■ヒアルロン酸注入の新トレンド ~ 解剖学的に若返らせる
解剖学に基づいたヒアルロン酸注入の歴史と最新トレンドと目指す方向を解説するシリーズ【その6】の前に下記をお読みくださいね。
(うわっ、多いって嫌がらないでね・・・頑張りました)
その5~その7では、ヒアルロン酸注入の地図とも言える注入コードや注入ポイントを絡めてヒアルロン酸注入の効果と目的について解説して参ります☆
【その6】は、お顔の土台と呼ばれる中顔面
最も重要なので、トータルフェイシャル治療では一番初めにスタートするエリアでもあります。
□ヒアルロン酸注入ポイントの地図があるってホント?
■ヒアルロン酸注入コード(MDコード、True Liftポイント)
アラガン社やガルデルマ社はそれぞれMD-Codes™ (MeDical Codes: MDコード)やTrue Lift法(トゥルーリフト法)といった注入テクニックをガイドラインとして作成しています。
図では、【青】MDコード、【緑】トゥルーリフトポイントとしてまとめてあります。
これは主にカルテの記録や医師間の情報共有のためのツールであり、あくまでも共通言語に過ぎません。
「Ck1に○○を0.2ml注入し・・・」
などとセミナーや講演でお話しすると理解が早いという利便性があります。
銀座ケイスキンクリニックでは、一様にガイドラインの注入ポイントに注入するのではなく、骨格・加齢の進行度合い・お好み・ご希望に応じて、患者様それぞれに最適な製剤を選び、注入ポイント・注入量・注入深度を検討し調整する『オーダーメイド注入治療』『美人顔デザイン注入』を行います。
実際、コードやポイント名称のない部位で、若返りに重要なポイントも多くあります。
ちなみに、ベロテロシリーズの販売元メルツ社では、コードやポイントは設けておらず、トレーニングの際には解剖学的名称で説明していきます。
当院には、クリニック独自の注入テクニックがありますので、どちらかというと、学会発表やカルテ記載のために、後からコードに当てはめていく感覚です
コードは初心者の先生方向けです🔰
■中顔面の注入コード
◆目周囲・・・注入コード無し
眼窩骨の吸収の進行により目元が痩せ、影ができクマっぽく疲れたような印象を与えます。ヒアルロン酸で眼窩骨縁上に眼窩下靭帯を支えるように注入し、ボリュームアップさせることで目元のコケ感が改善され元気で若々しい印象になります。
50%くらいの方が
「脱脂手術しないで良かった」
というくらい改善します。
30%くらいの方は
「ベビーコラーゲン入れればほぼOK」
という感じです。
残りの20%の方は、慶田が信頼するマエストロ、腕の良い美容外科医をご紹介しますが、実際には、ウルセラ照射やスネコス注射などの肌質改善施術で満足なさいますので、
「まだ手術はいいかな」
とおっしゃる感じです。
ただし、ここで注意点
アイホールの浅層に注入すると、ヒアルロン酸製材を通して下床が青黒く透ける『チンダル現象』や万年むくむブヨブヨ感、笑った時にもっこり盛り上がりが生じる『ナメクジ現象』が生じます。
アイホールには、上まぶた同様、ベビーコラーゲン製材を薄く面状に注入することで皮膚に厚みが増し、色調や質感の改善も期待できます。
注入コードがありませんが、それは難易度が高く国内承認が取得できていないためです。
上手に注入すると、施術による若返り効果は高く希望者の多い部位でもあります。繰り返しますが、目の回りへの注入は顔全体で最も難易度が高く、凸凹やチンダル現象などのトラブルが生じやすいので、施術医師は慎重に選びましょう
当院での他院修正でもダントツ一位は目周りの修正です
※修正治療をご希望の場合は『ヒアルロン酸注入(他院の修正)』をお読みください。
◆頬部
頬は顔面の広範囲を占め、印象に大きな影響を与えます。重要な注入ポイントが複数ある一方で、重要な血管・神経が縦横に走行しておりリスクも高いエリアです。
顔面の解剖を熟知したうえで慎重に注入を行なう必要があります。下記の順に注入します。
◆◆頬リフトアップポイント 【True Lift】TL2~TL3
【MD codes】CK1~CK3
トータルフェイシャル治療において、まず初めに行うのが、頬骨周囲の頬部靭帯と頬中央への注入です。
理由は顔の土台となるポイントだからです
加齢に伴い脂肪が下垂・萎縮し、頬が平坦化し、頬の頂点が下方向へ移動します
そこで、頬部靭帯を補強し、頬位置を上げ、立体的な丸みを作ることで頬部全体のリフト効果が得られます。
さらに、斜め上方向に引き上がることで、ほうれい線が浅くなります。
加えて、頬の形を『美の6要素』に欠かせない理想のOgeeカーブに近づけることで、美しさと若々しさを再現します。
トータルフェイシャル治療では、ほうれい線が気になるからといって、最初からシワに直接ヒアルロン酸を注入しません。
これらの中顔面のリフトポイントへ注入すると、ほうれい線への注入は不要になる場合もあるからです。
リフトアップさせても、ほうれい線が深く目立つ場合のみ少量のヒアルロン酸で直接シワを埋めていくという順序での注入方法が近年主流であり、何よりナチュラルです
また頬の頂点をどの位置に作ると全体的なバランスが整い美しさを引き出せるかは、MDコードやTrue Liftの注入ポイントに固執せず、患者様ひとりひとりの骨格にあわせて判断する必要があります。
結局は医師のセンスが問われるのです。
慶田は、カニューレ針を用いて、骨上から脂肪層の深層、浅層とマルチレイヤーに注入しますので、コードでは表現できません。
カルテには、図示して記録しています。
◆◆頬骨下~頬中央
【True Lift】TL2①②
【MD-codes】Ck4, Ck5
次に行うのは頬骨の下、脂肪が下垂・萎縮しソゲとコケが目立つエリアへの注入です。
こめかみが凹み、頬骨は高く、その下が凹んでいると『ひょうたんシルエット』になり、老けて見えます
ちなみにアメリカでは『ピーナッツフェイス』と呼ぶそうな。
ソゲが目立つ範囲に面状にヒアルロン酸を注入することで、コケ感が改善し理想の輪郭に近づくだけでなく、テント効果で頬全体のリフトアップ効果も得られます。
◆◆ほうれい線基部(小鼻外側) 【True Lift】TL3
三つ目に行うのはほうれい線の根元、上顎靭帯が骨に付着する小鼻の外側付近です。加齢に伴い上顎靭帯が緩み皮下組織が下垂するとほうれい線が目立ってきます
また骨吸収によって、梨状孔(鼻骨の孔)が拡大することで鼻腔は外側・下方へ広がり、ほうれい線も深くなる傾向があります。
年を取ると鼻が低くなるのはこのためです
上顎靭帯を補強するように骨上に注入を行い、ほうれい線にかぶさる皮下組織を支えつつ、広がった小鼻を戻すように注入することでほうれい線の深すぎる食い込みを改善します
■ヒアルロン酸注入前に知っておくべき老化のメカニズム
顔全体をトータルで捉え、ナチュラルで若々しく、魅力的な美人顔を叶える、『ヒアルロン酸・美人顔デザイン注入』には2つのポイントがあります。
●一つ目のポイント〝老化の過程を解剖学的に理解すること″
●二つ目のポイント〝美しい顔を戦略的に目指す注入″
老化のメカニズムを軽く復習しておきましょう。
加齢に伴い、『骨格』・『靭帯』・『脂肪組織』・『筋肉』・『皮膚』のそれぞれの層で立体的に変化が起こり、お互いに影響しながら進行していきます。
■解剖学に裏打ちされた理に適ったヒアルロン酸注入
生じている加齢変化の解決に最適な部位にヒアルロン酸フィラーを注入することで、『自然な若返り効果』が得られます。さらに、失われる脂肪や骨格の補充とコラーゲン密度のアップ、靭帯補強による顏揺れの抑制により、老化スピードを緩やかにする『アンチエイジング効果』もあります
このような老化のメカニズムを意識しながら、注入すべきポイントを見極めるため、私たちは常日頃、審美眼を鍛えております。
患者さまは一人として同じ顔はありません。骨格はもちろん、筋肉の付き方、加齢の程度、肉付きも異なります。そして同じ方でも少しずつ加齢しますので、毎回条件は違うのです。さらに、それぞれ好みのお顔が違いますし、時代のトレンドも変わりますから、目指すゴールは微調整が必要です
私がヒアルロン酸注入治療が好きな理由はここにあります。
組み合わせが無限大で奥深いので飽きないのです。同じ施術しかしないで良いのなら、18年間も情熱と魂を込めて継続することは出来なかったと思います
大切なお顔を預けてくださる患者様に誠意をもって応えるため、私たちは技術と知識を磨いています。
施術に当たっては、体調を整え、集中力を高め、繊細な注入テクニックを駆使し、労を惜しまず微調整を行い、患者様のご希望に合わせて、理想のお顔に近づける努力を重ねています
(だから、慶田は夜遊びしないし、昼食の白米は少なめです)
ヒアルロン酸注入は、魅力を高め、加齢症状を改善し、老化の進行を穏やかにする素晴らしい施術です
鏡を見たとき気分が上がり、毎日ちょっとご機嫌に過ごしていただければば、私たちも幸せなのです
ヒアルロン酸注入でがっかりしないために、下記もぜひお読みくださいね
スキンケアやメイクアップに関する基本知識がたっぷり366日分(うるう年含む)もうすぐ
♪重版しました♪
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