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劇部屋24シアターズ

劇部屋24のオリジナル作品「月羽妖夢伝」制作近況や
劇部屋24での上演記録を残していきます!!

★★★四十九条賭場物語 風の章後編★★★


明日香>アキラが腹部を刺され、この世を去ってしまった。
ツキ>この地に来て、初めて頼りになりそうな人だったために、主様の衝撃は相当のものだった。
コーエン>精神的ショックによる半狂乱の状態になった主様は式神たちが止めるのも聞かずに,
容疑者のいる陣馬組へ乗り込みをかけるようになったのだ。
 ヒスイ>当然のことながら、世間の話題となってしまった主様は、おかげで狂乱の巫女との汚名を着せられるようになった。
ツキ>これを好機とみた、陣馬組は動いた。もはや狂乱の巫女に神社を運営する力はない、と。
コーエン>その言葉に三重(みつえ)神社の周辺住民は納得してしまう。直ちに奉行所に管理人変更の嘆願書が提出され、ほどなくこれは受理される。
ヒスイ>数日後、三重(みつえ)神社の後見人が発表され、陣馬組組長がこれに名乗りを上げ、決定人事とされた。
明日香>住居を追われることになった明日香は、式神たちだけとつづら1個だけという寂しい身の上となる。
ハヤト>幸い、ハヤトが見つけてきていた洞窟に寝泊まりする場所を見つけた明日香は、それから押さえていてた感情を爆発させた
明日香>明日香は、連日、連夜・・泣いて泣いて泣いて泣いて泣き明かしていたが・・・あるとき、きっぱりと泣かなくなった。
アキラ>それと時を同じくして、明日香はこれまでの白い巫女服をつづらに仕舞ってしまう。かわりに取り出したのは黒い巫女服。話は、明日香が初めて、この黒い巫女服に手を通す瞬間から、幕をあける。

コーエン>四十九条賭場物語~明日に吹く風~後編

ツキ>そのとき、ぼくたちは池のほとりにある洞窟にいた。住居を追い出された僕たちの新しい本拠地だ。
コーエン>迫害に似た生活のなかでも、暦は過ぎるもので、いつしか、季節は移り変わり、初夏のころを迎えていた。
ツキ>ここ最近は、うだるような暑さになることもしばしばで、その度に神社での生活を羨ましく思うのだった。
コーエン>この時節はじつにいまいましい。昼の時間が長く、夜は短いからだ。魔力の蓄積の源は「深層睡眠」。深く深く眠る時間が短くなってしまうこの時節は、俺の魔力が欠乏してしまう季節でもあった。
明日香>ふぁあ・・よく寝た・・・今日もあつい・・・か・・・ 太陽のほこらにいかなきゃ・・・

ツキ>明日香は起き抜けにそう言葉を落とすと、近所にある太陽のほこらへ行くための支度をする。
コーエン>それは、あの事件がおきて、ここに移ってきてから変わらず行われている日常。
ツキ>髪を結わえて、巫女服をまとうと、今日も足早にそそくさと出掛けて行くのだった。

コーエン>なあ、ツキ。
ツキ>なんだよ?コーエン
コーエン>主さまは・・今宵も朝までやっているのかな?
ツキ>さあ・・・よくわかんねぇな
コーエン>ラチがあかない。そろそろ帰らねえか。
ツキ>え?コーエン、本気で言ってる?
主さまのことは待たないのか?
コーエン>ああ。待ったところで、すり減るのは俺たちの神経と時間だけさ
ツキ>じゃあ、ボクはここに残ろうか?あとから必ず行くからさ。
コーエン>ばかいえ。・・・ツキ、君も一緒に来るんだ
ツキ>なぜ?なぜ、君一人じゃいけないんだ?
コーエン>・・・わかっているくせに。
ツキ>? なぜ? なんで?
コーエン>・・・おまえには かなわない・・・お前がいないと、俺は寝られない・・・
ツキ>コーエンは 隠すのが下手だな。こんなんじゃ、ボクに勝てるのはまだまだ後の話だな。
コーエン>どちらでも、いいさ。もう・・・もう・・・
ツキ>そうか・・・わかった。
コーエン>あのさ・・ツキ・・・おまえは・・・何者なんだ?
ツキ>え?
コーエン>あ、いや・・・えと・・・
コーエン>おまえ・・・何者だ?
ツキ>ボクは・・・ただのキツネだよっ
コーエン>あ・・ちがうだろ・・いや・・なんでもない・・
ツキ>(笑)
<ネタばれ>コーエンとツキは恋仲である。コーエンの男らしさにひとめぼれしたツキが近づき、尻尾でコーエンの性感帯を刺激。以来、コーエンはツキの性感帯愛撫の虜となってしまう>

ハヤト>主さまの目的地は、太陽のほこらと呼ばれる場所。この地域でも日当たりがいいことで有名な場所だった。
ヒスイ>主さまはほこらに到着するなり、祭壇を整える。やがて、太陽が一番高いところに達するころ、祭壇で祈祷を初めた。
ハヤト>・・・きょうも・・はじまった・・か・・・
ヒスイ>そうね・・一心に祈りを捧げている・・・ああなると、話しかけても相手してくれなくなるんだよね 
ハヤト>一心不乱・・・か・・・主様はそれほどにあの男のことを救おうとしているのか・・・いったいなぜなんだ?
ヒスイ>さあ?それが人間の女なのだと思うよ・・・?
ハヤト>ふむ。人のココロというやつはまったく、よっくわかんねえ・・・
ヒスイ>そんなの・・わたしにも・・わかんないわよ・・
ハヤト>長い長い祈祷はつづいていた・・・ツキは
その様子を退屈な日常と呼んだ。


ツキ>この「退屈な日常」が急変したのは10日ほど経過したときのこと。
コーエン>不意に主さまは式神たちを束ねて、太陽のほこらに集めたのだ。
ヒスイ>そして、祭壇の回りで私たちを呼び出した。魔力を集めたいときにそうするのだ。
ハヤト>ボクは魔力をもたないカラスなので、このまじないには参加できなかったが、離れたところに立つ一本木から、この様子をうかがっていた。

明日香>さて・・はじめますか。
そういうと、彼女は召していた黒い巫女服を肌脱ぎ状態にして、両腕をさらけ出す。
明日香>太陽を利用した魔力精製術・・・こんなところで使うとは思っても見なかったな・・
明日香>遥か彼方に漂いて、戻るべきところをなくした魂よ。いまこそ我が呼び出しに答えよ!はあっ!!

アキラ>う・・うん・・・ここ・・どこ?
ツキ>アキラ!きこえるか?返事をしろ
アキラ>ああ、きこえる。きこえるぞ・・・
コーエン>死んだはずのアキラの体に・・だんだん・・・血の気がもどっている・・
ツキ>やったぁ!成功だ!
ヒスイ>そうね・・・また、あの日常がもどってくるのよね?そうよね!
明日香>みんな・・ありがとう!!
明日香N>安堵と歓声でつつまれたその場・・・

明日香N>しかし、問題は予想しえないところから発生するのだった・・・
アキラ>あ・・ここは・・・どこ!?
明日香>お!目覚めたか!実験は成功じゃな
アキラ>明日香さん・・・!
アキラN>次の瞬間、ぼくの体に激痛が走る・・
アキラM>腹部に激痛・・・うわ、なんだこれ・・内蔵が出てる・・?な、なんじゃあこりゃあ!
明日香>ん?どうしたのじゃ?アキラ
アキラ>明日香・・・どういうことだよ?これ?
明日香>どういうこと?って、わらわはお主をよみがえらせた。それだけじゃ
アキラ>どうして?どうしてそんなことしたんだよ?
明日香>どうしてって?決まっているだろう。お前が必要だからだ
アキラ>でも、そういうのは生きている人が責任を負うって言うのがルールなわけでしょ?
明日香>アキラ・・・・
アキラ>みろよ・・この身体。こんなんだったら生きていてもしかたがない。
明日香>アキラ・・・!
アキラ>迷惑なんだよ・・・どうして?どうして休ませてはくれないの?
明日香>アキラ・・・!
アキラ>休ませてほしかったのに・・・最低だ!!
明日香>!!最低?今最低っていった?・・・
アキラ>・・・。
明日香>ひどい! そんなのあんまりだわ!あんまりよ~~!(泣)

ツキ>アキラ・・・・おかえりなさい
アキラ>おまえ・・・ツキ?
ツキ>あなたに呼び捨てされる覚えはありません。
立場をわきまえてください・・
アキラ>ツキ・・・
コーエン>よう。ひさしぶりだな。死に損ない。
アキラ>コーエン!
コーエン>おれも、意見はツキと一緒だ。あんな態度を主さまにされると、穏やかになれない。
アキラ>そ・・そんな・・

アキラN>そのあと、池のほとりにて。
アキラ>ぐ・・ぐええええ・・・く、くるしい
ヒスイ>アキラ! あなた、何てひどいことを!!
アキラ>ぐえええ・・・!や、やめろお・・・
ヒスイ>はあ・・はあ・・
アキラ>ヒ・ヒスイ・・・
ヒスイ>いい?明日香さまはね・・・この3ヶ月、おまえを蘇らせることだけを考えてきていたの。朝起きてから夜寝るまでね、それこそ大事な神社も引き換えにしてね!
アキラ>どういうことだ?
ヒスイ>神社と引き換えに、あなたの命を救ってもらったということよ!
アキラ>!?
ヒスイ>ひとつ、陣馬組は三重(みつえ)神社の敷地・建物一式をゆずりうけるものとする。
ふたつ、三重(みつえ)神社側は3日以内に退去すること
みっつ、陣馬組側は対価として1、アキラの身を 2、第24条最果ての地にある太陽のほこらを引き渡すものとする
アキラ>そ、そんな・・・
ヒスイ>わかった?あなたが言ってしまったことは、明日香さまを裏切ることに等しいの!
あなたが医者の手でもどうすることができないとわかったとき、明日香さまは、神社のことよりも君のことを優先にして、陣馬組に差し出したの
アキラ>・・・・・!
ヒスイ>私たちは反対した。だけど。明日香さまは
あなたを優先した。でも、あなたはそんな明日香さまを許せない。これって、どうなの?

 

アキラ>わからない。わからないんだ!
ヒスイ>わからない? 何がわからないのかしら?
アキラ>え?
ヒスイ>わからないのは、答えをつくりだそうとしているから
アキラ>答えを・・・つくる?
ヒスイ>そう・・素直になりなさい・・・
アキラ>素直に・・なる・・・?

アキラN>思いを巡らせるうち、周囲は暗くなってくる。
アキラ>生きていたって・・これじゃあな・・
うわ・・うわああ・・・・
アキラN>それはおぞましい光景だった。自分の身体の一部分であるとはすでに思えなかった。えぐられてどす黒く変色した肉片、どうやって機能しているのかすらわからない、むき出しになった臓器類、そして、そのまわりに白くたむろするウジ虫たち・・
 さながらそれは、食い荒らされる身体を見ているかのようだった・・・
アキラ>ひどい・・醜い・・・・しに・・たい・・
アキラN>そうおもっている時だった・・・
明日香>アキラ・・ここにいたのか・・探した・・
アキラ>明日香・・さん・・・
明日香>となり・・すわらせてもらう・・
アキラ>・・・・。
明日香>すまなかったとおもっている。
アキラ>明日香さん!
明日香>たしかに、勝手だったかもしれん。だけど、致命傷のお主を救うには、これ以外に方法は
なかったのじゃ!
アキラ>明日香・・さん・・・
明日香>死にたいというのであれば それもよかろう。ただ、そのときは、わらわがその命を絶たせてもらう!いや、絶たせてもらわねばならぬのじゃ
アキラ>ど、どういうこと・・・?
明日香>気づいておらなんだか・・では、まず聞くが、今日、お主はお腹がすいたか?
アキラ>あ、そういえば・・・あまりお腹はすかなくなったかも・・
明日香>ではつぎに、そのような傷をおっていてよく動けるとは思わないか?
アキラ>た、たしかに・・・ これは・・どういうことか?俺も死んだのか?もしかして・・・でも、今さっき、死んでないって言ったよな?じゃあ、おれはいったい、なんなんだ?
明日香>答えよう。お主は、わらわと同じ「半妖」となっているのじゃ。
アキラ>は、「半妖」?
明日香>さよう、「半妖」。半妖は人と同じく食することで養分を得ることもできるが、空気中から魔力を吸うことでも可能になるのじゃ
アキラ>ちょっと待て。おれは・・・魔力なんかもってないぞ・・ど、どういうことなんだ!?いったい
明日香>答えよう。そなたに生き永らえてもらうために細工(さいく)をした。ひとつめが、刻印じゃ。両腕を見てみるがいい。
アキラ>う・・うわああ!なんだあこれ!
明日香>その刻印は魔法の刻印。空気にふれることで魔力を造成してゆくのじゃ。ふたつめは、これじゃ ふうん!
アキラ>あ・・なにを・・
明日香>みるがいい、感じとるがいい、このわらわの刻印を!
アキラ>う・・うわああ・・・なんだこの暖かい感じ・・ちからがみなぎる感じはッ・・・
明日香>血の契約じゃよ
アキラ>血の契約!?
明日香>主はその血を従者ために蓄積し
従者はそんな主を守る盾となるのじゃ
アキラ>え、ええええ
明日香>従者たるお主の心の痛みを聞き付けてな。こうして来たというわけじゃ。
アキラ>そ、そうなんだ・・・
明日香>それで?まずその醜いのをなんとかしたいのであろう?このさらしに魔法をかけ、魔力のよろいとして常に身に付けておけばいいじゃろう。
アキラ>魔力の、よろいか・・・
明日香>そうすれば、さらしをはずす必要もなくなる。そうじゃろう?
アキラ>た、たしかに・・・・
明日香>なあ・・アキラよ・・・
アキラ>えっ・・・
明日香>そなたはわらわと常に共にあってほしいと思う。
アキラ>明日香と、共に・・・?
明日香>そうじゃ。
アキラ>・・・わかった。その申し出、ひきうけよう。
明日香>ありがとう。さっそくなんだが・・・
アキラ>わかってる。そちらのほこらに一緒にいこう。
明日香>そして、私たちは歩きだした。
それは本当の意味での明日への一歩だったのかもしれなかった。

アキラ>ほこらに戻ると、そこにはお馴染みがそろっていた。少々戸惑いもあったようだったが、そこは明日香が導いてくれたのだった。

明日香>みんな揃ったから、はじめたい。私は、三重神社を取り戻したいと思う。
ツキ>なるほど、賛成だ
コーエン>俺も、同感だ
ヒスイ>わたしも。
ハヤト>おいらもだ
ツキ>だけど、戦力がたったこれだけでは・・・勝ち目はないとおもう。
コーエン>たしかに。戦力が少ないなかで攻撃を仕掛けるのは、狙撃とか奇襲とかいうのだが、そのつぎの一手がないのでは犬死だぞ。
ヒスイ>そうよね。いくらあたしたちが普通の人間よりは強かったとしても、今のままでは、多勢に部制というやつだわ。
ハヤト>空からの偵察でも、一中必策の戦略があるわけではない。無謀な戦いなら やめるべきだ。
明日香>それでも、やらねばならん・・味方なら、もうひとり・・・呼んである。入ってくれ
アキラ>みんな、ひさしぶりだな
ツキ>アキラ!
コーエン>お主、なにをしに来た!
ヒスイ>あなた、よくも顔が出せたわね!
ハヤト>やめろ。今は彼は味方だ。
明日香>そう。ハヤト、さすがね ありがとう
過去の彼がどうであろうと、私は今アキラを信じるかない。われわれは血の契約を行ったのだから・・・
ツキ>血の契約だって・・・?
コーエン>主を裏切れば従者にも死が待つという、あれか・・・
ヒスイ>そ・れ・で?いくらひとり仲間が増えて、魔力が増幅したといっても、多勢に無勢は変わらない。
ハヤト>人間のところでいう五十歩百歩っていうところだな
明日香>それで、これからどうするか・・・だ。
アキラ>それなら俺にいい考えがある。
ツキ>どうするんだ?
コーエン>気になるな。教えろよ
アキラ>・・・陣馬組を滅ぼすんだ。
明日香>滅ぼす、だって!?
ツキ>ばかな!そんなことしたら、奉行にまるわかりじゃないか!バレバレもいいところじゃないか!
コーエン>いいか、アキラ。お前の性格上、正面突破を言い出すであろうことは、想像していたさ。だけどな、俺たちだって万能というわけではないんだぞ。
ヒスイ>そうよ。戦力は6人しかいないのよ!犠牲がでたら、こっちは終わりなのよ!
ハヤト>アキラ。みんな不安におもってるぞ、次は具体的な戦略を話すべきだ。
アキラ>そうだな。
明日香>待って。それは私から話す。
実はね、陣馬組はこの時期に地元の同業者たちを迎えて、大規模な賭場を開くことになっているの。
アキラ>そのことは華会と呼ばれているんだが、
これに出場の申し込みをしておいたというわけだ。
ツキ>ちょっと待ってくれ!・・どうして、賭場と俺たちが関係するんだ?
コーエン>ツキの言う通りだ。押し掛けたり、攻めいったりするのなら、この面子は不向きだぞ
ヒスイ>それに、このなかでそういう会に出られるメンバーは限られているわ。
アキラ>その点は大丈夫。その辺、手はあるんだ。
明日香N>そういうとアキラは暗く笑った。

明日香N>3日後、私たちは賭場の会場にあった。
私ははじめての参加なのと、慣れていないのとで緊張感でガッチガチになっていた。
アキラ>よおっ。さすがは明日香。その格好、にあってるぞ。黒のトーンがかっこいいな。
明日香>ありがとう。ところで、あなたは大丈夫なの?経験とか、あるの?
アキラ>そんなもの・・・・あるわけないじゃんか
やることがないから、リラックスしているんじゃないか。
明日香>な、なるほど・・・
アキラ>ほら、力抜いて。君がガッチガチだったら、みんなガッチガチのまんまだからね。じゃ、またあとで。
明日香>そして、わたしたちは本番に挑んだ。

明日香>入ります。よろしいですね。勝負!
・・・確認します 丁が2件 半が5件。
つぼ、あがります!! 丁!
明日香M>よっし!さっそくもらった!まだまだ・・・先はながい!

アキラ>ちょいとおまちください。いま、ふところに隠したもの、見せてくださいませ。おお!これは手前どもの用意した掛札ではございませんねえ。わからなくなってしまいますので、取り除かせていただきますね

明日香>すみません。そちらの方、掛け金をごまかしていらっしゃいますね。ちょっと失礼。ほら、折方で見え方が変わってしまいますでしょう?ひと勝負、ひと勝負順番に終わらせませんと・・・ね

ツキ>と、こんなふうに、賭場はいかさまが発生した都度、ただして行くやり方で進んでいった。
コーエン>会が進むことに、われわれは徹底的に勝ち、ほぼ負けることはしなかった。
ヒスイ>みるみるうちに、賭けに参加する人々の顔色が変わって行く。まさかここまで規律に厳しいとは思っていなかったらしい。
ハヤト>どうして、こうなったのか。俺は3日前の問答のそのあとを思い出していた。
アキラが暗く笑ったそのあとに・・・

ハヤト>アキラ。もう、そろそろ勝つための段取り
をおしえてほしい。
アキラ>ああ。そうだな。まず、配置からだ。ハヤテは外で見張り。不振なひとがうろつかないか探ること。ヒスイは建物内部の井戸に潜む。怒りにかまけた参加者が火を放った時にすぐに対処をたのむ。コーエンとツキはその姿を隠し、われわれが勝つようにサイコロの出目を明日香におしえること。掛札に細工などが施された場合は、ボクにつたえろ。
ツキ>ちょっ・・ちょっと待て!それって、卑怯な手じゃないか!
コーエン>そうだよ!俺たちは、賛同しかねるな
アキラ>君たちは実直な妖怪だな。明日香さんも幸せだな。いいか。もともとこういう賭場というのはイカサマやり放題の会なのさ。どこまで正々堂々とするフリをできるかが勝負になるんだ。
ヒスイ>そんな・・人間ってずるい!
アキラ>そう。だからまともな人間はこのような遊戯には参加はしない。やつらはクズなのだから

明日香>ところで、わらわはなにをすればいい?あなたの考える、その手のなかでわらわの役割は?
アキラ>明日香は平常通りにサイコロをふってもらうことにしたい。小細工は一切する必要はない。
明日香>ちょっと、それ、どういうことじゃ?。勝負にも負けちゃっていいというのかえ?
アキラ>ある程度はかまわない。勝ちっぱなしというのも参加する人間からすると面白くはない。
上手な負け方をしなきゃ絶対に最終的な勝利はないんだよ。この遊戯は。

明日香>賭場は続く。すすむにつれ、賭けのレートはどんどん上がって行く。焦りと欲が参加する人々の顔をヒトからオニへと変えていった。

アキラ>そろそろか。「狂気がはじまるぞ」
ツキ>その何気なさそうなひとことで、空気がはりつめる。
コーエン>アキラの言う「狂気」が始まろうとしていた。
ヒスイ>意外にもその発端は賭場ではなく、厠(かわや)で起こる。勝ち続けている男のとなりに負け続けている男が立ってしまったのだ。
ハヤト>勝ち続けている男がいった「勝ち負けの哲学」が負けている男の神経を逆撫で。口論から殴り合いの喧嘩に変わった。
明日香>なに?この騒ぎ。
アキラ>うろたえるな「狂気」がはじまった。
ツキ>騒ぎは止まりません。止めにはいったはずの男たちも加勢し始めましたので・・・
コーエン>声がすごい。これでは組の執行部が入っても、まあ、沈めることは無理だろうな
ヒスイ>もう、潮時だとおもう。
ハヤト>そうだな。俺もそう思う。
明日香>みんな。用意はいいな。3、2、1かかれ!
アキラ>やああああ!
ツキ>主さま、アキラ。陣馬組の総領「ゴウマ」はいま、玄関から逃げようとしているぞ!コーエン!
コーエン>ああ!火球演舞!
ゴウマ>ぐ!!誰だ!火を放ったのは!!
明日香>あたしたちだよ
ゴウマ>おまえは!明日香
アキラ>おれもいるぜ。
ゴウマ>アキラ!ど、どういうことだ!?暗殺はうまくいったはずだ!
アキラ>あいにく、死にきれんものでな
ゴウマ>ものども!であえであえであえ!こいつらを切れ!切ってしまえ!!
ツキ>ちっ!館が火に包まれていると言うのに・・なぜ逃げ出さないんだ!?この人間たちは・・・
コーエン>これが・・狂気・・・主さま!今助けにゆく!
明日香>ならぬ!
ヒスイ>主さま!!
明日香>これは、人間がするべき仕事!手を出さないでほしい
ヒスイ>しかし!
ハヤト>ヒスイ。ここは主さまにまかせよう。・・・ただし、緊急の時は・・・おまえの仕事だぞ
ヒスイ>わかった!!

明日香N>炎のなか・・私はめぐるめく狂気を凪ぎ払っていく。
アキラN>一体、また一体・・・そいつらは人間だったのだろうか、オニだったのだろうか、それとも妖の類いだったのか・・・そんなことはいま、どうでもよかった。
アキラ>だが・・しかし・・・そのときは近づいてきていた。

明日香>アキラ・・すごい炎・・・これ以上は・・
アキラ>ああ。わかってる・・・だけど・・・
アキラ>最後の・・しごとをしなきゃなんだ・・
明日香>そう。わかった。気をつけて。必ずかえってくるのじゃぞ
アキラ>ああ。血の契約は、伊達じゃない・・明日香、それじゃ。またあとで
明日香N>かるい挨拶を背に、どこかへいってしまうアキラを尻目に、私は退去を急ぐ。
明日香>ヒスイ!聞こえる!?おねがい!!
ヒスイ>ああ!!

アキラ>火の煙幕を潜り抜け、玄関口へと至る。そこに、ゴウマは仁王立ちでボクと対峙する
ゴウマ>ひさしぶりじゃないか。アキラ。
アキラ>ゴウマ!貴様、この3年、どこでなにをしたくらんでいたんだ?おまえの理想とはいったいなんなんだ!?
ゴウマ>妖(あやかし)の総領となりて、この世を支配することだ!我の理想とはつまり、不滅の世界。妖(あやかし)ならではの力の支配する世界!歴史がそうであるように、力が人間の世界で判断の材料となり得るのだ!
アキラ>ちっ・・すきなこといいやがって・・・
だが、しかし・・ここからは切り込めない・・・障害がおおすぎる・・どうすればいい?どうすれば・・・?
レンホウ>兄さん・・・
アキラ>えっ・・・?だれ?
レンホウ>兄さん・・・耳飾りをおいて、逃げて・・・
アキラ>まさか・・レンホウ・・レンホウなのか!?
レンホウ>もう・・時間がない・・急いで・・
アキラ>ちっ・・・!
ゴウマ>ン!?アキラ!逃げるか!
レンホウ>ちがう・・・あなたの敵は・・この私・・
ゴウマ>おまえ・・・だれだ!?
レンホウ>おまえにとっては、だれでもいい・・・おまえに虐(しいた)げられた、くのいちだ・・・
ゴウマ>な、なんだと・・・
レンホウ>ゴウマ・・・明日と言う日におまえだけはいてはならない・・私の引導で罪を背負って逝くがいい・・
レンホウ>いでよ 鳳凰 命と炎の使者よ。ここに巣食う悪魔の病巣(びょうそう)を聖なる炎と共に時空の狭間に落とすがよい! 奥義!鳳凰天翔(ほうおうてんしょう)
ゴウマ>ぐおおおお!ぐおおおおおお!

 

アキラ>レンホウ・・おまえ・・・また・・一緒に・・・?

レンホウ>残念ながら兄さん。それはできない

アキラ>どういうことだ?

レンホウ>残念ながら私の肉体は完全に滅びてしまっていて、今は辛うじて怨念でここにいるようなもの。過去の思いが消え去った以上、この姿で兄さんの前に現れることはもうできない・・・

アキラ>そ、そんな・・・

せっかく、再会できたのに・・せっかく・・思いを共にできるヒトが現れたと言うのに・・何てむごい・神も仏もないのか、この世には・・・

明日香>アキラ・・・

アキラ>明日香! これは・・・妖のたぐいではない!

明日香>わかっておる。レンホウとやら・・・

レンホウ>はい。

明日香>そなたの働き、人柄、決断力を判断するに、このまま失うのは非常に惜しいとおもう。

レンホウ>おほめいただき、ありがとうございます

明日香>しかしながら、現状でこの世に残るのは非常に難しきこと。しかしながら・・・

レンホウ>はい

明日香>我が式神となりて、式に下ると言うのであればこの世に残ることもできよう

アキラ>し、式神・・・なるほど。

レンホウ>なるほど。わかりました。せっかくの延命の機会、生かしてみたいと思います

明日香>さようか。では、

アキラN>そして、妹レンホウは明日香の式神のうちの一体となった。

 

明日香>ゴウマとの戦いの後・・・

私はアキラと共に旧三重(きゅうみつえ)神社の裏手の丘立っていた。

アキラ>きれいな夕焼けだな・・・

明日香>うん

アキラ>その・・このあとはどうなるんだ?

明日香>呼び出したみんなは式に戻してゆくのじゃ。ずっと出しっぱなしだったら、魔力がもたんからな

アキラ>そっか。それじゃあ、ボクもそろそろ式に戻るのかな?

明日香>なにをいっておる。お主はこのままじゃ

アキラ>えっ?

明日香>そなたは腕に刻印を刻んでおるからわらわの魔力供給がいらぬ。あと、わらわと血の契約を結んでおるのじゃから、むしろずっとそばにいてもらわんと困るわけじゃ

アキラ>な、なるほど・・・

明日香>さあ、今日はもうもどるぞ。明日に備えよう。近日中にここにももどって来なければならんからそのつもりでな

アキラ>お、おう・・・・

明日香N>そして太陽は落ちる。あたりはまた闇につつまれる。

アキラN>明日には明日と言う名の風が吹く

明日香>明後日にはあさっての光がそそがれる。

アキラ>そうやって時の流れは水のように流れ落ちる

明日香>そこにはまた命を燃やす人々の話がある。

アキラ>大地を踏みしめるように1歩また1歩。

明日香>踏みしめて、踏み固めてまたひとつの物語ができるのである。

アキラ>それは東西7区画南北7区画のうちの第24条というところで起きたおはなし。

明日香>かれらの 続くおはなしは またこんど

後編 おわり

★★★四十九条賭場物語 風の章 前編★★★

アキラ:ここは四十九条街。東西7区画、南北7区画に基盤目状に整備された、都である。この街では、沢山の人が生活を営んでいた。

明日香:そして、ここは四十九条のなかにある第24条という区画。四十九条の中央に位置しているそんな場所だ。

明日香:話のはじまりは、明日香とアキラの出会い。配達屋を営んでいた「アキラ」が、店の前で、重そうな荷物を持って移動している、明日香に声をかけたことに始まる

アキラ:よお、そこのねえちゃん、

明日香:なんじゃ?わらわはねえちゃんではない。

アキラ:へえ。じゃあ、なんていうんだよ

明日香:人に名を聞くときはまずは自分から名乗るべきではないのか?

アキラ:そ、そうか・・・?まあいい。おれはアキラってんだ。これでいいか?

明日香:まぁ、よい。わらわはあすかという。明日に香るって書く。

アキラ:明日に香る?・・・おお!いい名前だ!

明日香:(笑)・・お世辞にうけとっておこう。

明日香:・・・それで? アキラとやら。貴様、いったいわらわに何の用じゃ?

アキラ:・・・少し、手伝ってやろうかって思ってね

明日香:手伝って?なにをじゃ?

アキラ:運ぶのだよ。こーんな大きくて重い荷物、大変だろうよ。

明日香:まにあっておる。

アキラ:まにあってる?ふふ、そうは見えねえな。

こーんな大きな荷物、さっきから引きずってあるいている姿をみたら、誰だって大丈夫だとは思えないと思うぞ?どうだ?ここは我を張らないで、人の好意をうけとるのもアリだとおもうがな

明日香:ことわる!あいにくだが、わらわは、そんな手にはのらない。どうせ、そうやって言い寄ってきて、法外なカネでも取ろうというのじゃろう。そんな見え透いた話、こちらからお断りだ!

アキラ:こらこらこらこら。明日香さんよぉ。ここいらはとっても物騒なんだぜ?それに、人の好意は無視するもんじゃねえと思うけどな?

明日香:・・・・金ははらわないぞ?

アキラ:かまわないさ

明日香:見返りもきたいするでないぞ

アキラ:ああ。

明日香:そうか・・・じゃあ、わかった。申し出、うけさせてもらおう。

アキラ:がってん! そうこなくっちゃ

 

明日香:ところ変わって、神社の敷地。2人は本堂につながる道にいる。

アキラ:よいしょ・・・よいっしょ・・・・はあ・・・はあ・・・・

明日香:どうした?アキラとやら。息があがっているぞ?

アキラ:はあ・・はあ・・まだまだ・・・大丈夫だ・・・・

明日香:(笑)

アキラ:それにしても・・・ここ・・・キミのつとめている神社って、すっごく大きいんだな・・・

明日香:(笑)ほめことばとして、受け取っておこう・

アキラ:それにしても・・恐れ入ったよ・・・ここ、人の気配なんてまったくしねえし、ずっと、祭事も行われないし、境内は荒れ果てるばかりだったから・・ここは、廃社になっているんだとばかり・・・思っていたんだがな・・・

明日香:失礼な。わらわとて、忙しいのじゃ。すこし、長い時間、留守にしただけではないか。まったく・・・今のは、ひどいブジョクだぞ!傷ついたぞ!

アキラ:わりいわりぃ。あやまるよ・・・・

明日香;(むくれる)

アキラ:それにしても・・・この荷物・・・いったい、何が入ってるんだよ・・・よいしょ・・よいっしょ・・・・

明日香:ふふふん(笑)。中身はないしょじゃ。

アキラ:ちぇっ。

明日香:まぁ、そうむくれるな。見返りはせぬとは言ったが、働きに免じて、茶でもだそう。

アキラ:そ、そうか・・・すまねえな・・・

明日香:かまわんぞよ。

アキラ:ところ変わって、ここは三重神社の社務所。明日香は日当たりのいい縁側で待つよう、ボクに言った。

アキラ:ふう~~ついた~~つかれた~~^

明日香:待たせた。ちょいと準備に手間取ったものでな。すまない。

アキラ:あ、いや・・・それほどでも・・・・

明日香:・・・ほんとうに、ご苦労だった。さあさあ、どうぞ

アキラ:ありがとう・・・ふう。

明日香:どうしたんじゃ?

アキラ:あ、いや、ここって・・・さ・・・・

明日香:ん? くるしゅうない ちゃんと申してみよ。

アキラ:ここって・・・えらい年季の入った神社じゃないか!って思ったものでな

明日香:そこは、由緒ある、といってほしかったのじゃ。

アキラ:・・・それも、そうだな。すまない。

明日香:別によい。気にしてはいない。

アキラ:あ、ああ・・・・

<間>鳥のさえずり、そよかぜなどの効果音。

アキラ:ああ・・なんだか、気が休まるな

明日香:そうか?

アキラ:ああ。なんか、騒がしくないし、静かだし‥なんか・・・こう・・・・

大地の力ってのを感じる・・・気のせいかもしれないけど。

明日香:ほう・・・大地の力・・かんじれるのか? 

おもしろいことを言うな そなた。

アキラ:あのさ!明日香さん!また・・ここに遊びにきてもいいかな?

明日香:(笑)ああ。かまわないぞ。墓前供養の依頼がない限り、わらわは、いつでも、ここにいるからな。

アキラ:そうか!それじゃあ、毎日くるとしようかな!!

明日香:(笑)ああ。承知した。わらわは、歓迎するぞ。毎日、くるがいい

アキラ:ありがとう。あ、いっけね。もうこんな時間だ!

明日香:ど、どうしたのじゃ?

アキラ:すまない、やりかけにしていた仕事があったんだ。今日はもう、いかないと

明日香:そうか。残念だ。

アキラ:あれ?ひとりなのか?

明日香:ああ。できれば、頼れるものがほしいところだが・・・

アキラ:そっか。でも、大丈夫。お前さんみたい、ベッピンさんなら、相手はすぐ、みつかるよ!

明日香:そ、そうか?

アキラ:ああ。俺はそうおもう。じゃあ、今日はこれで。

明日香さん、俺は、明日以降、またかならずここに来るよ

明日香:ああ。待っている。

明日香:いつの間にか、陽は傾き始めていた。私は片づけを急ぐ。

夜になると、なんにも見えなくなってしまうからだ。

私は縁側に置いたつづらのひもを解く。

中には日用品が収められている。生活に重要なものは、母屋に配置する。

一番迷ったのは、魔力を秘める魔術礼装の置き場所だ。

置き場所を決めてしまえば、そこが魔力の拠点となる。

明日香:どうするか・・・っていっても・・・一人だしな・・・・

頼れる奴も・・・ここにはおらんからな・・・貧弱そうなやつは困るし・・・

あとは、不誠実なやつもお断りじゃ・・・はて・・どうするか・・・

アキラ:俺は、明日以降、またかならずここに来るよ

明日香:そうだ!そうじゃ!!その手があった!!

アキラ:翌日の昼・・・ボクは見知らぬ人の来訪をうけていた。

アキラ:なんだって・・・この辺じゃ見ない超べっぴんさん?

巫女姿で日傘をさしてる?どこか不思議な雰囲気のひと?

あとにするよ。今行くって、適当にあしらっておいてくれ。

明日香:適当にあしらっておくというのは。失礼ではないか?

アキラ:!!!ええええ???

明日香:こんにちわ。邪魔するぞ?

アキラ:明日香さん!どうして、ここに?

明日香:どうして!?は 無いであろう?お主が今日も神社に来ると言うておったからまっておったのに・・・、なかなか来ないではないか。

アキラ:あ・・・

明日香: あまりに待っておったら、待ちくたびれて、こうして、ここまで来てしまったわい。

アキラ:それはそうだよ!だって、この時間は仕事している時間帯だから!

明日香:なんと!?わらわにウソついたということか!?しまった!わらわとしたことが、もてあそばれてしもうたとは!!

アキラ:明日香さん!それは言いがかりだよ。仕事が終わったら、今日もちゃんといくからさ!

明日香:それはまことか?今度はウソは無しであるな?

アキラ:無しだよ!ウソは無し!頼むから信じてくれよ!まったく、人聞きのわるい!!

明日香:ほう・・・今度こそは本当に本当なのじゃな

アキラ:そうだよ。本当に本当だよ。ここはおいらの御心(みこころ)に誓って、かならず!

明日香:おお・・お主、誓ったな。それなら、わらわも信じよう。信じた証(あかし)として、ここで待たせてもらおう。よいな。

アキラ:明日香さん・・・・!!・・・しょうがないなあ。いいよ。オッケ。了解したよ。

明日香:では、遠慮なく。アキラ。わらわは、ここにおるからな。早くしてくれ。

 

アキラ:4時間後・・・

アキラ:おわった~

明日香:・・・ご苦労。ご苦労。では、参ろうか。

アキラ:ああ。行こう。

 

アキラ:ついた。お邪魔します!っと。!! 火が出てる!火事だ!!火事になるぞ!たたた大変だぁ!

明日香:これ!!アキラ!なにを取り乱しておる!

アキラ:だ、だ、だ、だって・・火が火が出てるんだよ!火が!

明日香:火?ああ、なんだ、あれか・・・

アキラ:あれかって・・

明日香:まあ、いい・・・実はな、あれはだな、本物の火ではない

アキラ:ええっ・・ニセモノの火なんてものがあるのか?

明日香:ああ。ある。例えば、あれは、魔力のともしびといって、われらの活力の源になるものなのだ。だから、さわっても熱くはない。

アキラ:ほ、ほんとうなのか・・・

明日香:ああ。試してみるか?

アキラ:・・・!本当だ!熱くない!!

明日香:(笑)どうやら信用してくれたみたいで良き良きだ。

 

アキラ:ところで・・・さっきからなんだか、視線を感じるんだが、気のせいなのかな?

明日香:たぶん、そうだとわらわは思う。

アキラ:ふむ・・・ま、いいか・・

アキラ:このとき、僕たちの知らないところで大変な陰謀が動こうとしていたのだが・・そのことは、今のボクには気づくことすらできなかった。

<戸を叩く音>

蓮鳳:いるか?

男:ああ。

蓮鳳:親方さまからの命令だ。明日、神社に交渉に行け。多少の損害は可とする。だそうだ。

男:ああ。わかった。

 

明日香:翌日、わたしは、チンピラたちの来訪をうけていた。

男:ねえさん。たのむから、ちょい土地わけてくんね?こまってるひとたくさんいるんだよ?

これからの未来のための子供たちへの募金として、さぁ?

明日香:なにが子供たちのためだ!大方、売春宿でも作ろうとしているのだろう?

男:なんだと!?てめえ、いわせておけば! ものども、やれ!やっちまえ!

アキラ:ちょーいとまちいや!

男:ン!? 誰だてめぇ!

アキラ:誰でもいいさ。おう?みれば陣馬組の諸君じゃないか。

ここは神聖な場所だぞ?君たちみたいな外道が来るところじゃないぞ?

アキラ:ふんっ!!

男:イデイイデイデ・・・・!

アキラ:ほれ?さっさと立ち去らねえと、腕の一本が折れちまうよ!

男:く、くそ!おぼえてろ!

 

アキラ:大丈夫か?明日香さん

明日香:・・・ありがとう・・・なのじゃ。

アキラ:ともかく・・・なんともなくって、よかった。

明日香:アキラも・・・・怪我はないのか?

アキラ:あ、ありがとう。・・・けがのほうは大丈夫です!

明日香:ウソは ダメじゃ! 血が出ているではないか! ほれ!

アキラ:とにかく、大丈夫です。

明日香:ダメじゃ!とにかく止血なのじゃ! ほれ!じっとする!

アキラ:あ、ああ・・・・

 

明日香:よっし!できた! 我ながら完璧じゃ!

アキラ:あ、ありがとう。 助かったよ。

明日香:もう! 無理するでないぞ。

アキラ:あっ・・・はい・・・・

 

そのころ、神社よりやや離れたほこらでは・・・

男:はあ・・・はあ・・・はあ・・・・

蓮鳳:おまえたち・・・・帰ってきたか。成功したか?

男:いえ・・それが、その・・・失敗してしまいました!

蓮鳳:なんだと・・・

男:いえ・・・スイマセン!!

蓮鳳:ふざけんなよ!ばかが!

男:ひぃっ!

蓮鳳:失敗しただと?すいませんだと!?それで済むとでも思っているのか!?このバカヤロウ!!

男:すすす・・・すみません

蓮鳳:・・・・・さがってよし・・・今日限り、二度と来るな!

男:すすす・・・すみません!!

<間>

蓮鳳:親方様・・・いらっしゃいますか

降魔:おおお!蓮鳳!?どうした?

蓮鳳:すみません・・・陣馬組を用いた戦術は失敗しました。

降魔:そうか・・・・別に、わしは よい・・・・

蓮鳳:親方さま・・・・

降魔:許してやる・・・

蓮鳳:親方様・・・・いま、なんと・・・?

降魔すべての戦略をゆるしてやる!それで、なんとかしてこい!!

降魔:は、はい!わかりましたぁ!!!

降魔:・・・さがってよし・・・・

降魔:・・・人間、アキラ・・・えええい!いまいましいい・・・・

 

 

アキラ:ふう。ごちそうさま~

明日香:お粗末様。スゴイ食欲なのじゃ。ビックリじゃ。

アキラ:今日はありがとう ごちそうさま

明日香:こちらこそ ありがとうなのじゃ。

あの、アキラ・・・・

アキラ:え?

明日香:明日も、かならずくるのだぞ。いいな・・・・

アキラ:(笑)わかったよ。

 

 

アキラ:同じ時、神社からやや離れた場所にて・・

蓮鳳(コウエン?クエン?):お呼びでございますか?降魔(ゴウマ)さま

降魔:おお!呼んだとも!近こう寄れ!近こう!!

蓮鳳:はっ!では、失礼します。

降魔:ふむ・・汗の臭い・・そなた、隠密の修行は欠かさず、磨いておるようだな?

蓮鳳:はっ・・・恐れ入ります。

降魔:なあに、かしこまることはない。そなたが強く、強く研ぎ澄まされることは我にとっても喜ばしき事。武器が鍛錬されることにわるいことはない。今後も、十二分に鍛錬せよ

蓮鳳:はっ! 御身御心(おんみ みこころ)のままに!

降魔:うむ。それでよい。

降魔:さて、蓮鳳よ・・・此度、お前を呼び出したのはほかでもない、任務を授けるためだ。こころして、受けるがよい

蓮鳳:はっ!

降魔:さて、その任務だが・・・

例の三重神社(みつえじんじゃ)・・・高位の巫女が派遣されてきたらしい。

蓮鳳:なんですって・・・・

降魔:かねてから申しておる通り、あそこに巫女が赴任してきた場合、土地の有効活用に関する交渉は成立が難しくなる。わかるな?

蓮鳳:はっ。本来、この土地というものはこの地に住む住民のもの。でしたよね?

降魔:そうだ。ゆえにそこに点在する寺や社(やしろ)は、住民の厚意で存在しているに過ぎない。したがって、この三重神社のように広大な敷地をもってする神社はいたずらに無駄遣いを行っていると言わざるを得ない。

蓮鳳:そのために、神社を襲撃する、でよろしいですよね?

降魔:ああ、そうだ。三重神社には多少の損害を被ってもらうのだ。なに、命まではとらん。これは我が神にかわって、下す、簡単な措置にすぎんのだから。

蓮鳳:まことに すばらしき 考えに ございます。

降魔:蓮鳳。いまいちど、そなたに命ずる。三重神社の襲撃を開始しろ!戦術はそなたにまかせる。確固たる打撃を示せ!

蓮鳳:御意。

 

アキラ:翌日・・ボクは夕飯を三重(みつえ)神社でいただいていた。

アキラ:ほむ・・ほむ・・・いやぁ すまないな。夕飯までいただいちゃって。べつに・・いいのか?

明日香:ああ。べつに。かまわぬ。

アキラ:すまない。自分は特に、好き嫌いがなくって。だから・・余計に・・たべてしまう・・・

ツキ:そうだ! まるで 妖怪かとおもったぞ!

アキラ:え?えええ???

ツキ:まったく・・・これだったら、もう一回ゴハン焚かなくちゃいけないじゃないか!

アキラ:ゴ、ゴメン!

ツキ:まったく・・・ゴハン焚くのもラクじゃないんだぞ~~

はじめチョロチョロ中パッパ赤子泣いてもフタ取るな。

もう~ 音に敏感なオイラがこういうのに慣れるの、すっごい大変だったんだからな!

アキラ:ゴ・ゴメン・・・・って!!キ・・キツネが。。人の言葉を・・しゃべった・・・

ツキ:なんだよお。キツネがしゃべったらダメなのか?それとも、おまえ、やんのか?

明日香:ツキ!まったく・・その辺にせんか!

ツキ:主(あるじ)様!

明日香:夕飯のことはもうよい。ここにあるだけで十分じゃ。

ツキ、そなた、今日はご苦労だった。休んでよいぞ。

ツキ:了解しました。では!・・・ドロン!

アキラ:え・・・なに!? キツネが・・・今度は紙切れになった・・・?

明日香:ン・・・?どうした?アキラ?

アキラ:あのさ・・・明日香・・・これは、どういう・・・

明日香:あ、そうか・・・アキラにはまだ言ってなかったな。

こいつ、ツキはな、式神(しきがみ)なのじゃ

アキラ:式神!? あの、陰陽師がつかうやつ!?

明日香:ああ。その通りだ。ほれ。

アキラ:おおお・・・!初めてみた・・・

明日香:そうか。(笑)

アキラ:ああ!

明日香:・・なあ、アキラ。今宵はもう遅いし、神社で休むのはどうじゃ?

アキラ:え!えええ?いいのか?

明日香:ああ。どうせ広大な敷地の割に、住むのはわらわだけというのは、いささか寂しいものじゃ。もっとも、そなたさえよければ、じゃが・・・

アキラ:俺はかまわないぞ。むしろ、この神社のこととか、話はたくさんききたいことがあるからな。

明日香:了解した。今宵なら、なんでも答えよう。

アキラ:ようし!

 

明日香:それで?なにから聞きたいんだ?

アキラ:まずは昼間のことだな。やつらはいったい誰なんだ?いったい、何を目的にここに来たんだ?

明日香:やつらは「陣馬組」の連中じゃ。めあてはこの敷地らしい。

古めかしく、カビ臭い、こんな神社なんか保持しておくより、もっと民たちが楽しめる娯楽をつくったほうがいい、と彼らはいうのじゃ。

アキラ:娯楽施設がいい?計画もなしにどんな施設を作ろうというのだ?どうせ、おおかた、フーゾクでも作って儲けようと考えておるのだろう。

明日香:フーゾク?フーゾクとは、どんな建物なのじゃ?

アキラ:ええっつ・・・おまえ・・・知らないのか?

明日香:うむ。初耳じゃ。ぜひぜひ教えてたもれ。

アキラ:フーゾクとはだな・・・男と女がだな、あんなことしたり、こんなことしたり・・・

明日香:あんなことやこんなこと? ああ!風に属する者たちが、訓練するところということじゃな!? なーるほど。

アキラ:・・・ああ。そういうことに・・・しておいてくれ・・・・って!!

明日香:どうしたのじゃ!? ン!?焦げ臭い!なんのにおいじゃ?

アキラ:!?空が赤い・・・!!わかった! 山火事だ!

だれかが火を放ったんだ!!

明日香:なんと!?

アキラ:このままじゃ、こっちにまで火が来る! 今のうちに逃げるんだ!

明日香:・・・アキラ。それはダメじゃ。

アキラ:明日香!!

明日香:わらわは 社の主。そんな簡単に逃げ出してどうする。

アキラ:ば、バカな!死ぬ気か!?

明日香:否!わらわはこのようなことでは、死なぬ!

わが名は明日香!巫女の名において命ずる! いでよ「ヒスイ!」

 

ヒスイ:ヒスイ。ここに参上。

ひさしぶりね。明日香。

明日香:ええ。久しぶり!でも、今はあれが先!お願い。力を貸して!!ヒスイ!

ヒスイ:そうね・・・では!!
わが名は すべてを愁い(うれい)て天に昇る 水の竜「ヒスイ」!

その力、幽遠(ゆうえん)の悲しみの連鎖を断ち切り、

回生(かいせい)の泉をのちからを いまこそ発動す!

奥義! エメラルドスプラッシュ!

 

アキラ:はあ・・・はあ・・・はあ・・・

明日香:・・・・やった・・・終わったわね・・・

アキラ:・・・たく・・朝日が目に染みる・・・

わかっただろ・・やつらは本気だ!!神社ごと・・潰しに来ているぞ!

明日香:ええ・・・そのようね・・・

アキラ:しかし・・このような状況になっては・・・だれがやったのか、しっぽだってつかめないぞ!

明日香:そうでも・・ないぞ。

ハヤト!(口笛)

アキラ:ハヤトって・・・!カラスのことか!!手なづけているのか・・・すっげえな!!

ハヤト:カアカア!およびでございますか。主様

明日香:ああ。ハヤト。先ほどの火事のことは知っているわね。その犯人を知りたいの。わかる?

ハヤト:ええ!わかります。犯人は忍びの者です。火をつけてから、あたふたと逃げていきました。

明日香:どこに隠れたか、わかる?

ハヤト:もちろんです!追撃しますか?

明日香:やりたいのは、やまやまだけど・・・この片づけが・・・ねえ・・・・

アキラ:俺ならいけるぜ!

明日香:おねがいできる!?

アキラ:まかせとけ!。ハヤト!よろしくな。

ハヤト:ああ。アキラ。よろしく。さあ、いくぞ。

 

アキラ:なあ、ハヤト・放火した忍びが逃げ込んだ場所は遠いのか?

ハヤト:いや、それほど遠くない。ここから半刻ほどで着く。

アキラ:そうか。ようし・・・

ハヤト:アキラ。決着をつけるつもりか?

アキラ:それはそうだ。放っておいて良いことは決してないからな。

ハヤト:そうか。では、いいものをやる。おいらの足についている飾りを取れ。

アキラ:飾り・・・?ああ、これか。

ハヤト:それは、犯人が落としていったものだ。いい証拠になるだろう。

アキラ:ああ。ありがとう。

ハヤト:この道をこの方角へ行け。そこに犯人たちの集落がある。

アキラ:わかった!!

 

アキラ:集落といったな・・・あそこか・・・。

アキラ:!?ちょっと待て!あそこにいるのは!!もしかして!蓮鳳じゃないのか!?

蓮鳳:!?人の気配・・・!だれだ!お前は!!

アキラ:蓮鳳!やっぱり蓮鳳じゃないか!!

蓮鳳:もしかして・・アキラ兄さん・・・

アキラ:そうだ!おれだ!アキラだ!!

蓮鳳:ちょっとまって!!・・・ここにいて・・静かに・・いいわね。

アキラ:ああ。わかった。

蓮鳳:・・・こっちの見張りはいいわよ。それより、向こうのほうで応援がほしいって言ってたわ。そっちにまわって。

蓮鳳:・・・・・これでよしっ

 

アキラ:蓮鳳!

蓮鳳:兄さん!久しぶり。今までどうしてた?元気だった?

アキラ:ああ。元気だったよ。ずっとお前を探していたんだ。

蓮鳳のほうこそ、元気だったか?今はどうしているんだ?

蓮鳳:私のほうは、あれから、いろいろあって・・・今は忍びをしているわ。

隠密行動、陽動工作・・・そういうのに身をやつしているの・・・

アキラ:おまえ・・・ すまない。兄さんは全然力になってやれなかった。

蓮鳳:いいわよ。全然。 いまさらのことだし。

アキラ:蓮鳳!

蓮鳳:だって、あのとき、兄さんは力を持っていた?おカネを持っていた?エライ人との絆は?

アキラ:そ、それは・・・・

蓮鳳:ないでしょ?無かったでしょ?

アキラ:すまない・・・

蓮鳳:あやまらないで。それが、私たちの生きる道だっただけだもの。

アキラ:蓮鳳・・・・俺は・・・・

蓮鳳:なあに?いまのほうが、昔よりも勇気があるから、信じてくれって言いたいの?

アキラ:それは・・・・

蓮鳳:ほらね。かわってない。

アキラ:ぐっ・・・

蓮鳳:あるのは結局、口だけ。空威張り(からいばり)。

アキラ:・・・じゃあ、お前はどうなんだ。

蓮鳳:・・・・

アキラ:おまえだって、結局は自分の運命からは抜け出せてはいない。そうだろう?

蓮鳳:・・・・・

アキラ:忍びの道に・・・・埋没しているのだろう・・・?

蓮鳳:・・・・・

アキラ:いつまでも 時を重ねても 陽の当たる場所へは 出ることができない・・・

蓮鳳:・・・・・

アキラ:それでいいのか?お前は・・・

蓮鳳:・・・・ないよ

アキラ:!?

蓮鳳:良くなんか・・ないよ・・・・

アキラ:えっ・・・

蓮鳳:籠の中の大鳥(おおとり)は、いつまでもとどまってはいないということよ・・・

アキラ:どういうことだ・・・・

蓮鳳:時は来たれり・・・ 明日の晩・・かならずここに来て・・・

アキラ:えっ・・・

蓮鳳:(食いこんで)裏切りは・・すなわち、死。いいわね・・・

アキラ:・・・わかった・・・

 

明日香N:翌日・・・そんなやり取りがあったなんて、全然知らない私がいた。

その日私は、太陽が傾いても、なお来ない、おなじみの姿に、ヤキモキするばかりだった。

明日香:アキラ。遅い。遅すぎるぞ。なにをしておるんじゃいったい。

コーエン:あの・・お館さま・・・

明日香:おお。コーエンか。どうしたのじゃ

コーエン:あの、本日の 務め 終了にございます。まずは、ご報告まで。

明日香:おお、そうだったか。ご苦労だった。もう、休んでいいぞ。ツキと交代するがよい

コーエン:ありがとうございます。しかし、その前に、一つだけ重要な報告がございます。

明日香:ほう・・・なんじゃそれは。言うてみよ。

コーエン:恐れながら・・・このような文が届いておりました。どうぞ。

明日香:なになに・・明日香さま、あなたから離れる自分をお許しください・・・

あて名は・・?なっ!!アキラだと!!

アキラ:先日の山火事の主犯はわが妹だとわかりました。

妹ととは家庭の事情にて、幼きときに別れたきり。

再会したのはつい昨日のことでございます。

妹は忍びとして社会の闇に生きていました。

 妹の罪は身内がどうにかしなければなりません。

 どうか、お堪え(こらえ)のほどを。

明日香:なんと・・なんと・・・なんと!!

馬鹿じゃないのか!?あいつ! よりにもよって忍びの里に単身乗り込もうなど・・自殺行為にもほどがあるだろっ!

おい!コーエン!

コーエン:はっ!コーエン、ここに!

明日香:いますぐ、すべての式神を呼び出せ!ツキもだ!

そして、悪いがコーエン、お前はこの件が終わるまでツキとの交代はなしだ!

コーエン:はっ。すべて、了解した。

 

明日香:みんな,そろっているか

コーエン:ああ

ツキ:コン!

ハヤト:おれもいるぜ

ひすい:私も。

明日香:では、はじめようか。まずは概略からだ。

わたしの友人、アキラが忍びの里に行って帰ってこない。

とらえられたものと、推測する。ゆえに、これを救出したい。

ハヤト、状況を

ハヤト:忍びの里はここから1刻ほどで到着する場所にある。 俺がアキラと最後に別れたのは里から半里の場所の林だ。

ツキ:すると、そこからアキラのやつは里を急襲したというのか。バカなやつめ

コーエン:こら、ツキ。そんなわけないだろ。アキラだって狂人ではない。得体のしれない場所に忍び込んだりはしないだろう。こうするに至ったのには、きっと、なにかの理由があるんだ。

ヒスイ:あたしもコーエンの意見に賛成だわ。きっと、里に行くなにかの理由があったのよ

明日香:いずれにせよ、アキラが何と遭遇したのか、知りだすために、現場にいってみましょう。

ハヤト:賛成だ

ツキ:しっかたねえな!コン!

コーエン:もったいぶるなよ。ツキ

ヒスイ:あたしもいくわ。行くけど、戦闘時には十分注意してね。あたしは陸の上ではお荷物にしかならないから。いいわね?明日香?

明日香:ええ。でも、問題は、いつ、攻め込むか、ね・・・

コーエン:攻め込むのなら、夜間がいいだろう。俺たちの魔力も増大するし・・・

ツキ:コン!でも、あいつら、シノビだぜ?夜の戦いは強いんじゃないのか?

コーエン:それはあくまで人間同士での戦いのはなしです。

我らが彼らと一戦を交えて、負けることはありません。

しかし・・・

ヒスイ:大軍で来られた時は、その限りではない。かな?

コーエン:(笑)さすがはヒスイどの。その通りです。

われわれは式神であり、人にあらざるものです。しかしながら、妖(あやかし)ではありませんので、単体ではそのちからはそれほど強くありません。つまり・・・

ヒスイ:戦略なくしては、勝利はない。こう言いたいのね?ボウヤ

コーエン:ええ。理解が早くて助かります、

 

明日香:私は皆を式に下らせてから、出発する。
普段は夜になると全く見えない、けものみち。しかし、いまの私は魔力のおかげで普通に見渡すことができるようになっていた。
 やがて、声が響く。
ハヤト:主様!もうそろそろ例の地点です。ここから、忍びの里が一望できます~
明日香:そうか・・・では・・・
明日香N:しのびの里ではかがり火が焚かれている。つまり、それはいつでもここに戦の備えがあることがうかがえた。
明日香:さて・・どうやって忍び込むか・・・?
そのときだった。明日香の耳に声が響いた。
コーエン:明日香。おい、明日香!
明日香:なによっ!
コーエン:何か臭う。変なんだ。おい、ツキ。君はどう思う?
ツキ:オイラもそう思うな。
コーエン:明日香。悪いことは言わない。行動するのはちょっと待て。ハヤテ。偵察をたのむ
ハヤテ:りょうかいだよっ!
ヒスイ:ちょっとちょっと?なんかすごい魔力が感じられるわよ?魔術師同士の戦いでもあるっていうの?こんなの聞いてないわよ?
明日香:どういうこと?
明日香N:私ははやる気持ちを押さえて、そこにいるのがやっとだった。

アキラN:明日香たちが困惑している、それより少し前・・ボクは牢屋で音もたてずに寝そべっていた。
アキラ:おいおい・・勘弁してくれよ。あのオテンバ。今日は闇夜じゃねえか。こんなんでどうしようっていうんだよ。頼むぞ。アイツ・・・
蓮凰:オテンバで悪かったわね。
アキラ:蓮凰!
蓮凰:・・・これからここを脱出するの。いい?ここから先は、私のあとについてきて-
アキラ:ああ、ああ・・・。
蓮凰:いくわよ。3、2、1・・・
降魔:フフフフ・・・ハッハッハッハ!!
蓮凰:ご、降魔!?まさか・・・見つかった!?
降魔:目をつけておいて正解だったよ。蓮凰、お前、この間だけは侵入者の扱いが違っていたからな?いつもは、有無を言わさず、切り捨てていたのにな?
アキラ:な、なんだと・・・本当なのか?蓮凰?
蓮凰:・・・・。
降魔:ハハハハハ・・・だから、お前は、血が目立たない服装がいいというから、お前の戦闘服は黒と赤なんだぜ!?
アキラ:蓮凰・・・
蓮凰:・・あいつの言っていることは、本当よ・・だって、そうしないと、生きられなかった。敵に温情を与えたことで、死んでいった仲間はたくさんいた・・・
アキラ:そうか・・わかった。蓮凰、よく言ってくれた・・・
蓮凰:・・・。
アキラ:降魔よ。貴様のそのセリフに真実のひとかけらもありはしないのだろう?わかっているさ!
降魔:なに?
アキラ:聞けば、すべて、キサマの強要によるものだったそうじゃないか!このばあい、むしろ非はキサマにある!よくも妹の心をもてあそんでくれた!
蓮凰:!!・・にいさん・・・
降魔:ムムムムム・・・我のことを恐れずに理屈をこねる不届きモノめ。滅べ!滅び去ってしまえ!!
蓮凰:あぶない!にいさん!!
アキラ:蓮凰!!!
降魔:ほう!兄貴のために結界を張ったのか!・・でも。それでは長くはもたん!!

蓮凰:いいのよ・・それで。私はわずかな時間がほしかっただけ・・・
蓮凰:もう・・これまでよ・・もう、たくさん!!降魔!!
降魔:なにぃ?きさま!誰に向かって口を聞いている!?命が惜しくなくなったのか!?
蓮凰:いいえ。命をかけてまで守るものがあることに気づいただけ。・・そう、この身をかけて、守るものがね・・・
アキラ:・・・蓮凰!なにをする気だ!
蓮凰:・・大丈夫。ちょっといままで覚えたイチバンなものを放出するだけだから・・・
アキラ:蓮凰!イチバンってなんだんだ!?放出って・・なんなんんだよぉ!?
蓮凰:いくわよ・・降魔!
蓮凰の呪文詠唱:超克(ちょうこく)せよ!世の理(ことわり)を具現(ぐげん)せよ!わが古(いにしえ)の血よ!・・・炎術奥義(えんじゅつおうぎ)鳳凰天翔(ほうおうてんしょう)!
降魔:ぐおおぐおおおおお!!
あつい・・あつい・・あついあつい・・・
な、なんて炎だ・・・
蓮凰:この炎は魔力の炎。おまえの魂まで焼き尽くすだろう・・!
降魔:ぐ・・・ぐううううううう・・・
なんの・・これしき・・・
蓮凰:苦しいだろう?熱いだろう??いままで犯した罪の業(ごう)を思いしるがいい!
降魔:なにを生意気な!小娘ごとき!!!はあああっ!!
蓮凰:!?黒い槍!?しまった!その方向には!
降魔:うおおおおお!
蓮凰:いけない! 強化結界発動!!
降魔:ふっ!かかったな!
蓮凰:ぐ、ぐあああああああ!!
降魔:キサマの身内を狙うと見せかけた騙し討ちだ・・・どうだ?炎使いよ。自分の炎に焼かれるきもちは?
蓮凰:くそう・・くそう・・くそう!!
くやしいくやしいくやしいくやしい・・・!
降魔:泣け!わめけ!そして、絶望の縁で眠るが良い。永久に、はかなく・・・
蓮凰:あああああ!!あああああああ!!
降魔:そして・・・冥土へ行くおまえのために、ささやかな贈り物をあげよう・・・せえぃ!
蓮凰:ごめんね・・・にいさん・・・先に・・逝ってる・・・

ヒスイ:魔力の発言がとまった・・・
コーエン:ハヤト!どうだ?
ハヤト:屋敷に動きなし!どうやら戦いは終わったみたいだ!
ツキ:もう・・安心だとおもうコン。
コーエン:よし・・・明日香様。もう大丈夫でございます。
明日香:よし・・行こう・・・
アキラ・・まってて・・・・

コーエン:あ、あそこに・・動いているものがおりますぞ!
ハヤト:な、なんだって!?生きているのか?そいつは!?こっちからはそんなもの、感じることができなかったぞ!?
明日香:アキラ!アキラではないか!?
アキラ:あ、明日香・・・良かった・・また会えた・・
明日香:・・・きれいな顔じゃ。本当によかった・・・さあ、帰ろうぞ。一緒に・・
アキラ:待ってくれ・・その前に伝えなきゃいけないことがある・・
明日香:な、なんじゃ?申してみい・・
アキラ:黒幕は・・降魔という妖だ・・・忍者を多数配下にしている・・奴らはみんな術を心得ている。人間業ではないから、おそらく、降魔が使役した使い魔といったところだろう・・・
明日香:うん・・うん・・
アキラ:降魔のヤツは、金をたくさん集めていた・・おそらく、貧乏な武士や浪人を買収して施設軍隊でも作ろうというハラだろう。
明日香:な、なぜそんなものを組織しようというのじゃ・・・
アキラ:神社を占拠するためだ・・・
明日香:どういうことじゃ
アキラ:君たちを追い出して・・降魔は自分の拠り所を作ろうとしているのだ・・
明日香:そんな・・
アキラ:広大な敷地ゆえ、直接占拠はむずかしい。なれば、下等人間どもによる間接占拠を行う・・・やっこさん、スバラシイ 悪知恵だ・・・
明日香:そこまで調べてくれたのか・・ありがとう・・さあ、帰ろうぞ。このあとは、共に戦うのじゃ。われの命令ぞ・・
アキラ:もう・・・夜明けか・・・残念ながら。それはできそうにない・・・
明日香:ど、どういうことじゃ!
アキラ:みろよ・・おなかに一発、やられてな・・・もう・・このとおりだ・・・
明日香:そ、そんな・・・
ハヤテ:おなかに槍の突撃・・ひ・・ひどい・・・
ツキ:どうにかならないのか?コン!

コーエン:残念ながら・・これは、無理だ。生身の人間なら即死だ。あの人が生きているのは、降魔の呪いのせいだ・・
ヒスイ:・・・なにがいいたいの?
コーエン:アキラはすでに・・死んでいる・・・
明日香:そんな・・アキラ!!先に逝くなど、ゆるさぬゆるさぬぞ!!
アキラ:悪かったな・・・もし叶うなら、こんど会ったら、ずっと一緒にいたかったな・・ハハハハハ・・・時間だ・・じゃ・・サヨウナラ・・・
明日香:アキラ!アキラーーーーーーー!!
コーエン:恵みであるはずの太陽は、このとき無慈悲にもアキラの体をいっぱいに照らすのだった。
涙にくれる明日香たちをおいて、今日という日は、また始まりを告げるのだった・・・
この話の続きは、またこんど・・・・
前編 おわり


アキラ>2020年7月のことだった
ユウキ:とある地方都市でおきた一つの事件
ツカサ:それは 日常であって日常でない事件
アキラ>それは 桜通りという通りで起きた事件
 ボイスドラマ さくらあやかし
ユウキ:おい、ツカサ。
ツカサ:なんだよ ユウキ
ユウキ:ここ、なんてよばれてるか知ってるか?
ツカサ:ここか?おれしらない。
ユウキ:じつはな、ここ桜通りとよばれているんだ
ツカサ:桜通り、だと? ばかな でも、ここでは桜の木なんか
どこにもないじゃないか デマじゃないのか?
ユウキ:それでも、呼ばれているんだから、嘘なんかじゃない
アキラ>おい・・・そこのひと・・・
ユウキ:ん・・・だれだ?
ツカサ:あんた・・・だれ??
アキラ>ここの近くに住んでいるものだ。
ユウキ:ここのちかくに・・・?
ツカサ:あ、あの・・・ここ、桜通りとよばれているんですよね?
アキラ>まあ、そうだが・・・・
ユウキ:桜も植えられていないのに・・・どうして、ここが桜通りなんだ?
ツカサ:そうそう、ここに植えられているのはヒガンバナだけ・・・
アキラ>なるほど、ヒガンバナが植えられていることは しっているのか
あの血のはなを・・・
ユウキ:だったら・・・どうだというんだ・・・
ツカサ:血の花と呼ばれていたんだ・・・あれ・・・
アキラ>さくらとは ほんらい 薄紅のもの・・・・
しかし・・ほんとうは・・・だな・・・
ユウキ:ほんとうは・・・・?
ツカサ:ぐ・・・ぐあああ!!!
ユウキ:ツカサ!!
アキラ>サクラとは人の血をすって、赤くなる・・・
だから、命が散るときにも 引用される・・・
ユウキ:ばかなあ・・・ばかなああ・・・ああああ!!
ツカサ:・・・・そうか・・・あいつが。。。さくらあやかし・・・
さくらのように散るさまを作り出す、殺人者・・・・


第七条~ユウキリミテッド レジテンドコード エピソード1 1-5 最終話
アキラN:
リーダーユウキが誰を殺るかで悩んでいる時
僕はあすかの神社を訪れていた。
アキラ:
こん!お邪魔してもよいかのう?
アスカ:
聞かなくても良い。もう入っておろうが。
アキラ:
そうか。では。

<間>
アスカ:
どうした?何をしておる?
こんな大切なときは総司令官たる、
あいつのそばにいて
やらねばいかんのではないか?
アキラ:
あいつは大丈夫だ。
今は一人で考えたいって言うことだし・・
第一、さっきまで一緒にいたしな

アスカ:
そうなのか。
それはそれは意外だった。
アキラ:
ところで・・お主は大丈夫なのか?
アスカ:
何がだ
アキラ:
体調のことだ。
退院してから、まだ、そんなに経過していない
万全ではないのではないか?
アスカ:
わらわは大丈夫じゃ。
余計な詮索は良い
アキラ:
そんなわけにはいかない!
あれほどの閃光を浴びたんだ・・・
並の人間なら、おそらく一生寝たきりの
レベルなんだぞ。あの事故は
お前だから平気でいられている・・・
アスカ:
ま、まあそうだが・・・・
アキラ:
それも、踏まえてだ。おぬし
大丈夫なのか・・・!?
アスカ:
あいかわらず、くどい。
でも、それも優しさじゃな。
大丈夫じゃ。いざとなれば、お主の横で
戦う覚悟もできておるぞ
ほれ!!
アキラ:
アスカ・・・お前・・・巫女服の下に
戦闘服なんかまとっていたのか
アスカ:
あぁ。退院してからずっとじゃ。
巫女服のままでは戦えぬからな
アキラ:
お前・・戦闘行動がトラウマで、
巫女に退いたのではなかったのか
アスカ:
あのときはそうだったかもしれぬ。
しかし、今度ばっかりは
状況が変わったということじゃ。
後ろ向きに生きられる時代は
終わったということなのかもしれぬな・・
アキラ:
アスカ・・・
アスカ:
お!ちょうどいい体がなまってるところじゃ
ちょっと訓練がしたい一緒に付き合え
アキラ:
おいアスカしょうがないな・・・わかったよお
すN:
昼下がりの遊歩道
そこに差し込む陽光はさながら
自然のおくりものであった。
アキラ:
新緑の緑に燃え立つ並木道を走る。
ずっと前に隣で走った2人で。
そよ風が吹く。ぼくらに清々しい息吹を
吹き込んでくれた。。
アスカ:
時折そよそよと音を立てる広葉は
風、そよぐとき・・・
心地良い音を耳に響かせてくれていた
アキラ:
アスカ。どうだ苦しくないか
アスカ:;
ありがとう。大丈夫じゃ
昔が懐かしいな。あのころもこのように
一緒に走り込みをした
アキラ:
忘れてはおらぬぞ。
あの頃はいつも何かに燃えていたな
アスカ:
そうだったな!
時にはお主が、時には自分が
ライバルじゃったもんな

アキラ:
流れる汗をそのままに
僕たちは当時のことを懐かしんでいた
その時だった 。アスカが懐に持つ
スマホが不意に鳴り出した。
アスカ:
はいこちらあすか。はいはい!
なんですってヒカリが!?
分かりましたすぐに向かいます
アキラ:
どうしたんだ
慌ててしまって。
なにがあったんだ?
アスカ:
ヒカリが、店で・・・
いかなきゃ!
アキラ:
な、なんだと!ヒカリが!?
ヒカリ:
その頃・・
問題の渦中の私は
店のカウンターで寝そべっていた。
何があったのか?
ヒカリ:
・・・話はそう2時間前に戻る
ヒカリ:
ういーーーーー
同僚:
ちょっとひかる!飲み過ぎじゃない!!
いい加減にしなさいよ!
ちょっとあんた最近おかしいよ
ヒカリ:
おかしい?おかしい?何がおかしいの
同僚:
は?なにって、アナタがおかしいの!
ヒカリ:
そうかな私がおかしいのかな
考えてみなよ
いつも悪い事をしてる人よりも
普段真面目にやってる人のほうが
重いお罪にさせられる。
生きて欲しいやつが先に死に、
死んで欲しいやつが長く生きる
おかしいじゃないか
同僚:
とにかく落ち着いてお水を飲んで
ヒカリ:
落ち着いてじゃあ聞くわよ
あなただったらどうすればいいと思うの
同僚:
それは・・・
私にはそんな先のことはわからない
ヒカリN:
そのときだった
アキラ:
そこまでだ! ヒカル!
おとなしくしないとだめじゃないか・・・

アスカ(店員に向けて):
あ、どうもすみません。
太鼓の大会が隣町であったんですが、
我々のチームが敗退したとき、
彼女、ショックでここまで来てしまって・・
ども、すみません・・・
これ、お詫びです。
どうぞみなさんで・・・はい

ヒカリ:
何!?なぜ止めたのよ
アキラ:
だって当たり前じゃないか!
アスカ:
お酒飲み過ぎだし
あんなに荒れてるし
止めるのは当然でしょ?

どうして・・・どうして・・・
そんなことをしてくれるの?
私なんていてもいなくても
一緒の存在なのに・・・
アキラ:
ヒカル・・・何言ってるんだ?
アスカ:
どういうこと・・・ヒカル?
ヒカリ:
生きる価値がないってことよ!
どーせ、自分一人では
何も決められないし・・・
アキラ:
なにも・・決められない・・
なんのことを言っているんだ?
アスカ:
きっと、情報をひきだすところじゃ
キャバクラで接待したじゃろ・・
アキラ:
ああ・・
大して振るわなかったというやつか・・
アスカ:
しいっ!彼女が気にしておろうが!!
ヒカリ:
いつもそうなの!
正しいと思って動いても・・
いつも間違ってるから・・・
みんなに迷惑かけてばっかり・・
今回のだってそう・・・
私が男からもっと有力情報を
ひき出せれば良かったの!!
私にもっと色気があれば
私にもっと力があれば
展開は変わったかもしれないのに!
アキラ:
それは思いつめすぎだ!!
大いなる流れのこの歴史なんて、
一人の力でも変えられるわけはない。
アスカ:
それよりも今はその体を大事にして
作戦自体をおわらせることが
私たちの役目ではないのかや?
ヒカリ:
う・・うん・・
アキラ:
ほらわかったら・・・
泣くのはもう、よそう。な?
アスカ:
もうすぐ時間じゃ。
ささ、着替えて。もう行こうとしようぞ
ヒカリ:
うん・・・
アキラ:
すっかり落ちついた彼女を車に乗せると、
店長に謝る。
アキラ:
すいません彼女、なんか・・・
すごいことになっちゃって
・・・これは、心付けです・・・
:す
ちょっと昨日いろいろあったんですよ
なので、今宵はこれで失礼しんす。
お店にはご迷惑かけてしもうて
かんにんしとくれやす。
また、明日からよろしくお願いするで
ありんす。

アキラ:
さあ・・・行こう・・・
アスカ:
・・・招集の連絡でありんす・・・
アスカ:
わたしののスマホには暗号で次のようにあった
作戦決定。全員招集のことと・・・
(間)
私たちはアキラの車で作戦本部に向かう。
本部にはすでにを決したユウキの姿があった。
アキラ:
腹は決まったのがユウキ
ユウキ:
あぁ待たせたな。
て、あれ?どうして3人一緒なんだ?
アキラ:
まあ・・色々あってな・・な?
ヒカリ:
そそ!いろいろ・・あったの・・
アスカ:
女子には秘密はつきものでありんす
だから無益なことはよしなんし。
ユウキ:
わ、わかったよ・・・
では本題に。早速、
作戦概要の説明に入りたい
アキラ:
ほう・・で、どう攻める?
ユウキ:
此度のウイルスについて
この原因は、発現場所、
蔓延速度、感染症状について
いずれも、これまでにないものと
判明した。
ウイルスは単為発生しない。
突如の出現もない。とすれば・・・
アスカ:
だれかがバラまいたと
いうことじゃな?
ユウキ:
そういうことになる。
自然界ではないウイルス。
蔓延させた罪は万死に値する。
アキラ:
なるほど。把握した。
アスカ:
それで、決行の段取りは?
いつするんじゃ?
ユウキ:
今夜・・雪の降る武官たちの町で・・・
・・・大丈夫か? ヒカル?
ヒカリ:
・・うん・・大丈夫・・

ユウキ:
西暦2020年某日
ヒカリ:
中国武漢の町は、雪が降りしきっていた
アキラ:
とある交差点に一台の黒塗りの
クラウンがやってきた。
アスカ:
クラウンは、いつも通りに停車をしようとした
ユウキ:
しかしその時
いつもでない一日が起こった・・・
ヒカリ:
クラウンは、十分な車間距離で
ブレーキを踏んだ・・はずだった。
しかし、結果的にクラウンは
スリップを引き起こし、
停車中の軽トラにかるく衝突した。
アキラ:
その瞬間;軽トラから4人の黒ずくめ
の男女がクラウンを取り囲み・・・
アスカ:
次の瞬間、爆発、炎上・・・・。
ユウキ:
そして、
犯行に及んだ4人が車に乗りエンジンが
かかった、その瞬間・・・
ヒカリ:
その軽トラも爆発、炎上をしたのである・・
アキラ:
武漢からの警察と消防がその場所に訪れたのは
発生から15分後のことだった。
そして直ちに、ネットニュースで
このことが拡散される。
アスカ:
ウイルス研究所所員省庁幹部死亡。
ユウキ:
事態を憂慮した当局は、
直ちにこの事件に関する件で
情報の統制と箝口令を敷いた。
ヒカリ:
同時にこのネットニュースの拡散に手を貸した
いく人かが逮捕もしくは行方不明になった。
こうした当局の素早い操作によって
この事件は一気に収束する。
アキラ:
その後、ウイルス研究所の存在が
ニュースで騒がれることはなくなった
アスカ:
そしてそこの研究所幹部たちについても
その後その姿を見た者は誰一人としておらず
人々からの記憶からも急速に消えるのだった。

ユウキ:
次回予告!
ヒカリ:
その夜・・・
時空戦士の本陣では
盛大な先勝会が行われていた
アキラ:
先勝会が始まってから1時間。
酔いも回り、あたりの雰囲気も
やや落ち着いてきた頃・・・
アスカ:
レジデントのリーダーユウキは
ひそかにのバルコニーに座った。
ユウキ:
そして、そこに去来するのは
とある日の邂逅。
ヒカリ:
いつもであっていつもでない日の
始まりの日のこと
アキラ:
その日、いろいろな時代の人間が
いろいろの理由で集合した。
アスカ:
次回 レジテンドコードゼロ
すべては、ここから・・・
ご期待ください。


第七条~アスカユウキリミテッド1
レジデントコード エピソード1-1第4話

アキラN:
リーダーユウキが誰を殺るかで悩んでいる時
僕はあすかの神社を訪れていた。
アキラ>
こん!お邪魔してもよいかのう?
アスカ>
聞かなくても良い。もう入っておろうが。
アキラ>
そうか。では。

<間>
アスカ>
どうした?何をしておる?
こんな大切なときは総司令官たる、
あいつのそばにいて
やらねばいかんのではないか?
アキラ>
あいつは大丈夫だ。
今は一人で考えたいって言うことだし・・
第一、さっきまで一緒にいたしな

アスカ>
そうなのか。
それはそれは意外だった。
アキラ>
ところで・・お主は大丈夫なのか?
アスカ>
何がだ
アキラ>
体調のことだ。
退院してから、まだ、そんなに経過していない
万全ではないのではないか?
アスカ>
わらわは大丈夫じゃ。
余計な詮索は良い
アキラ>
そんなわけにはいかない!
あれほどの閃光を浴びたんだ・・・
並の人間なら、おそらく一生寝たきりの
レベルなんだぞ。あの事故は
お前だから平気でいられている・・・
アスカ>
ま、まあそうだが・・・・
アキラ>
それも、踏まえてだ。おぬし
大丈夫なのか・・・!?
アスカ>
あいかわらず、くどい。
でも、それも優しさじゃな。
大丈夫じゃ。いざとなれば、お主の横で
戦う覚悟もできておるぞ
ほれ!!
アキラ>
アスカ・・・お前・・・巫女服の下に
戦闘服なんかまとっていたのか
アスカ>
あぁ。退院してからずっとじゃ。
巫女服のままでは戦えぬからな
アキラ>
お前・・戦闘行動がトラウマで、
巫女に退いたのではなかったのか
アスカ>
あのときはそうだったかもしれぬ。
しかし、今度ばっかりは
状況が変わったということじゃ。
後ろ向きに生きられる時代は
終わったということなのかもしれぬな・・
アキラ>
アスカ・・・
アスカ>
お!ちょうどいい体がなまってるところじゃちょっと訓練がしたい一緒に付き合え
アキラ>
おいアスカしょうがないな・・・わかったよお
アスカN:
昼下がりの遊歩道
そこに差し込む陽光はさながら
自然のおくりものであった。
アキラ>
新緑の緑に燃え立つ並木道を走る。
ずっと前に隣で走った2人で。
そよ風が吹く。ぼくらに清々しい息吹を
吹き込んでくれた。。
アスカ>
時折そよそよと音を立てる広葉は
風、そよぐとき・・・
心地良い音を耳に響かせてくれていた
アキラ>
アスカ。どうだ苦しくないか
アスカ>;
ありがとう。大丈夫じゃ
昔が懐かしいな。あのころもこのように
一緒に走り込みをした
アキラ>
忘れてはおらぬぞ。
あの頃はいつも何かに燃えていたな
アスカ>
そうだったな!
時にはお主が、時には自分が
ライバルじゃったもんな

アキラ>
流れる汗をそのままに
僕たちは当時のことを懐かしんでいた
その時だった 。アスカが懐に持つ
スマホが不意に鳴り出した。
アスカ>
はいこちらあすか。はいはい!
なんですってヒカリが!?
分かりましたすぐに向かいます
アキラ>
どうしたんだ
慌ててしまって。
なにがあったんだ?
アスカ>
ヒカリが、店で・・・
いかなきゃ!
アキラ>
な、なんだと!ヒカリが!?
ヒカル>
その頃・・
問題の渦中の私は
店のカウンターで寝そべっていた。
何があったのか?
ヒカル>
・・・話はそう2時間前に戻る
ヒカル>
ういーーーーー
店員>
ちょっとひかる!飲み過ぎじゃない!!
いい加減にしなさいよ!
ちょっとあんた最近おかしいよ
ひかり>
おかしい?おかしい?何がおかしいの
ど:
は?なにって、アナタがおかしいの!

そうかな私がおかしいのかな
考えてみなよ
いつも悪い事をしてる人よりも
普段真面目にやってる人のほうが
重いお罪にさせられる。
生きて欲しいやつが先に死に、
死んで欲しいやつが長く生きる
おかしいじゃないか
店員:
とにかく落ち着いてお水を飲んで
ヒカル>
落ち着いてじゃあ聞くわよ
あなただったらどうすればいいと思うの
店員>
それは・・・
私にはそんな先のことはわからない
ひかりN:
そのときだった
アキラ>
そこまでだ! ヒカル!
おとなしくしないとだめじゃないか・・・
アスカ(店員向け)>:
あ、どうもすみません。
太鼓の大会が隣町であったんですが、
我々のチームが敗退したとき、
彼女、ショックでここまで来てしまって・・
ども、すみません・・・
これ、お詫びです。
どうぞみなさんで・・・はい

(間)

第七条~レジデントコード エピソード1 第3話

アナ>DDNデイトラインニュース。
こんばんはこの時間のニュースをお伝えします
医療現場で"あるマスク"が物議を醸しています。このマスク「KN25というもので、」通常は「N95」というタイプのマスクが使われますが、需給がひっ迫しているため、国や自治体が用意したマスクです。しかし、この「KN75」は密閉性があまいことから。
医療現場からは「使い物にならない」との声が次々と上がっています。
ユウキ>
医療体制崩壊の恐れ
ヒカル>
その悲痛な声を出すかから聞いたのは三日後のことだった
アキラ>
アスカが先日の爆発物捜査で受けた傷がまだいけるまだいける入院を余儀なくされていた
アスカ>
そこで彼女は看護婦たちの向きがいろんなものならぬ動きをしていることに着目していた
ユウキ>
何かに怯えている何かに混乱している何かの原因で右往左往しているその理由が何なのか私には分からなかった
ユウキ>
直ちに俺はお上に送信する。ジャッジの必要性ありと
ヒカル>
その時私はお店の方に入っていた。
そして最初は何の事か分からないでいた
アキラ>
その時拙者は道場の中で素振りの最中だった
アスカ>
爆発物の次は医療崩壊の危機・・・
ユウキ>
そして私は混乱の最中の病院・・・
ヒカル>
この街で一体何が起きようとしているのか
アキラ>
焦りだけが加速する時を刻ませていた
アスカ>
オリジナルオーディオドラマ
レジデントコード 第3話

ユウキ>
アスカが入院してから、3日の時間がながれていた。

アキラ>
連絡を受けてから20分後。
それがしは見舞いのものを持って病院の方に到着していた
アスカ>
ようやく来たかエロじじい
アキラ>
エロじじいはないだろう?・・・悪かったよ
アスカ>
良き。では入るが良い。
ユウキ>
ちょうどそのころ・・・俺も病室に到着していた・
ユウキ>
お二人とも・・ちょうど良かった。今、上の方から
正式にジャッジの要請が来た。これが資料だ。
あとは・・ヒカルか・・・
まもなくあいつも着くだろう。
それまでしばらく調査資料を見ていてくれ
ヒカル>
運転手さん早く早く。
その時私はようやく病院の駐車場に到着していた。
アキラ>
与えられたすの子葉双子葉には驚愕な事実が記入されていた
アスカ>
なんだと!?
今、この騒ぎの根元は まだ治療法の見つかっていない
新種のウイルスじゃと!?
どうしてそんなものが!?
・・・おぉ!こんなところにお噂をすれば
ユウキ>
あぁ ヒカル。
待っていたぞ~はい、これ資料。
・・・どうだった?聞き込みの方は 
ヒカル>
あぁ。資料ありがとう。
聴きこんでみたけどやはり例の病原体の被害が広がってるわ
各病院外来もうすぐ患者数が軒並み増えてきてる
アキラ>
外来が増える・・・!
・・・しかし特効薬がない・・・
とりあえず、今は気休めの薬を与える・・・
アスカ>
じゃが、しかし・・すぐに死者は出始めるはずじゃ
・・・まずは体力のない女子供、
そして同人から死者が出るじゃろうな・・・
ユウキ>
じゃあ・・・俺たちはどうしたらいい!?
ヒカル>
そんなの決まってるでしょ誰か一人でも救うのよ
アキラ>
バカ!医療従事者でもない俺達がそんな事したって
足手まといになるだけだ
アスカ>
ではウイルスをばら撒いたやつを排除したらどうだ?
いつものように犯人を特定するのは
難しいことではないだろう?
ユウキ>
いやしかしそれでは死者を増やすだけだ
確かに犯人は捕まるだろうしかし死者は生き返らない
ヒカル>
じゃあどうするって言うの?
あなたは一体何をしたいのどうしたいの?
私たちに何をさせようっていうの??
アキラ>
ヒカルの言う通りだ。確かに、この場において、
事件の真相を知るのは俺たちかもしれん。
でも、俺達も人間だ。
できることには限りがある
アスカ>
そうじゃぞ
全ての事は出来ない。
だから、できることをする。
それがこういう時の行動の鉄則だ。
ユウキ>
少し考えさせてくれ
ヒカル>
あなたね無責任よ
アキラ>
ヒカル!そんな言い方ひどいぞ・・・
大丈夫だ。ユウキ・・わかった
好きに考えるといい
アスカ>
ただし・・・忘れるでないぞ。
時間は有限じゃぞ

ユウキ>
そして、僕は部屋にこもり・・・
一つの決断を探す「心の旅」に出た

ヒカル>
次回予告
アキラ>
個室で悩む一人の上級軍人
アスカ>
混沌の末、光明のように 見つけ出した
その結論とは何か
そして チーム レジデントの 行方はいかに
ユウキ>
ご期待ください

第七条~ユウキリミテッド版
レジデントコードエピソード1 第2話

アナ>DDNデイトラインニュース。こんばんわ、
この時間のニュースをお伝えします。
 県知事は記者会見で、季節外れのカゼの流行を想定した
医療提供体制を整える方針を示しました。
病床数は現在の状態を踏まえ、今後の感染拡大の状況に応じて、
段階的に増やす考えです。一方で検査体制や防疫体制は強化し、
リスクを早期に把握して万全の対応が取れるようにすると発表しました。

ユウキ:女性が市内の病院に緊急入院という話は
お上から直々に聞いていた
ヒカル:その様子をからさせてそれがアスカであることは
容易に想像することができた
アキラ:知らせを受けて拙者達は市内の病院に急いだ。
そこで某たちが見たものは、耳と目を疑うかのようなものだった
アスカ:オリジナルオーディオドラマ
 レジデントコードエピソード1 第2話

ユウキ>アスカ!おまえ・・・
ヒカル>なによぉ!?あなた、全然大丈夫じゃない!
全身やけどの黒焦げだって聞いたから、私、
あなたがベットの上で寝たきりになってるんだろなって
思ってたのに!?
アキラ>これは・・・一体どういう・・・間違いじゃ?
アスカ>コラ!アキラ!!間違えだとか言うてくれるなよ!?
たしかに、わらわはまっくろくろすけの意識不明の、
悲劇の乙女だったのじゃからな!
ユウキ>たしかに、この状況をみると アスカは無事だったのかもしれん。
しかしだな、情報が錯綜(さくそう)している
ようだ。いったいどういうことだ?詳しい話を教えてくれ
ヒカル>そうよ。ついでに、ここの騒がしいお医者さん達の
事情も含めてね。
アキラ>そういえば、さっきから妙に騒がしい。
アスカどのおぬし、なにか知っておるのではないか?
アスカ>気づいたか。すべてお気づきのとおりでな・・
わらわが目覚めたときから、こうなのじゃ。
そうじゃ・・・すまんがここではちょっと都合が悪い。
ちょっと場所を移したい。よろしいか。
ユウキ>お、なんだなんだ。ここは秘密の部屋へ移動ってパターンか?
ヒカル>ものすご~い 機密情報というやつが出現してくるとか!?
アキラ>おおお!興奮・・・って、あれ?
あの・・・アスカ殿?・・・こ、ここは?
アスカ>ん?談話室というとこじゃが?
病院というところでは、見舞いがたくさんのときはダンワシツというところで
話さないといかんと聞いたものでな・・・・
ユウキ>なんだ?・・・それは??がっくりだ・・・
ヒカル>・・・・あたし、店に行こうかな・・・
アキラ>・・・拙者は、ソバを食べに行くでござる~
アスカ>こらこらこらこら おぬしたち!
ユウキ>・・・ったく、俺たちはなぁ、安月給で働いてるんだぞ?
軍人がアルバイトとスパイを兼任なんて、前代未聞なんだぞ?
ヒカル>わたしだって、そうよ。なんで儲かるはずのお店のほかに
こんな安い仕事請け負わなきゃいけないんだろ?
アキラ>それがしだって、この世界のギンザのソバくらい食べに行きたいのに、
なんでこんな安い稼業に身を投じるようになったのか・・・まっこと、嘆かわしい・・・
アスカ>・・・よし、もういいじゃろう。端末に注目するように。
ユウキ>・・・ふむ
ヒカル>・・・そういうと、アスカはその始終を話し始めた。
アキラ>アスカは思念波をスマホにかける。
やがて、脳裏に実像が浮かびあがる・・・
アスカ>そのとき、わらわは浮遊術を使って、
光る閃光の見えるところまで移動していった。
ユウキ>その後、強烈な目を痛めるような閃光にとらわれ・・・
それ以降は何も記憶していないそうだ。
ヒカル>その光は確実に、アスカの体を破壊しようとした。
アキラ>激しすぎる閃光・・・灼熱の光芒。
アスカ>自身の感覚を全て止め、自らの身を闇に閉じ込める。
ユウキ>そして気付いた時には、巫女服を黒く焦がしてしまった
状態でみつかった。
ヒカル>そのときの服がバスケットの中にに入れられている。
黒く焼け焦げた巫女服。無残にも煤汚れてしまっていた。
すごい・・・相当の爆発だったんじゃない?
アキラ>それがし・・ちょっと気になる。(・・・クンクンクン)
アスカ>やめい!おぬしはチカンかあんぽんたん!!
ユウキ>アスカのクレームをよそに、一通り匂いを嗅ぎ終えると
アキラは我々に向き合った
ヒカル>アキラはそして、病室から持ってきたマスクを全員に渡す
アキラ>嗅いで見てくれ。
アスカ>はあ??てめえ!やめんかこのクソこれスケベ野郎!
ユウキ>ふむ・・・・・
ヒカル>これが・・どうしたの?
アキラ>金属の匂いがする・・・これは、霊的な何かではなく、
物理的な・・なにかだったのではないか?
アスカ>どういうことじゃ!?くわしく言うてみい!
ユウキ>いや・・・その必要はない・・・
ヒカル>どういうこと!?
ユウキ>これは・・・火薬の原料 マグネシウム四型乙だ。
ヒカル>な、なによ、それ・・・・
アキラ>この時代でいう、ダイナマイトというわけさ。
やっこさんたち、ここに不発弾があることをしっていたな。
ユウキ>知っていて、極秘に処理しようとした・・
ヒカル>なぜ、そんなマネ・・・・
アキラ>工事を中止にしたくなかったのじゃろう。
危険物がみつかれば、調査が入るから、工事はできない。
さっさと決着つけたかったのではないか?
ユウキ>・・・わかった。あとは俺がやる。
これは、俺が上へ報告して、上が動くべき仕事なのだからな

ヒカル>その日の昼・・・現場にはキープアウトのテープ
が張られ、ぞくぞくと鑑識チームが中に入ってゆくのを
テレビで見ることができた。
アキラ>後日の報告で、そこから不発弾が多数見つかった
どこの業者のものかもわからない
そして工事を遅らせる理由にもなる
着服することもできるのではないか
などなど・・・様々な憶測が飛び交った
アキラ>だが・・それを最後に・・・
その後の結末については語られることはなかった。
アスカ>
残った現実・・・・・
ユウキ>
それはそこにはいくつもの不発弾がそこに置かれている
ということだけだった。
ヒカル>
無論住民側にはこのことは知らされまい。
ただ単にこの問題はのらりくらりと信仰され、
また再び闇の中へと消え去っていくのだろう
・・・・以上報告終わり
アキラ>終わったな・・・・
アスカ>ああ・・・・
そうして私たちは、病院の屋上で、
黄昏をみているのだった・・・・

ユウキ>次回予告!
ヒカル>一つの事件が解決したと思って
ホッとするのもつかの間
アキラ>またメンバー四人の懐に持つスマホが、
バイブ音を鳴らす
アスカ>
新たなる事件がまた帰らを呼び出すのだった。
次回もお楽しみに

 

第七条~アスカユウキリミテッド1
レジデントコード エピソード1-1
登場人物男2女2
日々のニュースから話題を提供したリアルニュース物語バラエティ
各員出身地バラバラなので訛り全面可
ユウキ 帝国陸軍特機隊隊員 軍服コス ♂
綱紀粛正うるさい 白
→俺
ヒカル キャバクラ店員 ドレスコス ♀
明るい陽気的か情熱的か冷静 黄か赤か青
→あたし、わたし
アキラ 幕末藩士 袴サラシコス ♂
革命好き新しいこと好き 赤
→それがし、拙者
アスカ 巫女(下に砕蜂コス脱着自由)♀
遠目に見る 黒か白
→わらわ、花魁ことば
メモ★あらすじ★
第一部 日常討伐編
毎日のニュースからそのニュース神様の背景を作り出している

黒幕を討伐するためのストーリー黒幕は全てジョーカーと呼ばれる


エピソード1
アナ>DNNデイトラインニュース。こんばんわ 

この時間のニュースです。。
まるでゾンビ、45年間本体未着工のダム計画 徹底抗戦です!
N県からのリポートです。
 45年前に建設が決まりましたが、いまだに本体の着工すらしていない

ダム計画がうごきました。この公共事業は、Iダム計画で、県などがI川の

流域に設置しようとしたものです。県側は本日未明、強制的に土地を

取り上げる「行政代執行」を「選択肢のひとつ」と発表。

45年間本体未着工のダム計画を再燃させたかたちとなりました。
県はダム建設に伴う移転は8割でおこなわれたものの、のこる13世帯

ではまだおこなわれていません。

住民たちによると「死んでもふるさとを離れない」と徹底抗戦の構えです。

住民側は見直しを求めていますが、県は応じない構えを崩しておらず、

両者の溝は深くなった模様です。
ユウキ>そのとき、レジテンドチーム4人のもつスマホが

特別なバイブを発した。
なになに? N 県のとある地域でストップしているダムの建設工事が

再燃して、住民運動の波紋がひろがっている?
ヒカル>ふむふむ45年も止まっていた計画が、突然動きだしたのは不自然?
アキラ>しかしながら、これは砂防目的のダム。工事を止めれば

多額の損失がでるし、もしかしたら防災管理にも支障をきたす可能性がある
アスカ>どちらにせよ、市民からの増税は免れないが、

さらに長期化すると無駄な税金がさらに発生する。
故にレジデントチームはこの工事一連に関して

ジャッジしてほしいとな!?
アナ>ボイスドラマ レジデントコード エピソード1

ユウキ>おい!聞いたか?ダムのジャッジのこと。
ヒカル>知ってるわよ。45年放置のダムでしょ?

まるでゾンビ現象だっていってたもんね。

放置されていたとはいえ、立派な事業だったんだわね
アキラ>みたいでござるな。1975年に建設が採択。

のちに強制測量。だけど国が本当に動いたのは

2013年に入ってからとなってるな。
アスカ>45年も動かない施設なぞ、本当に必要だったのでありんすかな?
ユウキ>付近住民からのインタビューがついてた。それによると50年も

作られなくっても大丈夫ということはなくってもいいんじゃないんですか?とある。
ヒカル>みて。この写真。ダムなんかなくってもこんなきれいな田んぼで

平和にくらしてます~って絵よ。まったく。事業自体無駄なことだったんじゃないの?
アキラ>しかしでござる。昨今では100年に1回の災害がおきているでござる。
雪が降らないところにふる。降る所に降らないということが当たり前のように起きている

世の中でござる。めっそうなことをいうものではござらぬぞ?
アスカ>しかしながら、それでも50年動かないのは、なにか理由があるのではないか?

その理由を探れというのがお上の意向じゃろう。
ユウキ>よし。打ち合わせたいことは以上だ。各自3日後までに結論をもって集合だ。いいな!

ユウキ>そんなわけで、おれはまず、現地を視察してみることにした。
ユウキ>なんだあ?これ?ほんとに荒地そのまんまだぞ。

この現場事務所とか、なんだよ。廃屋じゃねえかよ。

で、で、で・・・なんだ?退去したひとの家は撤去されることもなく、

そのまんま・・・まったく・・・アッタマきた!!
ヒカル>そのころ私はI市の中心部のキャバクラにいた。

私の隣には県の土木課の課長と次長を招いていた。
ヒカル>お待たせしました~ご指名のヒカルでーす 

今日はよくいらっしゃいました~ 課長さん、ちょうど4か月ぶり。次長さんは2回目のご来店ですね。

たのしいお話のついでに、ちょっとばっかしサービスしちゃおうかな
ヒカル>時はながれ・・・
課長>だめだよぉ!そんな、おねだりされちゃっても、出せないものはだせないの!
次長>ほんとうだよ!!大きいゼネコンの仕事あるっていっても、

全然動きやしないんだから。もらったこの辺の予算はみんな予備費行きなんだよっ!
ヒカル>・・・なるほど。金の動きは正常ということか・・・。ちょっと強いお酒積みすぎちゃったな。

しかたない。ここは私が自腹しはらっとこか・・・
アキラ>拙者はその次の日、またダムの建設予定地を見学していた。
そこで目にしたのは、小さいながらも手入れされた水田だった。
アキラ>たしか・・コメは平地で作られるはずのもの・・・

しかし、ここでは傾斜地であるにもかかわらず、はぐくまれている・・・

もしや・・これが棚田なのか・・・どれもこれも、同じ形はどれ一つとして、ない・・・

これは綺麗だ・・まっことあっぱれとは・・・このことじゃ!
アスカ>そのとき、わらわは、その地よりやや高い場所から、この現場を望んでいた。50年も動かなかったのには何か理由がある・・・たしかに始まったのは1972年第2次ベビーブームの真っ最中で、生活水源が必要だったというのはわかる。しかし、それならそれで他にも方法はある。いずれにせよ・・・物理的な何かではなさそうじゃ・・・
アスカ>ん? あの現場で・・・なにか光った・・・・?
ここは、得意の・・浮遊術でさぐりをいれてみよう。
・・・ちょっと間・・・・
アスカ>ん?なんだこの光・・・俗世のものとはちがう・・・
うわあ・・・うわああ・・・うわああああああ!!
ユウキ>そして、次の日・・・・
アナ>DDNデイトラインニュースをお伝えします。

本日、未明に市内の山林にて
全身やけどの女性がはこばれました。奇跡的に一命はとりとめたものの、

病院では面会謝絶の状態はつづくだろうとしています。

警察では、付近の聞き込みをより強化するとしています・・・・
ユウキ>次回予告!
ヒカル>病院にはこばれたアスカ。駆けつけるみんな。
そこで明らかになった事実・・・・
アキラ>これは・・もしや・・・超常現象たることなのか?
アスカ>次回もおたのしみに!

 

第十条~シェイドブレイド戦記  AZ58 アイリス戦役
トバリ>
ここはラムダ大陸
肥沃した大地と草原が広がる巨大な大陸である。
アキラ>
大陸には二つの大国があって、
その覇権を狙ってしのぎを削っていた。
アヤメ>
一つはルーン王国。
この土地に古くから住む王家が
伝統と秩序を重んじ、治める国である。
トバリ>
もう一つはガルーダ帝国 近年ここに移住し。
略奪と侵略とで力を伸ばしてきた国だった。
アキラ>
多数あった国がこの両国に統合されてなお、
なおもこの地で覇権を争う戦争が起きたのだ。
アヤメ>
戦争が起きてから、10年経過したある日のこと。
ガルーダ帝国がその
技術力を駆使して作り上げた「臼砲」が
ルーン王国の、伝統的かつ堅牢と賞賛された城壁を
木っ端微塵に破壊する事件が起きた。
トバリ>
そのとき、両国の均衡は崩れた。
アキラ>
圧倒的優勢となったガルーダ帝国に、
ルーン王国は一時的な停戦を提示。
多額の賠償金と向こう20年の食料の無償供給を
引き換えに、ルーン王国には平和が訪れた。
アヤメ>
民に無益な折衝を強いるのは「悪」である。
王朝は声明を発表した。
トバリ>
裕福な国から反転、貧困の国へ。
ルーン王宮はかつての繁栄の姿を
失ってしまうのだった
アキラ>
時は AZ 58年。
話はかりそめの平和を謳歌する
ルーン王国騎士団の1日から幕を開ける
アヤメ>
ところはルーン王宮戦闘訓練所
そこには剣を振るう戦士たちの訓練の場所。
トバリ>
赤と黒の制服に見を包む者たちが汗を流していた。
アキラ>
そのうちの一人の戦士トバリは細見の探検を手に、
隊長アキラに飛びかかって行っていた
トバリ>ヤアアア!
アキラ>まだだ!あまいっ
トバリ>グアっ!グアアアッ!
アキラ>そこまでだトバリ
トバリ>まだですまだです
アキラ>伊勢泊まり今日の訓練でお前は3度死んだ!
自分の命を粗末にするものではない
トバリ>く、くそ・・・
アキラ>泣くな!今日の悔しさは、明日への生命だ!
いいか!その感情は、いまは大切にとっておけ
トバリ>隊長!
アキラ>笑 今日の訓練はここまでだ。よく休むないぞ
トバリ>ありがとうございます!
アキラ>下がってよし
トバリ>戦闘訓練場を出て、宿舎に戻ろうとすると、
そこに血まみれの魔物が倒れているのがわかる。
1:やったぜ!トドメの斬撃がよく効いたな
2:何言ってんのよ?私のアシスト魔法が凄かったからでしょ
1:いいや!俺だ!
2:いいえ!私よ!
トバリ>アツくなってんな
その光景に思わず笑みを浮かべる
彼らが退治したモンスターは訓練場の中で飼われている、
訓練用のものだ。
どこで飼育されているのかなどは明かされていないが・・・
種族は限られてはいるものの、
体力が強靭なもの、力が強いもの。知恵を使ってくるもの
など多種多様のところが、王宮の戦士たちにとっては
都合の良い練習台となっていた。
ふと、そんな魔物を始末している係員に出会う。
黙々と作業する彼女は紫色の衣をまとっており、
その手さばきからは熟練の腕が見えた。
アヤメ>あ・・・
トバリ>待って!
アヤメ>・・・・
トバリ>いっちゃった・・・もうっ!
アヤメ>その時、私は無我夢中で走り去っていた。
剣士が強そうだったからではない。
単純に、城の人間の目に触れたからだ。
私たち忍の役目は、人の目を盗んで、
諜報活動や謀略などを行う、裏の手の人間だ。
そのため、ありもしない噂をされることもあったが、
それが裏のステータスだとおしえられたこともあり、
逆にみずからの「ほまれ」に感じている点もあった。
アヤメ>仲間の所に戻り、物色したものを改める。
お頭の判断により分け前が決定されるのだが、
今日の私の分け前は白銅貨10枚だった。
アヤメ>寄合が終わり、任務終了。制服を脱ぐ時間になる。
その時胸がドギマギする感覚に襲われる。
私の姿は見られなかっただろうか、
顔はバレてはいなかっただろうか。
平静を装い、覆面をして裏口から出る。
トバリ>その時、僕は王宮の裏通りに
フードをかぶって様子をうかがっていた。
裏通りは物乞いが多く、通行人にねだることが多いと
有名な場所。治安が悪いともいう。
トバリ>そんなボクがここにいる理由。
それは僕のお目当ての人に会うためだ。
トバリ>あ、出てきた。
トバリ>あ、あのう・・・
アヤメ>その時私は人影が近づいてきたことに気付いていた。
どうせ、また 物乞いのうちの一人だろう。
そう言って、無視を決め込み、立ち去ろうとしていた
トバリ>あ、あれ・・・ちょっと待って。
僕は彼女が歩みを早めたことで小走りになっていた。
今日は彼女にどうしても会わなきゃいけないことがある・・・!
急ぎ足で彼女を追うボク。
アヤメ>しつこい。なんなんだ?ありゃ・・・
苛立ちながら、負けじと 私は、その足を早める
少し行ったところに曲がり角がある。
私はそこで決着をつけることにした
トバリ>その時僕は全速力で走っていた。
なんて早いんだクソ!!その時だった。
アヤメ>何の用だ?
トバリ>!?
アヤメ>何の用だと言っている。
それとも、私に殺されたいのか?
トバリ>ぼ、僕は、これ・・・これのために・・・
アヤメ>・・・!?
トバリ>君のだろ?これ、城の所に落ちてたから、
君に届けようと思って
アヤメ>ありがとう。でも、どうして・・・そんなこと
トバリ>どうして??だって、これは君のだろう?
拾ったら返さなきゃ。それが当たり前じゃないか
アヤメ>(笑)そんな・・・違いますよ。
私たちは一人はあって人ではないのです
だから、今回のも捨ててよかったんですよ
トバリ>そんな・・・!?それ、絶対おかしいよ!
だって一緒に城の中で勤めているボクたちが、
声すらも交わさないなんて・・・
敵でもないのに、それっておかしいじゃないか
アヤメ>(笑)おかしいのは あなたのほうだ。
トバリどの。私のようなものとの接し方は
学んだ方がよろしい。所詮、わたしとあなたは、
意思など通じぬ間柄。
トバリ>わ、分かったよ・・・そういうものなのか・・・・
でも!諦めないぞ!僕は、君に、興味を持った!
与えられた任務に、粛々と接する真面目な君に
心なしか心を動かされてるんだと思う。
できればまた会ってはもらえないか
アヤメ>・・・
私は無言でそこを立ち去った、
覆面の奥には軽い笑みを浮かべていた。
叶うなら、また会えればいいな・・・・
そういう夢のようなことを思い巡らせていた。
トバリ>翌日・・・
僕は戦闘訓練場で相変わらず
すぶりの稽古に励んでいた。
規定回数は末に経過しているのだが
自分の思う通りの振りができなくて、
僕は稽古を続けていた
他の同期達はさっさと修練を終わらせ、
雑談をしている者までいる
みんな甘すぎやしないか!?
訓練場に飼われているモンスターだって
野生のものだったら、迷わず人間の命を狙ってくる。
ましてや彼らはいつもお腹を空かせている。
そこに飛び込んでくる人間は、はっきり言ってご馳走だ。
みんな、しきりに演習中であるにも関わらず「待った」
をかけるが、果たして実戦だったら
「待った」が効くとでも思っているのか?
思わず苛立つ心を刀身に向けてしまう。
アヤメ>・・・ご乱心だな。
刀に雑念が混じっているぞ
トバリ>!? きみは・・・
アヤメ>失礼だな・・・
せっかくここまで来てやったというのに・・・
トバリ>おまえ・・・
どうしてボクがここにいることが分かったんだ!?
アヤメ>あのな・・私は「おまえ」ではない。失礼な
アヤメという由緒ある名前があるんだ。
トバリ>す・・すまん・・・アヤメ・・・
アヤメ>それに・・来ない!というのは
それはこっちのセリフだ!
ほかの皆は修練を終わってきているというのに、
どうしておまえだけ終わって来なかったんだ!?
トバリ>自分を高める必要があると思ったからだ
アヤメ>自分を高める・・・?必要なのか?それは?
すでに平和となった世の中で、
どうしてそういうことを思う
トバリ>平和すぎるからだ。俺たちは戦士だ。
平時だからといって、さぼるのはおかしい。
それに魔物だって、野生のものだったら
訓練用のモノみたいに弱いはずはない
アヤメ>ふむ
トバリ>俺達が弱くなっていたら
誰がこの国を守るって言うんだ
アヤメ>そうするとお前はもっと強くなっていたい
ということか?
トバリ>その通りだ
アヤメ>ははははは・・・あっはっはっは!!
トバリ>何がおかしい!?俺は本気なんだ!
アヤメ>分かってるさ!だからこそ笑ったんだ
トバリ>え?
アヤメ>いいだろう。付いてくるか?
そして見てみるか?本当の世界を
トバリ>ああ!!!

アヤメ>次回予告
トバリ>ついに決意をあらわにしたトバリ
アヤメ>その決意を信じてアヤメは
自分の知る裏を見せることにした
トバリ>その裏を知った時トバリは驚きの声を漏らす
アヤメ>次回、第2話 ご期待ください