三連休ゆっくりしたなあ。
昨夜ブログアップ後に酒飲みながら観た今年1発目のマカロニウエスタンをご紹介!
新・夕陽のガンマン/復讐の旅 (1967年)
DA UOMO A UOMO /DEATH RIDES A HORSE(英題)
監督 : ジュリオ・ペトローニ 製作 : アルフォンソ・サンゾーネ 脚本 : ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ 撮影 : カルロ・カルリーニ 美術フランコ・ボッターリ 編集エラルド・ダ・ローマ 音楽 : エンニオ・モリコーネ
出演 : リー・ヴァン・クリーフ、ジョン・フィリップ・ロー、ルイジ・ピスティッリ、アンソニー・ドーソン、ホセ・トーレス、マリオ・ブレガ、アーチー・サヴェッジ
レオーネ監督の「夕陽のガンマン」や「続・夕陽のガンマン」とは物語上は勿論関係のない本作。脚本のルチアーノ・ヴィンチェンツォーニが同じで若いガンマンと初老のガンマンが同じ目的で旅をする物語の基本ラインと、リー・ヴァン・クリーフが出演していること以外接点はないのだが、タランティーノの「キル・ビル」で音楽が使用されていたり、復讐の旅をめぐる枠組みがその「キル・ビル」と似ていることで一部で有名だったりする。
ではつまんないかというと、名作とまでは言わないまでも結構ツボは押さえていて飽きない作りで、結構好みなのだ。以前テレビで観た時は「夕陽のガンマン」のバッタモンの意識だったが、今回の方がより楽しめたな。
幼い頃、目の前でならず者たちに両親と姉を殺された青年ビル。殺される前に犯された母が覆面を払って顔が見えた男の他、胸に4つのエースの刺青がある男、右耳に大きなピアスをつけた男、左眼に傷を持つ男、そして燃えさかる家から自分を外の荷車の下に連れて行った髑髏のペンダントの男。彼はそれらの特徴を目に焼き付ける。
15年後、ひたすら射撃の腕を磨いていたビル(J・P・ロー)は5人の男たちを探す復讐の旅に出る。そんな彼の前に、家族の墓に佇む初老のガンマンが現れる。
初老のガンマン、ライアン(L・V・クリーフ)は15年の服役を終えて刑務所を出たばかり。彼もまた自分を罠に嵌めて罪を被せた男たちを探していた。
標的が同じ男たちを追う二人は、行く先々で時に出し抜き、時に互いを助けながら共通の敵を倒していく。そしてキャノバーという町の有力者がかつての強盗団のひとりであることを突き止めるが、銀行頭取に収まっているキャノバーは実は裏では盗賊団とつるんでいる。
彼は政府からの預かり金がある自分の銀行を配下の盗賊団に襲わせて金を自分のものにし、その犯行をライアンになすりつけようとするが、ビルがその企みを察知してライアンの脱獄に手を貸し、二人は共通の敵キャノバーと盗賊団に立ち向かっていく・・・。
若い男と初老のガンマンが同じ敵を求めて、時に出し抜きながら旅をするのはまさに「夕陽のガンマン」なのだ。
一味の1人のエースの刺青の男を倒したものの、別の男に狙われたビルを助けたライアンが、「自分の背後にも気を付けろ」とか「1人に4発も撃つのは無駄だ」など教訓を与えていくあたりは「怒りの荒野」のようでニンマリする。敵がわかると冷静でいられない彼に「復讐は覚めてから味わえ」なんてクールなセリフも効いている。
キャノバーと盗賊団が根城として傍若無人に支配している村で、村人たちから助けを請われ、盗賊団が戻る前に対決の準備をするあたりはまるで「荒野の七人」だし、
おまけに盗賊団との決戦が長引き、村を囲んだ敵が「葬式の音楽」を奏でるなんて「リオ・ブラボー」を思い出すシーンもある。そう言えば捕らえられたビルが、鞭でしばかれるのは「真昼の用心棒」、首まで埋められてしまうところは「ガンマン大連合」のフランコ・ネロみたいだったな。
ここではメキシコ農民に扮したライアンに助けてもらうのだ。
とにかくこうした過去の映画のいいところをうまく取り入れながら(あえてパクリとは言いたくない(笑))、あまりにキッチュな秘密兵器じみた武器も出てこず、きちんと動く鉄道を見せたり、黒人がでてきたりと、マカロニウエスタンの中ではレオーネほどではないものの、西部劇に寄せようと頑張っていた方だと思うのだ。
かと言って上品な作劇には収まらず、銃撃戦は豊富で飽きない。ただ、村での籠城戦ではちょっと可哀そうなくらい村人の命が安いあたりはやはりマカロニだなあと思ってしまうのだった(笑)。
以下壮絶にネタバレします(笑)
ビルとライアンの「復讐の旅」の行く末がなかなか憎いのだ。
ビルはキャノバー配下の盗賊団にいた「大きなピアスをつけた男」パコを倒し、その兄の「左眼に傷を持つ男」ホセも倒す。この辺りのどっかで見たことある悪役たちの顔がマカロニらしい安さにもつながるのだが、それがまた愛おしくもあるのだな(笑)。
そしてキャノバーこそ「顔の見えた主犯の男」であったのだが、彼らとの決着の中、ライアンもまたその強盗団にいた「髑髏のペンダントの男」だったことがわかる。
ライアンが現場に来た時にはすでに犯行は終わっていて、彼はビルの家族を手にかけていないばかりか幼い彼を助けたわけだが、彼の家族を殺した一味だったことには変わりない。
ラスト。キャノバーを倒した後、闘いの中で弾丸が尽きたライアンにビルは弾丸を渡し決闘を挑む。
距離を取り振り返ったビルの撃つ弾はライアンの後ろの建物にいた生き残りの敵に向けてだった。
そしてライアンの手の中にはビルから渡された弾丸が、銃に装填されることなく残っていた。
ビルを息子のように思い始めていたライアンは彼の手にかかって死ぬことを覚悟していたのだが、ビルもまたすでにライアンを倒す気は無くなっていたのだった。
ライアンにかけた「復讐は覚めてから味わえ」なんてセリフが、ここにきて自分に効くことになるとは思わなかっただろうな。
去り行くビルにライアンが呟くセリフが、字幕では「達者でな」となっていたが、「Good luck、Son」という英語のセリフくらいは俺にもヒアリングできてちょっとグッとしたのであった(笑)。
まあ15年も同じピアスしているかとかあるか?とか、ライアンの正体の隠し方もちょっと不自然なところはあるし、色々詰め込んではいるが全体的には外連味の少ないマカロニウエスタンとしても中くらいの出来だとも思う。
だが、その後「バーバレラ」や「シンドバッド黄金の航海」に出演するジョン・フィリップ・ローの哀愁を秘めたマスクも良く、何よりキビキビしたガンアクションは気持ちよく、リー・ヴァン・クリーフの大人の余裕とビルに対する愛情を湛えた演技も良くて、バディものとしても楽しめる一作であるのは間違いないのだ。
監督のジュリオ・ペトローニの作品はジェンマの「暁のガンマン」とかトーマス・ミリアンの「復讐無頼・狼たちの荒野」など未見の作品を所持しているのでまた楽しんでみたい。
音楽は昨年惜しくも亡くなったE.モリコーネ。予告編で堪能してくだされ。
金曜夜は仕事で遅くなったが、すっきり休めているこの連休。正月よりインプットが多くてネタが溜まってきたけど(笑)、まずは先週に続いて1人で映画館に行ってきたゴキゲンなこの映画のご紹介だ!
新感染半島 ファイナル・ステージ (2020年)
PENINSULA
監督・脚本 : ヨン・サンホ 製作 : イ・ドンハ 製作総指揮 : キム・ウテク 脚本 : パク・ジュソク 撮影 : チョン・ギウォン、イ・ヒョンドク 美術 : イ・モグウォン 編集 : ヤン・ジンモ 音楽 : モグ
出演 : カン・ドンウォン、イ・ジョンヒョン、イ・レ、クォン・ヘヒョ、キム・ミンジェ、ク・ギョファン、キム・ドユン、イ・イェウォン
んもー面白かった!!正直言って先週観た「ワンダーウーマン1984」の10倍位は楽しんでしまったことは正直に白状しよう(笑)。
だって、危険エリアに潜入するミッションと言えばの「ニューヨーク1997」や「マッドマックス/怒りのデスロード」の市街地版のような怒涛のカーチェイス、「AKIRA」の都市廃墟っぽさなど、俺の大好物のストーリー、アクション、ビジュアルに加えて、ゾンビもののスリリングさ&哀しみエッセンスもたっぷりなんだもの。すぐにもお代わりしたいくらいだったぜ(笑)。
「ワンダーウーマン」同様、レビューできていなかった前作の「新感染 ファイナルエクスプレス」だが、あれから4年。あの映画で描かれた謎のゾンビウイルスパンデミックが韓国の国家機能を僅か一日で停止させ、半島(原題)が崩壊したことをアメリカ?のTVニュース番組の形でサクっと説明する冒頭から快調。
これがあるから仮に前作を見逃している方でも全然問題なく観れてしまうと思う。
思えばあの時は今のコロナ禍なんて想像もしていなかったけど、ゾンビ化こそ無いものの「パンデミック」の脅威ってのが実感される世の中になるとはねえ。
半島脱出の際に姉と甥を守れなかった元軍人のジョンソクと、妻と息子を亡くした義兄のチョルミン。
漸く脱出できたのに、避難船内でこの「肉親を亡くす哀しみ」を見せるのも非常に好みなのだなあ。
そんな2人は亡命先の香港で、差別を受けながらトラウマと絶望感に支配され惨めに暮らしている。
ある日、2人は裏社会の人間から仕事の依頼を受ける。仕事の内容はなんと封鎖されている半島に再び渡り、2000万ドルの大金を積んだトラックを見つけ出し、回収してくるというもの。分け前は半分。4人のチームだから一人当たり250万ドルだ。地獄のような半島に戻ることを渋るジョンソクだったが、悲惨な暮らしから抜け出したいチョルミンが参加するのを心配し依頼を引き受けることにする。
ジョンソクのカン・ドンウォンは軍人の時はダンカン似なのに(笑)、やさぐれ長髪になったらやたらかっこ良くなる。香港シーンでの服装はフレディみたいで微妙だったけど(笑)
ちなみに義兄チョルミンのキム・ドユンは星野源を劣化させたようなルックスなのだが、どっかでみた顔だと思ってたら「哭声コクソン」のあの若手司祭だったか!
そんな2人に元タクシードライバーのオバさんともう1人の若者の4人で半島への上陸を果たす。トラックを回収してインチョンの港に戻る猶予は3日。衛星携帯で伝えれば迎えの船が来る段取りだ。
本作のゾンビは前作同様暗闇では目が見えず夜間は活動が鈍い。しかし音には敏感だ。そこを利用して夜間に上陸した回収ミッションは楽に済むかと思っていたが、まずチョルミンがクラクションを鳴らしてしまい、凶暴化した感染者に気づかれる。
何とか凌いで逃げようとすると照明弾が放たれ、4人は大量の感染者に襲われるハメになる。
これはゾンビアポカリプスの終末世界で、略奪と非道な所業を楽しむ狂気のファン軍曹に率いられた民兵集団631部隊の仕業。荷台に逃げ込んだチョルミンごとトラックは奪われ、迫り来るゾンビの群れに追い詰められたジョンソクの目の前に急停車する車が!
ジョンソクを救ったのは荒廃した世界で生き延びてきたジュニとユジンの姉妹。まだ10代半ばと思われるジュニの脅威的なドライビングテクニックと、幼いながらリモコンカーで感染者の注意をひかせるユジンの機転で逃げのびるが、ここで何にもできず後部座席でひっくり返っているないジョンソクは「怒りのデスロード」で血袋にされたマックスを思い出す(笑)。
ファン軍曹と彼を馬鹿にしながらも下手に出るソ大尉。反目しあう2人のクソ野郎の悪役ぶりがまたいいのだなあ。アジトはショッピングセンターを改造していて、捕虜となったチョルミンはそこでゾンビから逃げ切れるかのゲームのコマにされてしまうのも最高に悲惨なのだ。
軍隊が人間性を失った暴力集団と化してるあたりの描写がロメロの「死霊のえじき」や「ランド・オブ・ザ・デッド」、「サバイバル・オブ・ザ・デッド」にも似て非常に好ましいのだ。
もっとも前作同様、本作のゾンビは「28日後…」のような感染&全速力ダッシュ系。しかしロメロゾンビのように人を喰らうシーンは無い。個人的には「28日後」のように「ゾンビのような感染者」ならダッシュしてもいいのだけど、一度死んだら走って欲しくないのだが、本作に限っては気にならない(笑)。
むしろ塊になって迫ってきたり、ドドドと落ちてきて山になってしまうあたりの描写は前作と同じでうわわわとそのビジュアルのおぞましさに喜んでしまうのであった(笑)。面白ければ細かいところはいいのだ。
以下チョイとネタバレになるので要注意!(笑)
ここから先は見てのお楽しみだが、
ジョンソク&ミンジョンのトラック奪還に義兄チョルミン救出のミッションも加わり
ファン軍曹たちの怒涛の追撃&マッドマックス市街地版の壮絶カーチェイスに阿鼻叫喚のゾンビ大量襲撃でてんこ盛りな上に、夜明け前までにインチョン港に到着しなければならないカウントダウンも加わり、クライマックスまでの加速のつき方の気持ちよさったら半端ない最高さなのだ。
ここにクソ悪役の登場に韓国映画特有の容赦ないラストになるかとヒヤヒヤすラストが加わるから堪りませんな(笑)。
ミンジョン親子たちの情愛とキム爺さんの意外な伏線回収で泣かせ、最後にジョンソクの自己肯定という王道の収まりもあり本当に気持ちよく観終われるのであった(笑)。
前作が面白過ぎたので心配したが、まったく杞憂に終わったのは嬉しい誤算。正直言うとゾンビは出てくるものの、ゾンビホラーにはなっていない。冒頭の「肉親のゾンビ化」の哀しみが後半にあったらもう言う事なしだったが、前作以上に完全に「サバイバルアクション」として振り切った演出には大拍手だ。もっとも「怒りのデスロード」とは逆にカーアクションはほとんどがCGらしいが、ちょっとマンガっぽさはあるもの、あれだけ「カッコイイキメキメ画面」見せられたら文句ねえや(笑)。
美しくも逞しいミンジョンとジョンソクのまったくベタベタしない関係も、マックスとフェリオサみたいで非常に好ましかったし、仮にジョンソクがミンジョンとの未来を考えたとしても許せるぜと、大満足のおっさんは上から目線でうなづいてしまうのであった(笑)。
それにしてもタイトルは前作は「上手い!」と思ったけど、今回はちょっとB級感溢れるものになっちまいましたな(笑)。それでも面白さはA級。
ああ、日本映画でここまでやってくれる映画って出てこないのかねえ・・・。
ついこの間まで休みだったなんて信じられないくらい、もう仕事がパツパツに(汗)。
色々思い通りに運ばない仕事に加えて、コロナ状況悪化の影響で、来週予定していたイベント仕事がオンラインでの開催に急遽変更になり、更に延期になるという目まぐるしい状況変化もあって何だか毎日敗戦処理をしているような気分だ。
今日も退社したのが22時近くで、持ち帰り仕事付き。
何なんだ一体。新年早々何となく日々腹立たしくなっているのである。
で、Amebaからなんか来ていたので
引いてみたらこれだった…
【Amebaおみくじ】2021年の運勢は...
くっそお。やるんじゃなかった(笑)
正月早々嫌な気分にさせやがって。
こんな凶悪そうなキーパーソンは絶対幸せ運んできそうにないから要らんがな(笑)
改めて明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。
さてさて、年末年始の休みも今日まで。毎年のことながら大晦日まではマスト事項に追われて落ち着かず、正月はのんびり過ごせたのはいいけど、下の娘は仕事で帰省せず、上の娘は風邪気味、かみさんも出かけたがらずでどこにも出かける予定なし。
毎年盆暮れに集まっていた地元の友人たちとの飲み会も自粛で、いい加減家にいるのが飽きてしまったので、昨日2日は俺だけ一人これを観に行ってきたのだった!
WONDER WOMAN 1984 WW84
監督・製作・原案・脚本 : パティ・ジェンキンス 製作 : チャールズ・ローヴェン、デボラ・スナイダー、ザック・スナイダー、ガル・ガドット、スティーヴン・ジョーンズ 製作総指揮 : レベッカ・スティール・ローヴェン、リチャード・サックル、マリアンヌ・ジェンキンス、ウォルター・ハマダ、シャンタル・ノン・ヴォ、ウェスリー・カラー キャラクター創造 : チャールズ・モールトン 製作総指揮・原案・脚本 : ジェフ・ジョンズ 脚本 : デイヴ・キャラハム 撮影 : マシュー・ジェンセン 編集 : リチャード・ピアソン 音楽 : ハンス・ジマー
出演 : ガル・ガドット、クリス・パイン、クリステン・ウィグ、ペドロ・パスカル、ロビン・ライト、コニー・ニールセン、リリー・アスペル、クリストファー・ポラーハ、アムール・ワケド、ナターシャ・ロスウェル、ラヴィ・パテル、オリヴァー・コットン、ルシアン・ペレス、リンダ・カーター
前作「ワンダーウーマン」は2017年か。福島で遅れてやっと公開した「イップマン継承」と「新感染ファイナルエクスプレス」と一日で3本ハシゴしたんだったな(笑)。ちょうどブログおサボり2年間の時だったのでレビューしていなかったなあ。
前作はあとの2本の後に観たけど、予想以上に面白かったのだ。「ジャスティス・リーグ」などでワンダーウーマン自体の姿は知っていたが、単独作品の前作はガル・ガドットの凛とした佇まいと、初めて人間社会にきたことでの天然ボケ的な可愛さ、第一次世界大戦末期を舞台に、戦いのフィールドに踏み出す彼女の姿のカッコ良さにすっかりやられてしまったのであった。
で、舞台を1984年に移しての本作、ガル・ガドットの魅力は相変わらず。
ワンダーウーマンとしての活躍する姿も、前作で非業の死を遂げたダイアナの恋人スティーブの復活に喜ぶダイアナとしての姿も美しいことこの上ない。
彼女を、観ている分にはいいのだけど、ストーリーと悪役がねえ…(笑)。
前作はドイツ軍を操る邪神アレスがラスボスでの戦いだったけど、今回は「魔法の石の力」を得て、野望に燃えるマックスと
ダイアナに憧れる同僚バーバラ
このバーバラ、その後「チーター」になるとは言えどちらも「一般人」が相手なんで、「やれ!やっちまえ!」的な思い入れになかなかならないのが難点(笑)。おまけに「魔法の力」とは「何でも願いが叶う力」で、そこら中の人々の「簡単な望むこと」から「果てしない野望」まで、ヴィランのマックスが悪用したとは言え、元は「人々の望み」なのだ。
それで世界が滅ぶ寸前になるのは人間の愚かしさが引き起こしたこと故に、ワンダーウーマンの活躍で回避されるとは言え、なんか乗りづらい「混乱の収束」なんだよね。
まあこの願いが叶うことが「代償」がついて回ることが物語のミソにもなっているのだけど、やはり、話としては前作の方が面白かったし、1984年に設定した時代背景も、もっともっと活かす方法もあったのではないかなあ?と思えてしまったのだった。
とは言え前作に引き続きアクションシーンはキビキビしていて満足。
この手の映画には珍しく女性監督パティ・ジェンキンスが連投、製作にガル・ガドット自身も名を連ねていて、ワンダーウーマンが苦悶の表情になるこんなシーンにもイヤらしさは全然ないのである(笑)。
あくまで強く美しいワンダーウーマンその人の姿を堪能するだけの映画ということで納得しながら帰宅したのであった。
と、当初の公開予定から随分遅れての公開、一人で観ていた俺以外は観客7人(家族連れとカップル)と正月興行としては寂しい入りだったが、
同じく前作からの続編、「新感染半島 ファイナルステージ」を、正月から観るのも何だなあと思ってのチョイス、まあ良しとしよう(笑)
さて、今年も何本映画館で観れるかわからないが、昨年後半は殆ど劇場に足を運べなかったので、今年は一人で行くことも視野にもう少し足を運べるようにしたいものである。
ああ、それにしても明日から仕事かあ…。もう少しダラダラ過ごしたかったなあ(笑)。
年末記録を長々書いてすっきりの本日大晦日(笑)。
ほんとあっという間の一年だったな。
思えば3月までの福島での5年半の出向単身赴任、日々忙しくも一人暮らしを満喫し、充実していたなあ。
コロナの影響が出ての仕事のラストスパートはヒーヒー言ってたけど、惜しまれつつ終えられたのは何よりだった。
この歳でこんな経験ができたのは感謝しかないや。
で、静岡に戻った4月からはコロナもあって、全く「思っていたのと違う」復帰だったな(笑)。
秋からは「またこんな生活かよ!」と嘆くようなクソ忙しさだったりと、仕事に関しては1年前には全く想像できなかった日々が続いた一年だったなあ。
せっかく家族勢揃いと思ったのに下の娘が6月から異動で一人暮らしになり、9月には更に県外に異動になっちまったのも想定外だった。
まあ、春までの一人暮らしの気ままさから、家族のペースに合わせる不自由と嘆く自由を再び実感しながらの日々にはなってしまった。
コロナもあって思いつきで映画館へ行くペースも落ちたし、DVDなどで好きな映画を好きな時間に観ることも減っちまった。
何より皆さんのブログを読むのも、こうしてブログを書くペースも、秋からは仕事の忙しさと、家族の目もあって随分落ちてしまったものだ。
それでもこの場でまた新しい出会いがいくつもあったのは嬉しいことだった。
一年間訪れてくださった皆さんに改めて感謝です。映画ブログのような愚痴ブログのような拙い記事にもコメントいただき、本当にありがとうございました。
来年も気合を入れすぎず(笑)、気持ちのままに、たくさん映画や音楽を楽しんで、このブログも続けていこうと思います。
皆様お付き合いのほどよろしくお願いします(笑)
まだまだコロナも先が見えない不安はあるけど、皆さんの新しい年が、今年以上に穏やかで素敵な一年でありますよう、心よりお祈り申し上げて、今年の締めとします。
では良いお年をお迎えください✌️
昨夜久々観た映画は、またかよ!と言われそうだが、昨日の記事と打って変わって命の値段の安いマカロニウエスタン(笑)。
リー・ヴァン・クリーフ主演ながら緩めの「マカロニ007」と呼ばれたシリーズ3作目だ!
西部決闘史 RETURN OF SABATA (1972年)
監督 : フランク・クレイマー 製作 : アルベルト・グリマルディ 脚本: ジャンフランコ・パロリーニ、レナート・イッツォ 撮影 : サンドロ・マンコーリ 音楽 : マルチェロ・ジョンビーニ
出演 : リー・ヴァン・クリーフ、ライナー・ショーン、ジャンピエロ・アルベルティーニ、アナベラ・インコントレラ、ジャンニ・リッツォ、ペドロ・サンチェス、ジャクリーヌ・アレクサンドレ、ニック・ジョーダン
“サバタ”シリーズ第3弾は、再びリー・ヴァン・クリーフを主演に迎えての「西部悪人伝」(レヴューはこちら)の正式続編。
でも題名に偽りありで、まるで西部劇の名だたる決闘の記録などが絡むのかと思えばそんなことは一切なく(笑)、そのまんま「続・西部悪人伝〜帰ってきたサバタ〜」でいいじゃんって感じの一作だ。
このサバタシリーズ、合間にユル・ブリンナーの「大西部無頼列伝」(レヴューはこちら)がシリーズにカウントされているからややこしいのだが、「悪の上をいく極悪」の黒づくめの主人公サバタは、やはりリー・ヴァン・クリーフの方がしっくりくるので大歓迎だ。しかーし!本作は残念ながら映画の出来としては前作に及ばない今イチの一本であった。
冒頭、さっそくサバタが敵に囲まれ、緊張感ある撃ち合いが始まる。
ポスターにデカデカとレイアウトされている「悪人伝」でも印象的なサバタの名刺代わりのような4連デリンジャーが早くも登場!
このデリンジャー、4連だけでも凄いのにプラス銃把部分に更に3連の銃口があるのがいいんだよな(笑)
どんな構造なんだ!のトンデモデリンジャーだがこの辺りがマカロニウエスタンの007と呼ばれた所以か(笑)。
敵をバタバタ倒して「ありゃ?いきなりクライマックス?」とか思っていると、これは「出し物」で、本作でのサバタは、なんとサーカス団の目玉の早射ちショーで人気を博す主役スターとして登場するのだ。
サーカスが留まるホブソンビルの町では、市長の妹を妻に持ち町民からの信用の厚いマキントックが町の建設計画を進めている。
ある日、一座の手品師が行方不明になり女が殺される事件が起こる。サバタはサーカスを離れ町で南北戦争時代の部下クライドに出会い、マッキントックの悪事を嗅ぎつける。
実はマッキントックは町民から集めた税金を金貨に換金し、集めた金は代わりに偽札を残して、私腹を肥やしていて、再建計画など実施しないでドロンを決め込む計画だったのだ。
サバタはマッキントックにも繋がり今一つ信用ならないクライドに加えて、町の再建計画には賛成しているお調子者のブロンコ(3作皆勤賞のペドロ・サンチェス)
元々はクラウドの配下だったアクロバティックな軽業をするエンジェルら二人組
あとは出稼ぎ娼婦のマギー(今ひとつ魅力的でないのが難点(笑)
などを仲間にしながら、金貨のありかを突き止めようとするが、マキントックは容赦なく殺し屋を差し向けてくる……。
「悪人伝」の“ネコ”役のニック・ジョーダンがエンジェルとして再登場して同じような飛んだり跳ねたりアクロバティックな小気味よいアクションを見せてくれるのが嬉しい。
その相棒も足を使ったパチンコで音もなく敵を倒す技で、「無頼列伝」の“セプテンブレ”みたいでなかなか良いコンビではあった。
しかしブロンコのペドロ・サンチェスは本作ではさほどコメディリリーフとしても活きていないし、何より、時に裏切り、分け前を独り占めしようとする小悪党の相棒クライドはライナー・ショーンが演じているが、「悪人伝」のウィリアム・バーガーのバンジョーほどの凄腕ではないのが残念なのだ。
サバタが南北戦争時に少佐だった過去がわかるが、クライドは元上官でもあるサバタに頭は上がらないし、5000ドルの借りもあって全然対等ではないのが痛い。
この仲間とのチームワークが「悪人伝」ほどスカッとしていないのも難点かなあ。
黒づくめサバタが権力者の悪事を暴く物語に、いつ裏切るかわからない胡散臭い相棒、P・サンチェスのコメディ・リリーフ、体技を持つ配下の若者という布陣に加え、フランク・クレイマー監督(脚本ジャンフランコ・パロリーニは同一人物)、製作のアルベルト・グリマルディ、撮影のサンドロ・マンコーリも全く同じ。
音楽こそ2作目はブルーノ・ニコライに譲っているが、マルチェロ・ジョンビーニの音楽は相変わらず景気いいものの、これも「悪人伝」のインパクトには及ばないなあ。
サバタを演ずるリー・ヴァン・クリーフは実に楽し気で、他の作品以上に茶目っ気のある表情も見せてくれる。何より不敵な笑顔ながらよく笑ってる気がするな(笑)
前述の4連+3連発デリンジャーに手の平にすっぽり入るパームガンや
ブロンコの太鼓に仕込んだ銃などは楽しいものの、
デリンジャーこそ最後に絡むとはいえ、まあこれら小道具も物語も「おおお!」とのけぞるほどではなく、楽しませてくれるもののピリっとしない「うーむ今ひとつ!」な一本なのであった(笑)
未見の方はまずは「西部悪人伝」からよろしくです!(笑)
先週、娘を愛知に送った帰り、飯が食えなくて何だかなあになった原因の(笑)かみさんが観ていた矢野顕子の配信ライブ。
まだアーカイブで観れると言うので観せてもらった。
その昔、YMOが好きだったかみさんが、その流れで気に入って、ファンクラブにも入っているアッコちゃん。忌野清志郎とも親交があったので自分も聴くようになり、メタル好きな自分の趣味とは対極ながら、「春咲小紅」や「ラーメン食べたい」などの有名曲以外も、聴けば聴くほど良い曲も多くて、この時期の「さとがえるコンサート」は何回か付き合って観に行ったものだった。
今日観た「さとがえるコンサート2020」は今年初めてのライブだったそうで。本当にミュージシャンの皆さんは大変な一年だったよな。
やはり、皆の前で演奏して歌ってこそがミュージシャン。アッコちゃんもよほど嬉しかったのだろう冒頭少し涙ぐんでたし。
アッコちゃんの他はギターに佐橋佳幸、ドラムスが林立夫、そしてベースが小原礼という手練れの布陣。心地良い安定感で新旧の曲を楽しめた。
思えばコロナなんていう思いもしなかった厄災に振り回された一年。俺も春に郡山から静岡に戻り、気ままな一人暮らしから、マイペースになりきれない家族同居になったと思ったら、下の娘が異動なんていう変化に富んだ今年は、俺にとっても忘れられない一年になるだろな。後半は仕事もハードでちょっと余裕がなかったし。
でも悪いことばかりじゃない、新しい素敵な出会いもあった。
そんな俺の周りの皆んなが幸せでありますよう。
そんな気持ちに自然になれたこの曲に今日もまたら心が洗われた。
かなり前の映像だけど貼り付けておこう。