おうち英語と中受の備忘録 -6ページ目

おうち英語と中受の備忘録

【娘っ子と英語】
1〜3歳
職場の託児所に外国人家族が多数おり、自然と英語のおしゃべりと英字絵本などの多読を開始。
4〜6歳
モンテ幼稚園入園。英語は動画や音楽・絵本がメイン。
海外サーバーにて英語チャット。園の外部英語講師に英語早期教育を勧められる。

 

この記事は、高校受験の自校作成校都立中高一貫校への合格を目指す保護者の皆様に向けて、小学校高学年からの効果的な学習戦略を解説します。勿論、私立への対応も充分に可能な学習法です。

近年、難関校の入試で問われるのは「知識の量」ではなく、「思考力」です。特に、英語の「抽象化・要約」スキルを早期に習得することが、国語、算数、そして適性検査対策の最強の土台となります。

1. 自校作成校の英語対策が求める「高度な思考力」

高校受験、特に難関公立高校の自校作成問題は、大学入試改革の流れを汲み、複雑な情報処理能力を問う傾向が強まっています。

英語:問われるのは「文法知識」ではなく「情報処理能力」

自校作成校の英語対策で最も重視されるべきは、単に中3までの単熟語と文法を丸暗記することではありません。目指すべきは、中3までの基礎を土台として「英検2級レベル」の思考力を実現することです。

この目標を達成するための訓練こそが、「抽象化」と「要約」です。

  1. 抽象化 (Abstraction): 具体的な事例やデータから、筆者が本当に伝えたい普遍的なメッセージ(主題)を抽出する能力です。文章の細かい具体例を切り捨て、その本質を見抜く訓練を行います。

  2. 要約 (Summarization): 抽出した主題を、本文の表現を避け、既習の簡単な単語・文法(中3レベルまで)で、指定された語数内に再構築し直す能力です。

この訓練は、単に英語力を高めるだけでなく、文章を立体的に理解し、論理的に再構築するという、高度な情報処理能力そのものを育成します。

段階的な学習の意義

この思考力は、中1レベルから中3レベルへと、習得済みの文法・単語の範囲に合わせて段階的に難易度を上げていくことが重要です。

  • 中1レベルでは、基本的な文法と単語のみを使い、単純な文の統合と主題の特定という要約の基礎を身につけます。

  • 中2レベルでは、不定詞、受動態に加え、因果(because)や譲歩(although)の接続詞を分析し、複雑な論理構造の理解と複文での表現力を高めます。

  • 中3レベルに至っては、関係代名詞や英検2級必須語彙を駆使し、長文全体の抽象化と、オリジナルの表現を使わない指定語数での再構成(パラフレーズ)を目指します。これは自校作成や英検2級の記述問題への直接的な対応力となります。


2. 英語で鍛えた思考力は「国語・理数」へ横断する

英語学習で獲得した「情報構造の分析力」と「抽象化能力」は、科目を超えて、国語、算数(数学)、理科へ応用可能です。

📘 国語(現代文・適性 I 対策)への応用

現代文の読解や適性検査Iの小論文では、論旨の正確な把握論理的な記述が求められます。

  • 抽象化の訓練で具体例を無視する力は、国語においても筆者の感情的な描写や補足情報を切り捨て、普遍的な主張だけを抜き出す力となります。

  • 論理構造把握の訓練は、国語で「しかし」「すなわち」「なぜなら」などの論理マーカーを分析し、段落間の因果関係や対比を正確に読み解く力となります。

  • 要約(Paraphrasing)の訓練は、難解な表現を論旨を保ったまま自分の言葉で平易に記述し直す、記述力の基礎を築きます。

🔢 算数・理数(適性 II・III 対策)への応用

小学校5年生頃は理数特性が色濃く出始める時期であり、特に図形(立体図形)比や分数などの割合は、この思考力訓練の重要な対象です。

  • 図形(立体図形)の学習では、単に公式を当てはめるだけでなく、「なぜこの補助線を引いたのか」「図形をどう分解/変形したのか」といった空間的な抽象化のプロセス言葉で説明させることが重要です。これは、後の幾何学や物理学に必要な空間認識能力論理的思考力を養います。

  • 比や分数などの割合の学習では、速さや濃度といった三量関係や、全体と部分の比率を論理的な構造として捉え、分析させます。英語や国語で鍛える「構造把握力」は、算数・数学において「問題の構造」を読み解く力に直結します。

これらの訓練は、特に適性検査 III で要求される非定型な問題の構造を読み解く力となり、高い対応力を生み出します。

3. 【結論】自校作成対策は「中高一貫校対策」を兼ねる

自校作成校の英語対策として、中3までの文法知識を土台に「抽象化・要約」を鍛えるアプローチは、結果的に、その中学生版にあたる都立中高一貫校の適性検査対策をも可能にします。

この多角的な思考力訓練は、知識量ではなく思考力を測る適性検査の各分野へ高い対応力を示します。

  • 適性 I(小論文・記述)への対応は、英語・国語での要約訓練による論旨の正確な把握論理構成力で賄われます。この分野に関してはかなり早期から学習できることが魅力だと言えるかと思います。

  • 適性 II(分離横断型)への対応は、全科目での構造把握訓練による複数資料の統合課題解決力で高まります。独特な思考パターンを身につけることはどちらかというと探求や自由研究などから学ぶと効果的だと言えるかもしれません。

  • 適性 III(数理的思考力)への対応は、算数での「なぜそうなるか」の言語化訓練による非定型問題の構造分析力で可能になります。条件や環境、様々な設定からの対応になるので難易度は上がりますが、今後理系に進路を進みたい子にとっては早期からの対応が必要になるかと思っています。

4. 受験ルートを問わない「最強の学習戦略」

この「抽象化・要約」の訓練は、単なる知識の先取りではなく、「思考のスキル」の先取りです。

この思考力の土台は、小2頃から芽生え始める図形や割合の基礎の学習から意識し、小5頃から中3までの基礎単語・文法を土台として、英検2級レベルの「抽象化・要約」に段階的に挑戦していくことが理想です。正直にいってしまうと、小学生(4年生くらいまでに)英検2級相当のCSEスコアを取れている子に関しては、方向性さえミスらなければ、中受・高受はかなり楽に進むことが出来ますし、いっそ算数へシフトすることがいいのかなとさえ思います。ポイントとしては英検で培ったスキルをそのままにし他教科は「暗記ゲー」にしてしまうのはかなり勿体ないと思っています。

小学校低学年からの家庭学習において、この「スキルの先取り」を一貫して行うことは、中学受験・高校受験のどちらのルートを選ぶにしても、お子様の学習効率と成果を最大限に高める最強の戦略となるでしょう。

 

参考になれば・・・

 

でわ

 

 

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近年の中学受験の加熱は、「全落ち回避」のためのお守り校(滑り止め校)の重要性を一層高めています。しかし、従来の私立お守り校戦略には、無視できないコストとジレンマが存在します。

本記事では、この問題を解決し、費用ゼロで将来の難関高校受験への確かな道筋をつくる「公立お守り校(公立モンスター校)」戦略を、具体的なデータと最新の教育動向に基づいて徹底解説します。


1. 私立お守り校の「高コスト・低進学意欲」というジレンマ

持ち偏差値より 5 〜 7 ポイントダウンの学校を選び、特待生合格を狙う従来の私立お守り校戦略は、精神的な安定をもたらしますが、その裏で多大なコストが発生します。

📊 私立お守り校受験に伴うコストと進学意欲の懸念点

  • 経済的なコスト: 受験料として 20,000〜 30,000円が純粋な損失となる可能性が高く、複数校受験でコストは膨大になります。

  • 時間的なコスト: 本命校対策を削り、お守り校独自の過去問演習や対策が必要となり、貴重な学習時間配分が分散します。

  • 精神的なコスト: 「絶対に落ちてはいけない」という強烈なプレッシャーがお守り校受験時に発生し、親子双方に重圧となります。

  • 進学意欲のジレンマ: 偏差値に乖離があるため、特待合格しても「本当にこの学校に通うのか?」という疑問が残り、進学へのモチベーションが低くなりがちです。

🏢 中学受験ボリュゾ (Y45〜Y55) の学校の二面性

四谷大塚の偏差値Y55~Y45前後の「ボリュゾーニング(ボリュームゾーン)」には、確かに魅力的な特色を持つ学校が多い一方で、ご指摘の通り「パフォーマンス的な疑問」が残る学校が存在します。

1. 🌈 特色教育の魅力と実効性への疑問

  • 魅力的な特色: 探究学習、早期からの英語教育、国際バカロレア(IB)導入、STEAM教育など、時代のニーズに合った魅力的な教育プログラムを掲げています。

  • 「パフォーマンス」の疑問: これらの特色が、実際に6年後の大学進学実績に結びついているのか、それとも単なる受験生集めのための看板(パフォーマンス)に終わっていないか、という点が懸念されます。

2. 📉 中高一貫校の「伸び悩み」と「高校受験組による逆転」

これが最も鋭い分析点です。

  • 中学受験時 Y60オーバー vs. Yボリュゾ: 中学受験時にY偏差値60程度の学校とYボリュゾ(Y45〜Y55)の学校を比較した場合、高校受験時には後者の大半が偏差値60前後に上昇し、集結してくるという現象が見られます。

  • 中高一貫校の逆転現象:

    • 一部の中学受験時Y60オーバークラスの中高一貫校が、6年間で生徒の成績を伸ばせず、高校受験で偏差値を上げてきたYボリュゾの学校群(あるいは高入組の優秀層)に大学合格実績で逆転されるケースが少なくありません。

    • 結果として、大学進学実績が「ままならない」状況になることがあります。

    • 中受時点でそれっぽい進学校であるY60オーバーの学校群の一部はボリュゾに飲み込まれるだけでなく、公立校に飲み込まれます。高校受験の際の偏差値で並ばれた挙げ句、進学実績がままならない状況になってしまうだけでなく、特進クラスなどでは指定校推薦を使えないなどのジレンマが高1で発生します。中3の河合・駿台模試で気がついてからの対応は高校受験をするよりも大変なので、早期から対応することが望まれます。

🚨 学校選びにおける「アナライズ」の重要性

この逆転現象を防ぐため、保護者が行うべき「アナライズ」は非常に重要です。

  • 大学合格実績の「実質」分析:

    • 現役合格率: 浪人生を除いた現役での大学合格の実態を把握する。

    • 主要大学への進学状況: 「のべ合格者数」ではなく、「現役で主要な国公立大学や難関私立大学に進学した人数」を正確に把握する。

    • 卒業生との対比: 合格者数をその年の卒業生数で割って、進学率として確認する。

  • 学校の「伸ばす力」の評価:

    • 単に高偏差値の生徒を集めるだけでなく、入学時の偏差値からどれだけ生徒の成績を伸ばしているか(バリューアデッド)を間接的に評価することが重要になります。

この分析を行うことで、「特色教育」と「実績」が伴っている学校、つまり真に生徒を伸ばす力のある学校を見極めることができると言えます。

2. Yボリュゾーニング校の真実と「出口戦略」の重要性

四谷大塚の偏差値 Y45~Y55前後に位置する私立ボリュゾーニング校は、探究学習やIBなどの特色で人気を集めますが、「6年後の大学合格実績」には注意が必要です。

📉 中高一貫校の「伸び悩み」と公立実力校による逆転現象

中学受験時の偏差値が比較的高かった中高一貫校の一部が、6年間で生徒の成績を伸ばしきれず、高校受験時に偏差値を60前後に上げて集結する公立実力校私立ボリュゾ校の高入組に、大学合格実績で逆転されるケースが少なくありません。

公立実力校は「伝統と公的コスト」に支えられ、高校受験という競争を勝ち抜いた優秀層を高校段階で迎え入れるため、大学受験で再び勢力を強めます。

  • アナライズの重要性: 単なる特色ではなく、入学時の偏差値からどれだけ生徒を伸ばしたか(Value Added)、そして難関大への現役進学率を分析することが、学校選びにおける重要なアナライズとなります。

3. 🎯 費用ゼロ・実績保証の「公立お守り校」戦略を推奨する理由

この私立受験のコストとリスクを回避し、経済的メリットと実績の確実性を両立させるのが、「公立モンスター校」の戦略的な活用です。

🏢 公立モンスター校が持つ「実績」と「競争力」

東京都内の大抵の自治体には、都立日比谷高校に毎年5〜10名程度の合格者を安定して輩出している公立モンスター中学校が存在します。

  • 強力な実績の証明: 都立トップ校への合格者数は、その公立中学が高校受験における最難関突破に必要な指導力と高い競争環境を持っていることの証拠です。

  • コストメリット: 受験料、対策費、授業料が実質ゼロ。私立お守り校の経済的・時間的コストを完全に回避できます。

  • 進路の柔軟性: 中学受験で本命校に届かなくても、この公立お守り校で高い内申点学力を身につけ、3年後に高校受験の最難関校を改めて目指すことができます。

🛡️ 公的な「強化指定」が教育水準の安定性を保証

これらの公立モンスター校は、中学ごとの特色で進路だけでなく部活動で全国クラスの実績を持っていたり、英語強化で習熟度別授業やネイティブ副担任を配置したりと、教育内容が充実しています。これは、学校が公的教育委員会ごとの強化指定(例:英語教育強化校、進学指導重点校など)を受けていることによって維持されていることが多くあります。

  • 安定性の根拠: 公的な指定は、校長や教員が異動しても、教育委員会からの予算と人員配置の支援により、教育水準やプログラムの専門性が維持される可能性が高く、安心して入学できます。

4. 📜 文科省指導要綱改訂(内申重視)が公立校を後押しする

文部科学省の学習指導要綱の改訂は、受験制度を根本から変えようとしており、これが公立中学での取り組みの重要性を高めています。

📝 新要綱が目指す評価軸(受験への影響)を記述形式で整理

新しい評価基準(3観点:2021年度〜)は、従来の評価観点から以下のように変更され、受験戦略に大きな影響を与えます。

  1. 知識・技能(旧:知識・理解):

    • 定義: 従来の知識の正確な習得に加え、その知識や技能を活用する力が重視されます。

    • 受験戦略への影響: 単なる暗記ではなく、知識を活用する記述問題や応用問題への対応力が求められます。

  2. 思考力・判断力・表現力(旧:思考・判断・表現):

    • 定義: 情報を分析し、筋道を立てて考え、自分の意見を明確に表現する力を評価します。

    • 受験戦略への影響: レポートやプレゼンテーション、授業での論理的な説明、記述問題などでの表現力がより重要になります。

  3. 主体的に学習に取り組む態度(旧:関心・意欲・態度):

    • 定義: 自ら進んで学習しようとする姿勢、粘り強く学習を継続しようとする態度を評価します。提出物の質や授業への積極的な参加、探究的な活動への取り組み姿勢が含まれます。

    • 受験戦略への影響: 最も重要な変更点です。日々の授業への積極性や課題への取り組み姿勢が内申点に直結するため、公立中学においては、この「態度」の評価が高校受験で合否を左右する強力な武器となります。

この動向は、日々の学習態度が内申点に直結する公立中学校において、生徒が真面目に活動に取り組むメリットを最大化させ、公立お守り校戦略の優位性を増します。

5. 🔎 公立お守り校を特定するためのリサーチ戦略と具体的な手順

公立モンスター校は、地元の噂話ではなく、公的なデータから特定し、戦略的に利用すべきです。

📅 応募時期と制度の確認

  • 時期: 越境・区外募集の抽選は、私立中学受験前の夏〜冬に行われる自治体が多いです。この時期に申し込むことで、私立中学受験のお守りとして利用できます。

  • 制度: 昨今の少子化も手伝い、人気校でも抽選がなくなっているケースや、区外からの募集を行っている自治体が増加しています。

🔍 効率的なリサーチのための検索キーワード(記述形式)

  1. 実績の特定:

    • 自治体名 中学 都立日比谷 合格者数

    • 自治体名 教育委員会 高校進学実績 中学

    • 学業の習熟レベル

  2. 募集要項の確認:

    • 自治体名 中学校 越境 募集 or 区立 中学校 抽選

  3. 教育重点校の特定:

    • 自治体名 教育委員会 英語教育推進校 中学 or 学校名 スポーツ強化校

この「公立お守り校」戦略は、費用対効果が高く、私立中学受験の不安を大きく軽減できる非常に有効な手段です。私立のボリュゾ校の検討を始める前に、まずお住まいの地域(または隣接地域)の公立モンスター校の存在と募集状況を徹底的にリサーチすることをおすすめします

 

参考になれば・・・

 

でわ

 

 

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英検を受けることで得られる国語力について、たまにSNSやこのブログで書いていますが、詳しくそれらを書いたことはなかったかと思います。今回はそれらについて少し詳しく書けたらと思っています。

中高大受験で合否を分ける記述力。その根幹にあるのが、文章の本質を捉える「抽象化」と「要約」のスキルです。特に英検の要約問題は、この抽象化スキルを「センス」から「技術」へ昇華させるための最強の訓練ツールとなります。

本記事では、国語と英検の学習から得られる共通の論理的思考力を深堀りし、さらに公立中高一貫校の適性検査難関大学入試で求められる高度な抽象化・要約力まで、具体的な活用法と効果を詳しく解説します。


1. 国語の「抽象」と英検の「要約」:共通点と決定的な違い

「文章を短くまとめる」という点で共通する両者ですが、その目的、プロセス、求められる言語能力に明確な違いがあります。この違いを詳細に理解することが、効率的な学習の鍵となります。

共通点:情報の「濾過(ろか)」作業の徹底

国語の抽象化も英検の要約も、「本文の重要な要素だけを選び抜く」という共通のプロセスを経ます。

  • 要点の抽出と識別: 筆者の主張や各段落のトピックセンテンスといった「核」となる情報と、それを補足する「周辺」の情報を明確に識別する高い読解力が求められます。

  • 冗長な部分の削除: 個人的な体験談、詳細なデータ、修飾語句など、主題と直接関係のない「情報ノイズ」を削ぎ落とす取捨選択力が不可欠です。

決定的な違い:目的とアウトプットの厳格性

両者の決定的な違いは、ゴール制限にあります。

📘 国語の「抽象(記述)」の特性

  • 主な目的: 具体的な記述(事例や描写)から、それらが内包する一般化された概念や原理を導き出すこと。これは、本文の深層構造を理解し、筆者の真意を捉えるための思考訓練です。

  • プロセス: 思考は「具体 ⇛ 抽象 ⇛言語化」という往復運動をします。例えば、「スマートフォンやAIの急速な普及」といった具体例から「情報化社会の進展」という抽象概念を導く力です。

  • アウトプット: 設問形式(理由説明、対比説明など)に沿った、論理性の高い日本語の記述。字数制限も柔軟なケースが多いです。

📝 英検の「要約(ライティング)」の特性

  • 主な目的: 筆者の論理展開を損なうことなく、規定の語数(例:45~55語)という厳格な枠内で、内容を英語で正確に再現すること。

  • プロセス: 抽出したキーポイントを、原文とは異なる別の英語表現(パラフレーズ)に変換し、接続詞を用いて論理的に連結する構成力が中心となります。

  • アウトプット: 厳格な語数制限があり、文法・スペルの正確さが直接評価される英語のパラグラフ

【ポイント】 英検は「規定の枠に収めるための技術訓練」、国語は「概念化するための思考訓練」という違いがあります。


2. 早期学習が記述力を劇的に高める理由

国語の抽象化能力が「センス」とされがちなのは、そのプロセスが可視化されにくいためです。しかし、英検の要約対策は、この「センス」を再現性の高い「技術」へと変えることができます。

2-1. 「型」の学習による論理の可視化と習得

英検の要約で習得する「型」は、受験国語の記述にもそのまま転用可能です。

  1. トピックセンテンスの特定: 各段落から主題を特定する訓練が、文章全体の論理構造を把握する能力を養います。

  2. 情報圧縮の徹底: 規定の語数に収めるため、具体例を削り、「要するにどういうことか」という抽象的な言葉に置き換える訓練を繰り返します。

  3. 論理的な接続: 抽出した情報をHoweverThereforeなどの接続詞で正しくつなぐ訓練が、日本語の記述における論理的な流れ(「しかしながら」「したがって」など)の意識を強化します。

  • 国語記述への応用: この型を意識することで、設問が求める核心の概念(抽象)をまず特定し、字数に合わせて本文の根拠(具体)で肉付けするという、効率的で採点者に伝わりやすい解答作成プロセスが確立されます。

2-2. 制限字数への厳格な意識:情報の「密度」の訓練

受験の記述では「決められた文字数の8割〜9割」を埋めることが原則です。

英検の厳格な語数制限(例:±5語程度)は、訓練者に対し「不要な情報を一切入れず、必要な情報だけを高密度で表現する」ことを強制します。この訓練は、「情報の重要度を測る物差し」を磨き、国語の記述で「要点を絞り込み、簡潔かつ過不足なくまとめる」力を養います。


3. 適性検査・難関大入試で求められる「超抽象化」能力

公立中高一貫校の適性検査や、理系分野を含む難関大学の記述試験では、提示される情報が複雑化し、さらに高いレベルの抽象化・要約力が要求されます。それは、「非言語情報(グラフ、数式、図表)」と「言語情報(文章)」を統合する能力です。

3-1. グラフ・数式を「言語化」する翻訳力の重要性

単に文章をまとめるだけでなく、以下の「情報形式間の翻訳力」が合否を分けます。

  • グラフの言語化: グラフの増減やデータ間の相関を、「非線形的」「指数関数的」など、客観的かつ抽象度の高い言葉(抽象語彙)で正確に表現する力。単なる「増えた」ではなく、「一定の閾値を超えると急激に増加する傾向が見られる」といった分析的記述が求められます。

  • 数式の抽象化: 数式が示す具体的な計算結果ではなく、その根底にある物理法則や概念(例:エネルギー保存則、フィードバックの関係性)を抽出し、論理的・概念的に説明する力。

3-2. 複数の情報源の「統合」と「編集」:高度な構成力

適性検査や大学の総合問題では、長文の説明、実験データ、グラフなどが複合的に提示されます。

  1. 長文の要点抽出(原理の把握): 筆者の主張や実験の背景原理を抽出します。

  2. 非言語情報の要点抽出(データの把握): グラフや図表が示す客観的な傾向数値的な事実を抽出します。

  3. 情報の統合と編集: 抽出した原理データを対照させ、「長文の主張が、グラフのデータ傾向によってどのように裏付けられているか」という論理的繋がりを字数制限内で構築します。

この統合・編集作業こそが、英検や国語で培った「情報整理の型」を土台として、「非言語 ⇔言語」の往復訓練によって強化される、ハイレベルな抽象化スキルの結晶です。

受験は「抽象化」で決まる

英検の要約学習は、単なる英語の練習ではなく、受験国語の記述力、ひいては適性検査や大学入試で必須となる高度な論理的思考力を早期に育成する最高の機会です。

小学生・中学生のうちから、「型」に基づいた要約「具体と抽象」の往復訓練を徹底し、すべての科目で通用する普遍的な「抽象化スキル」を身につけることが、受験成功への最も確実な道となるかなと思っています。

これらの抽象・要約に関して、受験時に非常に大事とされるにも関わらず、定期的な「きちんとした学習」はされていないというのが個人的な感想です。受験時に塾やワークなどではじめて重要さに気が付き「センスを磨く」的な意味合いで学習し、中途半端な型にはめてそれっぽく答えるというのがパターンではないでしょうか?

英検3級を小学生の早い段階から学習することでこれらに対する「慣れ」は圧倒的に早い時期から得ることになるかと思います。

これらのスキルを早い段階から磨くことは実は国語どころか全ての教科共通で如何なくアウトプット出来ることを意味するのかなと思っています。大学受験時に記述が重要視されるようになって以降というもの、全てのカテゴリで記述がポイントにされているので是非この機会に如何ですか?という記事でした。

 

参考になれば・・・

 

でわ

 

 

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