この地球のどこか
おはようございます。
どのくらい広く見ているのかによって仕事も変わります。
目の前の仕事だけにとらわれないように。
あぁ、日本のどこかに私を待ってる人がいる、と百恵ちゃんが歌ってました。
いい日旅立ちですが、秋はどこか物悲しいようで旅に出たい気持ちになりますね。
早速ですが、Civil3Dの座標系の話に飛びます。
図面を起こすのに基準点との相対座標で図面を描くのが一番簡単です。
例えば、ちょっとした工事なら、全体を見渡せる位置に基準点を決めて、そこからの相対座標だけで図面を作成する、とか。
工事の時にもそこの基準点を元に工事をすればいいだけ。
正しいやり方です。
ただし、その工事の周辺の事や日本のどこなのか世界のどこなのか、日照、景観などは全く考慮しません。
その工事が全体の一部分であったならば、全体の工事のどの位置なのか、何年度に着工し竣工するのかなども考慮されません。
基本的にですが、Civil 3Dでは、世界測地系で地球のどこなのか、というスタートで考えていきます。
なので、上記のような考え方、捉え方だとソフトと仕事が合っていない、ということになります。
出来ないことは無いんですが、モヤっとします。
Civil3Dを使う際に、座標系を指定してください、というのは、毎回必ず伝えています。
この地球の、この日本の、どこを基準にしているのか明確にしておく、ということなのです。
作成したデータを再利用する日が来るかもしれないし来ないかもしれませんが、一応保管されています。(そのはずです)
手つかずの自然でない限りは、何かしらの工事のデータを保存しておけば理論上は、再利用できるはずなのです。
各県で点群データを公開されているところもありますが、点群データは、あくまでも表面ツラだけです。
それでも有用性があり、とてもいいことだとは思います。
工事のデータや利用した3Dデータがストックされていけば、もっといい世界になると思いますが、どうでしょうか。
スクラップアンドビルドなので、過去は無視していい、とも言えますが。
解体する際に設計データや施工データが3Dで残っていれば、解体計画も順調にできると思いませんか?
50年前のデータは使えないかもしれませんが、あるのと無いのでは、だいぶ様子が違ってきます。
宮崎県のダム再開発のお手伝いをしていた時も、過去の資料から何とかして3Dモデル化したり頑張っておられました。
ここまではできる、これは難しい、といったトライアルも行われていて、資料の大切さがわかりました。
資料があれば、このくらいまではできるという目途が立てれそうな気がします。
ダムは、特に地質や流域など広範囲にわたるので、広域の地形や地質が重要になってきます。
この地球のどこにあるのか、どういう形になるのか、理解しておく必要があります。
早明浦ダムのダム湖が龍の形に見えるというのも、面白いですが、広域地形とダムの位置からどういう形のダム湖になるのかは、3Dモデルでシミュレーションできます。
これから造られるダムのダム湖がどういう形なのかも事前に確認ができるという事です。
もちろん、ダム湖に沈む土地がどこなのか、もあらかじめ把握できます。
地球のどこにあるのか、日本のどこにあるのか、という視点をもって3Dと向き合っていきたいな、と思います。
座標系は、とても大切です。
基準点がきちんと設定されていることも実は重要な事なのです。
ある国の基準点を聞かれたときに、コレかな?、とは伝えましたが、もしかしたら、基準点から作らないといけない国もあるかもしれません。うーん、なかなかハードル高そうですね。
日本の科学技術の恩恵に感謝しつつ、自分も何かお役に立てればと思います。