低線量の放射線被ばくによる晩発性障害を考える場合、私はこういう例えを用います。「低線量の放射線被ばくは、決してサリンのような毒ガスを間近で浴びるわけではありません。列車の喫煙車両内でタバコの煙もうもうの中に強制的にいさせられる状態に近いと考えましょう。」と。


サリンのような毒ガスは高線量被ばくに近いです。直撃されれば、ほぼ、確定的に死に至ります。


一方、タバコの煙がもうもうのところにいたとしても、すぐに死ぬわけではありませんよね。これが、「ただちに健康に影響を与えるわけではない」ということです。しかし、長い期間受動喫煙下におかれたとしたら、発がん率はわずかでも上昇するわけです。


40歳以上の大人なら、「まぁいっか」でもいいですが、自分の赤ちゃんや小さい子どものことを考えたら、例えそれが最終的には命に関わらなかったとしても、タバコの煙がもうもうの部屋に子どもを入れっぱなしにはしたくないですよね。

私の医者としての元々の専門は、内分泌・代謝内科です。そして、現在は抗加齢(アンチエイジング)医学という新しい医学をこの日本に正しく普及させるために日々奔走しています。


ここで、「はて?何でアンチエイジングのドクターが放射線被ばくについて語るの?」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?実は、抗加齢医学は今回日本で起こった原発事故による放射能汚染(正しくは放射性物質による環境汚染)と大いに関係があるのです。そして、抗加齢医学は大人だけでなく子どもたちにも必要な医学なのです。


なぜならば、0歳の赤ちゃんも1歳になれば、確実に1歳加齢しているのですから。人間は産まれたその瞬間から、いや受精卵が誕生したその瞬間から生物学的には加齢が始まっているわけです。そう、出来るだけ質の良い加齢をしていくことこそ、抗加齢なのです。


抗加齢医学は確かにアンチエイジングの医学なのですが、一般的に認識されている若返りのための美容医療とは本質を異にします。2001年に発足した日本抗加齢医学会(当時は日本抗加齢医学研究会)が編纂する教科書の中に、抗加齢医学は以下のように定義されています。“抗加齢医学=元気で長寿を享受するための理論的・実践的科学”と。がんや生活習慣病などの病的な老化を予防し、加齢そのもののスピードをコントロールすることで、健康長寿を全うする究極の予防医学こそが抗加齢医学なのです。


健康長寿を阻む因子はいくつかありますが、現代文明社会における大気汚染、水質汚染、土壌汚染などの環境汚染は、長期にわたって私たちの体にじわじわと悪影響を与え続け、病的老化や加齢促進に関与していることがわかってきています。実際、抗加齢医学では体内に蓄積する様々な毒素(水銀、ヒ素、鉛などの有害重金属など)を除去排泄するデトックス(解毒)というプログラムがあります。


これまでは、タバコ、紫外線、過度の飲酒、添加物まみれの食品、農薬・化学肥料を多く使った野菜・果物などがエイジングを加速させる主なものでしたが、今回これらに人工放射線被ばくが新たに加わったわけです。ある程度以上の放射線被ばくは細胞の病的老化を促進させることがわかっています。


今まで、我々は、酸化した脂質が体に悪いとか、マグロには水銀が多く含まれているから摂り過ぎに注意しようとか、中国産の野菜は農薬まみれだから買わないようにしようとか言ってきました。


今回、もっと性質の悪い放射性物質が現れてしまったのです。


これによるエイジングの加速を食い止めるのも抗加齢医学のミッションです。自分の健康は自分で守る!しかし、これまで予防医学に対し、国は決して本質的には積極的ではありませんでした。「現段階での健康被害は問題のないレベルであって…」という常套句が未来永劫、真実であってくれればいいのですが、それはあまりに楽観的…これまでの政府のあり方を見ればそう言わざるを得ないでしょう。


後々、「やっぱりあの時、たくさん被ばくさせちゃいました。あびちゃった人たち、ごめんなさい。」ではすまされません。そして子どもの安全と健康を守るのは親の義務でもあります。とても悲しいことですが、国を信頼出来ない状況下においては、親が子どもをしっかりと守ってあげなければなりません。


私は元々自衛隊医官として防衛庁(現防衛省)に勤務していました。医官として、NBC(Nuclear 、Biological 、Chemical )兵器についての教育・訓練も受けています。地下鉄サリン事件の時は、聖路加国際病院において第一線に立ち、サリンなど神経剤による中毒であることを第一に診断し、初期治療にあたった経験もあります。また、今回の東日本大震災後の負傷者、病人の救護活動は当に戦時下における野戦病院での医療活動と相似するものがあり、元自衛隊医官としての経緯を踏まえて気がつくことも色々多くありました。


今回の東日本大震災によって起こった福島第一原発事故は5月13日現在においても予断を許さない状況下にあります。現状において原発の周辺地域はもちろん、放射性物質による環境汚染は半径30km以内に止まってはおらず、ついには千葉県に住む乳幼児のお母さんの母乳から放射性ヨウ素131が検出されるという大変ショッキングなこともありました。昨日は、足柄のお茶までもが放射性物質で汚染されてしまっていることも明らかになりました。


一人の父親として、抗加齢医学専門医として、元自衛隊医官として、未来の日本を背負おって立つすべての子どもたちの健康を守るために、今、小さな子どもを持つお母さん向けの放射線被曝から子どもを守る方法についての本を書いているところです。


頑張って、6月中には出版したいと思っています。


私が常任理事を務める日本健康医療学会では、今回の東日本大震災後の様々な健康障害をいかに防ぎ、国民の健康を守るのかに関して、これに真剣に取り組むために“巨大災害健康対策委員会”を設置しました。


そして、不肖、私めが本委員会の委員長を仰せつかることに相成りました。


確かに、自衛隊医官時代にNBC(N:核 B:生物 C:化学)兵器による健康障害に対する対処法や大量傷者訓練などを受けてきた経緯はありますが、重責であります。


頑張ります!


さて、本委員会における最初の重要なミッションは、そう、放射線に関する正しい知識の啓蒙です。巷に跋扈している色々な放射線被曝に関する情報…何が本当で、何がでたらめなのかをきちんと情報発信したいと思います(国が、全く頼りになりませんので…)。


6月19日(日)の13時~17時、東京は渋谷の青山学院の講堂をお借りして、下記のような市民公開講座を開きます。


すべての方々に聞いていただきたい!でも、特に、その中でも妊婦さんや小さいお子さんを持つお母さん、、これから赤ちゃんを産む若い女性方には是非、聞いていただきたいです。中高校生でもわかる内容ですので、学生さんも是非!


市民公開講座のお知らせ




東日本大震災における福島第一原発事故後、放射線による様々な影響が危惧されております。中でも私たちの健康に対してどのような影響があるのか、子供たちを被ばくからどう守るかなど諸説まちまちであり、政府や東電からの情報も曖昧で不確実なことが多く何を信じて良いのかわからない方が多いのが現状でもあります。


そこで今回、これらの問題を少しでも分かりやすくお伝えするために、一般市民の皆様を対象とした講演会を開催することに致しました。

皆様お誘いあわせの上、お気軽にご参加頂きたくご案内申し上げます。





メインテーマ

原発事故後の放射線と私たちの生活




講演1 テーマ:原発事故後から報道されている放射線について
講師:日本原燃㈱ 放射線管理部長 医学博士 田邉裕 先生



講演2 テーマ:放射線被ばくによる健康への影響と対策

講師:防衛医科大学校免疫・微生物学講座 准教授 木下学 先生


講演3 テーマ:放射性物質は語る~食物から水まで、日常生活と放射線との関わり~

講師:広島大学名誉教授 広島大学原爆放射線医科学研究所 渡邊敦光 先生



◎パネルディスカッション 

テーマ:放射線と健康について


3人の演者の先生方に加え、東京医科大学放射線医学講座 主任教授徳植公一先生(放射線の基礎的なお話をしていただきます)、元旧ソ連大使館一等書記官で現在は在日ロシア企業家交流会議 理事長のユーリ・ブラフ氏(チェルノブイリ原発事故についてお話ししていただきます)のお二人も交えてのパネルディスカッションとなります。


フロアの皆様方からの質問などにもお答えいただく時間を設けます。


日時】H23年6月19日(日)13時~17時



【参加費1,000 


場所】青山学院大学講堂(940号室)

   東京都渋谷区渋谷4--25



主催:日本健康医療学会(理事長 佐藤元彦)

共催:国際統合医学会

日本成人矯正歯科学会

日本アンチエイジング歯科学会

日本歯科全身咬合学会 

()日本健康文化振興会


・本講演会の余剰金はすべて被災地への支援金として寄付されます。


連絡先:日本健康医療学会 巨大災害健康対策委員会

住所 :東京都渋谷区渋谷3-18-5-6F

TEL  :03-3498-1155


予想はされたことですが、『母乳から微量の放射性物質 市民団体の独自検査 』という昨日付けのニュースは、衝撃的です。


要約すると…


*************


千葉県と茨城県に在住の四人の母親の母乳から、放射性ヨウ素131が検出された。


千葉県柏市に在住の母親から、1キロ当たり最大36.3ベクレルの放射性ヨウ素131が。


一方、茨城県守谷市在住の母親から31.8ベクレル/kgの数値が出た。これらの結果は、3/24、3/30に採取された母乳検体からのものであると。


*************

このことから、2つの重大なことが言えます。


一つ目な、原発からほぼ200kmのところである千葉県柏市の住民が明らかな内部被曝を受けたということ。


もうひとつは、赤ちゃんが母乳によって受けるであろう内部被曝線量を具体的に計算したところ、看過できない量になることです。


36.3ベクレル/kgの母乳をを1年間に赤ちゃんが摂取し続けると、どうなるか?内部被曝と外部被曝の線量計算は、厳密には異なりますが参考まで…


0歳児の乳児が36ベクレルの母乳を1kg(約1リットル)飲むと仮定した場合、


36Bq×0.140=5.04μSv(換算係数:0.140)


赤ちゃんが飲む1日の母乳量は新生児~1歳までで月毎の変動があるわけですが、年間を通して考えると1日平均600g~700gといったところ。


1日600gとして、1年間だと、 5.04×0.6×365=1103.8μSv


約1.1mSv/年 になります。


0歳児の赤ちゃんにとっては、結構多いです。そして、今や、普通の生活していても以前とは違うレベルでの外部被曝もあるわけですから。


何度かこのブログでも書きましたが、胎児、乳幼児を大人と同じに考えては絶対にいけません。


晩発性の放射線被曝障害を出来るだけ最小限に食い止める基本は、以下の4つ!


1.原因となる放射能物質から出来る限り遠ざかる


2.放射線被曝による晩発性障害は、曝びた放射線量の総量に関係するので、これから先、とにかく放射線被曝量を最小限になるような生活を心がける


3.外部被曝を最小限に食い止めるには、除去!


4.内部被曝を最小限に食い止めるには、空気、水、食べ物に細心の注意を払う


より具体的な方法はまた後ほど…

これから先、我々日本人はかなり長きに渡って放射能汚染と共存していかないとならないのです。

福島原発、相変わらず状況は一向に好転しません。最悪の場合、東北、関東の相当広い範囲が大きな影響を受けることも想定に入ってきた現状においても、その第一線で作業にあたっている方々に頼る他、ないのです。

そして私たちは、彼らの健康被害を最小限に食い止めるために一致団結する必要があります。


放射線障害のことは、先日の本ブログでも書きましたが、彼らを襲うのは高線量率の放射線であり、それによる人体における急性障害が問題となります。


急性障害は即、命に関わります。


その大きなものは2つ。。。


1.骨髄障害


2.消化管障害


対策は、


1.⇒自己末梢血からの幹細胞採取を行っておく

    http://medg.jp/mt/2011/03/news-1.html


2.⇒大量のビタミンC投与を中心とした抗酸化療法を受ける

    http://web.me.com/mr21/iv-therapy/Radiation.html


です。


それぞれ、虎の門病院血液科部長の谷口修一先生、点滴療法研究会の柳澤厚生先生らが力強く提言されていらっしゃいます。


尚、後者で紹介されている「アスコルビン酸(ビタミンC)の前投与はマウスの大量放射線暴露による致命的な胃腸症候群を防御する」という論文(Journal of Radiation Research)は防衛医大の同期生の木下学先生が研究したものです。


柳澤先生とは先ほど電話でお話をしました。


「青木先生、現場で命をかけている人たちを救わないといけないのに、国も東電も何も聞こうとしない。こうなったら、現場で働く人やそのご家族の方たちの耳に直接、こういった情報を伝えていくしかないようだ。協力してくれませんか。●●建設の下請け子会社の方にビタミンCのことを話したら、是非受けたいというので今週末、僕が直接、現地にリポゾーマル・ビタミンCを持って行ってあげることにした。」


私の友人、知人にも原発関連の建築業界の方がいたので、早速このことを伝え、出来るだけ多くの関係者の耳に入れて欲しいと連絡をしました。


驚いたことに、もうしばらくしたら現地に赴き、間近で仕事をしないといけないことになっているという知人も予防や対策について全く知りませんでした。


私たちの日本、そしてそこに生きる子どもたちの将来を救ってくれるのは彼らです!その彼らの健康を、国や東電に代わって、皆で守ってあげようではありませんか!



青木晃のアンチエイジング日記


巷では、この機に乗じて「ヨウ素サプリ」でひと儲けなどというトンデモ業者が跋扈し出していると聞きます。本当に困ったものですね。。。医薬品としてのヨウ素剤とヨウ素のサプリメントは別物。それに、素人が勝手な判断で過量にヨウ素を摂取した場合、甲状腺機能への悪影響もありなのです。


現段階では、福島第一原発周辺50km以遠においてはそれほど神経質になる必要はありませんが(実際、私自身、ほぼ毎日外食@東京していますし…)、放射能物質漏れが長く続く場合や、事態の急激な悪化の際には的確な医学的アプローチを施すべきと考えます。


そのひとつが、先日もブログで取り上げたビタミンCを中心としたサプリメンテーションです。


既に、点滴療法研究会会長の柳澤先生が具体的に提言されていますが、私自身は今の段階であれば、少し多めのビタミンCとαリポ酸入りのDetox系サプリを摂ればいいのではないかと思っています。


ビタミンC 3g/日 + αリポ酸200~300mg/日


私、これまでは、特にVCだけとかαリポ酸だけとかを常用するようなサプリの摂り方はしていませんでしたが、今の日本…これまでとは、完全に状況が異なっています。


最近、ちょっと原発や放射能物質拡散による環境汚染に関して慣れっこになってきていませんか?3月11日以前に比べれば、明らかに環境汚染は進んでいるのです。


今まで、我々は、酸化した脂質が体に悪いとか、マグロには水銀が多く含まれているから摂り過ぎに注意しようとか、中国産の野菜は農薬まみれだから買わないようにしようとか言ってきました。


今回、もっと悪者の放射能物質が現れてしまったのです。これによるagingの加速を食い止めるのも抗加齢医学のミッションです。自分の健康は自分で守る!これまでも予防医学に国は決して本質的には積極的ではありませんでした。


「現段階での健康被害は問題のないレベルであって…」という常套句が未来永劫、真実であってくれればいいのですが、それはあまりに楽観的かも?あとから、「やっぱりたくさん被曝させちゃいました。浴びちゃった人たち、ごめんなさい。」ではすまされません。


低線量率放射線被曝によるホルミシス理論が真実であることを信じてポジティブに生きていくか…

放射能Detoxサプリメンテーションを開始するのか…

日本国外に脱出するのか…


決めるのはあなたです。


青木晃のアンチエイジング日記


3月30日に東京国際フォーラムで行われる予定だった「ミス・ユニバース・ジャパン最終選考会」は6月に延期となりました。大会は延期になりましたが、本は出版されています。


その名もズバリ!『世界一の美女になるアンチエイジング』です。


一人でも多くの皆さんに読んでいただいて、日本が元気になってくれたら嬉しいです。

先週末、高濃度ビタミンC点滴療法の日本の権威で点滴療法研究会会長で公私共に大変お世話になっている柳澤厚生先生から、メールをいただきました。


急性および晩発性の放射線障害に対して、ビタミンCを中心とした抗酸化物質を上手く使うことがポイントになるであろうというsuggestion でした。


実は、私の母校である防衛医大の同期生の木下学先生らが、昨年3月に日本放射線影響学会の英文機関誌であるJournal of Radiation Research誌上において、「アスコルビン酸(ビタミンC)の前投与はマウスの大量放射線暴露による致命的な胃腸症候群を防御する」という論文を発表しています。


これは、外部被曝による影響をマウスで調べた研究なのですが、考察のところにはこうまとめられています。


“我々が放射線事故または核を使用したテロ等に遭遇した直後、放射線で汚染された地域から犠牲者の救出を行う前に、レスキュー隊の隊員がすぐにアスコルビン酸を経口的に摂取しておくことが重要である”と…


柳澤先生もこの論文に注目しつつ、海外での他の研究報告(ひとつは内部被曝に関してのもの、もうひとつはヒト白血球細胞における放射線の細胞障害とビタミンCとの関係をみたもの)も参考にした上で、次のように提言されています。


“長期にわたる低濃度放射線被曝により生じうる健康被害を抑え、可能な限り次世代への影響を防ぐ為、該当地域に居住する国民にビタミンCなどの抗酸化サプリメントの摂取を提唱する。また、高濃度放射線被曝環境で働く作業者の健康を守るために、直ちに高濃度ビタミンC点滴療法と抗酸化サプリメントの摂取を導入すべきである。”


放射線障害に対する人における、高容量のビタミンCサプリメントの摂取や高濃度ビタミンC点滴療法に関しての大規模な臨床研究はもちろんありはしません。


しかし、これらの治療は大きな問題となる副作用がないということは、これまでに行われてきたがん患者さんに対する高濃度ビタミンC点滴療法やサプリメント療法で実証済みです。


柳澤先生は、こうも仰っています。


“放射線被曝の健康への影響は放射線レベルにより様々ですが、私たちはどのレベルにあっても自分たちの健康を守り、次世代に被曝の影響を残してはなりません。そのために日々の生活で私たちが放射線被曝を避けると共に、自分の体が放射線被曝の影響を受けにくくすることが必要です。そうです、自分と家族の健康を守るのは自分自身です。”


私たち抗加齢医学を専門にする医師たちが、今こそ力を合わせてこの非常事態から国民の皆さんの健康長寿を守っていかないとなりません。


是非、柳澤先生からのメッセージをお読みになって下さい。


http://web.me.com/mr21/iv-therapy/Radiation.html





私は元々自衛隊医官として防衛庁(現防衛省)に勤務していました。医官として、NBC(Nuclear 、Biological 、Chemical )兵器についての教育・訓練も受けています。


地下鉄サリン事件の時は、聖路加国際病院において第一線に立ち、サリンなど神経剤による中毒であることを第一に診断し、初期治療にあたった経験もあります。また、今回の東日本大震災後の負傷者、病人の救護活動は当に戦時下における野戦病院での医療活動と相似するものがあり、元自衛隊医官としての経緯を踏まえて気がつくことも色々多くありました。


今回の東日本大震災によって起こった福島第一原発事故は3月31日現在においても全く予断を許さない状況下にあります。現状において原発の周辺地域はもちろん、放射性物質による環境汚染は半径30km以内に止まってはおらず、大変深刻であり昨日の東電会長のコメントは明らかに問題でしょう。


私は原発のメカニズム等に関しては門外漢ですが、放射線被曝における人体への影響に関しては、そこそこの知識がありますので、「放射線被曝の人体への影響」という点にしぼって、少し書いてみたいと思います。なぜならば、ある容量以上の放射線被曝というのは、アンチエイジングとは真逆の状況下に陥る“アンチ”‐アンチエイジングにあたるからです。


放射線被曝の人体への影響を考える際には、急性(早期)障害と晩発性障害(大抵は数年後~)とを区別して考える必要があります。現場で大量の放射線に被曝する可能性のある作業員の方々の場合は、確定的に起こる急性障害を憂慮しなければなりませんが、現場から少なくとも50km以遠において起こる健康障害は、ほとんどが晩発性障害であり、これは確率的に起こるものです。


急性障害は吐き気、嘔吐、下痢などを中心とした消化器症状に始まり、重篤な骨髄障害による感染症や多臓器出血によって死亡します。広島、長崎の原爆投下後に多くの方々がこの急性障害で亡くなっています。直接の被爆を受けていなくても、救援に入った多くの兵士も残留放射能を浴びて同様に亡くなっています。最近では1999年、東海村で発生したJCO臨界事故で二人の作業員の方が亡くなっているのもこの急性障害によるものです。これはある程度以上の線量の放射線を浴びると不可避的・確定的に起こるものとされています。


晩発性障害は、当初は問題になるような線量ではなくても放射線を一回あるいは分割・遷延して被曝した後、長期間の潜伏期間を持って発症する障害です。その主なものは発がん。特に甲状腺、乳房、胃、肺、骨髄(白血病)の発症リスクが高まることが知られていますが、急性障害が確定的に起こるのに対し、こちらは確率的なものであり、発症確率が高くなるという考え方で語られます。


福島第1原発からある程度離れていても、大気、土壌、水源、海洋などの環境が放射性物質で汚染されてしまったのは残念ながら事実です。その放射性物質による外部被曝(体外にある放射線源から発せられた放射線による)、内部被曝(汚染された空気、水、食物が体内に入って起こる)も分けて考えなくてはなりません。長期的により大きな問題となるのは言うまでもなく内部被曝です。


放射性物質の粉じんを吸ったり、汚染された水を飲んだり、汚染された食物を食べたりした場合、体内に放射性物質が取りこまれます。政府がよく言っている「直ちに健康に与える影響は無い」という文句は、間違いではないのですが、「将来的には内部被曝や晩発性障害が問題となる可能性もある」ということを述べていない点で不十分で不正確な情報発信となっています。


さて、それでは具体的にこれらの影響を食い止めるもしくは、体内で起こった健康被害を改善する方法はないのでしょうか?


これらのことを考える上では、アンチエイジング医学の実践でもお馴染みのデトックス(解毒)の考え方が役に立つかもしれません。


1. 出来るだけ毒素を体に入れないように留意する


2. 入ってしまった毒素は出来る限り速やかに排出する努力をする


3. 毒素によって生ずる可能性のある健康被害(病気・疾患)があるか否かをチェックする


4. 健康被害を早期に発見し、有効な治療を出来るだけ早く受ける


1. に関しては、政府当局が正確な情報を的確に出し、放射性物質そのものやそれによって汚染された水、食物を体に入れないようにすることにつきるでしょう。どの程度、真実を表に出してくれるかがキーになりますが、いつまでも隠し通せるものでもありませんので、次第に汚染の程度は明らかになっていくことでしょう。悪い物は出来るだけ入れないようにするのが、最も大切なことでもあります。



2. に関しては、尿や便で拝出されるものもあるので、デトックス系のサプリメントなどを使いながらとにかく出す。例えば、有害重金属を排出させる効果が期待できる成分として、αリポ酸、MSM(メチル・サルフォニル・メタン)、シスチン、メチオニンなどがあります。


もうひとつ!アンチエイジング医療ですでに行われているキレーション点滴療法が、放射性物質を体外に排出するのに役立つ可能性があるかもしれません。これまでは、水銀、鉛、ヒ素、カドミウムなどの有毒重金属をデトックス方法として行われてきていますが、これを体内蓄積してしまった放射性同位元素(放射性同位体)の排出に応用できれば、晩発性障害の予防にもつながります。


3. &4.に関しては、健康診断やがんドックのような検査をこまめに受けることで、病気をできるだけ早く見つける努力をする。がんも早期発見すれば治癒可能です。ある意味、一病息災的に考えて最悪、がんになることを想定し生きていくことも必要なのかもしれません。


補足として…


・胎児や乳幼児はすでに言われているように、放射線感受性が非常に高いので、出来る限り影響の少ない環境下に退避させることが一番です。


・原発から半径200km以遠で40歳以上の場合、これ以上の事態の悪化が起こらなければ、将来的な健康被害は、「若干がんになる確率が高まる」、「体内の酸化ストレスが増しエイジングが進む」程度です。これからよりアンチエイジングな生活を心がけ、プラスマイナス0を目指しましょう。


・これまでにも、本ブログ内で紹介してきていますが、低容量放射線によるホルミシス効果というものも知られています。これは、ある程度のレベルの軽い放射線被曝は健康を害するものではなく、逆にその軽度の放射線ストレスが体内において健康にいい方向に代謝・自律神経・免疫システムを起動させるというもの。アンチエイジャーはポジティブシンキングですので、40歳以上ならば、この考えをひとつの柱としてしまうのもありかも?


最後に…


3月18日から防衛医大卒業の医官(私の同期であったり、先輩・後輩であったり…)らが、福島県およびDMAT(災害急性期に活動できる機動性を持った トレーニングを受けた医療チーム)からの要請で事故のあった原発30km圏内に入り込んでの医療支援活動を行っています。


本当に頭が下がる思いでいっぱいです。彼らの無事を心の底から祈らずにはいられません。

京都に行っている次女が、嵐山は渡月橋の景色を見ながら、写メと自作の俳句を送ってきました。


青木晃のアンチエイジング日記


“美しいけしきとともに桜待つ”


こんな美しい日本を子どもたちのためにも、守っていかなければなりません。