの方が多い傾向が見られた

フェブキソスタットはアロプリノールとの比較試験でも試験初期に痛風性関節炎が多く発生する傾向が見られたため、長期試験での比較が見たいところ

今回の試験でも尿アルカリ化剤の使用規定が定められており、実際の使用割合は示されていないが、多くの患者で併用されていたと考えられる

臨床現場では尿アルカリ化剤が併用されないケースも多いと思われるため、尿路結石に注意が必要と思われる

Dotinurad versus benzbromarone in Japanese hyperuricemic patient with or without gout: a randomized, double-blind, parallel-group, phase 3 study

Clin Exp Nephrol. 2020 Mar;24(Suppl 1):62-70.

PMID: 31980978

 

P:尿酸値≧7mg/dLの通風既往患者、尿酸値≧8mg/dLで高血圧・糖尿病・メタボリックシンドロームを合併する無症候性高尿酸血症患者、尿酸値≧9mg/dLで合併症のない無症候性高尿酸血症患者

I:ドチヌラド2mg/日

C:ベンズブロマロン50mg/日

O:尿酸値低下率、尿酸値≦6mg/dLの達成割合

 

結果:血清尿酸値の低下率はI群で45.9±11.9%、C群で43.8±11.8%で両群の差は2.0%(95%CI:-1.27~5.37)で有意な差はなかった

尿酸値≦6mg/dL以下を達成した割合はI群で86.2%、C群で83.6%と、こちらも差がなかった(p=0.693)

痛風性関節炎の発生割合はI群で7.8%、C群で5.1%であった(p=0.569)

 

ドチヌラド2mg/日とベンズブロマロン50mg/日は同等の血清尿酸値の低下作用が見られた

最大投与量(ドチヌラド4mg/日、ベンズブロマロン150mg/日)を考えると、ベンズブロマロンの方が血清尿酸値を低下させることができるのかもしれない

痛風性関節炎の発生は有意差が見られないもののドチヌラドの方が多い傾向が見られたことには注意が必要

ドチヌラドの長所は肝障害の副作用が少ないと考えられることくらいか

Repaglinide versus nateglinide monotherapy: a randomized, multicenter study

Diabetes Care. 2004 Jun;27(6):1265-70.

PMID: 15161773

 

P:3ヵ月間の食事・運動療法を受けたHbA1c7~12の糖尿病患者

I:レパグリニドを1回0.5mgから開始し、最大16mg/日

C:ナテグリニドを1回60mgから開始し、最大360mg/日

O:HbA1cの変化量と空腹時血糖値(FPG)の変化量

 

結果:投与量の中央値はI群で6mg/日、C群で360mg/日であった

HbA1cの減少量はI群で-1.57%、C群で-1.04%であり、I群の方が有意に減少した(p=0.002)

FPGの減少量はI群で-57mg、C群で-18mgであり、I群の方が有意に減少した(p<0.001)

体重増加量はI群で1.8kgであったのに対し、C群は0.7kgであった(p=0.04)

軽度の低血糖はI群で7%に発生したのに対し、C群では低血糖の発生はなかった

 

海外のレパグリニドの投与量は日本(最大3mg/日)と比べてかなり大きいため、有効性比較の資料としてはあまり役に立たないように思われる

用量依存的に血糖低下作用が高まるが、低血糖出現が増え、体重も増えることが確認できたと言える

Intramuscular AZD7442 (Tixagevimab-Cilgavimab) for Prevention of Covid-19

N Engl J Med. 2022 Apr 20. doi: 10.1056/NEJMoa2116620.

PMID: 35443106

 

P:ワクチンの効果が不十分な可能性が高い、または暴露リスクの高い成人

I:AZD7442(300mg)を単回筋注(3461人)

C:プラセボを単回筋注(1736人)

O:有害事象の発生(安全性解析)とCOVID-19の発症(有効性解析)

 

結果:I群の35.3%、C群の34.2%に有害事象が発生し、そのほとんどは軽度または中等度であった

PCR陽性の症候性COVID-19を発症した患者はI群で0.2%、C群で1.0%であった(相対リスク減少:76.7%、95%CI:46.0~90.0、p<0.001)

 

有害事象の詳細は明らかではないが、有害事象には大きな差がなくて安全性は高そうに見える

高い有効性が示されたが、試験が行われたのがCOVID-19流行初期であるためにオミクロン株の感染は評価されていない事に注意が必要(有効性の懸念から現在はオミクロン株に対して600mg/回で使用されているらしい)

死亡は全体で8人確認されているが、そのうち4人が違法薬物の過剰摂取によるものといいうのが…

Efficacy and safety of repaglinide vs nateglinide for treatment of Japanese patients with type 2 diabetes mellitus

J Diabetes Investig. 2012 Jun 6;3(3):302-8.

PMID: 24843581

 

P:日本人の2型糖尿病患者(130人)

I:レパグリニド0.5mg×3(64人)

C:ナテグリニド90mg×3(66人)

O:HbA1cの変化量

 

結果:HbA1cの減少量はI群で-1.17±0.62、C群で-0.81±0.39と、I群の方が減少量が大きかった(p<0.001)

低血糖の発生はI群で17.2%に対し、C群で6.1%であった

 

ナテグリニドの供給量が減る見込みのため、今後ナテグリニドから他の薬剤に変更する必要に迫れることが多くなりそう

ナテグリニドからレパグリニドに変更する場合、ナテグリニド90mgからレパグリニド0.5mgに変更すると効き過ぎの可能性があるため、0.25mgに変えるのが無難そう

Calorie Restriction with or without Time-Restricted Eating in Weight Loss

N Engl J Med. 2022 Apr 21;386(16):1495-1504.

PMID: 35443107

 

P:BMI28~45の肥満患者139人

I:カロリー制限(男性1500~1800kcal、女性1200~1500kcal)+時間制限(午前8時~午後4時内に食事摂取)

C:カロリー制限のみ

O:12ヵ月後の体重変化量

 

結果:体重変化量はI群で-8.0kg(95%CI:-9.6~-6.4)、C群で-6.3kg(-7.8~-4.7)と両群で有意差なし(両群の差:-1.8kg、95%CI:-4.0~0.4、p=0.11)

 

ダイエットにはトータルの食事量が重要で、食事時間はあまり関係なさそうというお話

これをもって夜食を摂っても大丈夫という事にはならないでしょうが、

仕事などで夕食の時間が遅くなってしまう人には朗報なのかも