金管楽器の支え方とトランペットにあるトラップ
大半の楽器って手で持ってないんです。手は音程のコントロールとか弾くためにあるので、大半の楽器では手は「持つ」ことをしていません。金管楽器だってチューバやユーフォニウムやホルンやトロンボーンは、片方の手で「下から支えて」もう片方の手は音程のコントロールに特化しています。ではトランペットはどうかと言うと、ナックルとフィンガーフックでがっちり固めちゃうんです。ここに落とし穴があります。トランペットも左手で下から支えてあげて、右手は持つことに関与させなければ他の金管楽器と同じになります。下から支えれば、上唇をスポイルしない奏法を獲得できます。
否定疑問文の受け答えのトラップを解消しよう。
日本語で書かれている現行の文法書には無駄に人を路頭に迷わせるトラップがたくさんあります。個人的に1番腹が立つのは無生物主語構文で、コイツは英文法ではなくて単なる訳し方の問題、すなわち日本語レトリックの話にしか過ぎないのです。英文法ではありません。しかも同時通訳ではこんなことしないです。いかに現行の参考書が時代遅れかの見本みたいなものです。ま、それはまたの機会に書くとして、今回のお題目は「否定疑問文の受け答えのトラップ」です。これ、シンプルなことなのに説明がイジワルで、悪意があるとしか思えないんです。
例文を出します。
Aren't you happy? (あなたは幸せではないのですか?)
という文章に対しての受け答えでは大抵こう書かれます。
Yes, I am. (いいえ、幸せです。)
No, I'm not. (はい、幸せではありません。)
yesって言ってるのになぜか「はい」ではなく「いいえ」とされて、noって言ってるのに「いいえ」ではなく「はい」って書かれるんです。これでみんな混乱しちゃう。っていうかこれを作った人そのものが混乱してるとしか思えないんだけど日本ではこうして教えられています。冷静に考えると頭おかしいとしか思えません。私も昔これで苦労しましたが、今出てる参考書を読み返してもこれです。ダメ過ぎです。これ、ちょっと考えたらカンタンなことなんです。
中1英語にもどって考えましょう。
Are you happy?
これであれば、yes,noの受け答えは
Yes, I am. / No, I'm not
ですよね。もしこの後にもう一文加えると
Yes, I am. I'm happy.
No, I'm not. I'm not happy.
になるはずです。この受けの文は否定疑問文の時に変わるんでしょうか?変わらないですよね。だから
Aren't you happy?
に対する受け答えは、
Yes, I am. I'm happy.
No, l'm not. I'm not happy.
であるはずです。こう考えたら間違えようがありません。否定文で始まる付加疑問文もおなじです。
Didn't you go to the library, did you?
Yes, I did. I went there.
No I didn't. I didn't go there.
迷う必要ゼロです。
日本の中高生はいつになったらこんな誤謬と齟齬だらけの文法書から解放されるんでしょう?もしも文科省が本気で日本人の英語力を上げようと言うならば、こうした誤謬や齟齬は真っ先に修正されるべきですが、何にも変わってないですもんねぇ。どんだけポンコツなんだか。
トランペットを吹く時の顎の役割について考える(2)
トランペットの奏法について長年独学であれこれと探っています。幸いにもこの25年ほどの間にアメリカのジャズトランペッターを中心にかず多くの人のクリニックに参加したり、カルーソーやゴードンに長く習った日本人の方にも話を聞き、ヨーロッパのクラシックの名手からも何人かから直接話を伺うことができました。海外留学/居住をしないでこれだけ多くの方々の話を直接伺えたのはラッキーだったと思います。その中で最も印象的だったものの一つがLAの名人、Carl Saundersのものでした。曰く、「ソロを吹くのに上から下までのレンジを満遍なく吹くと顎が疲れる」と。顎の使い方について語る人は今まで見たことがありませんでしたし、有名なエチュードにもほとんど何も書かれていません。6-7年前にイタリアのAndrea Toffanelliと話した時に彼とアルマンド.ギターラとのエピソードが滅法面白く、ギターラがコステロ=スティーブンスメソッドを信奉していた(キャット.アンダーソンもそうだったらしい)ということからメソッドを買って読んでみると顎について詳細な記述がありました。カールは独学だから読まずに体得したのかもしれないけど、彼が書いていることとコステロのそれには共鳴する部分が結構あります。そうしたことを考えていたらネット上でイギリスのPaul MayesがTRL(Top Lip Relaxed)というのを提唱してました。しかもラッパを始めたばかりの自分の息子にそれを試させて6週間でハイノートが出せるようになってました。楽器を鳴らす時の振動の主体は上唇だし、アンブシュアを構築する体のパーツで動かせるのは舌と顎だけです。とすれば、上唇に対する過剰な力を分散させるための顎の役割は非常に大きいと思えるのです。それはペダルトーンを出す時にjaw dropさせることからも明白なのです。
考えてみると、ほとんどの楽器は「持たずに支える」ものがほとんどです。ギターやベース、ヴァイオリンなど、演奏するためには両手が自由でなくてはなりません。木管楽器も運指があるから支えるけれど持つことはしません。でもトランペットだけはナックルとフィンガーフックでがっちり「握って」しまいます。握ることで力みも生じます。ではトランペットを支える、とはどうしたら良いのでしょうか?
私の今の考えでは、下顎と左手の人差し指の2箇所で支えて音域によってコントロールする、が理想なのではないかと。で、自分で試したら想像通り、唇の負荷はさほど大きくなく自然に上から下まで満遍なく鳴らすことができることが確認できました。まだ慣れてないので長時間これをキープできませんが、無理なく自然に管体を鳴らすことができていると思います。ちなみに顎を動かすと言っても非常に微細なものです。コステロには1/4インチとか1/8インチとかいう表記がありますが、1/8インチって0.635ミリにしか過ぎません。でもこれはトランペット好きにとって極めて大きい数字であるのはボアサイズやマウスピースの口径、スロート、バックボアを考えたら明白です。私は大雑把なのであまり意識しませんが、みんな0.1ミリの世界で喧々諤々してますよね。コステロが書いたことは多分正解なのですが、イラストでの動きが極端に見えすぎたりするので割を食ったかもしれません(クラークのノンプレッシャー奏法という言葉もそういう面が大きかった)。
まだ断定的に書くことは控えたいと思いますが、鳴らすコンディションを調整するための顎の役割はもう少し深掘りされて良いと考えていますし、もう少し自分で確認したいと思います。カールが自分のHPに書き残しているのが実に素晴らしいです。亡くなって1年半近く経つのにおそらくは誰かが維持してくれているのだとは思いますが、いつ消えるかわからないので魚拓取ることをお勧めします。