見終わった感想、もう、だめだね。
酷いぐらい悲しいのに、なんか、綺麗。
違和感を感じた場所は所々あるけど、それでも、すごく綺麗に感じた。
綺麗な映画だ。
きっと、近々もっかい見ることになると思う。妻夫木くん、池脇さん、監督の解説付きのやつで。
ジョゼが、どうしようもなく愛しい。
妻夫木くん、あ、役名わかんねえから妻夫木くんだけは妻夫木くんで、とりあえず妻夫木くんの役、わかんないけどわかる。
きっと男のひとならわかるんだろな。
男性性なのかな。一種の。
とにかく、池脇さん、ひたすら素晴らしい。
大好きな人に加わった。
以下、観ながら書いてたメモプラスアルファたち。
超ネタバレだぜ。
そして時系列順ではない。
・いやー、まず最初の十分がおもしろいからなあ。ナイフにはびくってしたけど。
ババアがおもしろい。というか、関西弁、やっぱすきだな。方言組としては。
・「大阪弁の女の人いいなあ」ってメモに何回も書いてある。
・池脇千鶴さんの演技たるや。ブッキーも相当上手いけど、池脇さんの存在をわたくし、ものすごく残念な事に知らなかったので、彼女にはほんとびっくりした。驚きました。
ブッキーも、池脇さんもそうだけど、素人目にもわかる上手さって、相当だと思う。
芸術家とかならある程度分かんなくても前衛的だったりすればよろしいんだろうけど、俳優とかは理解してもらえるような表現力が必要なんだろうなあ。
たっといなあ。
・くるりのハイウェイが、またいいんだな。イントロっぽく入るやつ。
音楽。センスの集合体だ。
・ジョゼが、もう、かわいい。とんでもない。
池脇さんの大ファン確実だよこれは。関西弁がまたいいんですよ。
・妻夫木さんの食うシーン、なんかいいな。人が食っとるところ見んの好きだ。
・そしてジョゼ。だいぶ好みだ。はかないけど強い。
・井本さん出てきてびっくりした。あ、そうだこれ、ライセンス出てる映画だったか。
井本さんの演技すき。芸人さんって、自然な演技力ある人多いなあ。
・息子に吹いた。観終わった後だと、もう彼も愛しくてしょうがない。
この映画、出てくる人ほとんど愛しい。ハチクロと一緒だ。
・ババアの言葉に、妙に傷つく。
映画全体の、こういうセリフの諸々が自分が感じた違和感だったんだけど、ババアのは違う。
ババアが言うからの、切実さ。落ち込む。
・板尾さんだ。二度見しちゃった。
・藤原さん登場。何やっとるんかね。さすがです。
・ブッキーが暴れるシーン。藤原さんビンタされとる。最初はぼうっとそう思っとったんが、どんどんどんどんたまらなくなった。
どうしよう。すげえ、ぎゅうて来た。悲しい。
彼は、これから先、また何回と泣くのかな。
これを繰り返す気もする。いや、どうなんだろう。
それもあっての、「二度と会えない」なのかな。
いずれにせよ、悲しい。
・もう、ジョゼがいちいち、ほら、かわいい。
言葉の一つ、僅かに感じた違和感が、最終的には仕事をしなくなってしまった。
そりゃそうだよ。彼女に、あんな風に言われたら、困るよ。たまらんくなるよ。
ジョゼは、白だな。あの、処女の犬飼う店長が言ってた通りの、ヴァージン。
そこがまた、悲しいし、苦しい。ほんですげえすげえ愛しい。切ない。
このシーン、妻夫木くんおいてめこのやろう、て何回か言った。その後のシーンですぐ黙ったけど。
掠れた声の、「ここにおって」が、かなり効いた。だめだよそれは。池脇さんものすごい上手い。
ただ、まあ、なんだ、その後のベロチューにはびっくりしました。いきなりだったからさ。
・「愛のあるセックスを!」という言葉が口癖なのですが(もちろん誰にもは言いません)、ジョゼとのセックスに、それを丁寧に感じた。
「俺いま、泣きそう」っていう言葉。
脚本、いいなあ。言葉が水みたいだ。
映画がすごく良かったから、原作は読まないどこうと思う。
そう言ってても見つけて読んじゃうんだろうけどね。
・上野樹里との対峙のシーン。
それまでは上野さんのほうが美人に見えてたけど、この場面では池脇さんのが綺麗に見えた。
監督の匙加減なのかな。
・急に一年後か。観る人の想像力でついてこいって感じだな。
・見始めてからの不安材料で、ジョゼ死んじゃうの?またセカチューパターン?とそわそわしてましたが、ここらへんでどうにか違うぞ、この映画は違うぞ、とようやく勘付けました。次観る時はもっと安心して観れるぞー。
・ここらへんで、二人の不和の予感にどきどきし始める。
え、でも一年で?とか思いながら、でも、でも、と、ぐるぐる。
どきどきする。
・上野樹里だぜ。この辺りからようやく、ちゃんと役をやっているのが彼女だって認識できた。ほんと役者だよ。
大好きすぎてどうしようもなかったドラマ、SPECの加瀬亮さんもそうだけど、演じているのが誰だか分かんないっていう有名な役者さんは、なんかすげーと思う。
舞台での野田秀樹がそうだったように、なんか、うん。
ほんと、役者だと思う。
わたしはそう思う。
・息子の、叫び。すごく悲痛。ほんでもって温かい。
ジョゼに対する思いっていうのがね。
きっと、犬は大事にしたんだろうね。
息子、ジョゼを主体として見ると、むちゃくちゃ温かい。
ババア殴ってたけどさ。
・くるりのハイウェイ、たまんねえよ。
くるり大好きなんだもん。すっと赤い電車とワンダーフォーゲルとばらの花を主として聞いてたけど、プレイリストにハイウェイ加わっちゃうな。
ハイウェイもなんやかんやおんなしくらい聞いてんだけどね。
・ジョゼの、純粋さっつったらいいのか、なんといったらいいのか。
やっぱ、言葉の響きで選ぶと、ヴァージンなんだよな、自分の中では。
処女ではなくったって、色々ヨコシマな事知ってたって、結局、まっさら。
その部分にすごく惹かれるし、すごく悲しくなる。
胸のちょっと下辺りがすげー痛くなる。
おんぶ。ブッキーが、いい加減車イス買おうよ、って言った時のシーン。
あそこのジョゼが、愛しい。あと悲しい。
「俺だって年取るんだし」の言葉、嬉しかったんだろうな。
ジョゼは、分かってたんだろうな。終わりってのを、きちんと。
そうだ、サガンのセリフ。ジョゼが読んだ、サガンのセリフに、物語は帰納したなあ。
便所のシーン。弟変な事いいなや、って叫んだ。あほが。
ジョゼがちょっと楽しそうな分切ない。
この映画の酷いところは、感情に沿ってないんだ。事が。
そこが自分が感じている違和感なんじゃないとこが、酷い。
そこが違和感だったら、救いはあった。ここまで悲しくなかった。
でも、そこが人間なんだよな。感情論なんだろうな。
腹が痛い。
もっとみんな、下手な映画だったら良かったのに。
・魚の館。誘うときのジョゼの言葉が、可愛くて、辛い。
セックス後の、ジョゼの、セリフ。
観終わった後、何回か考える。ちょっと忘れて、ふと思い出す。
やっぱり悲しい。想像はしていたんだ。
貝か。貝になるのか。
貝になったのか。
・ラスト。地味だった。その分、じわじわとくる。
想像の範疇には、あまり適用しようとしてなかった部分だ。
死なない、からこその辛さだ。
これが恋愛なんかな。
下心と、真心の組み合わせだもんな。
あと、人間同士の繋がりだ。
バランスが保てなくなって、終わる。
支え合ってんだもん、だって、両方とも。
ジョゼは知らないことがあって、その代わり知っていることがある。
そういうもんなんだと思えば、それって素晴らしい。
自分にそれを応用することも出来て、それも心強い。
でも、それでもどうしようもないことが多い。
それが心苦しい。
ラストの電動車イスに乗るジョゼが、おんぶのシーンとだぶって、
なんか非常に悲しくなって、泣いた。
きっと、あと何回か見ないと客観的には見れないと思う。
最低三回は見なきゃこれを観たって言い切れん。
観終わったごとにちょこちょこ感想書こう。
まったく違う感想書いてたら笑えるなあ。