腫れにくい瞼の切開手術の極意(後編)! | なにわの美容外科医 ☆なんでも 快・魁・回想録☆

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こんにちは大阪京橋の美容外科

こまちくりにっく 院長の藤本です。

 

今回は腫れにくい瞼の手術について、後編をお話します。

 

 3.出血・止血しすぎ

 

切る手術なので、術中・術後に出血すると内出血となり、紫に腫れてしまします。そのため、しっかりと止血することが重要です。十分に止血できていないと、術後帰宅後に紫に腫れてきたりします。

特にむくみによる腫れより、出血による腫れの方が引きが悪く、色も目立つのでなるべく出ないようにしたいです。

しかし、通常、まぶたの止血には電気凝固という方法を使います。これは細い血管を焼いて止める方法です。なので、しっかり止血すればするほど火傷をつくって、腫れてしまいます。

 

しっかりと止血しないと腫れる

でも、しっかりと止血すると火傷で腫れる

 

では、どうするのがいいか?

→血を出さないのがベストです!!

 

そんなの切開の手術で出血させないのは無理っ!

 

でも、出血を減らす工夫はできます。

 

1)太い血管はあらかじめ凝固もしくは結紮しておく

2)無駄な剥離はしない

3)血管の少ないレイヤーで剥離

4)麻酔がしっかり効くのを待つ

5)ゆっくり手術をする

 

1)~3)はわかりやすいと思います。4)は麻酔に出血を減らす成分が入っているので、痛みが消えていても5分くらい待ってから手術した方が出血しません。せっかちにすぐ手術するとメスを入れた時に血まみれになることがあります。

 

そして5)です。

 

・メスで皮膚を切る

・手術ハサミで組織を切る

・糸で縫うのに針を皮膚に刺す

 

これらの操作はゆっくりすると出血が少なくなるのです。血管は弾力のある管なので、早く操作すると血管を損傷しますが、ゆっくり操作すると血管が逃げてくれるのです。

 

イメージできますか??

 

採血も逆ですが同じような感じです。

ベテランの看護師さんがすぱっと針を刺すとすぐ血管に刺さるのですが、新米の研修医が戸惑いながらゆっくり刺すと血管が逃げてなかなか採血できないということがあります。

 

業界あるあるですが、一般の人にはわかりにくいかな、、

 

要は、ゆっくり手術操作すると出血が減るということです。

 

逆にスパッと切って、ズバズバって剥離して、ザクザク縫うと血管の損傷のリスクがあがり、出血が増えます。そして麻酔は早く切れてしまします。

 

4、術後管理

 

術後に腫れを減らす工夫としては、

 

a) 冷やす・温める

b) 頭を上げる

c) 投薬

 

a) 打撲した時と同じで、クーリング・アイシングをすると腫れがましになります。これは腫れ始めから、腫れがピークになるまでした方がいいです。通常2-3日で腫れはピークになります。その間は冷やしてください。

すると腫れのがましになり結果的に腫れが早く引きます。

 

腫れをましにするのに、温めることもします。

 

えっ!冷やさずに温める?大丈夫?

ってよく聞かれます。

最初は冷やした方がいいです。炎症が強い間は冷やして、炎症が収まったあとのむくみは温めて腫れを引かせます。

 

出血斑なども、最初は温めると再出血を促すリスクがありますが、数日たってからであれば、温めた方が早く引きます。

 

b) 腫れ・むくみは心臓より低いところにたまります。なので術後は枕2つ分程度でいいので少し頭を上げている方がまぶたの腫れはましになります。

逆に、うつ伏せで寝ると、まぶたがパンパンに腫れます。

 

術後のダウンタイム中はお出かけできないからといって、ベッドに横になって、ずっと左横に置いているテレビを見ていると、左目だけが腫れた人もいます。

 

要注意ですよ!

 

c) ステロイドの点滴だとか、漢方の柴苓湯などが術後の腫れ予防にに効果があります。

ただ美容外科手術では保険がきかないので、高くなってしまいます。

 

 

こうやって書くと、手術で全く腫れないような印象を持たれるかもしれませんが、まぶたの手術は大なり小なり必ず腫れます。

なので、なるべく腫れないように気をつけて手術することが大切です。

 

そして経営効率を重視するクリニックでは、手術予定をタイトに組んで手術を詰め込みますが、そうすると急いで手術することになり、結果的に腫れが強くでてしまいます。

当院では、もちろんゆっくり丁寧にしますが、その上で全切開であれば20-30分はゆとりをもって手術枠を押させます。あとが詰まっているからといって急ぐとよくないからです。

(今日は鼻の修正手術で予測がしにくかったので1時間以上余ってしまいました。苦笑)

 

以前のブログでADM手術(眼瞼痙攣を伴う眼瞼下垂手術)の手術直後の写真を載せましたが、ほとんど腫れていません。

広範囲に剥離をしましたが、かなり丁寧にゆっくりとしたので、出血も少なく、術中の腫れを抑えることができました。

 

↓下記ADMのブログ参照ください

https://ameblo.jp/drfujimoto/entry-12350255352.html

 

手術直後は腫れを抑えることができましたが、剥離範囲が広くミュラー筋も切除していますので、2日目になって内出血が出ています。

でも2日目がピークで3ヵ月すると全く問題なく綺麗に治っています。

 

 

主な過去の“まぶた”関連ブログ

https://ameblo.jp/drfujimoto/entry-12382200558.html

https://ameblo.jp/drfujimoto/entry-12368802668.html

https://ameblo.jp/drfujimoto/entry-12309747848.html

https://ameblo.jp/drfujimoto/entry-12326062436.html

https://ameblo.jp/drfujimoto/entry-12361750116.html

 

 

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