加計学園の獣医学部新設問題について安倍首相は「速やかに全国展開を目指したい」と講演で語り今後二校、三校と新設を認めていく方針を示しました。
私は、少子化の時代に大学の新設や学部の新設に関してはそもそも慎重であるべきと考えます。子どもの数が減っている中、本当に必要な分野への人材確保のため取組むことは国家戦略であると考えますが、優先順位は介護や福祉の現場の人材確保であり、獣医師の数を増やすことの優先順位が高いとは思えません。
農林水産省は、特区の作業部会でも獣医学部の数は(16校総定員930名)現状で足りているとしています。家畜やペットの数が著しく増えている訳ではなく、ペット医は飽和状態と言われています。口蹄疫や鳥インフルエンザなどの危機がある中、公務員の獣医師は不足していると言われていますが、これは仕事環境や処遇の改善が必要であり、入学定員を増やして解決する問題ではないとの指摘もあります。
国は、平成16年に法曹人口が足らないため米国のロー・スクールをモデルに法科大学院の制度を導入しました。10年後の平成26年、存続していた法科大学院73校の内、そのほとんどの67校は定員割れとなりました。年々募集停止が増え、現在は40校程度が存在していますが、今後更に減り続けると言われています。
今、我が国で獣医学部を新設し、更に全国に展開し二校、三校と増やすことは、法科大学院の例を見るまでもなく近い将来、定員割れすることは見えているように感じます。
加計学園の決定プロセスに疑義が持たれており、行政手続きが歪められた可能性が指摘されている中、仮に嘘を隠すために嘘を重ねて獣医学部を新設し、全国展開をはかるため政治がごり押ししているなら、これは国家戦略どころか日本の歴史の中で大きな汚点になると考えます。
10年後、獣医学部が定員割れしないか?獣医師は飽和状態にならないか?岩盤規制にドリルで穴をあけるといった派手なパフォーマンスや強い言葉ではなく政治家は未来を語ってほしいと感じます。















