横森理香「ぼぎちん」文春文庫。殺人ミステリーの方はまだ読書中で、平行して読んでいたこっちが先になりました。副題は「バブル純愛物語」。バブルと純愛って、意表を衝いた組み合わせの単語ですわね~。

副題から切々とした静かなムードの小説を想像しちゃうと、「これがいわゆる純愛ですか??」と読みながら思う気がする。とっても濃ゆーい、恋愛小説ですしな。著者の自伝的要素が強いらしく、それだけに疾風怒濤の激しいストーリー展開にびっくら。マジに恋愛しましたという意味で、この副題が付いたんでしょう、きっと。

横森さんはエッセイ等の、フィクションじゃない作品もたくさん発表されているので、自分が経験したことをわりとナマな形で読み物に加工する手法がお得意なのかもしれません。きっちり構成した作品を発表し、「本を読んでもらえればそれでオッケーです」というスタンスで作品のうしろに控えるのではなくて、作品とともにご本人のキャラクターがば~んと前面に出てくる感じといいますか。

テレビの司会とかもなさっていたご様子だしな~。ストレートに自己主張される方のようにお見受けしました。書いた作家への興味がそそられるという点では、いわゆる私小説なのかな? どうなんだろ。よう、分からんです(笑)。

  人間、一つタブーをやぶったらあとは早い。それこそ坂を転がるようにして落ちるところまで落ちる。人生に何の目的もない、愛を知らない者にとって、カタギの生活はかくも馬鹿馬鹿しくやっていられないもので、かといって自由になるお金と時間ができればできるほど気持ちは荒み、私は、今までよりさらに絶望的な、孤独のどん底に陥ってしまった。p22

横森 理香
ぼぎちん―バブル純愛物語