小林城は茂原の町の北方、広大なゴルフコースの南にある大乗寺の北側に広がる山稜に横たわる城で、Googlemapにも登録されているが、現地に案内などは全く無い。
北西の方にある真名城を本拠としていた三上氏の支城とされている。
この地域に多い、一定の範囲の尾根を加工して城壁のようにし、内側の谷戸に居館を構えた構造の城ということで、上永吉城の次はここを目標にすることにした。
茂原の市街地から県道293号、さらにこの交差点から細い道を谷戸の奥に向かって入ってゆくと、やがて大乗寺のものらしき駐車場に出る。
そこから山の方に向かって、道教寺、日現寺の横を通って奥に入ってゆくと大乗寺がある。
城へは、さらに上の方に見える鐘撞堂を目指して、急な階段を登る。
鐘撞堂まで登って、裏側を見てみると、城のある尾根の方向に、お誂え向きの入口のようなところがあるではないか😮
ここを登り、アンテナ等に触らぬよう慎重に歩を進めて、小さな尾根に出る。
房総の城のご多分に漏れず、冬だというのに相当🌿🌿深い。
城の主要部はここから北の方だが、まずは南側に進んでみるか。
小さな堀切と、末端に細長い曲輪があるらしい。
尾根上には、踏跡らしいものがあるのやら無いのやら…
しばらく行くと、幅2メートルほどの可愛らしい堀切✨
その先は一段高くなって、物見台のような小さい削平地になる。
長さ5メートルくらいの、本当に小さな曲輪だが、南側が平坦、北側は土塁のようにわずかに盛り上がっている。
その南は、一段下がって平坦な尾根。
奥の方で盛り上がっているのが、末端の曲輪らしい。
裾はほんのわずかに空堀状の溝になっていて、西側には幅2メートルないような竪堀状が落ちている。
曲輪は、一辺7メートルぐらいの正方形に近い曲輪。
この尾根はここまでらしい。
西に落ちていた竪堀の下に入ってみると、下の方に帯曲輪のような平場が見えたが、目の前まで行ってみると切岸が少し緩傾斜になっていただけだった。
往時は帯曲輪だったか…?🤔
さて、戻って主郭方面を目指すか💨
鐘撞堂の横まで戻って、尾根をさらに北西に進む。
こちらには、ハッキリした踏跡が付いていた。
しばらく進むと、尾根がグイと盛り上がっている。
ここを登った少し先で、さらに急峻な盛り上がり😮
ホールドスタンスが取りにくいが、登れないほどでもない。
この斜面を登ると、主郭だった。
南の方の尾根から、つごう2段上に構えていることになる😮
もちろん城内最高所だが、ここまで歩いてきた細尾根と同じくらいの幅しかない…😮
主郭は東西に長く、凸レンズのような形をしていた。
このあたりのすぐ裏がゴルフコースで、ゴルファーたちの談笑やショットの音が聞こえてくる。
主郭はキレイに刈り払われていたが、北に派生する尾根はまことに壮絶な有様だった🥶
その末端までは20メートルぐらいの距離だったが、物見台と言えるかどうか、というような感じで盛り上がっていた。
主郭の北側に隣接する郭2も、この通り…
しかし、ここから見る主郭の切岸は、正しく城郭の遺構だった✨
北に張り出す尾根から戻って見てみると、その基部は土塁だったようだ。
主郭の西側末端は急激に落ち込んでいる。
その先には、大きな堀切が見えていた😮
急斜面だがホールドはあるのでスイスイ降りてゆく。
周囲の竹ヤブも、堀切のところは途切れていて、よく見渡せる。
堀底を土橋で渡らせるタイプの堀切らしい。
この城で最も見応えのある遺構だろう✨
堀切の先は、しばらく細尾根が続いていた。
竹ヤブだが歩けないほど荒れてはいなかった😊
この先には切り通しが1本あるというのだが…
何じゃコレ?😮
それは、土の尾根を鉈か何かでぶった切ったように、垂直に切れ込んでいた。
底に降りてみると…
このような、幅は狭いが深い堀切は、安房の大井城で見たことがあるが、こんなに深くはない。
400年前に掘ったときはこれだけ深かったとしても、崩れたり埋まったりして現存しないだろう。
これは、城の遺構ではないな、と直感した。
大乗寺との間を行き来する通路だったか?
だとしたら両側に道のようなものが接続しているはず、と思って探してみると、東側の斜面にそのような感じの道型らしいものが、かすかに残っていた。
反対側は探さなかったけど…😅
ここは大乗寺裏の墓地まですぐだし、城もここまでらしいので、道型らしいところを降りて撤収した。
表側は完全なヤブで、どこから入るのか一見して分からなくなっていた。
★小林城
千葉県茂原市
大乗寺の駐車場が利用可能なようだが…
平山城
(2022年3月27日 記)