京都・祇園「立鮮調進 なかがわ」ちりめん山椒ごはん
JR京都駅のキヨスクで今一番売れているというお弁当「ちりめん山椒ごはん」を購入しました。
このお弁当を製造販売している立鮮調進なかがわは、京都市内に2店舗を構え、JR京都駅内のキヨスクはじめ各店舗にお弁当を卸している、今勢いのある会社です。
お店の名前の一部にもなっている“立鮮調進”とは、同店のウェブサイトによると、
◎ 立 = 「たき立て、とれ立て、つくり立て」
◎ 鮮 = あたらしいこと「鮮魚、新鮮、生鮮」、あざやかなこと「鮮明、鮮紅」
◎ 調進 = 「注文品をととのえてとどけること」
とあり、三つの言葉でお店のポリシーを表現していることがわかります。素材厳選、鮮度重視。手間暇を惜しまず手抜きせず。早朝より手作り調達。これらの点を基本に、素材の味を活かし京都の味を伝えつづけています。
私がいただいたちりめん山椒ごはんは、あっさりしたうす味が特徴。
(照明の関係で全体的に色が黄色く映っています)
お弁当だと味が濃かったりしますが、京都らしい上品なうす味はまるで料亭でいただいているような感じさえしました。ごはんの上には、たっぷりとちりめん山椒、たけのこの山椒煮がのっていて、添え物には何と湯葉が。お米・ちりめんじゃこ・たけのこは全て国産のものを使っています。また、保存料、防腐剤が無添加という点も、人気の秘密ではないでしょうか。
メインのちりめん山椒は、お酒と出汁でじっくり時間をかけて炊き上げています。
たけのこの山椒煮は、このまま料亭の一品料理として出せる程、山椒の辛味と筍の旨みがマッチしています。また、お弁当にごちゃごちゃとおかずが入っていない、シンプルさにも京都らしさを感じます。
これで900円(税込)というお値段も納得の価格だと思います。
お弁当の包装紙の裏面に商品一覧と店舗のアクセス、ホームページ情報等が記載されているので、お店の宣伝も抜かりがありません。ただ、同店のホームページをみると贈答用の商品もあり、「ご予約、地方発送承ります」との案内がありますが、注文窓口の明確な表記は見当たりません。できればネットで直接購入出来たら、なおいいと思います。
日本だけでなく海外からも多くの観光客が訪れる京都。
お弁当という、基本すぐに食べる商品においてアピールができることは大きな強みになります。
メイン商品である「山椒ちりめん」「たけのこの山椒煮」を、ある意味有料で試食いただいているという見方もできます。
また、通販では京都の宇治茶とセットにするなどの、お得感を演出するアイデアも色々考えられるのではと思います。
食空間コーディネーター
占部恵子
加賀麩 不室屋(ふむろや) 「宝の麩」
二十代の頃、金沢出身の友人が帰省土産に不室屋の「ふやき御汁」を買ってきてくれました。
お麩をお味噌汁やお吸い物に使う習慣がなかったのですが、お麩のこんな食べ方があったのかと、当時は衝撃的でした。
「麩やきの皮に穴を開けてお湯を注ぐと、中から次から次へと具が出てくる」様子は、とても新鮮で斬新だなと感じました。
麩は小麦粉を使った加工品で、棒状に焼いた棒麩や、お吸い物用の繊細なデザイン性のものなど様々ですが、用途は決して幅広いとは言えない、脇役的存在でした。
しかし、お麩を使ってここまで人を楽しませアイディアが詰め込まれた商品は、不室屋でしか出来ないパフォーマンスだと思います。
不室屋は、創業の慶応元年から金沢で麩づくりを始め、発祥の地である金沢の不室村に因んで屋号を名づけたそうです。伝統の製法・味・技術を守りながらも、消費者の心をくすぐる麩づくりをされています。
私は、4種類の味が楽しめる、「宝づくし8個入り」を購入しました。
・おすまし(花麩・ねぎ・わかめ) 2個
・麩久梅(花麩・ゆず・ほうれん草・大根・おぼろ昆布)2個
・加賀みそ(花麩・ねぎ・おぼろ昆布)2個
・暫(花麩・ほうれん草・おぼろ昆布)2個
届いた商品は丁寧に梱包されていて、手提げ袋も入っていました。
インターネット購入時に贈答用とは伝えていませんが嬉しい心遣いです。
そして、箱もかわいいデザイン。
早速、麩久梅を作りました。
ふやき、昆布だし、味噌(味噌汁で楽しむ場合)、おぼろ昆布がついています。ふやきの中のお野菜、何と低農薬・減化学肥料の地元の野菜を使っていました。味も素材も、即席でありながら、インスタントの侘しさが全くなく、お湯を注ぐとだしのいい香りが広がり、野菜の触感も驚くほどいい。
購入の楽しみのポイントは、お湯を注ぐ前にふやきの皮の真ん中をぱりっと割るひと手間、そして、どんな具が浮き上がってくるかのわくわく感ではないでしょうか。
このひと手間がなければ、これほど不室屋の商品に魅力を感じなかったかもしれません。麩の美味しさを伝えたいというコンセプトから、栄養にも配慮し、乾燥させた野菜をふやきの中に詰め込んで、金沢の味に仕上げたこれらの商品は、不室屋の歴史や技術、こだわりがなければ真似できない差別化だと思います。
これほどの商品ですから、1個200円以上するのは仕方がないかもしれません。贈り物としても失敗しない商品だと思いますし、外国人観光客にもぜひ日本の味を持って帰っていただきたいなと思います。
しかし、日常使いとして頻繁にリピートできる商品ではないかもしれません。やはり、おもてなし用・贈答品がメインでしょうか。もしくは、離れて暮らす家族に、また、食にこだわりのある一人暮らしの方にいいかもしれません。
さらに、初めての方に向けては、お得感のある詰め合わせセットなどがあると注文しやすいと思います。
送料は300円と安く済みましたが、日持ちする商品ですので一定金額以上は送料無料にするなど、一回の買い物でたくさん買っていただける工夫が必要だと思います。
また、旅行の携帯用・山歩きなどのアウトドアの携帯用として新たに商品開発し、そういった企業とコラボするのも面白いと思います。
不室屋の商品は、お麩のイメージを変え新たな麩の食べ方を世の中に広げた素晴らしい商品だと思います。
食空間コーディネーター
占部恵子
九州大学ブランドビーフで作ったハヤシライス
以前ビジネスチャレンジでご紹介した九州大学のブランドビーフ「Qビーフ」を使った子供から大人まで喜んでいただけるハヤシライスを試食してみました。
Qビーフは九州大学が研究開発し、今までにない牛の生産システムで育てた安心・安全でヘルシーな牛肉です。 日本の黒毛和牛の飼育は海外から輸入する穀物飼料に頼り、BSEの問題・糞尿処理における環境への悪影響など多くの問題を抱えています。
しかし、Qビーフは特別に子牛の頃に草からの栄養吸収能力を高める体質を刷り込まれて育つので、通常は不可能である草食だけでの肥育が可能な純国産黒毛和牛です。
国内にある耕作放棄地等での放牧で育つので、狭い牛舎に閉じ込められることなくのびのびと育ち、どこで育った牛なのかも明確です。
その結果、黒毛和牛の赤身の美味しさと良質な脂肪酸やビタミンを持つ健康的な牛肉が生まれました。
特別のレシピで作られたハヤシライスはワインをたっぷり使った本格派。
赤身の肉は固いと思われがちですが、2日間赤ワインに浸すことでよりやわらかくなるそうです。さらにじっくりと煮込むとやわらかく旨味が出、ボリュームも満点のハヤシライスソースに仕上がっています。
人参と玉ねぎは、煮込み用と炒め用に分けているのがポイント。煮込み用の野菜はお肉と一緒に原型がなくなるまで煮込み、旨みと甘みが増すように工夫されています。
炒めた野菜は見栄えと食感を残すために、最後に入れるそうです。
子供でも美味しく食べられるよう酸味を抑え、甘みをだしています。隠し味はトマトケチャップ・トマトジュース・とんかつソース、そしてココアパウダー。ほどよい甘さと酸味、コクのある味に仕上がっています。
Qビーフの肉本来の旨みがしっかり出ていて、なおかつヘルシーな点は現在の健康志向にもマッチ。生活習慣病を気にする世代にも喜んでいただけるのではないでしょうか。
また、ハンバーグにこのハヤシライスソースをかけると、育ち盛りのお子さんも満足していただける一品になります。
Qビーフ入りハヤシライスの商品化はこれからですが、甲子園カレーのように1箱に2パック入りだとお得感がありそう。
レトルトカレーは数えきれないほどありますが、安心・安全・健康に配慮し、肉の旨みを引き出したQビーフ入りハヤシライスは、他社との差別化も望め、消費者に継続して購入していただける商品だと感じます。
食空間コーディネーター
占部恵子











