ダイハツ ムーヴ KFエンジン
平成22年 DBA-L175S 128850km
※エンジン車載状態でピストン交換です。
追記型とは、作業状況を随時更新して行うサービスで、長期のお預かりなどで行わせて頂いております。
年明けにシフトリンクオイル漏れとクラッチ交換行った車両ですが
オイル消費が著しく、ケミカル等でも改善せずリビルトエンジン載せ替えも
視野に入れておりましたが、失火の故障コードが入るなど様子見とは行かない感じです。
1000km走行で、エンジンオイルが１L消費してしまいます。
欠陥とも言えるエンジンで対策前の個体でしたので、ピストンキット交換と成りました。
※なおシリンダーが楕円変形してしまった場合は、ショートブロック交換に成ります。
オーバーヒート履歴やガスケット抜け、打音が出ている場合は可能性有りです。
クラッチ交換でクランクのリアシールを交換しているので、エンジンを下さずに作業します。
中古車なので、新車からのエンジンか否かは不明ですが、オイル管理は問題無いですね。
問診の時点から、チェーンやカム廻りが非常に綺麗でしたので、クランクを外しません。
エンジンマウントを外すので、コアサポートで吊る為の治具を簡易作成。
エアコンガスも抜かず、コンプレッサー宙吊りです。
腰下も綺麗です。
コレだけ綺麗ですと、オイルポンプは開けずに行きましょう。
オイル消費がひどいので燃焼室はカーボンだらけです。
No1
No2
No3
最低限バルブステムシールも交換しますので、清掃ですね。
予想よりはビックリ汚れでは有りませんでしたが、
オイルリングは完全に固着しております。
オイル上がりの原因です。
摩耗が進んでいる様子。後程測定してみます。
パワステポンプもオイル抜かずの宙吊りです。
ピストン交換をエンジン下して行う諸先輩方がいらっしゃいますが、
お気持ちは良く解りました。
ココまでは昨日の作業内容と成ります。
本日は測定や洗浄が主な作業に成り、新品のピストンが入れられても、
ヘッドの終わりが未知数です。
超音波洗浄機の効果に期待します（＾＾/
エキゾーストバルブ
No1
No2
No3
インテークバルブ
No1
No2
No3
オイル下がりは起きて無く、燃焼室でオイルが燃えた状況ですね。
原因はオイルリング固着による、オイル上がりと判明致しました。
ココから23日
シリンダーはクロスハッチも確認でき摩耗は無いようです。
オイルストーンを掛け、歪点検。
ピストンは0.08mmの摩耗差で首振り打音が出始めてました。
新品３個の重軽誤差は３ｇ程度でしたが、１ｇ以内に調整。
超音波洗浄機から上げて・・・カーボンが浮いて来てます。
エアーで飛ばしましたが・・・
ゴリゴリ削り取る作業が続き・・・
オイルストーンも掛けて２回目洗浄。
あと、何回？まだまだですね。
エキゾーストバルブのダメージが気に成る所・・・
清掃と擦り合わせに期待ですが、交換に至ると、バルブクリアランスにも・・・
タペット￥860×数で出費がかさむ予感が否めません。
フロントカバーも洗浄を行う関係で、結局オイルポンプも分解致しました。
24日
朝からバルブの清掃と擦り合わせを行い、ステムシールを交換して組み付け。
液体を満たしエアーを送ると・・・
ぶくぶくと・・・４ヵ所やり直しです（＞＜
カムシャフトを組んで、バルブクリアランスを確認します。
擦り合わせ後でも、分解前と殆ど変りませんでした。
全て許容範囲内でしたが・・・
規定値 IN 0.18 EX 0.30
許容範囲 ＋0.055 －0.035
幾つか組み替えて、規定値の0.02以内で納まるようセット。
洗浄部品も全て終わり、注文部品も全て揃ったので
明日から組み付けに入ります。
25日
組み付け準備でオイルポンプ組み立てやボルト類洗浄など・・・
ベンチレーションバルブも交換です。
ピストン入りました。角度締め後もスルスル回ります（＾＾
ヘッドも載せて、昼食です。
ﾀｲﾐﾝｸﾞﾁｪｰﾝ、ｶﾞｲﾄﾞ、ﾃﾝｼｮﾅｰは問題無かったので、再使用です。
パタパタと組み上げて行きます。
騒音問題終了時刻までにクランキング（オイル循環）が出来ませんでした。
５日目に突入ですね。
26日
冷却水やエンジンオイルを入れて、プラグ抜いたままでの
油圧上げクランキングを行った後に、故障コード入力を確認すると
ノックセンサーの異常が・・・
ん～。確かにコネクターを刺した記憶が無い・・・・
取り返しのつくミスを犯してしましました（＾＾;A
オルタネーターとスターターを外して・・・結構手間です。
余計な事を考えながら作業をしていると、やらかしますorz
４０分程度のロスでしたが、お昼前に試運転が出来ました。
特に問題も無く、快調です。
缶詰状態でしたので、午後の試運転がてら桜の画像が撮れました（＾＾/
今回の交換部品です。
左端のエアークリーナーケース下側は、前回の作業で破損させてしまい
溶着処理していた物を、中古良品で交換致しましたm(_ _)m
シールやガスケットは交換必修部品と成ります。
ウォーターポンプは交換履歴が無く、対策前の品で有ったのと
サーモスタット、ベルト類、クランクポジションセンサー、ベンチレーションバルブは
予防交換と成りました。
肝心なシリンダーガスケットを並べ忘れました。
既にコレクションゾーンに入ってました（＾＾
エンジンオーバーホールでは無く、ピストンキット交換でした。
2021.06.21
継続検査（車検）でお預かり。 132233km
ピストン交換から3389km走行。
エンジンオイル規定量2.8Lに対して排出2.5L
オイル消費量としては正常値に成っております。
エレメントも切開して点検しましたが、金属粉等無く良好です。
2021.08.27
お仕事先駐車場に水漏れが有るとの事で緊急入庫です。
134646km
距離、経年劣化が否めない部品の損傷です。
ラジエーターのカシメ部からリークしております。
バンパー外して、コンデンサーは浮いた状態です。
ファンがまき散らせて・・・
ミッション廻りに飛び散ってます。
広範囲に洗浄を要します。
ラジエーターは優良メーカーの社外品をチョイス。
アッパー＆ロアーホースも交換しました。
加圧して、各部点検。
次、何が壊れるか・・・をご理解頂いてのお客様です。
2021.10.17
オイル交換２回目でご来店。 136905km
１回目のオイル交換から4672km走行。
排出2.3L。
流石にエレメント内は汚れておりました。
ブレーキクリナーで確認。特に異物は有りませんでした。
今後を考慮しますと、4000km毎での交換を続けた方が良いでしょう。
2022.03.21
オイル交換3回目でご来店。 141816km
2回目のオイル交換から4911km走行。
排出2.2L。エレメント交換せず。
2.6L注入（エレメント未交換時規定量）
2022.09.04
オイル交換4回目でご来店。 146242km
2回目のオイル交換から4426km走行。
排出2.6L。エレメント交換
ピストン交換から17392kmでオイル減り問題は解消されたと言っても問題無い状況ですね。
同じKFエンジンで同様のオイル消費が生じている物でも、
メーカーからピストンキット設定が無い場合がございました。
以下はターボ編に成ります。
中古処置の２度手間
カーボンによる油圧低下
からの、オイルリング詰まりの末路
走行距離少な目ですが、オイル消費が著しく、対策ピストン＆リング交換
出費と処置の判断が難しいKFです。