診療所のセラピードッグ「ラブ」の病気について | みのり先生の診察室

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肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

今日の記事は2017年12月16日に診療所の公式ブログでアップした記事を加筆修正してお届けしたいと思います。

 

診療所のセラピードッグ「ラブ」のお話しです。

 

ラブの話もブログやホームページに掲載することはSEO的にダメみたいなので、アメブロに残すことにしました。

 

ずっとブログを読んで下さっている方はご存知かもしれませんが、ご心配されている方もまだおられるため説明したいと思います。

 

年に1回受診されているアメリカの患者さんからの指摘が始まりだった

うちの診療所には年に1回、お尻検診に来られている患者さんが結構おられます。

 

海外の患者さんも多いのですが、数年前から必ず年に1回受診されているアメリカの患者さんがラブの異常に気付かれました。

 

「あれ?ラブちゃん、毛が薄くない?去年受診した時と全然違うよ。」

 

 

私たちも何となく気付いていたのですが、動物病院を受診しても何も言われなかったので治療もしていませんでした。

 

 

「先生、これ絶対におかしいよ。

 

ちゃんと診てくれる獣医さん探して治療した方がいいですよ。

 

アメリカだと皮膚とか毛を専門にしている獣医さんが居て、体に塗るクリームとか出してくれますよ。」

 

 

とアドバイスされました。

 

 

「セラピードッグって大変だからね。。。

 

たくさんの患者さんを癒して、

その分、自分は、

いっぱい色んなものをもらって、

 

しんどくなってるんだと思いますよ。

 

病気が治るまでの間、

ラブちゃん、

休ませてあげたら?」

 

 

と言われ、

 

ちゃんと治療しよう、

 

治療してくれる獣医さんを探そうと

 

獣医さん探しが始まりました。

 

 

皮膚病専門の獣医さんを。

 

 

犬のようちえんの先生にも相談し、獣医さんを紹介してもらいました。

 

ようちえんでラブと同じような脱毛症だったポメラニアンを治療してもらった先生です。

 

 

今までかかっていた獣医さんと全然違う対応でした。

 

血液検査など一通り受けましたが異常なしで、結局、メラトニンとオメガスリーの服用を続けましたが改善が見られず、どんどん薄毛になっていきましたえーん

 

 

そこでアメリカの患者さんが言われていた皮膚病専門の獣医さん探しを始めました。

 

ネットで調べました。

 

たくさんの情報が溢れていて、

 

どこがいいのか、

誰が専門なのか、

 

肛門科と一緒で分かりにくく、

見つけるのに苦労しましたが、

 

やっと見つけました!

 

 

ラブとソックリな脱毛症の犬の写真。

 

 

食い入るように読んで「これだ」と確信しました。

 

 

犬のことは分かりませんが、私は元皮膚科医なので皮疹を見る・診るセンスだけはあるつもりなので、間違いないと自己診断に至りました。

 

 

見つけた専門の先生は動物皮膚病学会を創った人で、かなりの高齢であることがネットで分かり、まだ病院が実在しているのか不安でしたが、電話をかけたら繋がりました。

 

 

週に3日だけ予約で診察をされていました。

 

 

3か月待ちと言われたのですが、奇跡的にキャンセルが出て2017年9月始めに診てもらえることになりました。

 

 

病院は神奈川県です。

 

はい。行きました滝汗

 

ラブを新幹線に乗せてはるばる湘南まで。

 

 

幸いラブは絶対に吠えないので、どこに連れて行くにも全く不安はありません。

 

ラブも車や電車での移動に慣れていますOK

 

トイレも大丈夫ですチョキ

 

ただ遠方からの受診で日帰りだったので私たちが疲れましたね💦

 

 

こういう体験をして患者さんの気持ちが本当に良く分かりました。

 

 

わらにもすがる気持ちで必死でネットで調べ、遠くても、時間がかかっても、大変でも、受診するという気持ちと行動力を、ラブの動物病院受診で経験しました。

 

良い経験になりました。

 

 

先生は90歳代とは思えないくらいお元気で若々しく、立って仕事をされているからでしょうか。

 

腰が曲がっていなくて、姿勢が全く老人ではない、優しそうな「おじいさん先生」でしたニコニコ

 

偽クッシング症候群

私の予想通りの診断でした。

 

このサイトに詳しい解説がありますので興味のある方は読んでみて下さい下差し

 

 偽クッシング症候群

 (別名:成長ホルモン不全症・ アロペシアX・ ポメラニアン脱毛症) 

 

この病気、ポメラニアンに多いようですが、3分の1はトイプードルに見られるそうです。

 

原因は色々な説があります。

 

遺伝とか、避妊手術が悪かった、あるいは避妊手術をしてないから起こったという真逆の意見もあるし、本当に何が原因か分からない。

 

でも多かった意見がフードが原因というもの。

 

治療は衝撃的なものでした。

 

 

ドッグフードをやめて人間の食べ物を与える

 

シャンプー禁止

 

 

という、私たちが知っている犬の飼い方の常識を大きく覆すものでした。

 

 

実際はドッグフード半分、人間の食べ物半分というやり方でしたが、フードも国産に限るという意外な指導・・・。

 

 

食のことを考えて便通治療をしている私たちにとっては衝撃的でしたが、すぐに受け入れることが出来ました。

 

 

治療には最低半年、長ければ2年かかると言われ、長期戦を覚悟。

 

今も続いています。

 

根気が必要です。

 

私たちもラブも。

 

治療用ウエアを着ています

ラブは偽クッシング症候群だけでなくアトピー性皮膚炎も合併していたので、痒くて掻きむしっていたため、掻きむしり防止のための治療用ウエアを着せることにしました。

 

これです下差し

 

 

これだと耳も掻けないんですよね😓

 

ラブには苦痛でしょうが、掻きむしるとどんどんひどくなるので我慢してもらっています。

 

掻きたいのに掻けないストレスも相当なようで、何度も体をブルブルさせていますあせる

 

 

人間のアトピーと同じでアレルゲンはハウスダストだろうと言われました。

 

こまめな掃除をしなきゃ・・・と思いつつ、なかなか実行出来ていない悪い飼い主ですあせる

 

ストレスで抜けているわけではないので仕事は出来ます

セラピードッグとして仕事をしていることを獣医さんにお話ししましたが、それは脱毛とは関係がないと言われました。

 

ホッとしました。 ラブをこんなにしてしまったのは私たちだ・・・と自分を責めていたので正直救われました笑い泣き

 

 

でも診療がストレスになっていないという絶対的な保証もなく、ラブの体調が悪かった時期もあったため、少し仕事を減らしています。(実は他に色々と別の理由もあるんですけどね😓)

 

診察室でも電磁波の影響を考えラブを置く位置を変えています。

 

いつもなら患者さんが出入りするドアの前に置いていましたが、私の横に移動させました。

 

しかも寝ていることが多いため、ラブが居ることに全く気付いておられない患者さんも多いようですが、もしもラブに会いたいのであれば診察の時におっしゃってくださいねお願い

 

人間と違ってラブが気にしていないことが、せめてもの救い

毛が抜けたり皮膚が荒れたりして見た目がボロボロになると人間だと人目を気にしますよね。

 

それがコンプレックスになってしまったり、そのせいで外に出られなかったり、引きこもったり、人との付き合いを制限したり・・・と色々と悩むわけですが、幸いラブは全く自分の抜け毛のことを気にしていません。

 

 

当たり前なのですが、そこが本当に救いです😢

 

ラブは毛が抜けてても、いつものラブです。

 

やさしくて無邪気で人なつっこくて、普段と何も変わりません。

 

そうです。

どんな姿になってもラブはラブです。

 

それを気にしているのは私たち人間。

 

どんなになってもラブには変わりありません。

 

患者さんにも今までと同じように接しています。

 

だから私たちからもお願いです。

 

どうかあまり心配なさらず今まで通りかわいがってあげて下さいね💖

 

そして心配をするのではなくラブの病気が治るよう祈って下さいお願い

 

きっと祈りは通じてラブの病気も治ると思います。

 

 

ドッグフードやおやつの差し入れは遠慮させていただいています

患者さんからも大人気のラブ。

 

診察の時にラブにプレゼントをくださる患者さんも結構おられるのですが、現在、一般的なドッグフードを食べられないため、せっかくいただいてもラブは食べることが出来ません💦

 

お気持ちだけで十分ですので、どうか今までのようにお持ちにならないでくださいね💦🙇🏽

 

今まで本当にたくさんいただいてありがとうございました😌

 

生まれながらのセラピードッグ

ラブは元々ただの飼い犬でした。

 

セラピードッグに育てようと思って飼ったわけではありません。

 

でもセラピードッグの資質を元々持っていたと思います。

 

犬のようちえんのしつけも勿論ありますが、しつけやトレーニングだけでは獲得できないものをラブは持っています。

 

 

癒しを必要としている人を見抜き、その人のそばに行って、そっと寄り添います。

 

 

しかも体の悪い部分が分かるのか、その部分に体を付けて寄り添うこともしています。

 

 

人間には見えないもの、分からないもの、感じられないものをラブは感じているようです。

 

「何も言ってないのになんで分かるの?ラブちゃんには嘘付けないね。」

 

と号泣された患者さんも多いです。

 

 

人の心や体の不調をいち早く察知して、そっと寄り添う診療所のセラピードッグ「ラブ」。

 

私たちはそんなラブを誇りに思います。

 

毛が抜けて悲惨な姿になってもラブはラブで、これからも患者さんやたくさんの人を癒し続けます。

 

それがラブの使命。

私はそう確信しました。

 

たくさん苦労かけてごめんねえーん

 

そして本当にありがとう。

 

大好きだよ、ラブ照れ

 

 

 

アップこんなにフサフサだったのに・・・

 

 

アップ2017年9月の時はこんな感じ。

サマーカットじゃないですよ。

本当に薄いんです💦

 

 

治療してどうなったのかを次回ブログでお届けしますキラキラ

 

 

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