アニメ 【鬼滅の刃】  第二十話 寄せ集めの家族  【感想】 | 物語の面白さを考えるブログ

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(2019.8.17 放送)

 

 

てっきり累くんの過去回想まで話が進むと思ったのですが、

予想は玉砕しました。

原作を読むかぎり、しのぶさんと姉鬼の絡みは、さほど尺をとらずに

片付くだろうと思えたのですけど、アニオリでここを膨らませてくるとは。

これは意味のあるアニオリでした。

第一に、原作においてはナレーションで説明している内容を、

描写で表現する役割を負っています。

第二に、姉鬼に同情の余地のないことを示し、相対的に、しのぶさんの厳しさに

対する視聴者の反発心を和らげています。

第三に、累の〝家族ごっこ〟を掘り下げることにより、次回に来る過去回想に

深みを持たせる機能を担っています。

第四に、話の流れを自然なものに整えています。

 

四番目について解説します。

原作のストーリー構成では、累の頸を斬ったあと、

突然、しのぶと姉鬼の対決に場面が飛び、

それから炭治郎サイドにもどって、累が死んでいなかった → 義勇登場のシーンになります。

これだと、挿入されたしのぶのエピソードが、話の脈絡を断ち切ることになり、

ストーリーの進行が中断した感を読者に与えてしまいます。

原作マンガでは、各話ごとに扉絵とおまけページが挟まるので、

そこまで違和感はないのですが(しのぶのエピソードで一話消費なので切りがいい)、

アニメで同じ構成にしたら、先週、ヒノカミ神楽で頸を斬って続く、としておきながら、

決着シーンに行かずにしのぶサイドに飛ぶことになるので、

視聴者は少なからず混乱することになったでしょう。

そこで、アニメでは構成を変えたのだと思います。

アバンで先週のラストをリピートしておいてから、

引き続き、累 VS. 炭治郎の顛末を描きます。自然な流れですね。

決着がついたあとに、最後の一人となった姉鬼の末路を描きます。自然な流れですね。

その過程で、アニオリで、累の作った疑似家族の実態を描きつつ、

累が本当は何をしたかったのか、という、「那田蜘蛛山」編の核心となる疑問を提示します。

そして、来週、累の心の奥の願いが、過去編で明らかになる、という流れです。自然ですね。

このアニオリで、テンポが落ちたのは事実ですが、

スタッフのエゴで付け足したアニオリではなく、

原作を咀嚼した上で、原作を掘り下げつつアニメ作品として成立させるための

アニオリなので、私はポジティブに評価します。

 

では、各シーンをふり返ってみましょう。

 

炭治郎うしろうしろーっ!!

なシーンのわけですが……実は、ここ、ちょっと不満があります。

炭治郎の背後で、首なし胴体がむっくり起き上がるホラーなシーンが見たかったのです。

アニメでは炭治郎視点に寄せていましたね。最初に匂いで気付いてゾッとしてから、

客観視点で累の生存を明示する演出でした。

個人的には、客観視点を先にして、視聴者に驚きを与えつつ、

炭治郎うしろうしろーと心配させた方が、心拍数が上がったのではないかと思います。

 

 

 

かっこいい義勇さん キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!

もう遅刻柱なんて呼ばせない。

登場のし方が、一話を彷彿とさせて、感慨深いものがありました。

 

血鬼術・刻糸輪転 VS.

 

全集中・水の呼吸・拾壱ノ型・凪!

 

凪の演出かっけーな。小舟は浮いていないようだが……。

拾壱ノ型が、義勇オリジナル技だということまでは、説明しきれませんでしたね。

心の声ではなく、肉声で「拾壱ノ型」って言っていて、ビックリ。

糸が迫ってくる刹那で、言う余裕あったんですね。おっそい糸だ。

〝凪〟の詳細はいまだに不明です。

みなさんがおっしゃるように、超高速で剣を振って迎撃防御しているのでしょうか。

「義勇の間合いに入った術はすべて凪ぐ。無になる」

という原作の説明は、詩的な表現と解釈するべきなのでしょうか。

私はわりと、言葉そのままに受け取っているのですが。

「ジョジョ」において「波紋」や「鉄球」が「スタンド」に到る技術と位置付けられているように、

呼吸剣術は血鬼術の手前段階の技術で、極めれば不思議現象を起こせると

信じているのですけど、私の妄想なんでしょうか。

縁壱さん 「日の呼吸を極めれば、剣を振って太陽出せるでしょ? 無惨焼くの楽勝」

他の剣士 「無理!」 → 思い詰めてやる気をなくす

黒死牟 「太陽はやばいので月の呼吸を開発しました。三日月エフェクトで斬ります」

上記の経緯を千寿郎の手紙で知った炭治郎、ふるえる ← イマココ

あー、やっぱ妄想かも。

 

累くん視点。原作の構図を踏襲しつつ、瞬きする間に義勇さんが移動している

のをリアルタイムで見せる、アニメならではの演出。よい。

 

一太刀で決着。これが柱の実力である。

 

 

かっこいい&可憐華麗なアイキャッチ。ぎゆしのなんてありません(現実は非情)。

 

姉鬼の回想。内山家に加入した経緯が明らかに。

 

能力を分け与えるって、血を飲ませるのか。そりゃそーかと納得。

 

前髪パッツン鬼。わりとかわいい。

 

意味不明な家族ごっこから逃げようとするが……。

まともな神経だったら耐えられませんよね。

 

姉鬼は賢いので強い方に付きます。いい感じのクズっぷりだな。

 

裏切り者の末路。

人間らしい部分を残した者から死んでいくとは、鬼舞辻氏の発言。

結局、累くんのやっていることは、リトル鬼舞辻無惨なんですよね。

能力(血)を分けて仲間を増やし、気に入らなければゴミのように処分する。

疑似家族に植え付けた〝恐怖の絆〟が、〝鬼舞辻の呪い〟に該当するわけでして。

それが発動(姉鬼の裏切り)した結果、パッツン鬼は死んでしまいました。

多分、無惨さまは、累の身の上と、自ら親を殺した冷酷さに自分を重ねて、

お気に入りにしたのじゃないかと思います。

累の方は、実の親の記憶を失い、無惨を親代わりとして鬼の生き方を学んだため、

こんな現状になったのではないでしょうか。

 

 

やっぱり羽織の動きがアクセントとなって、アクションを引き立てていますね。

何度か言っていますが、〝風になびくもの〟とアクションとは好相性なのです。

 

バランスのいい山本選手でも空中からの攻撃は防げません。

詳細は「グラップラー刃牙」(最大トーナメント編)を参照のこと。

 

蟲の呼吸・蝶ノ舞・戯れ――

 

宇宙世紀の文明を埋葬するほどの威力!(ウソ)

 

 

一瞬の幻想から醒めると斬られているという演出。いいね。

 

「趣味はハンドスピナーです」

 

あざとかわいい。

 

横から見ると口紅が目立たないしのぶさん。こっちの方が断然かわいいでしょ。

戦犯は口紅なのでは?

 

しのぶさんがサイコパスっぽいとか何とかいう話は、

さんざん言われているので、言及しません。割愛、割愛。

場面は炭治郎サイドにもどって――

 

「累は何がしたいの?」

 

実は八人もいた累の〝家族〟。

 

原作でもちゃんと八人います。

こういうところを拾って、原作では描かれなかった背景を描写したので、

今回のアニオリは私的には高評価なのでした。

 

〝本物の家族の絆〟を見て、何か思い出しそうになったところで

次週へ続く!

 

夢にも思わなかった組み合わせ。

 

すぐ下にこの画像を貼ると、村田さんが変態に見えてしまいます。

このように、写真一枚で世間の抱く印象を操作することは容易です。

湾岸戦争のときに流布した、「油にまみれた水鳥の写真」は、

サダム・フセインの環境テロの証拠として絶大なインパクトを世界に与えましたが、

真実は違いました。

海への原油の流出は、米軍の爆撃が原因だったのです。

みなさん、メディアリテラシーを高めて、「事実」と「妄想」を判別する目を養いましょう。

(アニメ感想とは思えないオチになってしまった)

 

 

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