はじめに:小学生の英検3級、合格の鍵は「4技能のバランス」
来週のはじめには英検第3回の申込期限になりますね。なんだか時間の流れを早く感じる今日此の頃です。
そんな中、今回は小学生で英検3級をどう取るのかについて書きたいと思います。
英検3級は「中学卒業程度」のレベルとされ、一次試験の合格率は約50%(注1)と、5級・4級から難易度が大きく上がります。特に、初めて課されるライティングとスピーキング(二次試験)が、小学生にとって最大のハードルとなります。
しかし、ご安心ください。過去のデータでは、二次試験(面接)の合格率は90%以上(注2)と非常に高く、一次試験を突破すれば、ほぼ合格圏内です。
本記事では、小学生の主要な学習環境である「おうち英語勢」と「多読勢」に焦点を当て、データに基づいた弱点克服法を具体的に解説します。
注1, 2:2016年度以前の公開データ及び現在の推定合格率(一次約50%、二次約90%)に基づく。
I. 💪 【環境別】小学生の英検3級 4技能の得意・不得意
学習環境によって、お子様が培ってきた英語の能力には大きな偏りが見られます。ご自身のお子様の強みと弱点を把握しましょう。これはあくまでも早期・おうち英語友達やオンライン報告会で個人的に集めた傾向について書いているので、個々人の差はご了承ください。
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おうち英語勢 (DWEなど)
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主な強み(得点源): スピーキング、リスニング(高得点)
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顕在化しやすい課題(難関): ライティング(文法・単熟語・スペリング・構成の正確さ)
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対策の焦点: ライティングの「型」と文法知識の補強
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多読勢 (ORTなど)
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主な強み(得点源): ライティング、リスニング(安定した高得点)
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顕在化しやすい課題(難関): スピーキング(即時応答力・発話慣れ)
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対策の焦点: スピーキングの面接形式への慣れとアウトプット練習
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II. 📝 ライティング対策:「感覚」を「得点」に変える方法
ライティングは、おうち英語勢の最大の弱点になりがちですが、対策次第で最も点数を稼ぎやすい技能でもあります。
1. おうち英語勢の課題と対策:文法の「正確さ」
感覚で英語を話せる反面、ライティングでは以下のミスが多発します。
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中学1〜2年生レベルの文法ミス: 三人称単数現在の sの抜け、過去形や複数形の処理、基本的な前置詞の誤用など。
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英検特有の論理構成の欠如: 質問に対し、「意見 + 理由2つ」という型を守れていない。
【必勝対策の鍵】
英検3級のライティングで求められるのは、難しい単語ではなく、基本的な文法を正確に使える力です(データ1.1参照)。
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「鉄板テンプレート」の暗記: 導入、理由1、理由2、結論のシンプルな型と接続詞(First, Second, Also など)を覚え、当てはめる訓練を徹底する。
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スペルと句読点の徹底チェック: 3級頻出単語のスペルミス、文頭の大文字、文末のピリオドといった基本ルールを、自己採点・添削で厳しくチェックする。
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理由が理由になってないなどのポイント
2. 多読勢の強みと対策:構成の確認
多読勢は文章を書くことに抵抗がありませんが、英検ライティングの「型」を理解していないと減点されることがあります。自分の意見だけでなく、必ず理由を2つ述べているかを確認するだけで、満点に近づきます。言い換えると多読勢は普段の学習から物語についてライティングに必要なアウトプットを行っておくと良いのかなと思います。
III. 🗣️ スピーキング対策:高合格率を活かすための「慣れ」
英検3級の二次試験(面接)は、合格率が約90%以上と非常に高い「サービス問題」です。しかし、この高合格率は、事前の対策をした受験者のものです。
1. 多読勢の課題と対策:即時応答と慣れの不足
リーディングで培った理解力は抜群ですが、「対人」で「瞬発力」を求められることに慣れていないのが弱点です。
【必勝対策の鍵】
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「面接の型」を完コピ:
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入室から退室までの流れ、挨拶、着席のタイミングなど、面接全体のリズムを動画で確認し、ロールプレイングで完璧に体に覚え込ませる。
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アティチュード(態度)で点を稼ぐ:
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はっきり聞き取れる声で話す、面接官の目を見て応答する、質問を理解できなければ Pardon me? と聞き返す姿勢を見せることが、合格率90%を支える態度点(アティチュード)に直結します(データ1.2参照)。
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娘っ子の例でいうと面接官=知らないおじさんと思いそれだけで萎縮してしまった様なのでそういう意味では初見の人と喋れるという意味でもオンライン英会話は大事かなと思います。
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オンライン英会話での特訓: 日常会話ではなく、「英検3級面接の過去問」を使い、即座に、理由や詳細を加えて2文以上で答える訓練を集中的に行う。
2. おうち英語勢の強みと対策:形式への慣れ
会話には強いおうち英語勢は、面接の「型」さえ理解すれば、表現力豊かに応答できるため、ほぼ心配はいりません。過去問を数回試す程度で、自信を持って臨めるでしょう。
🔑 まとめ:3級合格は「下の級の知識の正確な応用」
小学生の英検3級攻略の最大のポイントは、ネックとなるライティングとスピーキングが、中学3年レベルの知識を必要としない点にあります。
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ライティングは「4級レベルの単語・文法」を「3級の構成(型)」で正確に書く。
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スピーキングは「4級レベルの表現」を「90%超の合格率を支える型と態度」で臨む。
お子様の学習環境がどこであれ、弱点スキルに対して「知識の難易度」を上げるのではなく、「使い方の正確さ」と「試験の型への慣れ」に集中することで、小学生でも無理なく英検3級合格を勝ち取ることができます。今回の例に関しては、小学校前・低学年・高学年でも大分対応は違ってくるかと思います。
それにDWEをやっている子はORTもやっていたり、きれいな棲み分けが出来ていないのも現状です。
オンライン報告会で3級に躓いていた子達を例にすると、圧倒的にライティングでの減点が大きい子が落ちてしまうことが多かったです。これはレベルが達していないと云うより、自然な解答やアウトプットを重んじた結果、型にはまっていない為に落ちてしまうという、ちょっとしたジレンマ的な状態です。
確かに子供の自然なアウトプットを大事にしたいと云うのは分かるのでここらへんは各ご家庭の判断かなと思います。
違った見方をすると英検の「型」によるアウトプットは何も悪いことだけではないと個人的には思っています。
というのも、このライティングで必要とされる要約(Eメール)と導入、理由1、理由2、結論の型は、実は小学校2年生の国語でかなり使われる学習内容です。
うちの娘っ子に関してになりますが、英検のライティングの対応学習をして以降、国語の長文要約や記述が出題される模試などで全統小60以上はアベレージで取れています。国語の学習を特に行わないでのこの結果は、明らかに英検のおかげ?かと思っています。
英検を取ることは中受などでのプラスとして考えることも出来ますが、その一方で私立小に通ってる子達にとっては3級がマストとされ、学校で習っている英語のちょっと先取り程度にしか思っていなかったりします。ここらへんは僕らが子供の頃とは明らかに違う点かなと思ったりしています。
ただ英検を取ることが目的なのは個人的には少し寂しかったりするので、楽しんで英語に触れていたら結果的に取れたくらいだったらなと思ったりもしています。
参考になれば・・・
でわ
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