第五講 イベント処理のような動的機能や、複雑な機能と処理条件具現化
[PM]
ところで博士、これまで具現化したプログラムのように、具現化する内容が確定されている、静的な処理機能や業務処理ロジックはこのソリューションを活用すれば、生産性を最高に引き上げることができると思います。
しかし、ほとんどのプログラムは、人がボタンを押したり、データを入力する動作などのユーザーの操作によって、能動的に反応するイベント処理機能の多く、非常に複雑な取引条件および処理手続きを具現化しなければならない場合も多いのです。 こんな動的機能は、今まで説明していただいたGUI方式のアトムオブジェクトを活用しては具現化するのが容易ではなさそうです。こんな動的な機能や、複雑な業務処理ロジックはノーコードソリューションではどのように具現化しますか。
[博士]
山田PMは、本当に経験も多く、ソフトウェア工学的な感覚も優れているようです。 実際に様々なアプリを制作すると、全体の具現化対象の平均98%はアトムオブジェクトだけでも実現可能です。 しかし、2%ほどは今質問されたように、アトムでは具現化しにくい動的機能だと言えます。
ユーザーの操作にダイナミックに反応するイベント処理機能の実現化や、複雑な作動及び処理条件を実現するため、スマートメーカープラットフォームでは、「進行管理者」と「業務規則」の2つのツールを提供しています。
進行管理者は、プログラムを構成するオブジェクトが実行手順を制御したり、分岐処理のようなイベント処理機能を基本的に支援するツールです。
アトムの実行手順は、各オブジェクトが作成された手順に従って作動します。 しかし、実行順序を変更しなければならない場合には、今、画面の右側にある進行管理者を表示して変更することができます。進行管理者は左側にあるアプリケーション・モジュールのオブジェクトの実行手順を表示しています。 そのため、進行管理者で項目を選択すると、アプリケーション・モジュールの該当オブジェクトが同時に選択されるのを確認できます。
実行手順を変えるには、進行管理者から特定のオブジェクトをドラッグ&ドロップで希望する位置に置くとオブジェクトの実行手順が変わります。
それだけでなく、進行管理者で特定のアトムをひとつ選択してダブルクリックすると、様々な作動や処理機能を具現化できるウィンドウが表示されます。 このウィンドウでの作業は、人々が日常的に仕事をする手順のように、いつ(When)、何を(What)、どのように(How)という段階別に手順に従って、選択および設定するだけで、必要な機能を具現化できます。
それでは、具体的な機能の一つを実装してみましょうか?もし出張旅費明細書の「区分」という項目で「市内出張」を選択した場合に、「費目」という項目で「宿泊費」欄を選択できないように無効処理をしたい、と仮定してみましょう。 進行管理者で「 区分 」項目を選択し、ダブルクリックすると、「When」というウィンドウが開きます。「区分の中で項目の選択を変更すると」、実際に作動する時点、つまりイベントを選択します。
続いて、「What」というウィンドウでは、「アトム属性の設定」を選択します。「How」ウィンドウでは、「区分 = 市内出張」の場合という条件を設定し、その下の「実行アトム」欄では「市内出張」のアトム名を選択した後に「アトム属性」欄では「非活性化」を選択します。
では、設定したとおり実際の動作するか見てみましょう。 区分から市内出張を選択します。 そうしたら宿泊費は選べないよう、 非活性化になるのが見られます。
このように進行管理者という手続き的GUIツールを使用すると、プログラムの処理手順や作動方式を制御したり、あるいはユーザーの操作によって動的に作動させる機能も、容易に実現できます。
今回はより複雑な取引条件や処理機能はどのような方式で具現化するのか確認してみましょう。例えば、費目によって、1日に使える予算限度を指定してみます。ユーザーが支給額を入力すると、この限度をチェックして、超過した場合には金額は入力を拒否し、その費目の1日の許容限度金額をメッセージで表示する機能を実現してみましょう。 このような機能も同様に、進行管理者から開始します。
まず、進行管理者から「支給額」の項目を選択し、ダブルクリックした後に、「支給額の値を変更すると」というイベント時点を指定し、「業務規則実行」というメニューを選択します。その下に「実行段落」欄に「予算限度チェック」と具現化する段落の名称を入力してエンターキーを押すと、業務規則を作成するウィンドウが表示されます。
ここで日本語の自然言語を活用して、次のように複雑な処理条件を記述します。
業務規則の内容は、区分が管内出張であれば、交通費を1日3,000円にし、市内出張であれば、交通費を1日1,500円にすると仮定してみましょう。
そしてユーザーが支給額を入力する時点で、この条件に満たしている場合は、「予算限度を超過しました」と案内メッセージと区分、費目、限度金額をいっしょにメッセージウィンドウに表示してみます。
実際に作動するのか見ます。様々な状況に合わせて金額を入力しながら、テストしてみましょう。 何の問題もなく作動するのを確認できます。
スマートメーカーの業務規則ツールを活用すれば、今ご覧になったように、日常的に使っている日本語の自然言語をそのまま活用して、複雑な処理動作や取引条件も簡単に構成できます。
もちろん、すでにJavaスクリプターやVisual Basicスクリプターなどを使用している方は、自分が多く使用してきた既存の言語ではなく、他の言語を使用しなければならないように感じて、最初は多少拒否感を持つ方もいます。 しかし、業務規則を使用される言語は、私たちが毎日使う日本語の自然言語ですので、新しく学ぶ必要がなく、誰でもすぐに慣れるようになります。
実際にアプリプログラムモジュールを制作する時、制作するモジュールの75%は業務規則を全く使用せず、純粋なGUIツールであるアトムや進行管理者だけでも実現できます。 業務規則の具現化が必要なモジュールも、全体作業の98%はGUIツールで作り、残りの2%程度のみ業務規則を使用するようになります。
何より重要なのは、これからの世の中はノーコード技術が大勢になることが確実であるため、ややこしく、難しいコーディング作業がないので、業務規則は初めて具現化する時も簡単で速く経済的に作業することができます。そして、他の人が具現化しておいたロジックも直ちに把握して修正及び補完作業ができるというのが長所です。
特に急変する環境の中で、使用者が直接現場で取引条件や業務処理手続きを変えることも可能になり、多くの取引先を対象にプログラム開発事業を営む場合、メンテナンス努力と費用を画期的に節減することができます。
<目次>
第一講_ノーコード技術セミナー(C, Javaように自由度の高い新技術)
第二講 ノーコードでプログラムを制作する具体的な方法と手続き
第三講 親和性のあるUI/UX機能と繊細な処理ロジックを実現化
第四講 多様なユーザーのモバイル端末環境に合うようにパッキング
第五講 イベント処理のような動的機能や、複雑な機能と処理条件具現化
第六講 ノーコーディングソリューションでデータ照会及び分析類型のアプリ作成方法
第七講 3階層アーキテクチャの統合システム構築に必要なサーバプログラム具現化方式
第八講 大規模統合システム構築プロジェクトに、ノーコーディングソリューション適用の可能性