逃げろ！逃げる事は恥じゃない！「地下鉄サリン事件と日大危険タックル問題が起きた原因は全く同じ」

俳優の坂上忍さんがMCを務める「直撃！シンソウ坂上」ですが
昨日の放送で「オウム真理教事件」を取り上げるということで見てみることにしました。

「オウム真理教がどういった宗教団体なのか」ということや
同教団が起こした日本の犯罪史上初のテロ事件である「地下鉄サリン事件」については、
当時リアルタイムで毎日毎日ずっと見続けていたこともあって、
「今さら知りたい事なんかないわい」ぐらいの気持ちで見ていたのですが
最後の最後に巨大な脳天ハンマーを食らうことになりました。

オウム真理教の教団幹部だった林郁夫の自供を引き出し、
結果的にオウム事件を終結させることになった刑事の稲冨氏が語った言葉です。

林がサリンを撒いたことを自供した後で

『なぜそういうことが起きるんだろう』ということで私が聞いたときに、

彼が言った第一声は『閉塞感』という言葉でした。

日本人は例えば、一つのコミュニティに入る場合、

一つのコミュニティの中で弾き出されたら生きていけないという発想、

見捨てられるという恐怖、

会社もスポーツ界もそうです。
がんじがらめになっているんです。

『おまえ、これやらならきゃ使わないから』と。

こういった傾向はまだまだ日本に出てくると思います。
宗教云々の同じ形態では起きないかもしれませんが、

別のコミュニティが暴走することはあるかもしれない。

つい数か月前、別のコミュニティが暴走しましたよね。

稲冨氏が語ったこの図式って、
まさに日大アメフト部が起こした危険タックル問題と全く同じです。

危険タックルをしてしまった選手の気持ちは完全にこうだったはずです。

アメフト選手として日大に入った以上、何としてでもここで生きていかないといけない。
ここから弾き出されてしまったら、もう自分は生きていくことができなくなる。
絶対に弾き出されたくない　見捨てられたくない。
そのためには監督とコーチの命令に従うしかない。
やるしかない。
絶対にやるしかない。
それが自分に課された使命なのだから。
やらなかったらそれで全てが終わってしまう。
だからやるしかない。
自分に残された道はそれしかない。

でもこれって、アメフト部（スポーツ界）の中だけで起こっているわけではなく
学校の中、会社の中、家庭の中など、どこでも起こっている事だと思うんです。

自分はもうここで生きていくしかない。
ここから弾き出されたら行くところがない。
だからどんなにイジメされても、どんなに嫌がらせをされても
どんなに理不尽なことを言われたりされたりしても我慢するしかない。

こういった思いにがんじがらめにされてしまって逃げ出すことができず
我慢して我慢して頑張り続けた結果、自ら命を絶ってしまう・・・

こういう人が世の中に一体どれだけいることか。

でも、世の中にはそういった状況から抜け出すことが出来た人だっています。

私が実際にそうです。

結婚して嫁いだ以上、この家で生きていくしかない。
ここを弾き出されたら生きていくことができない。
第一子どもが２人もいるんだから頑張るしかない。
子どもたちのためにも自分が我慢して頑張ればいいこと。
我慢が足りないのは自分。
頑張りが足りないのは自分。
ここで生き残っていくためには自分がもっともっと我慢して
もっともっと頑張らなくては。

そういった思いにがんじがらめにされていた私ですが
ある日気づいたんです。

あ、違うな。

全然間違ってたな。

人として絶対に言ってはいけない事や、絶対にやってはいけない事を平然とする奴らの言いなりになんかなってちゃダメなんだ。

命さえあればどこに行こうが何をしようが生きていける。

でも死んでしまったらそこでもう終わり。

全てが終わり。

命があってこそ、生きていてこそだ。