模擬試験だった方、お疲れさまでした。
今週はなかった方、がんばろう!
さて自校作成校を志望する皆さんが、最も悔しいと感じるのは、難しい問題に挑んで敗れることではなく、「時間が足りずに途中で終わってしまう」ことではないでしょうか。今回は自校作成校の受験について書きたいと思います。特に、国語・数学・英語の3教科でこの現象が頻繁に起こり、確実に取れたはずの得点を失うのは本当にもったいないことです。
本記事では、この「時間不足」を克服し、合格ラインを突破するために不可欠な、教科ごとの時間戦略と深掘りした対策を徹底的に解説します。理科・社会で時間が余る皆さんは、すでに高い基礎力を持っています。あとは、その思考力をいかに制限時間内に最大限発揮するか、その「アウトプットの技術」に焦点を当てていきましょう。これらは凡そで書いているので、個別的なデータを基にして話しているものではありません。必ず塾や家庭教師の指導の下、学習するといいかなと思っています。
今回の記事は自校作成校だけでなく、一般的な高校にも対応しているので、勉強頑張りましょう。
1.都立自校作成問題の核心:なぜ時間が足りないのか?
共通問題(理科・社会など)で時間を持て余すにもかかわらず、国数英で時間不足に陥るのは、自校作成問題が「知識の再現」ではなく「思考の処理速度」を問うているからです。
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理科・社会: 知識の確認と再生に時間がかからないため、正確に速く解き終えることができます。
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国語・英語: 膨大な文章の高速かつ正確な読解と理解に時間がかかります。
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数学: 複数の知識を組み合わせて解法を見つけるプロセスに時間がかかり、計算量も多いです。
つまり、自校作成問題の対策とは、「解法発見のスピード(数学)」と「高速読解・処理能力(国語・英語)」を磨き上げることそのものなのです。
2.【教科別】時間不足を克服する深掘り戦略
時間不足を防ぎ、得点を最大化するための具体的な戦略を、各教科の特性に合わせて深掘りします。
📝 【原因と対策を徹底解明】自校作成問題「時間不足」克服の深掘り戦略
📐 1. 数学:解法発見と計算処理の深掘り
自校作成数学の最大の敵は、思考が停止する時間(フリーズタイム)と、複雑な計算の見直し時間です。
❌ 主要な原因
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解法パターンの引き出し不足と誤った選択: 難度の高い応用問題(特に平面・空間図形、関数)を見た際、複数の解法候補から最短のものを瞬時に選べない、あるいは全く解法が浮かばないことで、時間を浪費します。
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複雑な計算でのミスと非効率な手順: 大問の終盤で要求される複雑な計算(連立方程式、平方根を含む値の処理など)において、ミスが発生し、見直しややり直しに大幅な時間を奪われます。
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大問1(小問集合)への時間投資過多: 比較的解きやすいはずの小問集合で、油断して計算ミスをしたり、簡単な問題に時間をかけすぎたりすることで、配点の高い応用問題に割く時間がなくなります。
✅ 深掘り対策
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着眼点ノートの作成: 単に問題を解くだけでなく、「この問題を見たとき、なぜこの補助線を引くべきなのか?」「なぜこの文字で置くべきなのか?」という解法の着眼点を言語化して記録するノートを作成します。これにより、問題の「型」を瞬時に見抜く訓練を積みます。
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初期思考の厳格な制限: 難しそうな問題に対しては、「思考リミット1分」を設けます。1分経っても解法の見通しが立たない場合は、潔くその問題から離脱することを習慣づけます。この「見切り」の訓練が、時間切れを防ぐ生命線となります。
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計算の「時短手順」訓練: 計算ミスをなくすのはもちろんのこと、効率的な計算手順を身につけます。たとえば、連立方程式で分数や小数を含む場合、すぐに整数化するなど、計算に着手する前の手順を最短化する練習を繰り返します。
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分野別時間配分の徹底: 大問1は最大10分で完了させると決め、残りの40分を応用問題(関数、図形、確率)に振り分けます。そして、「一問に10分以上はかけない」というルールを本番でも守り抜く訓練をします。
🇯🇵 2. 国語:論理的読解と記述作成の深掘り
自校作成国語は、文章の抽象度と記述の高度さが時間を奪います。全文章を隅々まで読む余裕はありません。
❌ 主要な原因
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精読の罠と返り読み: 一文一文を完全に理解しようと丁寧に読みすぎる(精読)ため、文章全体を読み切る時間がなくなります。また、内容がわからなくなると何度も前を読み返す(返り読み)ことで、時間ロスが蓄積します。
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設問の要求把握の遅れ: 特に記述問題において、設問が求めている要素(理由、具体例、筆者の意見など)を正確に把握するのに時間がかかり、本文から情報を抽出するプロセスが非効率になります。
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記述の構成に時間がかかる: 記述問題で、いきなり解答を書き始めることで論理構成が破綻し、途中で書き直しを余儀なくされる。または、要素を整理するのに時間がかかりすぎます。
✅ 深掘り対策
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「論理展開」を追う速読: 全ての文を精読するのではなく、筆者の「主張」と「論証」の展開を追います。具体的には、接続詞(しかし、ゆえに、なぜなら)と指示語、そして段落の要点(トピックセンテンス)のみをマーキングしながら読み進める「パラグラフ・リーディング」に近い技術を国語にも適用します。
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記述の「要素分解」訓練: 記述問題を読む際、設問を「何について」「何を」「何文字以内で」答えるべきかという3つの要素に分解し、本文を読む前に明確化します。本文を読みながら、この分解した要素に合致する部分にだけチェックを入れる訓練をします。
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記述の「型」と「メモ作成」: 記述問題に取り組む際は、まず「核となる要素を3つほど箇条書きでメモする」というプロセスを必ず踏みます。これにより、書き始める前に構成が定まり、書き直しによる時間ロスをゼロにします。作文についても、意見→理由1→理由2→結論というテンプレートを身体に染み込ませます。
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時間配分の逆算: 最初に漢字・語彙(1~2分)と作文(5~8分)の時間を取り、残った時間を読解の長文(約40分)に割り振るという「逆算式の時間配分」を徹底します。
🇬🇧 3. 英語:圧倒的な語彙力とアウトプットの型化
自校作成英語は、総語数が非常に多いため、読解のスピード自体が最大のボトルネックとなります。加えて、記述(自由英作文・和訳)の難易度が高く、時間を要します。
❌ 主要な原因
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語彙力不足による「立ち止まり」: 英文中に知らない単語や熟語が出現するたびに思考が中断され、前後の文脈から類推するのに時間がかかり、読解のリズムが失われます。
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返り読みの習慣: 日本語の癖で、英文を後ろから前に訳す「返り読み」をしてしまうため、英文の構造を前から順に理解するスピードが上がりません。
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英作文の一からの作成: 自由英作文で、構成や表現をゼロから考えるため、下書きから清書まで全てに時間がかかりすぎてしまいます。
✅ 深掘り対策
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「多読」と「ストック」の徹底: 過去問で出題された難易度の高い語彙を徹底的に暗記するだけでなく、普段から長文を時間無制限でもいいので大量に読む訓練を行い、英文に慣れる「視野」を広げます。これにより、読解スピードの土台を築きます。
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スラッシュリーディングの習慣化: 英文を意味の塊(S+V、句、節)で区切りながら前から順に理解する「スラッシュリーディング」を、日々の学習で必ず実践します。これにより、脳内で日本語に訳す際の返り読みを強制的に防ぎ、ネイティブに近い速度で文章を処理できるようにします。
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自由英作文の「鉄板テンプレート」暗記: 意見表明→理由1(具体例)→理由2(具体例)→結論という論理展開の型(テンプレート)を複数パターン暗記します。試験本番では、テンプレートの枠組みに、本文の内容や自分の意見を埋め込むだけの作業にし、構成を考える時間をゼロにします。
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リスニング時間での「先読み」: リスニング中に指示があれば、次の大問の設問や選択肢を先読みし、本文で何の情報が求められているかを把握する。これにより、リスニングが終わった直後から、長文読解にスムーズに移行できます。
これらの深掘りした戦略を過去問演習に取り入れ、「時間切れで失った点数」を限りなくゼロに近づけていきましょう。
参考になれば・・・
でわ
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