本日も簿記論ブログにお越し
いただき誠にありがとうございます。
初めましての方はこちらをお読みください。
本日は九州地方は天気の良い日でした。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
さて、今日は工業簿記のお話について
書きたいと思います。
私自身、中小企業のクライアントさん
を回っていて感じていのですが、
しっかり原価計算を行えている企業さん
はやはり少ない印象です。
そもそも、原価計算について理解して
いる人材がなかなかいないという
現状があるのだと思います。
ちなみに、
アメリカの鉄鋼王で、ナポレオン・ヒル
に「成功哲学」教えたアンドリュー・カー
ネギーが自身の自伝で下記のことを語って
います。
「製鉄事業に従事して、私は、いろいろの
製造過程で、一つの作業にどれだけ経費が
かかるのか、いわゆる原価計算について
何も分かっていないのにひどく驚いた。(中略)
まるでもぐらが暗い土の中でもぐもぐやって
いるようなもので、私はこんなことではなら
ないと思った。」
【カーネギー自伝〜P148】
まぁ、昔から原価計算は難しかった
のだと思います。
簿記検定2級から工業簿記を勉強します
が、多くの方が苦手にしますし、
問題といて答えは合うんだけど、
なんか分かったような、分からない
ような感じがする方も多いのではないで
しょうか。
この原価計算についての重要性と
人材育成の必要性についてですが、
実はトラック業界の方でも
謳われています。
私共にトラック協会様の方から
原価計算を含めた財務と分析に関する
研修の依頼がきているのですが、
トラック業界の原価計算って
どんなふうになっているかご存知で
しょうか?
2級工業簿記とか勉強していると、
業種とかが変わると、もう分からない
という感じがするかと思うのですが、
そんなことはありません。
トラック業界の原価計算について
公益財団法人全日本トラック協会さん
が出している
「原価意識強化セミナーテキスト」
ー原価計算等の基礎・実践・強化編ー
からちょっとご紹介したいと思います。
車両単位の原価計算について、
1.直近決算の会社全体の費用のうち
から運送事業の費用を抜き出します。
2.トラック運送業の費用は次の
ように分類できます。
⑴トラック車両に直接割り付け
できる費用(車両・運行に関する費用)
①変動費
・運行費(燃料費など)
②固定費
・車両の保険料
・運転者人件費など
③諸経費
・高速道路利用料
⑵トラック車両に直接割り付け
できない費用(一般管理費等)
①固定費
・事務所の取得費用・維持費用など
⑵トラック車両に直接割り付け
できない費用(一般管理費等)について
→1ヶ月分の運送事業全体の間接費
を一定の配分率(運賃貢献度等)を
設定して、各車両に割り付けます。
以上、簡単に列挙してみたのですが
上記のようなことがテキストに書かれて
います。
さぁ、どんな印象をお持ちでしょうか?
なんか、2級の工業簿記で習ったのとは
少し違うな〜とか、
なんか難しそうだな〜という感想を
持った方もいらっしゃるでしょう。
ここで、
今回トラック業界さんの原価計算を
ご紹介した理由ですが、
工業簿記の勉強において、
そもそもの原価計算における根本原理
を理解していただきたいとの思い
からご紹介しました。
その根本原理とは何か?
原価は、直接費と間接費に分類され、
前者は直課、後者は配賦がされる
配分計算という点です。
これ以外の計算方法はありません。
直で集計できるもの直で集計する。
直で集計できないものは配分計算する。
これだけです。
原価計算の具体的な計算方法は、
製造工程などの違いにより、工場ごとに
それぞれ違ってきます。
また、上記のトラック業界の原価計算
のように、業種がことなると
その具体的な計算方法はことなります。
しかし、上記のトラック業界の原価計算
を見ていただければ分かるように、
原価は、直接費と間接費に分類され、
前者は直課、後者は配賦がされる
配分計算が行われる
という根本原理は変わりません。
また、原価管理においては
原価を変動費と固定費に分解する
というのが根本原理になります。
以上、ざっとですが、
原価計算におけるこのような
根本原理を頭の片隅に入れて
お持ちのテキストで勉強してみて
ください。
これだけで、だいぶスッキリして
学ぶことができるかと思います。
しかし!
ここで、勘違いしないで欲しいのは、
工業簿記は、上述の「原価計算」
の部分以外に、「帳簿記入」の
部分があるということです。
複式簿記を使った「帳簿記入」は
上記とはまた別ですので、そこは
ちゃんと分けて学習してみてください。
(関連記事はこちら)
今回の内容は以上です!
なかなか状況が見えない時ですが、
学びを止めずに頑張りましょうね!
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