Direct Marketing Business Challenge~ ダイレクトマーケティングビジネスチャレンジ~ -93ページ目
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FOODEX JAPAN2011 その1

3月1日~4日の4日間、千葉県美浜区の 幕張メッセでFOODEX JAPAN2011が
開催されました。
FOODEX JAPANはアジア最大の国際食品飲料展示です。世界中から食品や
飲料が集まり、ビジネスの拡大を目的とした食品メーカーや商社バイヤー
で大賑わい。初日に参加しましたが、この日だけでも約14,000人が来場。
4日間で74,936人ものひとが集まりました。今年で36回目を迎え、
世界64の地域や国から約2,450社が出展し、熱気に包まれたFOODEXを
レポートします。

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会場は海外出展ゾーンと国内出展ゾーンに分かれています。韓国の
マッコリやトルコのオリーブオイル、ウルグアイのマテ茶、オーストリア
の自家焙煎珈琲など、各国が売り込みに精を出していました。
行ったことのない国のトレンドを知ることができたり、実際に試食し味を
確かめることができとても有益です。フランス・イタリア・スペインの
ブースにはいろいろな香りやテイストのワインがずらりと並んでおり、
その種類の豊富さは圧巻です。
各国の外国人スタッフは声をかけてブースへ足を運ばせるのが上手です。
流暢な日本語で自社商品をアピールしていました。

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膨大な食品や飲料の中で注目した商品は、MEIWA CORPORATIONのCOLLESI。
一見、ワインと見間違えてしまうボトルですが、実はイタリアンビール。
今までイタリアのビールはワインの陰に隠れていましたが、デザイン性
のあるスタイリッシュなボトルで存在感をアピールし、飲んでみたいと
思わせる一品でした。

EGO(エゴ・もえぎ色)
  ALTER(アルター・黄色)
  FIATLUX(フィアットルクス・オレンジ色)
  UBI(ウビ・赤色)
  MAIOR(マイオール・黒色)

とエチケット(ラベル)の色ごとに名前がついている5種類。
それぞれ、本当に個性豊かで、香りや味わいなど自分の好みのビール
が見つかるはずです。

EGOが一番軽く、ALTERE、FIATLUXと段々濃厚になっていきます。
当然、それぞれあわせる料理も異なり、お料理とお酒を楽しんでいる方や
マリアージュを提案しているレストランには試していただく価値があると
感じました。個人的には、ALTERがお気に入り。柑橘系の香りとクリーミー
さが本当においしい。500mlサイズもあり、全種類を楽しむことも
できそうです。

イタリアといえば、パスタにワインというイメージが強いですが、
コッレージのおいしさに感動しました。これから本格的に日本で
展開するということでしたので今後注目していきたいと思います。

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「その2」へ続く・・・


          取材:占部恵子事務所
          食空間コーディネーター 占部恵子

九州大学ブランドビーフ Qビーフについて

国立大学法人「九州大学」が、エコ牛を開発しているというお話をお聞きし、
九州大学の後藤先生よりDMG大阪オフィスにて食品・通信販売のプロの
方々を交えて行なわれたプレゼンテーションと試食会に参加する機会が
ありました。

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後藤貴文准教授は、九州大学大学院農学研究所に所属され、家畜生産生態学
の研究として大分県久住(くじゅう)高原の農学部付属農場にて和牛の飼育
生産をされています。

一般に「和牛」と聞くと、国産の資料で育った純粋な国産牛をイメージ
しますが、意外にも、餌は穀物飼料中心でその90%は外国からの輸入との
こと、これでも和牛と言えるのかと疑問に感じました。

さらに、輸入飼料に頼ることで、「糞尿処理の問題」がついてまわるのだ
そうです。 つまり、牛糞は「窒素」を多く含んでおり、本来ならば土に
戻して草木の栄養になり、それをまた動物が食べるというのが、自然
サイクルのあるべき姿といえます。

しかし輸入穀物を食べている牛からでた糞の窒素については、本来その
穀物が生産された国で循環すべきものであり、このまま日本の牛に外国
の飼料を与え続けると、どんどん糞(すなわち窒素)が日本に溜まっていく
一方。このアンバランスが環境に負荷を与えており、問題となっているの
です。

国産の草を活用し良質な牛肉を作るために「代謝生理的インプリンティング」
という新しい概念が生まれました。それは、国産の草を牛に与える際に、
それに適応した牛の体質形成を構築するというもの。
 
つまり、子牛の成長期に草の栄養を吸収しやすい体質に改善すること。
人間に置き換えると、子供の頃に食べた物や環境などで太っていると、
大人になっても太る体質は維持されますが、牛も同じように、子牛の段階
から飼育システムを刷り込んでいくという方法です。

生後3ヵ月まで高栄養のミルクをたくさん与え、さらに高栄養な飼料で
子牛の体質を整えて、10ヵ月頃から国産の牧草のみで20ヵ月以上肥育します。
その後、放棄されている農地に放牧し、30ヵ月まで乾草のみで肥育。

そうやってインプリンティングされて大きく育った牛肉は良質なビタミン
や脂肪酸を含み、国産の草だけで肥育された安心安全な黒毛和牛になる
そうです
 
この開発中のQビーフが普及するためには、和牛の生産者の方に前述のような
システムを理解賛同してもらわねばならず、採算性の確立を含め、従来の
肥育方法からシフトしてもらうというハードルがあるそうです。
もちろん消費者においても、その商品価値が正しく評価されなければなりません。
 
 
多くの問題をもつ肥育法による皮下脂肪や内臓脂肪がない赤身の美味しい
Qビーフは、今後、健康志向の方やカロリーを気にする世代には喜ばれる肉
だと思われます。国産の草資源のみで肥育生産されていることにとても
大きな意味があり、今までの生産システムを覆す壮大なプロジェクトである
と感じられます。

同時に、放棄されている農地の活用や糞尿処理問題の解決にもつながり
ます。Qビーフが大量生産できれば、飼料輸入に頼らない安くて安全な
牛肉を誰でも食べることが可能になります。

年々、健康志向が高まる今、ヘルシーなQビーフのこれからの展開が楽しみ
です。九州大学のブランド牛というバリューもあり、九州の特産品として
ギフトでも喜ばれそうです。
具体的なマーケットの開発や安定供給などの課題も残されていますが、
これからの時代の牛肉として今後、もっとも
期待できる国産和牛の新しい形だと感じました。

   
$Direct Marketing Business Challenge~ダイレクトマーケティングビジネスチャレンジ~
九州大学大学院 後藤貴文准教授


             取材:占部恵子事務所
                 食空間コーディネーター 占部恵子              
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