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鞘戸城は、茂原市のかなり北の方、JR外房線本納駅の少し南あたりから圏央道茂原北ICに向かう途中の、茂原工業団地のすぐ隣の山稜中に眠っている。

北東1kmほどのところに本納城があって、その支城とも言われているが、来歴などは不明らしい。

このあたりに多い、一定の範囲の尾根を城壁に仕立て、中の谷戸を曲輪に仕立てたタイプの城らしく、上永吉城小林城に続く3つ目の目標にした。

 

車は茂原工業団地北公園の駐車場に停めた。

城のある山稜は公園のすぐ隣に横たわっているが、この公園から城には入れない。

入れない事はないが、崖などの危険箇所があって一般向けではないらしい…

 

→現在位置

城への入口は、公園の北を走る県道21号に降りて、信号脇にあるというんだが…


あれ?

無いぞ…💦

 

って思ったら、電柱の脇のササの奥に、登ってゆく踏跡のようなものが見える。

入ってみると…


ここが、登城道らしい。

よく見ないと、見逃すわ…

ってか、ワシみたいなシロウトは入らせないぞ臭がプンプン😅

 

ササヤブを抜けると、そこは谷の真ん中だった。

両側の尾根はすでに城だが、まだ遺構らしいものは見えない。


先は急な土の斜面で、滑りやすいので注意。

もはや踏跡も無いが、谷の一番低いところを外さないように、歩きやすいところを選んで進む。

段郭と急斜面が交互に続いているようだが、ヤブでよく分からない…

 

ひとしきり登ると、尾根に挟まれた広い曲輪らしいところに出る。

この周辺が主郭部で、3段になった曲輪が造成されているのだという😮

南の方に進むトレイルらしきものは見えるが、他のところはササヤブで奥まで見通せない…


東側の尾根は、すぐ隣まで近づいてきているので、行ってみる。

わりと狭い土の尾根で、🌿はまばら。


北端まで行ってみたが、尾根のままプツンと終わっていて、堀切や土塁などは無かった。

ここ物見台にはなりそうだが、ササヤブ濃いぃ…💦


北東に派生していた支尾根にも何もなかったので、曲輪まで戻る。

その先の登城路は、正面の切岸のようなところにぶつかって西に折れ、西端の尾根に向けて登ってゆく。


城の主要部は南だが、西端の尾根の北側にも遺構が残っているということで、まずは北に行ってみるか。


尾根を進んでゆくとすぐに、かなり大きな堀切が現れる。

尾根の幅が広くて横堀にも見える立派なものだが、ヤブや倒木に覆われて見栄えしなかった…💦


東へ緩やかに落ちる竪堀は、ハッキリ見えた。

それにしても、写真に撮ると浅く見えるなぁ…😅


この先で、尾根は急に細くなる。


東側に帯曲輪のようなものを従えている場所もある。


この尾根、よく探すと下の方あちこちに帯曲輪のようなものが見える。
自然地形でなく、てっぺん近くを切岸加工して出てきた土を盛った名残だろう…

 

この尾根の先端にも堀切があったはず…

なんて思いながら進むと、

 

何じゃこりゃ?🤯

向こう側が霞んでいる堀切なんて、初めてだぞ😮


周囲の地形は急峻で堀切に降りるのは難しそうに見えるが、左側の歩きやすいところを探して斜めに降りてゆくのが良い。
そしてこの堀切、相当にデカい🤯

こんなキレイな土の曲線が、こんなヤブの濃いぃ城でお目にかかれるとは思わなかった😆

堀切の先は、物見台のように高くなっている。
堀切の手前側と同じくらいの高さがある😮

先端は再びヤブになるが、すぐ先でバッサリ切れ落ちていた💦
下からは県道を通る車の喧騒が聞こえてくる💨

この先の尾根は、どうやら道路工事のために削り取られたようだ。

ここで終わりらしいから、南に戻るぞ💨

 

南へは、尾根伝いに進むと鉄塔のあるあたりで猛烈なヤブに阻まれて進めなくなってしまうので、西側の帯曲輪状に降りる。

その前に、鉄塔のある曲輪。

ヤブが相当濃く、鉄塔の全貌は全く見渡せなかった😢


堀切からは、南に向かって尾根の西側へトラバースする踏跡があって、帯曲輪状に出られる。



帯曲輪へ降りて、不明瞭な踏跡を辿って南に進んでゆくと…

 

デカっ🤯


またも、大きな堀切が穿たれていた😮

この堀切も、そそり立つほど大きくはないのだが、よく分からない遺構の中にこういうのが眠っていると、ことさら立派に見える✨

 

そして、その先の尾根は、白い岩盤ムキムキのガケだった🤯

尾根城?の面目躍如だな😆


堀切の反対側には踏跡があるので登ってゆく。

その先に、祠が見えた。


これは日之宮神社だという。

ここから南東に伸びる尾根の先に、柵がしてあった。

ここが昔登路だったが、荒れ放題になって放棄された??


神社の奥は真っ直ぐ伸びる細尾根になっていた。

右側は堀切のところから見えたガケだが、尾根はゆったり歩けるぐらいの幅があって、恐怖するほどでもない。


少し行くと、尾根が上下にうねっていた。


手前の凹みが、城の南端の堀切らしい。

幅3メートルほど、尾根線を土橋で渡るタイプの堀切らしい。

細尾根上なので、徒立ちの寄せ手なら一列縦隊にさせて迎撃できるか。


城外側から見ると、堀切のところで急に高くなっている様子が見える。


その先にも細尾根が続き、少し先に物見台のような小山がある。

細長い山稜を上手く使って守ってるわ✨


城の遺構はここまでのようだ。

撤収💨

 

帰りは、谷戸の曲輪から西の尾根に登りついたところの堀切から東に流れる竪堀を通ってみた。

竪堀は斜面から出ると土橋状に変わって、下の曲輪に降りてゆく。

扇状地のような感じだ😮


降りてきたところが、二本の尾根の間に3段に造成された主郭部の最上段になる。


この下にもう一段の曲輪を挟んで、登ってきた道に出られるが、ヤブがひどくて突っ切るのは無理だった💦


この城は全体にヤブが深いが、尾根上の堀切や両側の切岸加工に伴って盛られたと思われる帯曲輪などが良く残っていて、茂原周辺の城の中でも山稜の尾根を加工して城郭に仕立てた様子が観察しやすいだろう。

神社と送電鉄塔の他は訪れる人も居ないようで、城跡と認識されているのかどうかもよく分からなかったが、何とか後世に残って欲しいと願わずにはいられなかった…

  

★鞘戸城

千葉県茂原市本納

茂原工業団地北公園の駐車場を利用可。いったん県道に降りてから城に入る。

山城

 

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(2022年3月29日 記)