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臼館はJR奥羽本線院内駅から東に1kmほど、南から張り出してきた尾根の末端にある。山裾を国道13号が通り抜け、館跡の真下には近年東北中央道の一部になる院内道路のトンネルが掘られた。

この工事前に北東側の坑口周辺で発掘調査が行われ、縄文時代前期の建物跡や土器などが見つかっている。尾根上の館跡は未調査らしい。

歴史はよく分かっていないようで、鎌倉時代からこの地を支配していた小野寺氏に関連した館と見られるぐらいというところか。


この日からこの近辺の城を回るプチオフ会があり、スタート前の朝イチでさっと登ってきた。


道はないということで、北東に伸びる尾根の国道下から直登でアタック。

尾根に出るまでが急登。

登りつくと多少ササヤブがあるし、少し寝たぐらいの急登が続く…

 

現在位置(Googleマップで)

なお、この写真のあたりに尾根末端の墓地に登る道があり、そこからスタートすると墓地の裏からすんなりと尾根に取り付ける。

 

もっとも墓地から先が道なしになるのは同じだが…

また、墓地にズカズカ入り込むのは気が引けるところもある。

 

ともかくも、山頂まであと20メートル登れば、というところで傾斜は寝てくるが、こんどはササヤブが濃いぃ…

いや、めちゃくちゃ🌿🌿で視界取れんわ😂

 

その少し先で。

この小さな盛り上がりの向こうに、堀切あるな…

 

あった〜🙌

激しく見えにくい薬研のV😂


外側の尾根を土塁のように残したか盛ったか、これでシッカリ堀切になっている。


堀の部分は幅4メートル、深さ1メートルぐらいだが郭内側が高い。

ヤブっぽいが、断面はシッカリ見える✨


この堀切の上が少々急傾斜で登りづらい。

高さは3メートルほどだが正面は避けて右から回り込むと、途中に2段ほどのヤブだらけの段郭を挟んで北側の曲輪に出る。

見ての通りのササヤブ😂


この曲輪の東西には数段の帯曲輪が連なっているということだが、見通すのはムリそう…

登りついたのは曲輪の西側一段下だったようで、少し進んでヤブが薄くなってくると左手が一段高くなっているのが見えた。


この曲輪の突端はまたヤブが濃いぃくなっているので避けて、さらに進むとまた堀切😮


さっきよりもだいぶ深く、ちゃんと尾根を掘っている。

渡って俯瞰してみると、尾根線のほうが底が上がっている様子が見えた。


この堀切から登ると、すぐ次の曲輪。

ここはアパート一室ぐらいで狭く、すぐ先が斜面になって登ってゆく。


低い段の重なりにも見える斜面を登った上がこの曲輪の主要部なのだろうが、ここも緑が濃い目😂


末端は土塁で縁取られていた。


そして、土塁の向こう側に、キレイな堀切が✨


灌木で少々見づらいが、真ん中へ登ってみるとこの通り✨


全体の幅が10メートル無いぐらいの、二重堀切としてはコンパクトなやつ。

それでも、1本々々はしっかり掘られている。

外側


内側


朝日が差したり曇ったりの中に佇む…


こんなキレイに見える二重堀切を見たの、いつ以来だろう…?

 

さて、二重堀切から登ると主郭ということだが…

ここも三段になっているようす。


登ってみると、上の段は東のほうが高くなって段も不明瞭になっていた。

ハッキリ段が見える西の方から。


段に大きな岩が刺さっている…

そして最上段が、この館の主郭。

バドミントンコートぐらいで、そんなに広くない。

下の曲輪のほうが広いぐらい。


周囲の斜面は、これがそうとうに急傾斜。

これは院内側の斜面。しっかり守ってるな😨


そして、主郭の向こう側へ降りてゆくと、そこにも二重堀切が横たわる✨


さっきのより全体は深く抉られているが一つ々々は浅いようで、緑も多くハッキリ見えない😂

主郭側の条


外側は、尾根線を土橋で渡るタイプなのか、えらく浅く見える…


外に出てから主郭側を振り返るが、植林と新緑が半分ずつで良う分からん😂


さて、城はここまでだが、主郭の東側かなり下の斜面に畝状竪堀群が刻まれているというので、寄ってみる。

主郭の北隣の二重堀切から竪堀を降りてゆくのが良さそうなので、降りてみる。

 

その下端付近も、数本のウネタテのようになっているが、写真に収めるとサッパリ分からんな…😂


そこから南に向かってうまい具合に帯曲輪状が続いていて、畝状竪堀群の下まで行ける。


ここから、右側の急斜面を逆茂木状の立木につかまって登ると、1本の堀にぶつかった。


この左側の土塁を挟んだ向こう側に、ホント細かくて短いウネウネが7条入っていた😮

越後の細越城で見たようなやつか?



けっこう奥の方までしつこく続いている…


ウネウネの下も、空堀土塁コンボで受け止めている。


この空堀外側の土塁上からウネウネを見返してみるが…

ホント難しい😂


ともかくも、目ではシッカリ見えるので、たっぷり堪能してきましたわい😎


主郭の両側に二重堀切を入れ、南面には畝状竪堀群、北面は雄物川沿いの険しい斜面で守るという、防衛の考え方がわりとハッキリ見える城と思った。

縄文時代から人々の生活が連綿と受け継がれてきたこの地。

役内川を挟んで東隣になる草井崎城とともに、院内道路に崩されずに済んで本当に良かった😊


★臼館

秋田県湯沢市下院内

周囲に車を停める場所が無いのでJR院内駅からのアクセスが無難。

山城

 

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(2025年5月26日 記)