バスの運転手さんの中には、運行前に「酒気帯び」であることが分かり勤務から外されているようなケースが珍しくありません。 今日のニュースには、次のようなものがありました。
大阪市交通局がバス運転手の乗務前に実施した飲酒検査で、道交法上の酒気帯び運転に当たる呼気1リットル中0.15ミリグラムのアルコールが昨年10月以降に延べ50人から検出されたことが3日、分かった。
うち22人は検査前に自家用車で通勤していた可能性があったという。市交通局は「今後は通勤手段を調査し、酒気帯び運転で出勤したとみられる場合は、懲戒処分の対象とすることを検討する」としている。
交通局によると、昨年10月から、市販の検知器で乗務前検査をし、検出可能なアルコール0.07ミリグラム以上の場合は乗務させないことを決めた。基準を超えたケースは今年8月までに延べ118人だった。
0.07ミリグラムを超えると有給休暇を取らせ、0.11ミリグラムを超えた場合は欠勤扱いとして給与をカットするなどの措置を取っているが、懲戒処分の対象にはしていなかった。
「車の運転に従事している人間なのに、いったい何を考えているのか?」と思われる方が多いと思います。
確かにその通りです。 しかし、それにはちょっとした理由があるのです。 単純に「酒気帯び運転はダメ」と言わず、彼らの業務内容を考えてみてください。
バス(特に長距離高速バスや観光バス)、タクシー、トラックの運転手に方の中には、「寝酒」の習慣を持った方が少なくありません。 それは、深夜や早朝の勤務があるために勤務時間が不規則になることが原因とも言われています。 昼間に寝なくてはならないこともあれば、もちろん夜に寝られない日もあります。 そんなことを長年続けていれば、体に負担が掛からないはずがありませんよね。
お酒を飲んで寝る。 それが一番良く眠ることができる。 そうすれば睡眠不足にならない。 居眠り運転をしなくても済む。
寝る前に、日本酒を2合くらい飲んで、起きて出勤したときに検査すれば0.15mgを超えることは、決して珍しくないのです。
飲まなければ寝られない、寝なければ勤務できない。 そんな運転手さんは、どうしたら良いのでしょうね?
飲酒運転を容認しているのではありません。 運転手が懲戒免職になっても、それは妥当だと思います。 しかし飲酒運転をしてしまう方の事情を考えなければ、飲酒運転はなくなりませんよね。
私には良い打開策は思いつきませんでした。 「運転が仕事なんだから、飲酒運転なんか言語道断だ。」という前に、ちょっとだけ打開策を考えてみませんか? 飲酒運転を撲滅するために。
