★★★四十九条賭場物語エピソード1風の章 前編★★★ | 劇部屋24シアターズ

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劇部屋24のオリジナル作品「月羽妖夢伝」制作近況や
劇部屋24での上演記録を残していきます!!

★★★四十九条賭場物語 風の章 前編★★★

アキラ:ここは四十九条街。東西7区画、南北7区画に基盤目状に整備された、都である。この街では、沢山の人が生活を営んでいた。

明日香:そして、ここは四十九条のなかにある第24条という区画。四十九条の中央に位置しているそんな場所だ。

明日香:話のはじまりは、明日香とアキラの出会い。配達屋を営んでいた「アキラ」が、店の前で、重そうな荷物を持って移動している、明日香に声をかけたことに始まる

アキラ:よお、そこのねえちゃん、

明日香:なんじゃ?わらわはねえちゃんではない。

アキラ:へえ。じゃあ、なんていうんだよ

明日香:人に名を聞くときはまずは自分から名乗るべきではないのか?

アキラ:そ、そうか・・・?まあいい。おれはアキラってんだ。これでいいか?

明日香:まぁ、よい。わらわはあすかという。明日に香るって書く。

アキラ:明日に香る?・・・おお!いい名前だ!

明日香:(笑)・・お世辞にうけとっておこう。

明日香:・・・それで? アキラとやら。貴様、いったいわらわに何の用じゃ?

アキラ:・・・少し、手伝ってやろうかって思ってね

明日香:手伝って?なにをじゃ?

アキラ:運ぶのだよ。こーんな大きくて重い荷物、大変だろうよ。

明日香:まにあっておる。

アキラ:まにあってる?ふふ、そうは見えねえな。

こーんな大きな荷物、さっきから引きずってあるいている姿をみたら、誰だって大丈夫だとは思えないと思うぞ?どうだ?ここは我を張らないで、人の好意をうけとるのもアリだとおもうがな

明日香:ことわる!あいにくだが、わらわは、そんな手にはのらない。どうせ、そうやって言い寄ってきて、法外なカネでも取ろうというのじゃろう。そんな見え透いた話、こちらからお断りだ!

アキラ:こらこらこらこら。明日香さんよぉ。ここいらはとっても物騒なんだぜ?それに、人の好意は無視するもんじゃねえと思うけどな?

明日香:・・・・金ははらわないぞ?

アキラ:かまわないさ

明日香:見返りもきたいするでないぞ

アキラ:ああ。

明日香:そうか・・・じゃあ、わかった。申し出、うけさせてもらおう。

アキラ:がってん! そうこなくっちゃ

 

明日香:ところ変わって、神社の敷地。2人は本堂につながる道にいる。

アキラ:よいしょ・・・よいっしょ・・・・はあ・・・はあ・・・・

明日香:どうした?アキラとやら。息があがっているぞ?

アキラ:はあ・・はあ・・まだまだ・・・大丈夫だ・・・・

明日香:(笑)

アキラ:それにしても・・・ここ・・・キミのつとめている神社って、すっごく大きいんだな・・・

明日香:(笑)ほめことばとして、受け取っておこう・

アキラ:それにしても・・恐れ入ったよ・・・ここ、人の気配なんてまったくしねえし、ずっと、祭事も行われないし、境内は荒れ果てるばかりだったから・・ここは、廃社になっているんだとばかり・・・思っていたんだがな・・・

明日香:失礼な。わらわとて、忙しいのじゃ。すこし、長い時間、留守にしただけではないか。まったく・・・今のは、ひどいブジョクだぞ!傷ついたぞ!

アキラ:わりいわりぃ。あやまるよ・・・・

明日香;(むくれる)

アキラ:それにしても・・・この荷物・・・いったい、何が入ってるんだよ・・・よいしょ・・よいっしょ・・・・

明日香:ふふふん(笑)。中身はないしょじゃ。

アキラ:ちぇっ。

明日香:まぁ、そうむくれるな。見返りはせぬとは言ったが、働きに免じて、茶でもだそう。

アキラ:そ、そうか・・・すまねえな・・・

明日香:かまわんぞよ。

アキラ:ところ変わって、ここは三重神社の社務所。明日香は日当たりのいい縁側で待つよう、ボクに言った。

アキラ:ふう~~ついた~~つかれた~~^

明日香:待たせた。ちょいと準備に手間取ったものでな。すまない。

アキラ:あ、いや・・・それほどでも・・・・

明日香:・・・ほんとうに、ご苦労だった。さあさあ、どうぞ

アキラ:ありがとう・・・ふう。

明日香:どうしたんじゃ?

アキラ:あ、いや、ここって・・・さ・・・・

明日香:ん? くるしゅうない ちゃんと申してみよ。

アキラ:ここって・・・えらい年季の入った神社じゃないか!って思ったものでな

明日香:そこは、由緒ある、といってほしかったのじゃ。

アキラ:・・・それも、そうだな。すまない。

明日香:別によい。気にしてはいない。

アキラ:あ、ああ・・・・

<間>鳥のさえずり、そよかぜなどの効果音。

アキラ:ああ・・なんだか、気が休まるな

明日香:そうか?

アキラ:ああ。なんか、騒がしくないし、静かだし‥なんか・・・こう・・・・

大地の力ってのを感じる・・・気のせいかもしれないけど。

明日香:ほう・・・大地の力・・かんじれるのか? 

おもしろいことを言うな そなた。

アキラ:あのさ!明日香さん!また・・ここに遊びにきてもいいかな?

明日香:(笑)ああ。かまわないぞ。墓前供養の依頼がない限り、わらわは、いつでも、ここにいるからな。

アキラ:そうか!それじゃあ、毎日くるとしようかな!!

明日香:(笑)ああ。承知した。わらわは、歓迎するぞ。毎日、くるがいい

アキラ:ありがとう。あ、いっけね。もうこんな時間だ!

明日香:ど、どうしたのじゃ?

アキラ:すまない、やりかけにしていた仕事があったんだ。今日はもう、いかないと

明日香:そうか。残念だ。

アキラ:あれ?ひとりなのか?

明日香:ああ。できれば、頼れるものがほしいところだが・・・

アキラ:そっか。でも、大丈夫。お前さんみたい、ベッピンさんなら、相手はすぐ、みつかるよ!

明日香:そ、そうか?

アキラ:ああ。俺はそうおもう。じゃあ、今日はこれで。

明日香さん、俺は、明日以降、またかならずここに来るよ

明日香:ああ。待っている。

明日香:いつの間にか、陽は傾き始めていた。私は片づけを急ぐ。

夜になると、なんにも見えなくなってしまうからだ。

私は縁側に置いたつづらのひもを解く。

中には日用品が収められている。生活に重要なものは、母屋に配置する。

一番迷ったのは、魔力を秘める魔術礼装の置き場所だ。

置き場所を決めてしまえば、そこが魔力の拠点となる。

明日香:どうするか・・・っていっても・・・一人だしな・・・・

頼れる奴も・・・ここにはおらんからな・・・貧弱そうなやつは困るし・・・

あとは、不誠実なやつもお断りじゃ・・・はて・・どうするか・・・

アキラ:俺は、明日以降、またかならずここに来るよ

明日香:そうだ!そうじゃ!!その手があった!!

アキラ:翌日の昼・・・ボクは見知らぬ人の来訪をうけていた。

アキラ:なんだって・・・この辺じゃ見ない超べっぴんさん?

巫女姿で日傘をさしてる?どこか不思議な雰囲気のひと?

あとにするよ。今行くって、適当にあしらっておいてくれ。

明日香:適当にあしらっておくというのは。失礼ではないか?

アキラ:!!!ええええ???

明日香:こんにちわ。邪魔するぞ?

アキラ:明日香さん!どうして、ここに?

明日香:どうして!?は 無いであろう?お主が今日も神社に来ると言うておったからまっておったのに・・・、なかなか来ないではないか。

アキラ:あ・・・

明日香: あまりに待っておったら、待ちくたびれて、こうして、ここまで来てしまったわい。

アキラ:それはそうだよ!だって、この時間は仕事している時間帯だから!

明日香:なんと!?わらわにウソついたということか!?しまった!わらわとしたことが、もてあそばれてしもうたとは!!

アキラ:明日香さん!それは言いがかりだよ。仕事が終わったら、今日もちゃんといくからさ!

明日香:それはまことか?今度はウソは無しであるな?

アキラ:無しだよ!ウソは無し!頼むから信じてくれよ!まったく、人聞きのわるい!!

明日香:ほう・・・今度こそは本当に本当なのじゃな

アキラ:そうだよ。本当に本当だよ。ここはおいらの御心(みこころ)に誓って、かならず!

明日香:おお・・お主、誓ったな。それなら、わらわも信じよう。信じた証(あかし)として、ここで待たせてもらおう。よいな。

アキラ:明日香さん・・・・!!・・・しょうがないなあ。いいよ。オッケ。了解したよ。

明日香:では、遠慮なく。アキラ。わらわは、ここにおるからな。早くしてくれ。

 

アキラ:4時間後・・・

アキラ:おわった~

明日香:・・・ご苦労。ご苦労。では、参ろうか。

アキラ:ああ。行こう。

 

アキラ:ついた。お邪魔します!っと。!! 火が出てる!火事だ!!火事になるぞ!たたた大変だぁ!

明日香:これ!!アキラ!なにを取り乱しておる!

アキラ:だ、だ、だ、だって・・火が火が出てるんだよ!火が!

明日香:火?ああ、なんだ、あれか・・・

アキラ:あれかって・・

明日香:まあ、いい・・・実はな、あれはだな、本物の火ではない

アキラ:ええっ・・ニセモノの火なんてものがあるのか?

明日香:ああ。ある。例えば、あれは、魔力のともしびといって、われらの活力の源になるものなのだ。だから、さわっても熱くはない。

アキラ:ほ、ほんとうなのか・・・

明日香:ああ。試してみるか?

アキラ:・・・!本当だ!熱くない!!

明日香:(笑)どうやら信用してくれたみたいで良き良きだ。

 

アキラ:ところで・・・さっきからなんだか、視線を感じるんだが、気のせいなのかな?

明日香:たぶん、そうだとわらわは思う。

アキラ:ふむ・・・ま、いいか・・

アキラ:このとき、僕たちの知らないところで大変な陰謀が動こうとしていたのだが・・そのことは、今のボクには気づくことすらできなかった。

<戸を叩く音>

蓮鳳:いるか?

男:ああ。

蓮鳳:親方さまからの命令だ。明日、神社に交渉に行け。多少の損害は可とする。だそうだ。

男:ああ。わかった。

 

明日香:翌日、わたしは、チンピラたちの来訪をうけていた。

男:ねえさん。たのむから、ちょい土地わけてくんね?こまってるひとたくさんいるんだよ?

これからの未来のための子供たちへの募金として、さぁ?

明日香:なにが子供たちのためだ!大方、売春宿でも作ろうとしているのだろう?

男:なんだと!?てめえ、いわせておけば! ものども、やれ!やっちまえ!

アキラ:ちょーいとまちいや!

男:ン!? 誰だてめぇ!

アキラ:誰でもいいさ。おう?みれば陣馬組の諸君じゃないか。

ここは神聖な場所だぞ?君たちみたいな外道が来るところじゃないぞ?

アキラ:ふんっ!!

男:イデイイデイデ・・・・!

アキラ:ほれ?さっさと立ち去らねえと、腕の一本が折れちまうよ!

男:く、くそ!おぼえてろ!

 

アキラ:大丈夫か?明日香さん

明日香:・・・ありがとう・・・なのじゃ。

アキラ:ともかく・・・なんともなくって、よかった。

明日香:アキラも・・・・怪我はないのか?

アキラ:あ、ありがとう。・・・けがのほうは大丈夫です!

明日香:ウソは ダメじゃ! 血が出ているではないか! ほれ!

アキラ:とにかく、大丈夫です。

明日香:ダメじゃ!とにかく止血なのじゃ! ほれ!じっとする!

アキラ:あ、ああ・・・・

 

明日香:よっし!できた! 我ながら完璧じゃ!

アキラ:あ、ありがとう。 助かったよ。

明日香:もう! 無理するでないぞ。

アキラ:あっ・・・はい・・・・

 

そのころ、神社よりやや離れたほこらでは・・・

男:はあ・・・はあ・・・はあ・・・・

蓮鳳:おまえたち・・・・帰ってきたか。成功したか?

男:いえ・・それが、その・・・失敗してしまいました!

蓮鳳:なんだと・・・

男:いえ・・・スイマセン!!

蓮鳳:ふざけんなよ!ばかが!

男:ひぃっ!

蓮鳳:失敗しただと?すいませんだと!?それで済むとでも思っているのか!?このバカヤロウ!!

男:すすす・・・すみません

蓮鳳:・・・・・さがってよし・・・今日限り、二度と来るな!

男:すすす・・・すみません!!

<間>

蓮鳳:親方様・・・いらっしゃいますか

降魔:おおお!蓮鳳!?どうした?

蓮鳳:すみません・・・陣馬組を用いた戦術は失敗しました。

降魔:そうか・・・・別に、わしは よい・・・・

蓮鳳:親方さま・・・・

降魔:許してやる・・・

蓮鳳:親方様・・・・いま、なんと・・・?

降魔すべての戦略をゆるしてやる!それで、なんとかしてこい!!

降魔:は、はい!わかりましたぁ!!!

降魔:・・・さがってよし・・・・

降魔:・・・人間、アキラ・・・えええい!いまいましいい・・・・

 

 

アキラ:ふう。ごちそうさま~

明日香:お粗末様。スゴイ食欲なのじゃ。ビックリじゃ。

アキラ:今日はありがとう ごちそうさま

明日香:こちらこそ ありがとうなのじゃ。

あの、アキラ・・・・

アキラ:え?

明日香:明日も、かならずくるのだぞ。いいな・・・・

アキラ:(笑)わかったよ。

 

 

アキラ:同じ時、神社からやや離れた場所にて・・

蓮鳳(コウエン?クエン?):お呼びでございますか?降魔(ゴウマ)さま

降魔:おお!呼んだとも!近こう寄れ!近こう!!

蓮鳳:はっ!では、失礼します。

降魔:ふむ・・汗の臭い・・そなた、隠密の修行は欠かさず、磨いておるようだな?

蓮鳳:はっ・・・恐れ入ります。

降魔:なあに、かしこまることはない。そなたが強く、強く研ぎ澄まされることは我にとっても喜ばしき事。武器が鍛錬されることにわるいことはない。今後も、十二分に鍛錬せよ

蓮鳳:はっ! 御身御心(おんみ みこころ)のままに!

降魔:うむ。それでよい。

降魔:さて、蓮鳳よ・・・此度、お前を呼び出したのはほかでもない、任務を授けるためだ。こころして、受けるがよい

蓮鳳:はっ!

降魔:さて、その任務だが・・・

例の三重神社(みつえじんじゃ)・・・高位の巫女が派遣されてきたらしい。

蓮鳳:なんですって・・・・

降魔:かねてから申しておる通り、あそこに巫女が赴任してきた場合、土地の有効活用に関する交渉は成立が難しくなる。わかるな?

蓮鳳:はっ。本来、この土地というものはこの地に住む住民のもの。でしたよね?

降魔:そうだ。ゆえにそこに点在する寺や社(やしろ)は、住民の厚意で存在しているに過ぎない。したがって、この三重神社のように広大な敷地をもってする神社はいたずらに無駄遣いを行っていると言わざるを得ない。

蓮鳳:そのために、神社を襲撃する、でよろしいですよね?

降魔:ああ、そうだ。三重神社には多少の損害を被ってもらうのだ。なに、命まではとらん。これは我が神にかわって、下す、簡単な措置にすぎんのだから。

蓮鳳:まことに すばらしき 考えに ございます。

降魔:蓮鳳。いまいちど、そなたに命ずる。三重神社の襲撃を開始しろ!戦術はそなたにまかせる。確固たる打撃を示せ!

蓮鳳:御意。

 

アキラ:翌日・・ボクは夕飯を三重(みつえ)神社でいただいていた。

アキラ:ほむ・・ほむ・・・いやぁ すまないな。夕飯までいただいちゃって。べつに・・いいのか?

明日香:ああ。べつに。かまわぬ。

アキラ:すまない。自分は特に、好き嫌いがなくって。だから・・余計に・・たべてしまう・・・

ツキ:そうだ! まるで 妖怪かとおもったぞ!

アキラ:え?えええ???

ツキ:まったく・・・これだったら、もう一回ゴハン焚かなくちゃいけないじゃないか!

アキラ:ゴ、ゴメン!

ツキ:まったく・・・ゴハン焚くのもラクじゃないんだぞ~~

はじめチョロチョロ中パッパ赤子泣いてもフタ取るな。

もう~ 音に敏感なオイラがこういうのに慣れるの、すっごい大変だったんだからな!

アキラ:ゴ・ゴメン・・・・って!!キ・・キツネが。。人の言葉を・・しゃべった・・・

ツキ:なんだよお。キツネがしゃべったらダメなのか?それとも、おまえ、やんのか?

明日香:ツキ!まったく・・その辺にせんか!

ツキ:主(あるじ)様!

明日香:夕飯のことはもうよい。ここにあるだけで十分じゃ。

ツキ、そなた、今日はご苦労だった。休んでよいぞ。

ツキ:了解しました。では!・・・ドロン!

アキラ:え・・・なに!? キツネが・・・今度は紙切れになった・・・?

明日香:ン・・・?どうした?アキラ?

アキラ:あのさ・・・明日香・・・これは、どういう・・・

明日香:あ、そうか・・・アキラにはまだ言ってなかったな。

こいつ、ツキはな、式神(しきがみ)なのじゃ

アキラ:式神!? あの、陰陽師がつかうやつ!?

明日香:ああ。その通りだ。ほれ。

アキラ:おおお・・・!初めてみた・・・

明日香:そうか。(笑)

アキラ:ああ!

明日香:・・なあ、アキラ。今宵はもう遅いし、神社で休むのはどうじゃ?

アキラ:え!えええ?いいのか?

明日香:ああ。どうせ広大な敷地の割に、住むのはわらわだけというのは、いささか寂しいものじゃ。もっとも、そなたさえよければ、じゃが・・・

アキラ:俺はかまわないぞ。むしろ、この神社のこととか、話はたくさんききたいことがあるからな。

明日香:了解した。今宵なら、なんでも答えよう。

アキラ:ようし!

 

明日香:それで?なにから聞きたいんだ?

アキラ:まずは昼間のことだな。やつらはいったい誰なんだ?いったい、何を目的にここに来たんだ?

明日香:やつらは「陣馬組」の連中じゃ。めあてはこの敷地らしい。

古めかしく、カビ臭い、こんな神社なんか保持しておくより、もっと民たちが楽しめる娯楽をつくったほうがいい、と彼らはいうのじゃ。

アキラ:娯楽施設がいい?計画もなしにどんな施設を作ろうというのだ?どうせ、おおかた、フーゾクでも作って儲けようと考えておるのだろう。

明日香:フーゾク?フーゾクとは、どんな建物なのじゃ?

アキラ:ええっつ・・・おまえ・・・知らないのか?

明日香:うむ。初耳じゃ。ぜひぜひ教えてたもれ。

アキラ:フーゾクとはだな・・・男と女がだな、あんなことしたり、こんなことしたり・・・

明日香:あんなことやこんなこと? ああ!風に属する者たちが、訓練するところということじゃな!? なーるほど。

アキラ:・・・ああ。そういうことに・・・しておいてくれ・・・・って!!

明日香:どうしたのじゃ!? ン!?焦げ臭い!なんのにおいじゃ?

アキラ:!?空が赤い・・・!!わかった! 山火事だ!

だれかが火を放ったんだ!!

明日香:なんと!?

アキラ:このままじゃ、こっちにまで火が来る! 今のうちに逃げるんだ!

明日香:・・・アキラ。それはダメじゃ。

アキラ:明日香!!

明日香:わらわは 社の主。そんな簡単に逃げ出してどうする。

アキラ:ば、バカな!死ぬ気か!?

明日香:否!わらわはこのようなことでは、死なぬ!

わが名は明日香!巫女の名において命ずる! いでよ「ヒスイ!」

 

ヒスイ:ヒスイ。ここに参上。

ひさしぶりね。明日香。

明日香:ええ。久しぶり!でも、今はあれが先!お願い。力を貸して!!ヒスイ!

ヒスイ:そうね・・・では!!
わが名は すべてを愁い(うれい)て天に昇る 水の竜「ヒスイ」!

その力、幽遠(ゆうえん)の悲しみの連鎖を断ち切り、

回生(かいせい)の泉をのちからを いまこそ発動す!

奥義! エメラルドスプラッシュ!

 

アキラ:はあ・・・はあ・・・はあ・・・

明日香:・・・・やった・・・終わったわね・・・

アキラ:・・・たく・・朝日が目に染みる・・・

わかっただろ・・やつらは本気だ!!神社ごと・・潰しに来ているぞ!

明日香:ええ・・・そのようね・・・

アキラ:しかし・・このような状況になっては・・・だれがやったのか、しっぽだってつかめないぞ!

明日香:そうでも・・ないぞ。

ハヤト!(口笛)

アキラ:ハヤトって・・・!カラスのことか!!手なづけているのか・・・すっげえな!!

ハヤト:カアカア!およびでございますか。主様

明日香:ああ。ハヤト。先ほどの火事のことは知っているわね。その犯人を知りたいの。わかる?

ハヤト:ええ!わかります。犯人は忍びの者です。火をつけてから、あたふたと逃げていきました。

明日香:どこに隠れたか、わかる?

ハヤト:もちろんです!追撃しますか?

明日香:やりたいのは、やまやまだけど・・・この片づけが・・・ねえ・・・・

アキラ:俺ならいけるぜ!

明日香:おねがいできる!?

アキラ:まかせとけ!。ハヤト!よろしくな。

ハヤト:ああ。アキラ。よろしく。さあ、いくぞ。

 

アキラ:なあ、ハヤト・放火した忍びが逃げ込んだ場所は遠いのか?

ハヤト:いや、それほど遠くない。ここから半刻ほどで着く。

アキラ:そうか。ようし・・・

ハヤト:アキラ。決着をつけるつもりか?

アキラ:それはそうだ。放っておいて良いことは決してないからな。

ハヤト:そうか。では、いいものをやる。おいらの足についている飾りを取れ。

アキラ:飾り・・・?ああ、これか。

ハヤト:それは、犯人が落としていったものだ。いい証拠になるだろう。

アキラ:ああ。ありがとう。

ハヤト:この道をこの方角へ行け。そこに犯人たちの集落がある。

アキラ:わかった!!

 

アキラ:集落といったな・・・あそこか・・・。

アキラ:!?ちょっと待て!あそこにいるのは!!もしかして!蓮鳳じゃないのか!?

蓮鳳:!?人の気配・・・!だれだ!お前は!!

アキラ:蓮鳳!やっぱり蓮鳳じゃないか!!

蓮鳳:もしかして・・アキラ兄さん・・・

アキラ:そうだ!おれだ!アキラだ!!

蓮鳳:ちょっとまって!!・・・ここにいて・・静かに・・いいわね。

アキラ:ああ。わかった。

蓮鳳:・・・こっちの見張りはいいわよ。それより、向こうのほうで応援がほしいって言ってたわ。そっちにまわって。

蓮鳳:・・・・・これでよしっ

 

アキラ:蓮鳳!

蓮鳳:兄さん!久しぶり。今までどうしてた?元気だった?

アキラ:ああ。元気だったよ。ずっとお前を探していたんだ。

蓮鳳のほうこそ、元気だったか?今はどうしているんだ?

蓮鳳:私のほうは、あれから、いろいろあって・・・今は忍びをしているわ。

隠密行動、陽動工作・・・そういうのに身をやつしているの・・・

アキラ:おまえ・・・ すまない。兄さんは全然力になってやれなかった。

蓮鳳:いいわよ。全然。 いまさらのことだし。

アキラ:蓮鳳!

蓮鳳:だって、あのとき、兄さんは力を持っていた?おカネを持っていた?エライ人との絆は?

アキラ:そ、それは・・・・

蓮鳳:ないでしょ?無かったでしょ?

アキラ:すまない・・・

蓮鳳:あやまらないで。それが、私たちの生きる道だっただけだもの。

アキラ:蓮鳳・・・・俺は・・・・

蓮鳳:なあに?いまのほうが、昔よりも勇気があるから、信じてくれって言いたいの?

アキラ:それは・・・・

蓮鳳:ほらね。かわってない。

アキラ:ぐっ・・・

蓮鳳:あるのは結局、口だけ。空威張り(からいばり)。

アキラ:・・・じゃあ、お前はどうなんだ。

蓮鳳:・・・・

アキラ:おまえだって、結局は自分の運命からは抜け出せてはいない。そうだろう?

蓮鳳:・・・・・

アキラ:忍びの道に・・・・埋没しているのだろう・・・?

蓮鳳:・・・・・

アキラ:いつまでも 時を重ねても 陽の当たる場所へは 出ることができない・・・

蓮鳳:・・・・・

アキラ:それでいいのか?お前は・・・

蓮鳳:・・・・ないよ

アキラ:!?

蓮鳳:良くなんか・・ないよ・・・・

アキラ:えっ・・・

蓮鳳:籠の中の大鳥(おおとり)は、いつまでもとどまってはいないということよ・・・

アキラ:どういうことだ・・・・

蓮鳳:時は来たれり・・・ 明日の晩・・かならずここに来て・・・

アキラ:えっ・・・

蓮鳳:(食いこんで)裏切りは・・すなわち、死。いいわね・・・

アキラ:・・・わかった・・・

 

明日香N:翌日・・・そんなやり取りがあったなんて、全然知らない私がいた。

その日私は、太陽が傾いても、なお来ない、おなじみの姿に、ヤキモキするばかりだった。

明日香:アキラ。遅い。遅すぎるぞ。なにをしておるんじゃいったい。

コーエン:あの・・お館さま・・・

明日香:おお。コーエンか。どうしたのじゃ

コーエン:あの、本日の 務め 終了にございます。まずは、ご報告まで。

明日香:おお、そうだったか。ご苦労だった。もう、休んでいいぞ。ツキと交代するがよい

コーエン:ありがとうございます。しかし、その前に、一つだけ重要な報告がございます。

明日香:ほう・・・なんじゃそれは。言うてみよ。

コーエン:恐れながら・・・このような文が届いておりました。どうぞ。

明日香:なになに・・明日香さま、あなたから離れる自分をお許しください・・・

あて名は・・?なっ!!アキラだと!!

アキラ:先日の山火事の主犯はわが妹だとわかりました。

妹ととは家庭の事情にて、幼きときに別れたきり。

再会したのはつい昨日のことでございます。

妹は忍びとして社会の闇に生きていました。

 妹の罪は身内がどうにかしなければなりません。

 どうか、お堪え(こらえ)のほどを。

明日香:なんと・・なんと・・・なんと!!

馬鹿じゃないのか!?あいつ! よりにもよって忍びの里に単身乗り込もうなど・・自殺行為にもほどがあるだろっ!

おい!コーエン!

コーエン:はっ!コーエン、ここに!

明日香:いますぐ、すべての式神を呼び出せ!ツキもだ!

そして、悪いがコーエン、お前はこの件が終わるまでツキとの交代はなしだ!

コーエン:はっ。すべて、了解した。

 

明日香:みんな,そろっているか

コーエン:ああ

ツキ:コン!

ハヤト:おれもいるぜ

ひすい:私も。

明日香:では、はじめようか。まずは概略からだ。

わたしの友人、アキラが忍びの里に行って帰ってこない。

とらえられたものと、推測する。ゆえに、これを救出したい。

ハヤト、状況を

ハヤト:忍びの里はここから1刻ほどで到着する場所にある。 俺がアキラと最後に別れたのは里から半里の場所の林だ。

ツキ:すると、そこからアキラのやつは里を急襲したというのか。バカなやつめ

コーエン:こら、ツキ。そんなわけないだろ。アキラだって狂人ではない。得体のしれない場所に忍び込んだりはしないだろう。こうするに至ったのには、きっと、なにかの理由があるんだ。

ヒスイ:あたしもコーエンの意見に賛成だわ。きっと、里に行くなにかの理由があったのよ

明日香:いずれにせよ、アキラが何と遭遇したのか、知りだすために、現場にいってみましょう。

ハヤト:賛成だ

ツキ:しっかたねえな!コン!

コーエン:もったいぶるなよ。ツキ

ヒスイ:あたしもいくわ。行くけど、戦闘時には十分注意してね。あたしは陸の上ではお荷物にしかならないから。いいわね?明日香?

明日香:ええ。でも、問題は、いつ、攻め込むか、ね・・・

コーエン:攻め込むのなら、夜間がいいだろう。俺たちの魔力も増大するし・・・

ツキ:コン!でも、あいつら、シノビだぜ?夜の戦いは強いんじゃないのか?

コーエン:それはあくまで人間同士での戦いのはなしです。

我らが彼らと一戦を交えて、負けることはありません。

しかし・・・

ヒスイ:大軍で来られた時は、その限りではない。かな?

コーエン:(笑)さすがはヒスイどの。その通りです。

われわれは式神であり、人にあらざるものです。しかしながら、妖(あやかし)ではありませんので、単体ではそのちからはそれほど強くありません。つまり・・・

ヒスイ:戦略なくしては、勝利はない。こう言いたいのね?ボウヤ

コーエン:ええ。理解が早くて助かります、

 

明日香:私は皆を式に下らせてから、出発する。
普段は夜になると全く見えない、けものみち。しかし、いまの私は魔力のおかげで普通に見渡すことができるようになっていた。
 やがて、声が響く。
ハヤト:主様!もうそろそろ例の地点です。ここから、忍びの里が一望できます~
明日香:そうか・・・では・・・
明日香N:しのびの里ではかがり火が焚かれている。つまり、それはいつでもここに戦の備えがあることがうかがえた。
明日香:さて・・どうやって忍び込むか・・・?
そのときだった。明日香の耳に声が響いた。
コーエン:明日香。おい、明日香!
明日香:なによっ!
コーエン:何か臭う。変なんだ。おい、ツキ。君はどう思う?
ツキ:オイラもそう思うな。
コーエン:明日香。悪いことは言わない。行動するのはちょっと待て。ハヤテ。偵察をたのむ
ハヤテ:りょうかいだよっ!
ヒスイ:ちょっとちょっと?なんかすごい魔力が感じられるわよ?魔術師同士の戦いでもあるっていうの?こんなの聞いてないわよ?
明日香:どういうこと?
明日香N:私ははやる気持ちを押さえて、そこにいるのがやっとだった。

アキラN:明日香たちが困惑している、それより少し前・・ボクは牢屋で音もたてずに寝そべっていた。
アキラ:おいおい・・勘弁してくれよ。あのオテンバ。今日は闇夜じゃねえか。こんなんでどうしようっていうんだよ。頼むぞ。アイツ・・・
蓮凰:オテンバで悪かったわね。
アキラ:蓮凰!
蓮凰:・・・これからここを脱出するの。いい?ここから先は、私のあとについてきて-
アキラ:ああ、ああ・・・。
蓮凰:いくわよ。3、2、1・・・
降魔:フフフフ・・・ハッハッハッハ!!
蓮凰:ご、降魔!?まさか・・・見つかった!?
降魔:目をつけておいて正解だったよ。蓮凰、お前、この間だけは侵入者の扱いが違っていたからな?いつもは、有無を言わさず、切り捨てていたのにな?
アキラ:な、なんだと・・・本当なのか?蓮凰?
蓮凰:・・・・。
降魔:ハハハハハ・・・だから、お前は、血が目立たない服装がいいというから、お前の戦闘服は黒と赤なんだぜ!?
アキラ:蓮凰・・・
蓮凰:・・あいつの言っていることは、本当よ・・だって、そうしないと、生きられなかった。敵に温情を与えたことで、死んでいった仲間はたくさんいた・・・
アキラ:そうか・・わかった。蓮凰、よく言ってくれた・・・
蓮凰:・・・。
アキラ:降魔よ。貴様のそのセリフに真実のひとかけらもありはしないのだろう?わかっているさ!
降魔:なに?
アキラ:聞けば、すべて、キサマの強要によるものだったそうじゃないか!このばあい、むしろ非はキサマにある!よくも妹の心をもてあそんでくれた!
蓮凰:!!・・にいさん・・・
降魔:ムムムムム・・・我のことを恐れずに理屈をこねる不届きモノめ。滅べ!滅び去ってしまえ!!
蓮凰:あぶない!にいさん!!
アキラ:蓮凰!!!
降魔:ほう!兄貴のために結界を張ったのか!・・でも。それでは長くはもたん!!

蓮凰:いいのよ・・それで。私はわずかな時間がほしかっただけ・・・
蓮凰:もう・・これまでよ・・もう、たくさん!!降魔!!
降魔:なにぃ?きさま!誰に向かって口を聞いている!?命が惜しくなくなったのか!?
蓮凰:いいえ。命をかけてまで守るものがあることに気づいただけ。・・そう、この身をかけて、守るものがね・・・
アキラ:・・・蓮凰!なにをする気だ!
蓮凰:・・大丈夫。ちょっといままで覚えたイチバンなものを放出するだけだから・・・
アキラ:蓮凰!イチバンってなんだんだ!?放出って・・なんなんんだよぉ!?
蓮凰:いくわよ・・降魔!
蓮凰の呪文詠唱:超克(ちょうこく)せよ!世の理(ことわり)を具現(ぐげん)せよ!わが古(いにしえ)の血よ!・・・炎術奥義(えんじゅつおうぎ)鳳凰天翔(ほうおうてんしょう)!
降魔:ぐおおぐおおおおお!!
あつい・・あつい・・あついあつい・・・
な、なんて炎だ・・・
蓮凰:この炎は魔力の炎。おまえの魂まで焼き尽くすだろう・・!
降魔:ぐ・・・ぐううううううう・・・
なんの・・これしき・・・
蓮凰:苦しいだろう?熱いだろう??いままで犯した罪の業(ごう)を思いしるがいい!
降魔:なにを生意気な!小娘ごとき!!!はあああっ!!
蓮凰:!?黒い槍!?しまった!その方向には!
降魔:うおおおおお!
蓮凰:いけない! 強化結界発動!!
降魔:ふっ!かかったな!
蓮凰:ぐ、ぐあああああああ!!
降魔:キサマの身内を狙うと見せかけた騙し討ちだ・・・どうだ?炎使いよ。自分の炎に焼かれるきもちは?
蓮凰:くそう・・くそう・・くそう!!
くやしいくやしいくやしいくやしい・・・!
降魔:泣け!わめけ!そして、絶望の縁で眠るが良い。永久に、はかなく・・・
蓮凰:あああああ!!あああああああ!!
降魔:そして・・・冥土へ行くおまえのために、ささやかな贈り物をあげよう・・・せえぃ!
蓮凰:ごめんね・・・にいさん・・・先に・・逝ってる・・・

ヒスイ:魔力の発言がとまった・・・
コーエン:ハヤト!どうだ?
ハヤト:屋敷に動きなし!どうやら戦いは終わったみたいだ!
ツキ:もう・・安心だとおもうコン。
コーエン:よし・・・明日香様。もう大丈夫でございます。
明日香:よし・・行こう・・・
アキラ・・まってて・・・・

コーエン:あ、あそこに・・動いているものがおりますぞ!
ハヤト:な、なんだって!?生きているのか?そいつは!?こっちからはそんなもの、感じることができなかったぞ!?
明日香:アキラ!アキラではないか!?
アキラ:あ、明日香・・・良かった・・また会えた・・
明日香:・・・きれいな顔じゃ。本当によかった・・・さあ、帰ろうぞ。一緒に・・
アキラ:待ってくれ・・その前に伝えなきゃいけないことがある・・
明日香:な、なんじゃ?申してみい・・
アキラ:黒幕は・・降魔という妖だ・・・忍者を多数配下にしている・・奴らはみんな術を心得ている。人間業ではないから、おそらく、降魔が使役した使い魔といったところだろう・・・
明日香:うん・・うん・・
アキラ:降魔のヤツは、金をたくさん集めていた・・おそらく、貧乏な武士や浪人を買収して施設軍隊でも作ろうというハラだろう。
明日香:な、なぜそんなものを組織しようというのじゃ・・・
アキラ:神社を占拠するためだ・・・
明日香:どういうことじゃ
アキラ:君たちを追い出して・・降魔は自分の拠り所を作ろうとしているのだ・・
明日香:そんな・・
アキラ:広大な敷地ゆえ、直接占拠はむずかしい。なれば、下等人間どもによる間接占拠を行う・・・やっこさん、スバラシイ 悪知恵だ・・・
明日香:そこまで調べてくれたのか・・ありがとう・・さあ、帰ろうぞ。このあとは、共に戦うのじゃ。われの命令ぞ・・
アキラ:もう・・・夜明けか・・・残念ながら。それはできそうにない・・・
明日香:ど、どういうことじゃ!
アキラ:みろよ・・おなかに一発、やられてな・・・もう・・このとおりだ・・・
明日香:そ、そんな・・・
ハヤテ:おなかに槍の突撃・・ひ・・ひどい・・・
ツキ:どうにかならないのか?コン!

コーエン:残念ながら・・これは、無理だ。生身の人間なら即死だ。あの人が生きているのは、降魔の呪いのせいだ・・
ヒスイ:・・・なにがいいたいの?
コーエン:アキラはすでに・・死んでいる・・・
明日香:そんな・・アキラ!!先に逝くなど、ゆるさぬゆるさぬぞ!!
アキラ:悪かったな・・・もし叶うなら、こんど会ったら、ずっと一緒にいたかったな・・ハハハハハ・・・時間だ・・じゃ・・サヨウナラ・・・
明日香:アキラ!アキラーーーーーーー!!
コーエン:恵みであるはずの太陽は、このとき無慈悲にもアキラの体をいっぱいに照らすのだった。
涙にくれる明日香たちをおいて、今日という日は、また始まりを告げるのだった・・・
この話の続きは、またこんど・・・・
前編 おわり