:なぜ今、小学生が英検3級に挑むのか
英検3級は一般的に中学卒業レベルとされますが、グローバル化が進む現代、小学生での取得は珍しくありません。
特に、早期・おうち英語で培った高いリスニング・スピーキング能力を持つお子様にとって、3級合格は「英語の基礎体力」が身についた証となり、今後の学習への大きな自信に繋がりますし、現在どの程度出来ているかのポジションを測る意味でも良いかと思います。
一方で無責任なことも言えませんから、ちょっとした物差し的なものを提案すると、過去問のリスニングにおいて8割に到達できない場合は、少し学習方法を見直してから挑戦したほうが良いのかなと思います。
というのも、僕がリアルなどで出会ってきた早期・おうち英語勢の子の大半はリスニング・スピーキングがとても強いです。
共にほぼ3級レベルでは減点がありませんし、満点の子も多いです。ただ高学年まで歌や動画でそれっぽく慣れてきただけのパターンですと、質問形式で躓いてしまう子が多く英検3級には遠く及ばないのも事実です。
勿論違うアプローチで学習している子も多いので一概には言えませんが、リスニングは1次において安定的な得点源になるので大事にしたいところです。
本記事では、その強力な「聞く・話す力」を最大限に活かし、残された課題である筆記試験(リーディング&ライティング)で確実に合格点を突破するための、個別指導的な家庭学習法を深掘りして解説します。
合格ラインの目安として、3級のCSEスコア合計1150点のうち、筆記試験(リーディングとライティング)で約600〜650点以上を獲得することを目指します。そのためには、中学基礎文法の正確な定着と、時間配分、そしてライティングでの高得点獲得が鍵となります。
🎯 必勝対策1:リーディング大問別 攻略の深掘り
おうち英語でインプットされた「音の知識」を、「文字の知識」と「文法的な理解」として定着させることが、リーディング攻略の目標です。
1-1. 大問1:語彙・文法(基礎力とスピード勝負)
💡 深掘りポイント:音と意味の紐づけ学習
リスニング力が高いお子様は、単語帳を使って「文字と意味」を覚える際、必ず音声付きの教材を使用しましょう。これは、既に知っている「音」と「文字」を一致させる作業(コネクティング)であり、小学生の記憶定着に非常に効果的です。
文法対策においては、3級で最も出題頻度が高い現在完了形、受動態、不定詞(名詞的・副詞的用法)に集中して特訓を行います。指導の際は、「この文は誰が(主語)何をしているの(動詞)?」のように、文の構造 (S+V+O など) を図式化して教え、暗記に頼らず構造を理解させることが重要です。また、takeやgetのような基本動詞の多義語や熟語が出題の鍵を握るため、look at(〜を見る)、 look for (〜を探す) のように、前置詞との組み合わせで意味が変わる熟語をブロックで覚える練習も徹底します。この大問1では恐らく見慣れたや違和感などを頼りに回答してくお子さんが多く、「文法的に・・・」といった解法ではないのかなと思います。ただそれは早期・おうち英語勢の強みでもあるので活かす形で家庭学習していくと良いかと思います。
1-2. 大問2:会話文(文脈と慣用表現の把握)
💡 深掘りポイント:ネイティブ感覚の確認
リスニングの強みを活かしつつ、確実な得点源とするために「なぜその返答になるのか」を理解させましょう。相手の発言(質問、誘い、感謝、謝罪)に対し、どのような返答(承諾、お礼、許容など)が来るかという「会話の流れのパターン」を学びます。特に Sounds great!や How about... といった慣用表現は、実際の会話で使いながら覚えるロールプレイング練習を加えると効果的です。空所の前後の文に注目し、質問と答えの論理的な繋がりをチェックさせることが重要です。この大問に関しては、どちらかというと、「慣れ」だと思います。こういった条件で環境でこういうパターンの問を出されます。みたいな部分での慣れがとても大事になるのかなと思っています。
1-3. 大問3:長文読解(戦略的な情報検索)
💡 深掘りポイント:読解にかける時間配分
リーディング50分のうち、長文読解に割ける時間は最大20分です。速読と精読を使い分ける戦略が必須となります。
最も重要な戦略は質問の先読みです。本文を読む前に、設問に含まれる固有名詞や日付、場所などのキーワードをチェックし、「本文のどこに答えがあるか」を予測しながら読み進めます。また、英語の文章は「トップ・ダウン」構造が基本であるため、各段落の最初の文(トピックセンテンス)を読むことで、その段落の要旨を約8割つかめることを指導しましょう。Eメール形式の場合は、日付、From、To、Subject(件名)を先に確認し、「誰が、いつ、何のためにこのメールを書いたか」という背景情報を把握してから本文に入ります。
この大問は多読勢にとっての独擅場かと思います。正直文章的なレベルは恐らく早期・おうち英語勢が普段読んでいる内容よりも理解しやすいかと思います。一方で文章的には「つまらない」ものだったりするので、文章内容ではなくクイズに答える感じで楽しむことが必要かと思います。
✍️ 必勝対策2:ライティングで満点を狙う「型」の徹底
ライティングは、リーディングで失点した分を補う「得点源」です。語数25〜35語を確実に満たし、満点(16点)を狙える文章を安定して書けるよう、「型(テンプレート)」を徹底的に指導します。
2-1. 鉄壁の「3文構成」と接続詞
どんな質問にも当てはめられる以下の3文構成を徹底させます。
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文1:意見表明: 質問に直接答えます。 I think believe のように、質問の主語と動詞をそのまま活用して文法ミスを防ぎます。
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文2:理由1: First, や To begin withといった接続詞を使い、一つ目の理由を簡潔に述べます。
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文3:理由2: Second, や Also, といった接続詞を変えて使い、二つ目の理由を述べます。接続詞を変えることで、構成力をアピールできます。
満点取得のための注意点として、理由は必ず2つ書くこと、理由1と理由2は内容が重複しないこと、そして接続詞の後には必ずコンマ(,)を使うことを徹底指導します。
2-2. 指導上の具体的なテクニック
ライティングでは、難しい文法(分詞構文など)を使おうとせず、現在形や未来形など、絶対に間違えない文法で表現できる理由を選ぶように指導することが重要です。また、書いた文章は、内容・構成・語彙・文法の4つの観点から毎回フィードバックを行い、特にスペルミスや三単現のs、単数・複数などの基礎的なミスを撲滅させます。語数を満たすため、理由を少し具体的に説明する簡単な修飾語(例:very much など)を意識的に加える練習も行いましょう。この大問で合否を分けると言ってもいいので、慎重に時間を掛けて学習することをおすすめします。
基本的に早期・おうち英語勢はここの対応如何で受験を決めるのかなと思っています。ただ心配いらないのは、一定まで書き慣れてくると問題なくこなせるようになるかと思うので、一つのゲームとして攻略してもらえたらと思います。
最終ステップ:過去問演習と学習の進捗管理
データに基づく学習調整
過去問は必ず時間を測って本番形式で解かせ、その結果を詳細に分析します。間違えた問題は、「語彙」「文法」「読解」のどこに原因があったかをチェックリストで記録し、毎週の学習内容を調整します。例えば、大問1の文法問題で間違いが続いたら、その週は現在完了形などの頻出項目のドリルを重点的に行う、といった具合です。
モチベーション維持のための工夫
おうち英語の強みであるスピーキングやリスニングを活かし、週に一度は英語で褒める時間や、得意分野の練習を設けることで、自己肯定感を高めます。合格までのプロセスをカレンダーに可視化し、目標達成に応じて小さなご褒美を設定することも、小学生のモチベーション維持に非常に効果的です。
このロードマップに従い、得意を活かし、苦手を論理的な学習で補う個別指導的なアプローチを実践することで、お子様は自信を持って英検3級を突破できるでしょう。
ちょっと苦い話をすると、早期・おうち英語はかなり様々な学習方法があるため、「コレ」と言った形で絞ることは出来ないかと思います。その為に色々思考してしまい、どうしても効果的に継続しての学習が難しくなってきたりもします。
その一方で何度かブログに書いていますが英検3級は私立小学校の多くで6年生までに取得することがマストとされているのも事実です。
それらを前提に言うと、小学校での3級合格は安定して学習している早期・おうち英語勢にとっては苦にならないと正直思います。
しかしながら早期・おうち英語の完走率がかなり低いことも知られています。それはなかなか家庭学習で一定レベルの定着を図ることは難しいためかなと思っています。
そういう意味でも、英検取得のプロセスはある意味で確立しているので、早期・おうち英語に迷った際には英検を受けるための学習をしてみることも良いのかなと思った次第です。
参考になれば・・・
でわ
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