今回はこういうお題でいきます。「マーベル・スタジオ」はコミックの
発売元にして映画製作会社ですが、そのヒーロー像には3つのパターンがあり、
自分は、その種類によって、映画の作劇術も違っていると考えています。

まず、この3種類の説明ですが。まずは①、スーパーマン型。彼はクリプトン星
から来た異星人です。人間ではない。そして超人的な力を持っています。
しかし、人間ではないので、人間的な感情はほぼありません。また、自分が
ヒーローであることにも悩んではいない。

ですから、人間ドラマはあまり生まれないんですね。もし、やったとしても
無理やり感が出てしまいます。そのため、スーパーマンものの映画は、
神話的な超人が活躍するという内容になります。

 



具体的には、アクションが中心。そして主人公が超人であるだけに敵も
強大なんです。ですから、演じる俳優も昔のクリストファー・リーヴの
ように大柄で筋肉隆々でないといけない。

日本でこれに近いのは特撮ヒーローであるウルトラマンなどだと思います。
ただし、ウルトラマンは地球人ハヤタと合体してしまっているので、
その分、人間ドラマはあります。

次に②、後天的に特殊能力を得てしまったタイプ。スパイダーマンがそうですね。
特殊な毒蜘蛛に噛まれてしまったために特殊能力を得た。このタイプでは
ドラマの中心は、突然ヒーローになってしまった主人公のとまどい、日常生活の

崩壊、そして通常の生活に戻りたいという思いがドラマの中心になります。

 



ですから、主人公はふつうの高校生の体が必要なんです。スパイダーマンの
変身前は小さく、細身で筋肉もなく弱々しい。いかにもケンカの弱そうな、
恋愛に悩むふつうの高校生です。自分がなぜ悪と戦うのかもよくわかっていない。

 

このあたりがドラマの中心になるんですね。ですから、人間関係に悩む
半分青春ドラマと言っていいようなつくりになっています。日本でこれに近いのは
仮面ライダーですかね。無理やり悪の組織ショッカーに改造されてしまった。
ただ、仮面ラーダーはもともとプロ級のバイク操作ができました。
Xメンやファンタスティック・フォーのシリーズなどもそうですね。

さて、最後は、③、はもともと人間で、スーツの力で強くなったバットマン

タイプです。スーツは弾丸も弾きますが、通常時の彼は大富豪のビジネスマンです。
ですから、体は鍛えていますが、スーツを着てパーティーに出たときに

そう見える肉体をしていなくてはならない。

 



それに、自ら望んでスーツを着ているわけですから、ヒーローとしての葛藤も
あまりないわけです。では、何が物語のメインテーマに

なるかというと、悪役の物語なんです。

ジョーカー、ペンギン、ツーフェイス、リドラーなどの強力な悪役がいて、
それぞれ、なぜそういう存在になったのかという物語がある。
単なる対決ものではないわけです。日本で言うとガッチャマンなどですかね。

自分はこのように分類しました。そしてこれらのヒーローの特性を活かした
作品が、傑作と呼ばれるようになるわけです。これまでのそれぞれの

過去作品を考えていただければご理解いただけるかと思います。

 



アメリカで映画制作にかかわる人たちは、この構造がよくわかっていると
思いますが、日本では、この観点なら映画を分析する評論家はあまり

いないですよね、しかし、この構造は重要です。

まあ、ヒーローものに限らず、あらゆる物語には一定の型があり、それは
アクションでも戦争ものでも、ホラーでも同様です。そしてその型に合った
配役を得たときに物語は強くなるんですね。

ということで、マーベルのヒーローものを分類してみましたが、あくまで
これは自分の考えたことなので、これ以外の見方もできるかと思います。
では、今回はこのへんで。