湘南の建築家のひとりごと -7ページ目

もろもろ

庫裡の改装工事が進行しています。

お客様にはお住まいいただきながらの工事なので
順番に部屋ごとに解体して大工さんが壁や柱の組み替えや補強を施し
仕上工事に進めていく手順です。
なかでも、その部屋だけで完結が難しい設備の配線や配管などの段取りも
見据えて、順次完成させていく作業は職人さんの力量が問われます。
幸い、クレバーな大工さんの棟梁を筆頭に横の連携プレーが絶妙に組まれているので
現場監理に行く度に確実に進行しているので安心しています。

先日、階段吹抜部分にサッシが取り付けられていました。
建物全体の配置として本堂や客殿などが前面に位置するので
庫裡が比較的北側に位置しています。
そこで階段吹抜部分を利用して高い位置から終日に安定した採光を得る為に計画しました。

吹抜越しにサッシの前に立って、外を眺めるととても素晴らしい景色が
入り込んできました。
視線の先に、本堂と客殿の屋根瓦が見えてくるのです。
暫し、見入ってしまいました。
入母屋造の屋根が高くそびえ、手前に連なるように客殿の屋根が低く伸びて
迫力のスケール感です。
そして、長い時間を経た瓦全体の色合いが、静寂さと荘厳さを醸し出し
何ともいえない雰囲気が伝わってきます。

改装工事という、現在からこれから先へ向けての行為のなかで
新しくつけた窓から入り込んできた、時間の重みを感じさせる景色が生まれることで
過去と現在の同時進行的な感覚や、不変的な建築の大切さを知ったような気がします。


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変わって、最近の雑誌。
ELLE decorationの雑誌を定期的に購入しています。
フランス版とUK版のどちらかを、その号ごとに面白そうな方を選んでいます。
海外のインテリア雑誌をいろいろ見てきましたが、この雑誌はインテリアの趣向が
偏らず、スタンダード的なスタンスをとりながらも
洗練された実例集が多く掲載されていて参考になります。

今回はUK版にしました。
定番の椅子などと年代物の家具との絶妙な組合せや、そこに置かれている
小物などのディテールのセンスの良さが「さすが!」という感じです。
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最後に親バカな一枚。
子供が紙粘土でつくった動物たち。
写真の他にも、キリンを描いた絵などがありますが、関節の動きまで
子供ながら、緻密に観察していて感心しています。
私も、そこまでの緻密な設計を!と習いたいくらいです...
ここまで、雑な私の性格ではいまさら遅いか...
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現場の様子

たまには、現場の様子でも...

最初は先日、竣工した現場です。
随分と時間がかかってしまい、お客様には本当に御迷惑の連続でした。
すみませんでした。
でも、待っていて下さって本当にありがたいです。


とてもいい家になったと思います。
シンプルで、家族の成長と共に、家も一緒にいい時間を重ねていけそうです。
いずれ、ホームページの方にも載せられればと思います。

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$湘南の建築家のひとりごと-窓の先にはクリの木が見える読書コーナー







次は、上棟したばかりの現場。
ここは、2階の部屋からの眺めについて幾度となく、お客様と図面の検討を重ねました。
最終的に図面を持って、現地で確認。
すると、図面で決めた位置とは別の場所が、とても眺めがいいことを発見!
窓の位置を大きく変えました。

実際の2階からの眺めはお客様のご想像通り!
いいです!正解です!やりました!
横長の窓からのパノラミックな眺めが楽しみです。
そしてこの窓の中心に据える暖炉の眺めも楽しみです!

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最後は、木工事中の現場。
こちらは、屋根の材料を2重にして屋根面の通気を確保しています。
費用は、かさみますが壁から屋根まで全体の通気を確保することで
耐久の点で非常に効果が期待できます。

この現場は吹抜に大きなトップライトがあります。
その位置に大工さんが開口をあけました。
どんよりとした空にも関わらず、開口があいた途端に明るい光があふれてきました。

吹抜まわりにの壁に降り注ぐ光やその影の雰囲気がいまから楽しみです。

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週末、お客様と現場にてキッチン家具打合せに向けて、現場監督と一緒に
床に実際の位置や大きさのライン書き。

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Bang&Olufsen

デンマークのメーカーで「Bang&Olufsen」通称「B&O」があります。

音響、映像の機器を主体とした製品です。
ここの新作には、いつも刺激的な「裏切り」があります。
いつも「こうきたかっ!」となるのです。

「既製概念にとらわれない斬新なデザイン!」
と、安易な言葉で表現できない深さを宿しているのです。
音響機器メーカーとしての性能を基軸に形態を考察した結果のデザインが
実にロジカルでありながら、明快な線や面の表現で成立しているのです。

本当の意味合いにおいて「デザイン」が表現されているのです。

俯瞰で全体を見た時、はたまた実際にパネル類をタッチしたときのトルク感や
材料の質感など、全てに明確な理由付けが根底にあり成立しているのです。

一瞬は「デザイン」が強く強烈な個性を放って見えがちですが
全てに意味をもって、うわべだけのカタチではないので
実は、どんな空間にも存在でき、主張も、そして同化もできているように思えます。

「デザインする」というキーワードに少なからず接している私としては
その言葉の奥深さの意味を、認識させられます。

デザインを考察する意識が深ければ、例え奇をてらう表現や、注目度合いを高める表現は
浅はかなものと気づき、永続性に乏しいと気づくのです。

建物などは特に、その一棟だけで存在する訳でなく
街並や地域性においての社会的責任も必要なので、デザインの重要性が大きいのです。
(決して、「街並にとけ込む」だけで解決できる意味合いではありませんが)

大きさなどのスケールは違えども、デザインについて考えさせられる製品です。

最近のデザインブームのなかで、ともすれば最先端的なデザイン表現に見える
「Bang&Olufsen」の製品ですが、視点を変えるとブーム性へのアンチテーゼを
投げかけ、我々の選択眼としての本質を目覚めさせるテーマを秘めているように感じます。







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