地震・水害に強い土地を見抜くにはハザードマップの正しい理解が重要です。不動産歴25年のプロが、地盤・水害・津波・崖崩れリスクの考え方と現地でのチェックポイントを分かりやすく解説します。
こんにちは。
本気不動産の佐藤です。
本日のVoicyでは
「地震・水害など災害リスクの高い土地をどう見抜くか」
というテーマでお話ししました。
家や土地を選ぶとき、
ハザードマップを見たことがある方は多いのではないでしょうか。
最近はどの自治体も、
インターネット上で公開していたり、
役所で冊子として配布していたりと、
かなり整備されていますよね。
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ハザードマップは「水害」が中心
ハザードマップというと、
「地震の揺れやすさ」も分かると思われがちですが、
実は地盤の強さそのものを示すマップはほとんどありません。
多くのハザードマップは、
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洪水・浸水
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津波
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土石流
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崖崩れ
といった水に関係する災害が中心です。
地盤の強さについては、
建築時に行う地盤調査や杭打ちデータが必要になりますが、
これは私たち不動産業者でも
簡単に手に入るものではありません。
なぜ地盤はハザードマップにできないのか
理由はとてもシンプルで、
地盤は数メートル単位で性質が変わるからです。
見た目は平らな土地でも、
地下では硬い層と柔らかい層が
波打つように存在しています。
実際、
数メートル建築位置が違うだけで
「杭の深さが全然違う」
なんてことも珍しくありません。
これを地図で正確に表現するのは、
正直かなり難しいんですね。
水害リスクは「地形」を見る
一方で、水害リスクは比較的分かりやすいです。
ハザードマップをよく見ると、
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色が濃い場所
-
一部だけ低くなっているエリア
こういった場所があります。
現地を見に行くと、
実際に少し窪んでいることも多いんです。
これは
GL(グランドライン)=地盤の高さ
を基準にして、
浸水のしやすさを示しているケースがほとんどです。
津波・土石流・崖崩れの見方
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津波
→ 海からの距離+地盤の高さ -
土石流
→ 山間部・沢地形 -
崖崩れ
→ 傾斜角(おおよそ45度以上)や過去の履歴
これらは、
過去の災害データ+地形条件をもとに
色分けされていることが多いですね。
地盤の強さを見抜くヒント
ハザードマップに載らない部分については、
私自身は現地の様子をとても重視しています。
例えば、
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地名に「水・沼・沢」がつく
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道路が波打っている
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電柱が少し傾いている
こういった場所は、
比較的地盤が柔らかい可能性があります。
逆に、
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山に近い
-
傾斜地
-
削られて残った地形
こうした場所は、
元々硬い地盤であることが多いんですね。
実際、
高級住宅街が傾斜地に多いのも、
こうした理由が背景にあると私は考えています。
ハザードマップは「判断材料の一つ」
最後に大切なことですが、
ハザードマップは
「絶対」ではありません。
ただし、
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見ないよりは、必ず見た方がいい
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現地確認とセットで考える
これがとても重要です。
土地選び・家選びは、
「知っているかどうか」で
リスクが大きく変わります。
今回のお話が、
皆さんの住まい選びの参考になれば嬉しいです。