米国防総省と米国家情報長官室が発表した未確認飛行物体（UFO）
の調査報告書が、さまざまな波紋を呼んでいる。報告書では
「確固たる結論を導き出すことは困難」とされているが、
この結果は宇宙生命体への理解に大きな転機をもたらすもの
というよりは、専門知識や権威がますます疑問視されるように
なった現状の課題をも浮き彫りにしたと言っていい。（Nature）
今回はこういうお題でいきます。オカルト論です。
さて、みなさんはUFOの存在を信じられますでしょうか。
UFOについては、以前にも「UFO学入門」という記事で
書きましたが、存在しているのは間違いありません。
そもそもUFOとは、「unidentified flying object」の
略語で、日本語では未確認飛行物体なのはご存知だと思います。
ですから、確認がとれるまでは、ドローンであっても
風船でも、どこかの国の開発中の軍用機であっても
UFOと呼ばれることになります。
アメリカ政府が発表した資料
UFOの多くはそのようなものです。雲、車のヘッドライトや
投光機の反射、気象観測用気球、人工衛星などなどが
正体であることがほとんど。まあしかし、
最後まで正体がわからないものもたくさんあるので、
中には宇宙人の飛行体があった可能性は否定できません。
さて、上記引用のニュースは、米国防総省と国家情報長官室が、
未確認飛行物体（UFO）の調査報告書を発表したものです。
「予備評価 未確認の空中現象 （UAP）」と題されたこの
非機密文書は、２００４年１１月から２１年３月の間に、
米軍パイロットが「説明できない物体」に遭遇した１４４件の
事例を調査した報告です。これが発表されると、海外の
UFO研究家やUFOファンはたいへん盛り上がったんですが、
日本ではいまいちの反応という感じがしました。
残念ながらというか、日本ではオカルトとしてのUFOは
あんまり盛り上がってないんですよね。これが海外だと、
オカルトのトップにくるのはだいたいがUFOです。
日本のトップである心霊はそこまで人気がありません。
なぜ、海外でUFOの人気があるかというと、これは陰謀論と
結びついているからです。じつはアメリカ政府は
以前から宇宙人とコンタクトをとっており、技術の供与や
未来予測を受けている・・・こんな感じで、映画の
『メン・イン・ブラック』の世界なんですね。
ところが日本だと、陰謀論自体がそんなに流行ってないです。
まして、「自民党は宇宙人とひそかに結びついている」なんてことを
SNSで言う人はいません。それだとさすがに頭のおかしい人
あつかいにされてしまいます。
さて、では宇宙人について、みなさんは宇宙人は存在すると
思いますか。また、宇宙人が存在するとして、はたして
地球に来ているのかどうか。３つの考え方があります。
① 宇宙人は存在するが地球には来ていない。
② 宇宙人は存在し、地球にも来ている。
③ 宇宙人は存在せず、知的生命があるのは全宇宙で地球だけ。
みなさんは①から③のうちのどれだと思いますか。世界の科学者では
①の人が多いと思います。宇宙には無数の星々があり、その中には
生命誕生の条件が整っていて、生命が誕生し、さらに知的思考が
できるまでに進化している・・・ ただ、広い宇宙の中で地球を
見つけるのは難しく、また距離が遠くて来るのも困難。
ヒッピー文化
ですから、宇宙からの電波やレーザー光を集めて知的生命の
痕跡を探る活動（パッシブSETI）や、逆に地球から宇宙に向けて
人類の存在を示すメッセージを打ち出してやる活動
（アクティブSETI）が行われているわけです。
ただ、欧米には③の考えをとる人もそれなりに多いんです。
キリスト教の影響ですね。キリスト教の教えでは、人間もすべての
動物も一度に神が創造したことになっています。この教義が
考え出されたとき、宇宙人のことは当然ながら
想定されてはいませんでした。
ロズウェル事件
まあそうですよね。その当時は空の星が地球と同じようなもの
だとは思われてなかったですから。で、神が人類を創造したとき、
この世界も、人間が暮らしていくことができるよう、最善の形で
創造された。空気があり水があり、食料としての他の動物がいる。
これは神中心の考え方と言っていいかもしれません。
さて、欧米でUFOが盛り上がっている理由の一つに、きゅうくつな
キリスト教の教義への反感があると、自分は考えています。
アメリカでUFOの論議が始まったのは、１９４７年アメリカ
ニューメキシコ州ロズウェルで起きた「ロズウェル事件」からと
言っていいと思います。
ジョージ・アダムスキー氏
で、この後のUFOのオカルトとしての盛り上がりは、じつに
見事にヒッピー文化とニューエイジ思想の隆盛に重なってるんですね。
ニューエイジ思想を一言で言えば、神中心の思考から離れて
個人一人ひとりの霊性や霊格を尊重するというものです。
ニューエイジ思想については、元ビートルズメンバー、ジョン・レノンの
楽曲、Imagine の歌詞を想起してもらえばいいかと思います。
さてさて、ここで、全知全能の神のかわりとなるものが、
地球人類よりも高度な知性や科学文明をそなえた宇宙人なんですね。
宇宙人と意識を交流させることができるとする、アダムスキー氏などの
コンタクティと呼ばれる人物があちこちに出現しましたが、これは
神の預言者にとってかわるものだったんです。では、このへんで。
ウッドストック・フェスティバル
