横森理香「ぼぎちん」文春文庫。殺人ミステリーの方はまだ読書中で、平行して読んでいたこっちが先になりました。副題は「バブル純愛物語」。バブルと純愛って、意表を衝いた組み合わせの単語ですわね~。

副題から切々とした静かなムードの小説を想像しちゃうと、「これがいわゆる純愛ですか??」と読みながら思う気がする。とっても濃ゆーい、恋愛小説ですしな。著者の自伝的要素が強いらしく、それだけに疾風怒濤の激しいストーリー展開にびっくら。マジに恋愛しましたという意味で、この副題が付いたんでしょう、きっと。

横森さんはエッセイ等の、フィクションじゃない作品もたくさん発表されているので、自分が経験したことをわりとナマな形で読み物に加工する手法がお得意なのかもしれません。きっちり構成した作品を発表し、「本を読んでもらえればそれでオッケーです」というスタンスで作品のうしろに控えるのではなくて、作品とともにご本人のキャラクターがば~んと前面に出てくる感じといいますか。

テレビの司会とかもなさっていたご様子だしな~。ストレートに自己主張される方のようにお見受けしました。書いた作家への興味がそそられるという点では、いわゆる私小説なのかな? どうなんだろ。よう、分からんです(笑)。

  人間、一つタブーをやぶったらあとは早い。それこそ坂を転がるようにして落ちるところまで落ちる。人生に何の目的もない、愛を知らない者にとって、カタギの生活はかくも馬鹿馬鹿しくやっていられないもので、かといって自由になるお金と時間ができればできるほど気持ちは荒み、私は、今までよりさらに絶望的な、孤独のどん底に陥ってしまった。p22

横森 理香
ぼぎちん―バブル純愛物語


人がばったばったと殺されるタイプのミステリーを読んでいる途中なので、今日は読了本がないでございます。読むの、けっこう早い方なんですが、目が疲れてきたのか、あまり進みません(笑)。オリンピックが気になるせいかな~。ま、こういう時もあるということで、久しぶりに音の話題を。


ひとり遊びの中でけっこう好きなのは、CDの曲を編集してMDをつくること。大昔はカセットテープでやってましたが、ここ数年はMDを使用。マックユーザーにもかかわらず、i-tuneの使い方がいまだに分からないっす。時代の変化についていけないワタシでございます(ーー;) ちなみにアメブロは、マックのサファリを使うと更新がうまくできなかったりするので、バイオでやってます。PC苦手なのに、2台も使ってるのもヘンな話ですわな~。


で、久々にうまくできた気がする編集MDは以下のような内容です。


M1 Thinking of You/ Paul Weller /04年

M2  The Fish / Yes /72年

M3  I'm Gonna Make You Love Me/ Miss A (阿川泰子)/89年

M4 Bless the Beast & Children /Carpenters /72年

M5 バリの歌 / ラブジョイ/05年

M6  Tall & White Nettles / Eyeless inGaza/ 82年

M7 Wave / David Sylvian /02年

M8  ワルツ/ スネオヘアー /05年

M9  Please Patronize Our Sponsors / Jim O'rourke /99年

M10 オレンジ/ JB /05年

M11 ジェットコースター/ バブーシュカ・バーバヤーガ(西村睦美&Bikke)97年

M12 Delicatessen /C.Dalessio /91年

M13 パリのランデヴー / かの香織 /95年

M14 Good Life /Anne Burton /67年

M15 Need You/ Bonnie Pink /03年


最後に「さかな」の惑星を入れようと思ったんですが、全部入らなそうだったので全15曲です~。はあ~、英語のタイトルって書くの大変。手が動きません。あ、頭が動かないのか☆ 画像は本文に関係ないのは見え見えですが、一応申し上げますとウチの猫でする。

案の定、ゲットしてしまいました。森博嗣「ダウン・ツ・ヘヴン」中央公論新社。

スカイ・クロラ・シリーズ第3弾です。「ナ・バ・テア」の帯についていた広告によると、この本は今年(06年)の秋に文庫化される予定らしいです。秋まで待てるかな~と考えてみましたが、早く読みたい気分の方が勝ってました(笑)。新刊 or ユーズドにするかを含めて、アマゾンで買うべき本を物色したです。


森さんの著書には、本のカタチが複数用意されていることが多いみたいですね。作家名で検索をかけると、ヒットする本の数が予想以上に多くてびっくりしたんですけど、その理由は作家が多作であることに加え、同じ作品がハードカバーと新書の両方で出たりしていることも貢献している模様です。中には、ハードカバー、新書、文庫と選択肢が3バージョンもあったりするし。


これは作家の意向というより、読者のニーズに合わせた出版社の戦略(?)かもしれませんわね。森ファンは新書版を好むのかしら? ラノベことライトノベルって、版形が新書だったりします?? トレンドに弱いな、わし。


検討した結果、本としての美しさで、マーケットプレイスにお手ごろ価格で出ていたハードカバーに決定。ブックデザインは鈴木成一。下手をすると下品に見える、光沢感が極めて強い、つるっつるの紙を巧みに使った表紙と見返しが面白い効果を出しています。さらにダメ押しをするように、ダストカバーはぴっかぴっかのポリエステル(?)フィルム。つやつやのぴっかぴっかで、いや~、色は地味なグレイですが、かなり派手なおべべです。

宮本茂紀「世界でいちばん優しい椅子」光文社、読了。

表紙の宮本さんのお名前の脇には「椅子張り職人・家具モデラー」という肩書きが記されています。椅子張り職人とは、文字どおり椅子の座面や背面に布や皮革を張る専門職のこと。家具モデラーは、デザイナーとモノを作る職人の間を橋渡しする、プロトタイプ(試作品)の専門家といったらいいかな。


デザイナーがもんのすごく斬新なスケッチをかいてきたとすると、それを実際の家具にするためには、職人が製作する前にモデラーが使用予定の材料などを使って試作し、そのデザインが実現可能なものかどうかを検証するんですね。時には、機能や強度の観点から「ここは変えたほうがいい」とアドバイスすることもあり、新しいモノを作るには、とにもかくにも欠くことのできない大切な職能です。


宮本さんは日本の家具モデラーの第一人者としてギョーカイでは超有名な方。でも、いかんせん裏方のお仕事のため、ひとたびインテリア業界を出ると知名度ががくんと落ちてしまうかもしれません。編集者時代に一度、お会いしたことがあって、何も知らない若い者を相手に、いろいろなことを懇切丁寧&明るく&エネルギッシュに教えてくださる姿勢に頭が下がりました。なのに暑苦しくない☆ 「かっこいいおじさまだな~」と感服し、以来、ファンなんです。本当にいい男です。


世界で最も有名な家具展示会であるミラノの「サローネ」に自社から出品した、「ボスコ(森の精)」という名前の数十脚の椅子は、さまざまな材木を使って木の持ち味の多様性をビジュアル化したもの。イタリアの家具メーカーの製品はもちろん、倉俣史朗、喜多俊之、川上元美といった著名な日本人デザイナーの作品でもモデラーを務めるなど、70年代から世界を見据えたスケールの大きいお仕事をなさっています。で、この本は宮本さんの半生記なんですわ。


迎賓館の家具の修復などを手がける、高度な技を身につけた椅子張り職人として一本立ちする一方で、なぜ宮本さんは新しい材料と積極的に取り組むモデラーとしても活動するようになったのか――。その背後には、人件費の安い戦後の日本が、欧米の家具メーカーの生産拠点になっていたという過去があるんですね。


新旧の両極を押さえた宮本さんの活動について疑問に思ったことはなかったものの、そういう経緯があったのか~、なるほどね~とうなりました。編集者をやっていたときにこの本があったら、ギョーカイの勢力図をどんなに理解しやすかったことか。不勉強を棚に上げて、残念に思う(笑)。


 「これは最新の飛行機で、シートは人間工学に基づいて作られた最高のものです」

 「私は椅子を作っている者ですが、リクライニングしたときにお尻が前にすれてきてしまうのは、人間工学的に本当に大丈夫なの?」

 彼女も逆らっても仕方ないと思ったのか、その場を離れてくれました。そこで、いつものようにシートをはずし、自分用にクッションをセット。そうするのと、しないのとでは全然、座り心地が違います。p9


イタリアに向かう飛行機の中でのシーン。相変わらず過激な(?)ご様子です。もうすぐ古希を迎えられるみたいですが、ますますのご発展を心からお祈りしたいです。


*芋蔓本*

白洲正子「木」住まいの図書館出版局

森博嗣が続いたので、肩の凝らない本でブレイクを~(笑)。

川原亜矢子「いつも心にソレイユを!―川原亜矢子のデジカメ日誌」小学館。

川原さんが28歳になったばかりだった’99.3.1~4.30日までの2ヶ月間を、写真と文章で記録した本でする。


収められている写真の半分くらいが、ご本人がFujiのデジカメで撮影したもの。これにとぼけた味わいのあるへたくそ系(失礼!)イラストと、マネージャーさんをはじめとする川原さんの周囲の人が撮ったスナップおよび、ファッション撮影の現場で撮ったと思われるプロショットを加え、さらに文章もプラス。ビジュアルの比重が高いので、日記形式のエッセイというよりは、エッセイ仕立てのビジュアル・ブックといったほうがいいかも、です。


すごーく無防備な顔もあれば、あどけない感じの笑顔もあるし、ファッション誌などでお目にかかる、きりっとしたお姿もあり。たった2ヶ月とはいえ、川原さんが見せる姿の「振幅」は、カラダで表現するお仕事をなさっている方ならではのものでしょう。濃い本ではありませんが、何か印象に残るものがあるなぁ。何が残るのかな~。


しつこく森博嗣です。「スカイ・クロラ」中公文庫、読了。

同じ作者が続くと、ビミョーに恥ずかしい気分になってきますが、読んでいるのだからしょうがない。開き直りましょう(笑)。背のノンブルは「1」。一番はじめに出た、中公文庫の森作品ですわね。順番に読むのが好きなワタシは、今回もけつまずいてしまいました。


「スカイ・クロラ」シリーズと呼ばれる連作小説の1作目になっていて、先だって読んだ「ナ・バ・テア」は2作目。巻末の広告を見てこのことを知り、読む順番をはからずも間違えてしまったことが致命傷になったのかと(大げさ・笑)焦りました。ところが、森さんはこのシリーズを時系列で書いていないらしく、助かりましたですよ。 <何が、と自分で突っ込んでみたくなる。


普通なら力を入れて書き込むような、ヒト・モノ・コトに関する説明的な文章が少ないので、「虚」の濃度といったらいいかな~、お話が現実からどれくらい浮いた設定なのかが、分かるような分からないようなぼや~っとした感じ。シリーズを全部読み終えてから、世界がはっきり見えてくるように意図されているのかもしれません。「次作も読もう」と思わせる、巧みな書き方ともいえそうだす☆ たぶん、ワタシはあまり間をおかずに次作を手に入れるんだろうな~(~_~;)


 右へ突っ込めという指令が聞こえた。

 そんなチームプレイができるのは、ほんの最初だけのこと。

 今に入り乱れて、ダンスを踊ることになる。

 せめて、そのダンスの時間までは、残っていたいものだ。

 ベルトを少し締めなおす。

 シートで姿勢を正した。p224



森博嗣(もり・ひろし)を続けます。「そして二人だけになった」新潮文庫、読了。

「ナ・バ・テア」を読んで「ひゃー」とびっくりし、あわてて近所の本屋さんに次なる森博嗣を探しに走りました(笑)。「も、も、も」と唱えながら文庫本の棚を見ること数分、新潮文庫のコーナーに何冊かありました~。あっけなかったです。


これはミステリーなのでしょう、たぶん。ふたりの語り手が同時にストーリーを語ってゆく構成になっているんですが、単調にならないようにという配慮からか、合間に一人称ではない語り口も入ってきやす。複雑な重ね着のような、凝ったムードが感じられるですね。村上春樹の「ねじまき鳥…」や「世界の終り…」に違和感のない人なら、すんなり読めるんじゃないかな。


お話の重要なモチーフとしてイギリスの童謡(Nursery Rhymesとあります)の「ロンドン橋」が使われていて、これに沿って人が次々と死亡(@_@) ただし、「マザーグースをネタに使ったミステリーを下敷きにした、本歌取り系の作品ね」と思ってしまうと、ぎゃふんといわせられそう。構成だけでなく、ストーリーそのものにも、「タンクトップとカットソー、どっちがメインですか??」という感じの入り組んだ雰囲気があるんだな~。なんのこっちゃ、といういい方だけど(笑)。

 
 
 
仕掛け満載。一筋縄にいかないところが、たまらないっすね。中学生のころ読んだヴァン・ダインの「僧正殺人事件」なんかは、古典と呼ばれるだけあって、分かりやすく簡潔だった気がするです。今の世の中の錯綜感が、きっと反映されているのでしょう。余談ですが、僧正ってビショップのことですかいな? イマドキ僧正っていわれてもな~、と思いますた。

*芋蔓本*

アガサ・クリスティー「そして誰もいなくなった」ハヤカワ文庫

ヴァン・ダイン「僧正殺人事件」創元推理文庫

森 博嗣
そして二人だけになった


インフルエンザ前シリーズ第2弾です(笑)。

森博嗣「ナ・バ・テア」中公文庫は、初めて読む著者の本。

書店をうろうろしている時「なぜかその孤独は私の骨のずいまで温めるのです」という、よしもとばなな氏の帯が目に留まったんですが、「あれっ、この著者って何かで見たぞ…」と記憶をたどることに。蛍光灯がいっぱいついた某新刊書店の天井をにらみながら考えるうちに「日経マガジン」という新聞のおまけ(?)雑誌のレビューで、石鍋さんという方が「言葉の魔術師」と評していたことを思い出ました。で、「買い」です。


読んでみて、久しぶりにふかーく驚いた~。すっごい筆力のある著者ですわね。主人公はパイロットという設定なんですが、飛行機を操縦しながら飛んでいる感じがあっけにとられるくらい見事に描かれていやす。飛行のニュアンスの豊かさが尋常じゃないといったらいいかな。戦闘風景なのか、それとも緊迫感の薄いのんびりとした飛行なのか、はたまたじゃれあっているような飛び方なのか等々が、しっかり書き分けられてるんです。


ちなみにワタシ、飛行機に関する知識は全くといっていいほどないし、シミュレーションゲームもいたしません。なのに、楽しめる。書く技術もさることながら、表現に対するセンスも抜きんでているのでしょうね。才能と技術の双方に恵まれているとは。すごいです。


 ストールに入れる。 

 ほぼ同じ高さで、向こうもターンする。

 キャノピイが見えた。パイロットのヘルメットも。

 ボンネットの黒い模様は、猫の顔だった。p341


今日はずるしてインフルエンザ前に読んだ本です。村上春樹「海辺のカフカ・上下」新潮文庫、再読。ハードカバーが出た時、すぐに買って読んだんですが、「保存しておくほどではないかな~」と思って上下巻を処分。
 
 

ところが、文庫本が出たら、また読みたくなって購入しました。こんなことなら片付けない方が良かった(笑)。見事にホンヤさんの思うツボにはまってます。いいお客さんだな、わし。いいわけめくけど、本には、内容に合った「適切な大きさ」があるような気がするですね~。ハードカバーが似合う本と、文庫本が似合う本とか…。「海辺のカフカ」は文庫本な気がするけど、どうでしょ。


以前、料理研究家のナガオさんに本についての取材でお会いしたとき、「好きな本はハードカバーに買い替える」と伺いました。「あれ、ワタシの場合はハードカバーを処分することが多いな」と気づき、はっとさせれましたで。


省スペースという最大の目的があるものの、モノとして文庫本がけっこう好きなのかな~。気合の入った美しいデザインは圧倒的にハードカバーに多いし、小さいモノに特別惹かれるってわけでもないから、なぜこういう行動に出るのかが不思議ではあります。


村上春樹の中では「…カフカ」は好きな方。ベストは「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」、次点が「ねじまき鳥クロニクル」、で、3番目くらいがこれと「スプートニク…」あたり。以前、読書日記を書いていたmixiの中には1万3000人近く人が集まっている村上春樹コミュニティ(ファンクラブもしくは、サークルのようなもんですね)があって、そこの掲示板に興味をそそられるトピックがあったですよ。「あなたがピンとこなかった村上作品は何?」。ファンの忌憚のない意見が書き込まれていて、面白かった☆


それを読んで意外に感じたのは、ワタシが好きな3作品はピンとこなかった例としてあげられることが多いということ。あっちゃー。何でだ。すごく面白いのにっ。まあ、これは好みの世界ですからね、なぜだといってもしょうがないか。ピンとこなかったものをあげろといわれたら、ワタシは「国境の…」だな~。どうやら、幻想性がこゆーくて、長い作品が好みか。


*芋蔓本*

小川洋子「密やかな結晶」講談社文庫

小川洋子「凍りついた香り」幻冬舎文庫




 


ダンナからインフルエンザをもらってしまい、謎の1週間を過しちゃいました。記憶がないという意味ではないんですが、「何やったんだっけ」としばし考えても特筆すべきことをほとんど思いつかない(ま、いつものことのような気もするんですけどね・笑)日々でしたわ。だってね~、起きる→何かを食べる→何かを飲む→だるいので横になる→いつの間にか眠ってる、の繰り返しだもん。感覚が薄くなるのも当然です。


幸い、症状自体は大したことがなかったんですが、最低限のシゴトしかできなかったので、原稿がダンゴに。編集さんが仏のように優しい方で、いらだちひとつみせずにこちらの体調を気づかってくれるのが、ありがたいやら申し訳ないやら。ワタシが書かない限り、原稿がひとりでにできたりしないんです、はい(涙)。ですから、よれよれのカラダとあせる気持ちの板ばさみがインフルエンザよりしんどいかったような。コハラさん、このご恩はきっとお返ししますっ。


で、本日、何とか納品いたしました。ぜーぜー。これで心置きなく爆睡できる。やっぱ原稿を抱えていると眠りが浅いような気がするです。いや、これは気のせいかもしれない。いつもより睡眠時間が長かったという声もあるし(笑)。画像は久しぶりの大物買い「ユーズドの本棚」です。幅約100センチの棚が4段付いているので、高さ4メートルの本の山、もしくは床に積んどく本が約4メートル納まります。すぐにいっぱいになってしまったのはどういうことだ。