視聴者からの苦情を受けて日清がカップヌードルのCMを放送中止にした事について
ちょっと黙っていられないので、私の気持ちを書かせてください。



今回のCMが中止になった理由は、
「矢口真里さんの不倫を本人がパロディーにして出演していた」ということに対して
一部の視聴者から苦情が入ったからだと言います。

 

このCMを見ることができなかった方のために簡単に説明しますが
ビートたけしが学長を務める架空の大学「OBAKA’s大学」を舞台に、
教授として小林幸子・畑正憲・新垣隆・矢口真理さんらが出演していました。



そして、問題とされた矢口真理さんのシーンは、
教壇で「二兎追うものは、一兎をも得ず」と熱弁を振るう矢口さんに対し生徒が
「これ、実体験だよね?」と囁き合う・・・

といった矢口さんの不倫騒動をネタにしたもの。





「実際の不倫ネタを本人が演じる」


これってホント自虐ネタの骨頂だし、
ユーモアたっぷりだし、何しろおバカだし、
見た瞬間「マジか!」と叫びながらも爆笑の渦でした。

 

そして「さすがカップヌードル!やる事がシャレてるよ!」と感心するほどだったんです。
 

 


でもこのCMを見た「おりこうさん」達は
すぐに「こんなもの許してなるものか」とばかりにいつもの猛攻撃をしかけたわけですが
考えてもみてください。


CMを見て「ああ、いいCMだな」とか「このCM超面白い!」と思っても
スポンサーにわざわざメールを送ったり電話をする人はあまりいません。

そしてその逆に
「少しでも自分の意に反する部分があったらすぐに苦情を入れてやる」と
テレビの前で息巻いている人っているんですよ。


だからスポンサー側にしてみたら
「良かったという声より不愉快だからCMを止めろという声の方が圧倒的に多かった」
となってしまっているだけなんです。



そういう「常に自分の尺度でしか物事を判断できないクレーマー」のような視聴者の声にすぐ過剰反応し、
その度にCMを中止したりHPにお詫びの文を載せたりするって
完全に「圧倒的に多い支持派を無視している」ということと同じです。


そんな事ばかりしていて一体何になるというんでしょうか。



何をやっても何を言っても、支持する人もいれば反対する人もいるのが世の中というもの。

100%全ての人に受け入れられ支持されるなんていうものはこの世に存在しないのです。


『多くの人たちから支持されたけれど一部からは反対の声があった』
なんていうのは極々当たり前ですし、
逆に言えばそれは「それだけ注目度が高い」という証拠でもあるわけですから
「評判が高くて良かったし嬉しい。でも反対の人の声も参考にはしておこう」でいいじゃないですか。


なのに、どうしてそういう対処ができないのか。
 




それに矢口真里さんについてですが、
私は元からそんなに好きな人ではなかったので
あの不倫が発覚した時は確かに余計に嫌いになりました。

「旦那の留守に男を連れ込むなんてやることがゲスすぎる」と思いましたし
「もう顔も見たくない」とも思いました。


でも自業自得とはいえ、仕事を全て失い世間からもバッシングされて
もう社会的な制裁は十分に受けたはず。

だからそれでもういいじゃない。




今回のCM出演が決まった時、矢口さんは一人で泣いたそうです。

3月31日のブログには以下のように書かれてありました。
 



このお話をいただいた時は、嬉しすぎて1人で泣きました。
私でいいのでしょうか? って何度も聞きました。
日清食品さんからの優しくて熱いお手紙をいただきました。
ほんとうに本当にありがとうございます。
家族も友達も、もちろん私の周りのスタッフさん達もみんな喜んでくれました。
 




一度過ちを犯した人がもう一度人生をやり直すってしちゃいけない事なんですか?

「お前は不倫をした女」
「テレビに出ることは許さない」
「ましてテレビで不倫をネタにするなど絶対に許さない」

って一生言われないといけないんでしょうか。
社会から抹殺されないといけないんでしょうか。


そんなことは絶対ないはずです。








学長であるビートたけしはCMの中でこう語っていました。






バカになる
それは自分をさらけ出すことだ

しがらみなんかとっぱらって
常識とか忘れたふりして
あんた自身の生き方を貫くってことなんだよ

世間の声とかどうでもいい
大切なのは自分の声を聞くってことだろ

おりこうさんじゃ時代なんか変えられねえよ

諸君!


いまだ!バカやろう!


 






 


今の時代、どうしてこんなに生きづらいのか。
どうしてこんなに病んでしまう人が多いのか。


それは、




バカになれず、自分をさらけ出すこともできず
しがらみと常識だけに囚われて自分の生き方を貫けないから。

世間の声に怯え、世間の声に従う事しかできず
自分の心の声を聞くことができない。

だからこんな生きづらい世の中になってしまった。







そういう事ではないんじゃないでしょうか。



今回のCMは世の中におけるその大きな問題点に一石を投じるCMでもあったはず。


なのにその「もっとバカになって自分と時代を変えていこうよ」というメッセージを
自分も時代も変えることができない「おりこうさん」たちの
「俺のいう事を聞け!」「俺がダメと言ったらダメなんだ!」
という声に屈し、撤回してしまったことになるのです。









 

日清カップヌードルのCMが中止になった事で

私が心の底から憤慨したのは今回だけではありません。




かつて日清カップヌードルには『NO BORDER』という
世界に誇れる素晴らしいCMがあった事を覚えているでしょうか。
 

その中でも特に世界から絶賛された「NO BORDER 少年編」というCMが
クレームなどの理由で放送中止に追い込まれてしまったんです。



 

 

 

 

 




生まれた場所は戦場。
その戦地で兵士として戦わざるを得ない少年。

フェンスを越えてみると、そこにあったのは美しく光る青い海だった。

ひっそり後をついてきた少女に気づくと
少し照れて嬉しそうな顔で微笑み
そして一緒にカップヌードルを食べる。





そんなCMでしたが、たった60秒のこのCMの中には
私たちが考えなくてはいけないテーマがたくさん盛り込まれていて
日清の企業理念に対する評価が著しく高まったCMといわれていました。


それなのに一部の視聴者から
「戦争や少年兵を認めるような内容」「子どもに銃なんて不謹慎すぎる」
といったクレームが寄せられた事によって
日清はあっけなくCMを放送中止にしてしまったんです。



あのCMを見て
「戦争や少年兵を認めるような内容」「子どもに銃なんて不謹慎すぎる」
などという低俗丸出しで偽善的意見しか言えないアホどもの愚言に屈し
偉業と表していいほどの企業理念さえいとも簡単に引っ込めてしまったのです。






あのCMの最後はこうしめられていました。





世界には30万人以上の少年兵が存在している。

僕たちは何ができるのだろう。








そうですよ。

私たちがしなければいけないのは
「私たちには一体何ができるんだろう」
「どうしたらこういう子供がいない世の中をつくれるのだろう」
と、考えることであって
「子供に銃を持たせた」という苦情を言うことなんかではありません。




Mr. Children の「and I love you」が
このCMの悲しさ・切なさ・美しさに、見事なほど花を添えていて
今見ても心が震え涙が止まらなくなります。





こんな素晴らしいCMを放送中止にし
今回再び世の中に対する大きなメッセージを込めたCMを放送中止にした日清の行為は
大失態とも言える程の愚行です。







世の中がダメになってしまうのも
世の中が壊れていってしまうのも
そんな酷い世の中を変えることができないのも
あのCMを見て
「子どもに銃なんて不謹慎すぎる」
としか考えられないアホ達がこの世に存在するせいだという事と
それを認めてしまう企業がいるからだという事を、ハッキリ言い切っておきます。













自分の思想・主義・価値感を押し付けてくる奴に心を痛める必要なし!






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