今日お届けする記事も診療所の公式ブログから削除しなければならなくなった記事をリライトしたものです。
病気の解説とは全く無関係の記事だからです。
でも、とても大切な内容なので是非読んで頂いて日頃の防災に役立てて欲しいと思います。
私は阪神大震災を経験してから防災意識を持つようになりました。
そして2018年6月18日朝に起こった大阪北部を震源とする地震は、久々に身の危険を感じるものでした。
亡くなられた方々、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
私の阪神・淡路大震災の経験
今回の地震では揺れた瞬間、1995年1月17日の早朝に起こった阪神・淡路大震災がよぎりました。
忘れもしないあの地震。
寝ていたのに体が宙に浮くという経験を初めてしました。
最初、飛行機がすぐそこに墜落した・・・と思いました。
ものすごい爆音と激しい縦揺れ。
縦揺れが終わったと同時に長い横揺れが・・・。
家をまるごとシェイクされているような感じでした。 家具を始め、すべてのものが落下、置いてあるモノが飛んでくる恐怖。。。
幸い、寝ている場所には家具を置いていなかったので助かりましたが、寝る部屋を間違えれば完全に死んでました。
揺れが収まり動こうとしても真っ暗闇。
停電が起こると夜がこんなにも暗いのだと実感。
本当に何も見えない。
下の階から「大丈夫か〜」という両親の声。
声だけで無事であることを確認。
全く動けず。
季節は冬。
日の出が遅かったので夜が白んでいくのを待ちました。
ようやく動けるくらい空が明るくなってきたと同時に両親と無事を確認。
地震だと気付いたのは30分ほど経過してからでした。
本当に飛行機が墜落したと思ったのです。
それくらい爆音でした。
しかも割とすぐに消防車のサイレンが聞こえたので飛行機の墜落だと思っていました。
「地震やとしたら、これは相当やばいで」と父親が携帯ラジオのスイッチを入れ、兵庫県を震源とする地震であることを知りました。
停電しているのでテレビも付きません。
ネットが普及していない時代ですから情報源はテレビやラジオしか無かった時代。
携帯ラジオが本当に役に立ちました。
以来、私は寝室に必ず電池式の携帯ラジオを置いています。
ラジオが一番情報が早かった。
当たり前の日常が突然、非日常になるという初めての経験でした。
しばらく体の震えが止まらず余震で眠れない日々が続き、
「生」の遠い延長上に「死」があるのではなく、生と死は「すぐ隣り合わせ」だと知った瞬間でもありました。
「生きている」のではなく「生かされている」ことを知った瞬間でもあり、生きていることを感謝した初めての経験でもありました。
それから私の人生はガラリと変わりました。
日頃役に立つ食器棚やテレビなどが地震の時には凶器に変わるのだという経験をしてから、
家具は必ず壁面に固定する
寝室には地震で吹っ飛びそうなものは置かない
寝る時には枕の下に懐中電灯を挟んで寝る
を心がけるようになりました。
阪神・淡路大震災では多くの人が家具などの下敷きになり亡くなられました。
テレビが飛んでくるなんて日頃誰が想像したでしょう。
だから私はテレビも壁面に固定しています↓↓
冷蔵庫もソファも電子レンジも耐震マットを敷いて設置しています。
大きな横揺れで、ありとあらゆるものが水平方向に動くからです。
マットがあるのと無いのとでは大違いです。
このような防災グッズ情報は岡部梨恵子さんのブログを参考にして購入しました。
私は防災のプロではありませんが、日頃から取り組んでいる診療所の防災についてこのブログでお伝えしたいと思います。
痔や便秘やお尻の話とは全く関係がありませんが、皆さんの参考になれば、そして少しでもお役に立てれば幸いです。
外で地震に遭ったら・・・
診療所では1年に1回、消防署の方に来て頂いて消防訓練を実施しています。(一応、義務なので必ずやっています。私も院長も防火管理者の資格も持っています。)
火災を想定した訓練なのですが、地震や津波などの災害についても消防署の方が教えてくれました。
その中で印象に残っているのが屋外で地震に遭遇したときの対処法です。
大切なことは「建物から離れる」こと なんです。
それを聞いた時は、
え?建物に隠れるじゃなくて?
建物から離れる???
と思いました。
理由は
「窓ガラスや看板などが落下してくる危険があるから」
だそうです。
そして
「地震はいつ起こるか分からない。突然起こるから、常に『今、この瞬間、地震が起こったら・・・』とシミュレーションしながら外を歩いてみて下さい。何が危険か、どこが安全か、どうすればいいか、自分なりにイメージしておく事が大切です。」
と言われました。
以来、いつもじゃないですが、外を歩く時、建物を確認したり、上を見てチェックするようになりました。
普段は建物を見上げて歩くなんてことはありませんから、こうして実際に見ると確かに危険がいっぱいです。
ブロック塀もそうです。
倒壊の危険があるので揺れたら何かにつかまりたくなるのですが、とにかく建造物から離れる、揺れがひどければ、かがんで頭を手で覆う、カバンなどで覆うことが大切だそうです。
要するに大切なことは2つ。
建物から離れる
頭をかばう
これならパニックになっても出来そうですよね?
屋内で地震に遭ったら・・・
建物から出ることが原則ですが、揺れがひどいと無理です。
マンションだと玄関のドアが開かなくなることもあるため、すぐに開けに行くことも大切ですが、阪神・淡路大震災の時の揺れだと無理だったと思います。
揺れが収まってから脱出を試みるのですが、揺れている間は屋外の時と同じです。
倒れてきそうなものから身を守り、頭をかばう。
何でもいいんです。
クッションや座布団、布団、カバン、服など、手近にある頭を守れそうなものを使います。
それがなければ身を丸めて手でかばいます。
だから常に頭をかばえるものを身近に置いておくことがベストです。
建物自体が倒壊することもありますからヘルメットを枕元に置いておくと良いでしょう。
寝室であれば布団で身を守るのが一番手っ取り早いです。
掛け布団が薄ければ敷き布団で体を守ることも出来ますから。
診療所におけるエレベーターの防災
2018年6月の地震で診療所のエレベーターが止まりました。
幸い、誰も乗っていなかったので良かったのですが、大阪府内のエレベーターで閉じ込めがあちこちで発生しました。
うちの診療所のエレベーターもそうですが、ほとんどのエレベーターが地震管制運転装置付です。
つまり地震発生と同時に最寄り階に止まり戸が開くようになっています。
そうなんですが昨日の直下型地震のように突然どーんと強い揺れが来てすぐに停電すると、この装置が働く時間もなく止まってしまいます。
実際止まってしまいました。
だから地震管制雲底装置が付いているからって安心出来ない。
閉じ込められるとエレベーターを管理している会社の人が来るのを待つしかありません。
昨日の地震では診療所のエレベーターには誰も居ないことが分かっていたので、それを管理会社に伝え、閉じ込められている所を優先してもらいました。
そしてやっと3日後、復旧しました!
でも乗りません。乗れません💦
階段で移動しています。
今日も。
今回のような地震にあう前から診療所ではエレベーターの防災に10年以上前から取り組んできました。
その取り組みについては以前、このブログで書いています↓
エレベーターの中に水と懐中電灯と非常用トイレを常設しています。
非常用トイレは複数人で閉じ込められたときのことを想定して、ポンチョみたいなものにくるまって人から見えないようにして用を足せるものにしています。
そしてニオイも気になるので本当に臭わない消臭剤と消臭袋も設置してあります。
驚異の防臭素材BOS(クロリン化成株式会社)の「臭わない袋」は本当にスゴイです
オムツ用、ペット用など品揃えも豊富です。
BOSの非常用トイレセットは備蓄しています。
これ、本当にオススメです
ネットで買えますので是非検索してみてください。
岡部さんが大阪北部地震で再び記事にされていますね↓
ウソでしょう? エレベーター閉じ込められる?
診療所における備蓄
診療所では震災などの災害時に備えて水と食料品を常時備蓄しています。
入院患者さんがおられる時に災害が起こった場合を想定して10人分くらい蓄えてあります。
水は飲料用と生活用に分けて備蓄しています。
賞味期限切れの飲料水は未開封なら手洗いなどの生活用水として使えます。
使い切った飲料容器に水道水を入れて備蓄するのもOK
また水だけでなく野菜ジュースなども備蓄しています。
避難生活が長くなると栄養補給も気になりますからね・・・。
そしてビンではなくペットボトルや紙パック、缶の容器のもので備蓄するように注意しています。
ガラス瓶だと割れてしまいますし、割れたガラス容器は凶器になりますから💦
震災ではライフラインが絶たれてしまうことも多いですから電気、水道、ガスが全く使えない状況を設定して備蓄しなければなりません。
カセットコンロも5台、サランラップ、ティッシュ、おしぼりなどもかなりの量を備蓄しています。
食べた後の食器を洗うことは出来ませんから、食器にサランラップをかぶせれば汚れたラップだけ捨てればすみます。
命が助かったあとは生き延びることを視野に入れ、1週間くらいは何とかなるように考え備蓄しています。
お金もかかるし賞味期限も気になりますが、10年以上前からずっと続けています。
カバンの中には非常用セットを
いつどこで、どんな状況で地震に遭うか分かりません。
大阪北部地震では大阪府内の主要な鉄道がすべて運転を見合わせました。
2〜3時間電車内に閉じ込められた人もおられたようです。
ちょうど通勤の時間帯だったこともあり、建物に被害はないけれど職員が出勤出来ず休業という店舗や百貨店も多かったでしょう。
当院もスタッフが一人しか出勤しておらず、どうなることかと思いましたが、地下鉄に乗っていたスタッフは途中駅で避難させられ、そこからナント徒歩で来てくれました
どうにかこうにか少ない人数で診療が出来ましたが、キャンセルが相次ぎ、外来がすいていたので何とかなりましたが、移動中に震災が起こったら・・・ということも考えて行動しなければなりません。
私は外出するときには必ずカバンの中に非常用セットを入れています。
これを入れるようになってから持つカバンが変わりました。
どうしても荷物が重く多くなってしまうのですが、もしもの時の備えは大切です。
非常用セットの中身です
・携帯ラジオ
・携帯用懐中電灯
・非常用の笛
・マスク
・煙避難具 SBKけむりフード
・頭巾付防寒シート
・バンドエイド
懐中電灯はむっちゃ小さいのでキーホルダーに付けています
LEDなので長持ちします。
しかもこんなに小さいのにむっちゃ明るいです🌟
けむりフードはこれです↓
市民防災研究所からでているものです。
使い方も簡単。
火災の中、避難することも想定してバッグに入れています。
これが頭巾付防寒シート↓
すごく軽いのでバッグに入れていても気になりません。
そして・・・
原発事故を想定して「ヨウ素剤」も持ち歩いています。
スタッフにも配布しています。
希望の患者さんには処方できますので受付窓口でお申し出下さい。
そして飲料水も持ち歩きたいですね。
荷物が重くなってしまいますが命に関わることなので出かける時は持ち歩いています。
地震予測情報のチェック
地震学者の方々が様々なメディアで地震予測をされています。
Twitterやメルマガなど媒体は様々ですし、民間の地震学者や独自に調査している学者さんもたくさんおられます。
誰の情報を信じるかは人それぞれでしょう。
地震学者によって予測が違ったりすることも多いので、私は気になる人を数人フォローして情報を収集しています。
その中でも私が参考にさせて頂いているのが進村耕喜先生です。
2011年3月11日の東北の震災を的中させたということで一時期メディアでもさかんに取り上げられ、本も書かれているのでご存知の方も多いと思います
2011~2015大地震が再び日本を襲う!
色々な情報をチェックしていましたが、進村先生の予測が一番当たっていました。
昨日の地震は前震で本震はこれから・・・という意見もチラホラ。。。
備えられることは備えて、気を引き締めて過ごしたいと思います。
全部出来なくても何か1つでも読んでいる人の参考になれば幸いです。
皆さんがどうか無事でありますように。
診療所のセラピードッグ「ラブ」
こんなに大きな地震は初体験のラブ
揺れているときは怯えていました
地震のせいなのか昨日は何も食べず
そしてストレスのせいか下痢・・・
ラブだけでなく知人のペットたちも同じような状況😔
動物は敏感ですね
診療所の駐車場にいる
ツバメの雛たちもビックリしただろうなぁ・・・