第五条~ヴァルキリーコネクション エピソード1 事件発生~誘い~
エピソード1
事件発生~誘い~
アキラ>
その時、僕は劇部屋にいた。
キサク>
誰もいないサーバー・・・
閑古鳥の啼くこのルーム・・・
アキラ>
仕方ない。来るかどうかわからないが、
ダメ元で募集する。その時だった。
キサク>
劇しませんか?
アキラ>
その返答がこの物語の幕をあけたのだった
キサク>
オリジナルオーディオドラマ
ヴァルキリーコネクション
アキラ>
こんばんわ。誰か劇するひといますか?
キサク>
はーいおれちゃんがいます。こんばんわデル兄ぃ
アキラ>
きーちゃんか。こんばんわ。
劇しますか?
キサク>
うん。いいよ。1年ぶり以上ぶりだからうまくできるか自信ないけど。
アキラ>
実はさ、面白いイベントがあるんだ。
キサク>
面白い、イベント?
アキラ>
ああ。他のサーバーからの招待なんだけどさ、
いままでの声劇とはちがう声劇をしませんか
いつもでない一日を過ごしていきませんか?
っていうイベントなんだ
キサク>
へぇ。招待状見せてくれよ
アキラ>
いいよ。はい。おくったよ
キサク>
へえ。たしかにそう書いてあるな・・
ところで、このイベントの主催って
どこなんだ?
アキラ>
ええと・・・本能寺の政変ってところだったかな?神社のアイコンのところのやつ。
キサク>
ああ、これか。なるほど、初めて見るな
・・・って、これ、ホームページじゃないんだ
アキラ>
そうだよ。アプリなんだよ。
むかしはこえ部とかニコ生とかツイキャスだとか
Hpが中心だったけど、今やアプリが中心。
もう、時代の流れははやいはやいw
キサク>
いまは、もう、ボイコネとかスプーンとかリスポンか・・
アキラ>
そうそう。時代は変わったよ。
声劇だって、昔はパソコンでやるもんだったけど
今はスマホが主流だからね
キサク>
へー。ところでデル兄ぃよぉ。
これはとりあえずこれはダウンロードしてもいいのか?
アキラ>
ああ。全然おっけだよ。そちらのウイルスバスターに異常はないって出てれば問題ないと思うよ
キサク>
そっか。じゃあインストールしてみよう。
あれ?早速緊急メールを受信だ・・・
なになに?
いつでもない一日を過ごしてみませんか。
輝かしい明日のために、一緒に本能寺の政変を見届けましょう。・・な、なにこれ?
アキラ>
おれの方からも受信した。・・よくわかんないけど
写真にはコスプレが写っているから、コスプレフェスティバルでもしませんか?ってやつなんじゃねえの?
キサク>
ふーーーんn。そうなのかあ
アキラ>
どうでもいいけど、おれ、この制服、そそられんのよねえ。
キサク>
あ、あれ?デル兄ぃ?
アキラ>これこれ。この黒と赤のデザインのやつ。
かなり昔だけど、有名な作品なんだぞ。
知ってるか?
キサク>
ぶらっどEだっけ。覚えてるよ。
アキラ>
おれなあ、制服にはすごいこだわりがあるんだわ。
キサク>
へぇ。そうなんですね。
アキラ>
アプリ導入後・・・
僕たちははその怪しげな神社のサーバーを見学することにしたが、他に人はいなかった
キサク>
私達は誰か来るかもしれないという期待を胸に1時間待った。しかし、誰も来ないので僕たちは痺れを切らした。
アキラ>
明日は、誰かいるよ。
キサク>
うん。そうだね
アキラ>
その後、再び緊急メールを受信する。
今度のメールタイトルは
特別受信メール!
なんとサーバーにご登録いたき、条件を満たした方を対象に、期間限定スペシャルイベントのご案内!ハードでクールなひととき!
声劇で参加する戦国時代!!
いつもでないイベントで参加してみませんか
キサク>
それは私の方にも届く。
今なら参加してくださった方々全員に
3日後に行われるスペシャルナイトの
参加券付きの衣装セットをプレゼント
というものだった
アキラ>
へーー!このデザインの制服がもらえるんだ!
すげーな!
キサク>
デル兄ぃは、このイベントに参加するの?
アキラ>
俺はやるよ!
き>
そうなの?なんで??
あ>
だって・・この制服すごい来たいんだもん
そそられて寝ちゃったんだ
キサク>
そうなんだ
デル兄ぃ制服フェチだったの?
あ>
制服フェチって言うかさ
願望なんだよ。おれってさ
小学校中学校高校と学生服
一筋だったでしょ。
帰りショッピングセンターにゆくこともできずに
ずっと何あれって田舎もんって指さされたんだ。
キサク>
へーそんなもんなのか
アキラ>>
そんなもんって・・・ことある僕にとっては
今こういうのは憧れちゃうんだよ
キサク>
私はどうしようかな〜悩んでる、だって、高校の時ブレザーだったし可愛かったし。
アキラ>
そうなんだ・・いいなあ
って、あのさ、きーちゃん
キサク>
え?
アキラ>
あのさ・・このイベントってさ、じつは、
この制服じゃないとダメなんだって
キサク>
え?そうなの?
アキラ>
しかも、特別なイベントに参加したい方は
この制服の着用を一枚正面から
撮ってくださいとある
キサク>
これ、もしかして・・アバターとかになるのかな?
そうだったらすごいよね・・
アキラ>
ボク・・・どんなキャラクターになるのかな?
キサク>>
多分情熱的なキャラクターになるだろうな
アキラ>
そうか!敵が来たらビシバシとなぎ倒す!
うーんかっこいいな・・・
き>>
ねえデル兄ぃ。私は?
アキラ>
きいちゃんはやっぱり中性的な所が結構あるから
ボーイッシュでサバサバしてる感じかな?
あ、でも、どこか巫女的なところもあったりするからそういうのもアリかなって思う。
キサク>
何よ それどういうことよ
アキラ>
そのまんまだよ。
あ、ちなみに俺。これ、登録しておいたぞ。
キサク>
それにしても、本当の意味でいつもでない一日ってのがあると、世の中大変だね
アキラ>
そうだね
キサク>
ところで・・なんでこんなサービスするんだろうって思うんだけど。
アキラ>
うんうん 今回の衣装はコスプレ衣装だから
まだいいけど、
モノホンの制服にしたら
学費随分高いんじゃないか?
キサク>>
そだねえ。
デザイナーデザインみたいだからね
アキラ>
こんな赤と黒のデザイン
なかなかないぞ
かっこいいぞ
でも、女性はあれだな
スカートはフリフリだから
ちょっと冬はツラいだろうな
キサク>
やっぱり 私はちょっと考えるな
なんか嫌な予感がするんだ
アキラ>
そっかそこは自由だと思うし
別に気にしなくていいとおもうよ。
だけど、もし一緒にやれたら
嬉しいなって思うので。前向きにお願い。
き>
うん分かった。その時はよろしく。
アキラ>
3日後・・宅急便でその衣装一式が届く。
直ちに僕はその衣装に着替え、
そのサーバーにつなぎ、
受付専用のチャンネルに入って
スマホの撮影ボタンを押した
すると目の前に閃光が走り・・・
たちまち僕はその意識を手放した
何だよ・・・これ
キサク>
その時私はデル兄ぃの明るい声と裏腹に
やや気持ち的に沈んでいた
それは私の幼い頃の記憶にある。
私の家は上家(かみけ)と呼ばれ、
古の神々の血脈を伝える特別な家柄である
と教えられていたからだった
何気ない声劇のサービス
かっこいい制服に身をまとい
そのうちのキャラとなって
その世界で楽しむ、そんな願ってもない
サービスだったはずだった。
しかし今回のことで、
何かが変わってしまう予感がする
その予感はどこから来るのかが
わからなかった。
しかし、そういう感じが
私にこのサービスでの登録を迷わせていた
のるかそるか
進むか退くか
手に入れるかあきらめるか
時間とともに
さまざまな憶測と思惑が
この問題を蹂躙した。
そして、次の瞬間・・
私は一つの決断をした。
その時、時刻は午前零時を回っていた
アキラ>
どれだけ意識を手放した状態が
続いていただろう。
僕は鼻につく匂いで目を覚ます。
そこにはありえない風景が広がっていた
傷ついた人々、そして今の世界からは
考えられない服装。重苦しい雰囲気
飛び交うと思う響くうめき声
これはどういうことなんだ?・・ウグ!
僕は疼く痛み顔をしかめる。
見ると右足に出血を伴う切り傷があった。
飛んできた弓矢により、足に切り傷を
作ってしまったらしい。
その時だった
キサク>
大変だ!敵の襲撃が始まるぞ〜
逃げられるものは逃げろー!
アキラ>
僕は立ち上がろうとしたが
足に力が入らない。畜生!
アキラ>
その時だった。
同じような制服を着た選手が
一人あたふたとしていた。
キサク>
えっとこれ嘘だ・・・呪文詠唱すれば
いいんだっけ バーンストーム?
アキラ>
・・・馬鹿じゃないの?
僕は思う。それは攻撃魔法。
防御には使えない!
そう声をかけようとした時のことだった。
そいつの体を巨大な弓矢が
ぐさりと串刺しになった。
アキラ>
そいつの体は2度3度痙攣して
がっくりと土の上に横たわった。
アキラ>
何だって言うんだよ。
どうしたっていうんだよ
その時だった
また緊迫した声がひびく。
キサク>
大変だ!矢の一斉射撃が来るぞ!
逃げるものはすぐに逃げろ!
アキラ>
俺もあの呪文の言葉を唱えれば
しかし体が言うことを聞かない・・・
うめき声をあげる・・・その時だった
キサク>
しっかりして!!
敵をまえにして、意識を失ってはいけない!
さぁしっかり立って!
アキラ>
すまない
アキラ>
すると彼女は多くの敗残兵が
向かった方向とは別の方向に
俺を連れて行った。
アキラ>
ここどこなんだよ?
キサク>
ここはこの城の別殿です。
結界を張ることにより
敵は入ってくることができません
アキラ>
な、なんだと・・・
本当だ・・外で敵の声はすれど、
入ってくる気配はしなかった。
アキラ>
きいちゃん・・・君は・・・
キサク>
話は後です。今は治療が先です。
処置、お願いします
アキラ>
そう言うとあっという間に
処置されてゆくのだった。
アキラ>
すぐさま、多くの侍従たちによる
呪文詠唱がはじまる。
口には 薬湯が流し込まれ、
祈祷師が祈り事を延々と唱え
医師は傷の様子を見て、
針でパックリと開いた傷口を縫い合わせた。
どれくらいの時間が経ったか、
きいちゃんはパリッとした
戦闘服に着替え、再び姿を表した
キサク>
アキラ・・今、すべてを優先して話さなきゃいけないことがあるの
あきら・・あなたのことよ。
あなたはこれからどうするの?
今、この世界は金沢城を拠点した
前田家と織田の軍勢が時空を越えた
戦争を繰り広げられている。
キサク>
私たちは、今、前田の軍勢としてここにいる。
そして今の私は ただの一般市民ではなく
戦う巫女、戦乙女ヴァルキリーなの
アキラ>
そ、そんな馬鹿な!?
何かのゲームじゃないし
キサク>
今、馬鹿なって思ったでしょ
でもバカなことが起きているのが今なの。
ある作品で私によく似たキャラクターが
白いヴァルキリーを名乗ってたりしてた・・
それは知ってる。でも今、ここにいるのは
この時代にタイムスリップして
黒い戦乙女を名乗る私なのよ
アキラ>
そんな!信じられない!!
キサク>
わかってる。
だけど、今、あなたには
決めてもらわなければならない
あなたは前田の側に着くの?
それとも織田に着くの?
それとも第三勢力として野良で戦うの?
その答え いかんにより、
私は次の行動を決めなければならない・・・
聞いたことあるでしょ?
勝者には褒美を
敗者には罰を
仲間には愛しき口づけを
裏切り者には壮絶な復讐を
キサク>
さあ時間よ・・・
教えて!あきら!!
あなたはどちらの人間なの?
そしてあなたは何なの??
アキラ>
僕は内心考えた
まず前田の臣下になるとしたらどうなる?
僕はきいちゃんと一緒に戦うことになる
歴史上の歴史の教科書通りだったら・・
オダは強い
果たして勝てるのか
アキラ>
もし オダの臣下として
動くことになったらどうだろう
今から投降したところで。
俺を認めてもらえるとは思えない
最初は迎えられるかもしれないが
その後は暗殺されるに決まってる
アキラ>
もし 野良として 戦うならどうだろう
これはオダに下ると決めたときもそうだろうが
たちまち侍従に取り囲まれるだろう。
アキラ>
僕は、このとき、一つの答えをだした。
その答えを聞いて、
きぃちゃんは満面の笑みを浮かべた。
アキラ>
一方、別殿では・・・
赤と黒の戦闘服を身にまとったきーちゃんと僕が
総勢200人の前に立つ
訓示を行おうとしていた
キサク>
皆の者に達する
今宵、我々は 指導守る前田様の刀と
なり得る舞台を建設する対象には
私には副将には
こちらのアキラがその任に就く。
我々は今一体となり
この混沌とした戦乱を終わらせ
新たなる第一歩を踏みしめんが為に
今日ここに集い、結束し、そして、
ともに武器を取り合うのだ。
そして、歴史の暴れん坊
オダに勝利した時 私は
この大地の神に召されるであろう!!
アキラ>
そして、この日を境にきぃちゃんが
黒いヴァルキリーに
僕はその直属のエインフェリアにと
その姿を変えたのだった
第三条~デイズオフ アナザーフィールド
♂・・・アキラ
♀・・・サクラ・サクラ・
サクラ>
この話は実話である
アキラ>
いやそうであると僕は思いたい
サクラ>
2020年6月6日
アキラ>
僕はこの日を永遠に忘れない
サクラ>
それはいつもであるはずの1日の
アキラ>
いつもじゃない一日
サクラ>
デイズオフというオーディオドラマ作品の
アキラ>
影で生まれたもう一つの話
サクラ>
オーディオドラマ DAYS Off
アナザーフィールド
アキラ>
Discord 裏劇専用サーバー劇空間・・・
先日リリースされた「表劇アプリ」
の影響をモロに被っていた
サクラ>
毎晩かならず
10人程度集まっていたこのサーバーも・・・
今では鯖主一人がコンテンツを右往左往する
寂しいサーバーと成り果ててしまっていた。
アキラ>
そんな数少ない参加者の中でも
サクラ>
僕の相手をしてくれた
今作品の主演女優「サクラ」
アキラ>
話はそんな彼女と声劇をしていたことに
始まる。
サクラ>
ハイ!カット!お疲れ!
アキラ>
お疲れ様でした
この作品・・どうだった?
サクラ>
うーん。いいねぇ・・・いいんだけど
アキラ>
いいんだけど?
サクラ>
わたしとしては、続きが気になるかな
アキラ>
続き・・・やっぱり気になる?
サクラ>
うんこれだけじゃやっぱり
尻切れトンボって感じ
アキラ>
尻切れトンボか・・・
サクラ>
そう。もうちょっと演じたい
ってのがあるのよ
アキラ>
そっか
サクラ>
ふあああああ
アキラ>
あれどうしたの眠いの
サクラ>
うん表で劇をする予定があってね
アキラ>
そっかそれは残念だな。僕は表劇にはいけないし。いかないし。
サクラ>
でしょ?
だから今日はここまでということで
アキラ>
うんそうだね
アキラ>
・・・・・・・その時だった
さくら>
意気地なし
アキラ>
ヘッドセットのどこからか
そんな声が響いた
アキラ>
え
さくら>
主演女優の一人もキープできないようで
何が作家なの
アキラ>
それは・・・
さくら>
言い放つのよ
アキラ>
え
さくら>
君を離さないって
アキラ>
ちょっと!
さくら>
言うのよ
君を離さない!そして、君のココロを繋ぎ止めて離さない・・・
そんな台本を翌晩24時半までに作ってやるって
アキラ>
・・・。
さくら>
大丈夫よ。今は私の魔法で、この会話は結界の中に止めてあるんだし
今言ったところで、彼女には届かないそこまで臆病だったらダメだよ
アキラ>
そうかじゃあ。
アキラ>
サクラ!聞いてくれ!君を離さない!表劇になんか行かせない!そして君のココロを繋ぎ止めて離さないそんな台本を作ってやる。翌晩そう、次の24時半までに作ってやる。
サクラ>
おおおっ!?そう?いったわね
アキラ>
・・・?
サクラ>
その挑発・・受けて立ったわ!面白い!!
アキラ>
え・・・
サクラ>
次の夜までに必ず作ってきて!もしそれで面白い内容だったら私はそれをやってあげるわ
アキラ>
え・・・
サクラ>
作者が演者に対して挑戦してくるなんてこんな面白い企画はないわ
アキラ>
え・・・
サクラ>
じゃあ、私は・・・これでウキウキして寝るわ。超楽しみ!楽しみ!!
(ガチャ)
さくら>
彼女・・・寝ちゃったわね
アキラ>
って・・・おい!お前が悪いんだろ!!あんなこと言ってどうすんだよ!!
できなかったら俺と絶交されちゃうぞ!!
さくら>
大丈夫よ。簡単なことよ。作っちゃえばいいんだから。
アキラ>
作っちゃえばいって・・・お前、そんな簡単なこと言ってくれるなよ!!難しいんだぞ!作品のストーリーとか構成とか考えなきゃいけないし、それに設定とかどうすんだよ!?全く・・・・
さくら>
設定?設定ってどんなやつ?
アキラ>
例えば、舞台にする場所とか、登場人物の性格とか、そういうやつだよ
さくら>
そう。わかったわ。じゃあ、いいこと教えてあげる。
あなたの好きな制服ってどんなの
アキラ>
僕はブレザーが好きだな
小中高とずっと学生服だったから、ブレザーとか、そういう格好いいのが好きでね
さくら>
ふ~ん。都会的なイメージが好きなのね
アキラ>
悪かったね。田舎の自分にとっては、都会に憧れるのは自然の摂理だろ
さくら>
確かにね
じゃあ、この作品の・・・このホームページの制服ってどう?
赤と黒のブレザーのやつ。
アキラ>
カックイイ!
さくら>
気に入った?
アキラ>
気に入った!
さくら>
着たい?
アキラ>
もちろん!着たいよ。着たい!着たい!
さくら>
そう?じゃあ、着せてあげる(指鳴らす)
さくら>
そこの箱開けてみて
アキラ>
そこの箱ってこれ、から箱だったんだぞ
ん? うわあ!うわあああ・・・・・
さくら>
サイズは合ってるはずよ。 アナタ確か、L サイズだったもんね
アキラ>
そうだけど
さくら>
じゃあそれ着てみて
アキラ>
エエっ!?
さくら>
約束でしょ。着てみて
アキラ>
BU!分かったよ
さくら>
おおー。似合う、似合う♪
それじゃあ、今度は、それを着て、公園に行ってみましょう
アキラ>
やだよ~。コスプレなんかそんなこと、俺やったことないし
さくら>
バカね誰しも最初は行ったことないの
アキラ>
しかし
さくら>
いいじゃない。こんな時間にコスプレしてたって、誰もわかりゃしないわよ
アキラ>
今は・・・午前6時か・・・ま、まあ・・・そうだけど
だけど行くのはどうすんだ?このまんまいくのか?
さくら>
バカね!向こうに行くまで上着着ていくに決まってるでしょ!
そのまんま行ったら職務質問かかっちゃうわよ!
アキラ>
そ、それもそうか
さくら>
さあ、そうと決まったら、早く準備して行くわよ!
アキラ>
どこへ行ったらいいんだ?
さくら>
舞台となる学校よ。えーとね。ここ!!
アキラ>
ちょっとまて!ここ市内の有名進学校じゃないか
さくら>
だからいいんじゃない!
この衣装が出てる作品もそうなんだから、リアリティあるでしょ
アキラ>
リアルでのこの高校の制服はダッサイんだけどな
さくら>
そう。じゃあ、なおさらいいじゃない
アキラ>
ま、まあ・・・リアルを美化できるってことだからな。
さくら>
さぁさぁ 立ち話もなんだから、ベンチにでも座りましょ!
大丈夫!今の時間、だあれもいないわ
アキラ>
どうして?何でわかるの
さくら>
ここ学校の敷地なのよ。和らぎの庭って言うね
アキラ>
そうなんだー
さくら>
ささ脱いで脱いで♪上着♪
アキラ>
あ、ああ・・・
きてきたジャージを脱いで彼女の方を向くと
彼女もその制服に早変わりをしていた
アキラ>
すげー!!よく似合ってる!!
さくら>
そう?ありがと。実はね、結構夢だったんだこの制服
アキラ>
うん、うん・・・なんといってもミニスカートに生足がたまらない・・・
さくら>
バカ!見るところが違うでしょ!! まったく・・・
アキラ>
ごめんごめん ウソだよ 冗談だよ
良く似合ってるよ。すごい可愛い、これはホンネ。
さくら>
BU!
アキラ>
高校生活か・・・懐かしいな・・・・
さくら>
そうか・・そうよね。あなたから見ると
30年も昔のことだもんね
アキラ>
そうだよお。 僕らの高校生のときは・・・
中庭にたしかこんなのがあったなー
さくら>
そうなんだ
アキラ>
いいよなあー俺もこんな制服
着たかったなー
さくら>
ダサかったの?制服
アキラ>
言ったろ?ずっと学ランだったから
ブレザーにあこがれちゃってるの!
一回でもいいから手を
とおしてみたかったよ
さくら>
そっかあ
アキラ>
この制服赤と黒なんだよね
なんでだろう
さくら>
血の色が目立たなくできてるからよ
アキラ>
へえ~~なるほど。
アキラ>
それで学校には、どんな秘密があるの
僕たちの学校にはそんなのはなかったよ
あ、でも言ったことのない校舎はあったか
さくら>
行ったことのない校舎?
アキラ>
あぁ定時制の校舎でね。
さくら>
いいね~それ。そこになんか得体の知れない施設があって
アキラ>
そこに得体の知れない魔物がいて・・・
さくら>
面白そうじゃない
アキラ>
ああ。言われてみれば
さくら>
よしじゃあ後はお任せするね
アキラ>
え?き、きみは・・・
さくら>
灰色の学校生活って言われてたんだよね。この高校
アキラ>
!?
さくら>
せっかく入ったのに馬鹿らしい。
こんなことになるんならもっとレベルの低い高校選べばよかったな
アキラ>え?
さくら>
そうすれば君とや君のような人と出会うこともできたのかな
アキラ>!?
さくら>
私のたった1度きりの素敵でエキサイティングな学校生活の続きを描いてね。
アキラ>どうゆうこと君は?キミは?うわああ
そして、ボクは また 意識を失った・・・
アキラ>
どのくらい時間が流れただろう
僕が目覚めた時・・・
体は2階の寝室のベッドの中にあった。
そうだ!!あのお話はどうなったんだ
直ちに僕はパソコンをみる。すると
そこのメモ帳にこのお話が書き並べられていた。
これこんなの書いた記憶ないよ
でもその話を読んだ記憶はあった
アキラ>
あ、あのさ・・・おれ、この数時間 何してたか、おぼえてない?
妻>
あ?あなたは・・そうねえ・・・
パソコンで文章を一心不乱に打ち込んでて・・・
書き終わったら2階の寝室で死んだように眠ってしまっていたわ・・・
アキラ>ちょっとあのさ。あの、この辺で有名な進学校の敷地内に
公園みたいなので「和らぎの庭」って言うやつ、ある?
妻>
よく知ってるわね!
アキラ>
で、あそこの学校生活は「灰色の高校生活」って言われてた?
妻>
よく知ってるわね!?あなたはあそこの卒業生だっけ?
アキラ>
違うよ。でもどうしてそういうお前がしってるんだ?
妻>
だって、私、あそこの卒業生だもん
アキラ>
え、そしたらそしたら・・・やわらぎの公園で何か事件あったかしらない?
妻>
あーそういえば
なんか家庭の事情と学校生活の事情を苦にして自殺した子がいたっけ
アキラ>
ええ!?
妻>
やわらぎの公園の近くに、地蔵あったでしょ。
あれが確か鎮魂碑になってるはずだけど。
アキラ>
そうかそうだったのか。
ありがとう。
ボクは話し終わり、パソコンに向かう。
そして何気なく机の横にあった空箱をみて目を丸くする
そこにはきれいに折り畳まれた赤と黒の制服が入れられていたのだった
アキラ>
その日の夜・・・満月が綺麗な夜。
僕は「和らぎの庭」にある鎮魂碑にそっと手を合わせた。
さくら>
私のたった1度きりの素敵でエキサイティングな学校生活の続きを描いてね。
アキラ>
その言葉がまた僕の脳裏にいつまでもいつまでもこだまするのだった。
そして6月8日午前24時30分僕は主演女優の方と収録に入った。
第三条~DAYS//OFF デイズ・オフ ~黒桜ノ紋~
カケル>
202X年夏。黒桜高校。
僕はその時、生徒会の副会長をしていた
次の学校集会のために配布する資料を
作成している
ちなみに次の集会でテーマになるのは
交通安全標語だった
トバリ>
私はその時この高校の清掃員だった。
生徒が下校した頃出勤し始め・・・
生徒の出したゴミなどを始末したり、
行き届かない部分の清掃など
が私の業務だった。
カケル>
放課のチャイムが鳴り、生徒が一斉に校舎から
いなくなる。僕もこれで帰ろうかと思ったが、
気がかりなことがありそれを思いとどまる。
トバリ>
その頃、私は・・昇降口の音に注意していた。
生徒の下校状況を測るためだ。
この職業を長くやっていると、
音で生徒の昇降状態が読めてくるようになる。
生徒たちがいなくなってから・・・
私には確かめたい内容があった
カケル>
僕にはひとつ気になることがあった
それはこの高校に禁じられた図書室があるということだ。
実はこの高校には地下室というものがあり、
そこは普通では絶対に行くことができないように制御されている
トバリ>
これ本当なのかな?
私はそう言うとポケットに入れた一つの写真を広げてみる。
そこにあったのが10年前の写真。私の亡き友人の写真だ。
彼女はもうこの世にはいない。
カケル>
本当にそんな信じられない場所があるのか?
僕はそう言うと、専用室のドアを開け、
その中をくまなく探してみる。
・・・ないぞ?
僕は首をひねっていた
トバリ>
そんな私も、実は制御室に近づいていた。
そこに行けば、この写真の謎が解け、はっきりするはずだ
そして私は制御室のドアのノブを触れた。その時だった。
獣>
GUUUUUUUUUN!!!
トバリ>
校舎を揺り動かされると 思わんばかりのような咆哮が
周囲には響き渡り、そんな声の主を確認したところで
私はその意識を手放してしまう。
カケル>
つぎに気が付いた時には校舎は警察で埋め尽くされていたらしい。
トバリ>
オリジナルオーディオドラマ
デイズオフ 黒桜ノ紋
サクラ>
ふあああああああああああ
その内の警察車両の家の下に乗り込んでいる私は大きくあくびをした。
アキラ>
おい不謹慎だぞ?これでも職務中なんだぞ。
サクラ>
分かってるわよ。ったく。
アキラ>
警察無線によるともうそろそろ理事長たちが折れるというところだ
サクラ>
全くさっさと私たちにやらせてしまえば良かったのに
アキラ>
そういうわけにもいかないさ。高校だったら自治権というものが
少しはあるからな。自分たちの問題は自分たちで解消しようという
動きは必要なものだよ
サクラ>
そうなのかな
アキラ>
そうだよ。
てなきゃ俺達24時間勤務になっちゃうぞ
ブラック企業ならぬブラックポリスになっちゃう
サクラ>
それもそうね
アキラ>
お!シグナルだ!行くぞ!理事長が俺達を迎えてくれそうだ
サクラ>
了解
アキラ>
初めまして我々が警察庁対妖魔特捜部通称
対魔部のチーフの風魔彰そしてこちらが
サクラ>
初めまして同じく 対魔部の夜月桜です
早速お尋ねしたいのですが、
こちらは一体どのような事件に巻き込まれたんですか
アキラ>
あ・・・現場視察ですか?今からですか?
はい OK です。
さくら早速案内してくれそうだ
サクラ>
ナイス早いわね
アキラ>
ここ・・普通の校舎みたいだけど何か違いがあるのか?
サクラ>
特に見た限りではそれは分からないわねでも結構気になるところはある
アキラ>
どういうことだよ
サクラ>
分からないでもなんとなくそう思うの
アキラ>
なんとなく?
サクラ>
そうまた漠然と言うか何と言うか
続きは現場で
アキラ>
ああそうだないってみなきゃ分かんないもんな
サクラ>
ここは二人が行方不明状態となった制御室か・・・
アキラ>
なんかいろんな機械が動いているな?
これって何なんだ
サクラ>
おおかた部活とかもあるからそのための照明に結構使うんじゃない
アキラ>
なるほどガッテンだ
サクラ>
でここに誰が閉じ込められてるんだっけ
アキラ>
生徒会副会長さまと女性の清掃員だってさ
サクラ>
ほう・・では
アキラ>
閉じ込められているのは2名ということな
サクラ>
どう攻める
アキラ>
決まってるだろ?強行突破だ
サクラ>
(チャンネル切り替え音→全員向け)
これよりプラスチック爆弾で制御室の扉を破壊。
その後我々二人が突入する!
他のものは全員で住民等の避難に備えよ
アキラ>
爆破まで 3・・・2・・・1・・・・ファイヤ!
サクラ>
(全員向け)
突入!突入!
アキラ>
いた!敵だ!!
サクラ>
3メートルクラスだな。 ちょっと・・・でかっ
アキラ>
サクラ!結界を
サクラ>
了解!
大地の精霊ノームに命ずる。
この空間・・・この時・・われが我の支配下となれ
サクラ>
見たところ邪魔な要素はない・・行ける・・!
サクラ>
奥義!エグゼクスホールド
アキラ>
よし!まものの動きを止めた!
拡散物なし! 今だ!
アキラ>
退魔の力の宿るわが刀よ
いまこそその力を示せ!やあっ!
獣>
GNNNN!
アキラ>
ちいっ!!浅い!!
サクラ>
超克せよ!力を
集結せよ 聖なるマナを
わが力となりて、この異形を両断せよ!
獣>
GNNNNNN!!
アキラ>
や、やった!!
・・・間・・・
アキラ>
被害者は!?
サクラ>
・・・いた!
アキラ>
あ、君は・・・生徒会副会長の!?
カケル>
あ、はい・・カケルです・・・
僕は一体何をしていたのでしょう
サクラ>
被害者保護!
繰り返す!被害者を保護した!
アキラ>
・・・・・良かった。本当に良かった!!
サクラ>
(全員向け)
警備体制解除!!くりかえす警備体制解除。
アキラ>
こうして、一つの事件は解決したようにみえた
サクラ>
このあとは普通に日常にもどるものだとおもってた
カケル>
しかし、それはただの妄想に過ぎなかった。
トバリ>
16時間後・・・話は急転する
次回 第2話 ごきたいください
第六条~四十九条賭場物語~黒船伝説~
アキラ>執事みたいなかんじ
ユキネ>セバスチャンみたいな感じ
トバリ>小料理屋の女将。
ワントークワンムーブシステム
ユキネ>なんですって!?失せ人(うせびと)が発生した?
その話を頂戴したのは今しがただった
アキラ>やれやれやれやれ・・・またですかぁ
わたしは重い腰をあげました
トバリ>ここは東西七区画、南北七区画にひろがる
四十九条都(しじゅくじょうのみやこ)。
第28条であるこの地域の特色は、海に運河で
つながっているという点だった。
ユキネ>・・・ここが事件のあった現場だ。
名前は・・「杉の井」・・・料亭だ。
アキラ>ふむ・・・自分が聞いたのは、賭場なのに
どうして、料亭にきているんでしょうね?
ユキネ>バッカ!おまえ、そんなの・・・
地下にでも併設されているからに決まっているだろ
アキラ>ああ、なるほど・・・
ユキネ>現場についたぞ・・・
あ、あれ?・・・先客がいる・・・
アキラ>あらま~ 入れないじゃないですか~
それに、あそこにいるの、奉行所の面々ですよ
あ、どうも。お世話になっております
ユキネ>おい、こら、バッカ!
なにやってんだよ・・おこられちゃうだろ!!
・・ああ、すみません・・あの、この辺で
殺しがあったと聞いたものですから・・・
はい・・・
アキラ>ほう・・ほう・・隣にもこういう小料理屋があるのですねェ。誰かいませんかぁ?こんばんわあああ
トバリ>ハーイ。
ユキネ>すいません。完全にこれは越権行為です。反省しています・・・おい、アキラ。おまえも謝れって・・あれ? アキラ?
アキラ>いやいや~こちらのご飯はなかなかに美味ですねえ。高級旅館のそれもいいですが、こういう素朴なのもいいですねぇ
トバリ>そうかい(笑)それはそれはうれしいこといってくれるじゃないかい。ありがとう。
ユキネ>おーい!アキラ!!ったく、おまえ、なにしてんだよお!!
アキラ>なに?って・・・おいらは、このトバリお姉さまに料理をごちそうしていただいていたのですよ
トバリ>あ、お連れさんだねェ。店は夕方からなんだけど、この人がどうしてもというもんだから、
案内したんだよ
ユキネ>すいません。うちのわかいのがお邪魔しちゃって
アキラ>姉御!この味噌汁おいしいっすよ!
トバリ>あはははは お上手ね!!
ユキネ>ちっ・・・まあ、いいか・・・
ちょっとむかつくけど、平和だしな・・・
ユキネN>ボクもソバを頼んで、席に着く。
そう思ってしまうのも無理はない。
アキラ>この第28条という場所には実に数千人という人が所狭しと生活している。
ユキネ>そこに生き、なにか事件が起きたらすぐさまに出動しなければいけないのが俺たち「番屋」だ。
トバリ>彼らの活躍をあたしたちはよくみかけている。あたいはその頃小料理屋「桜の門」を切り盛りしているトバリという。
トバリ>この人たちがやってきたころ・・・
あたしは夜の店で出すための
料理の仕込みをしていた。
カタコトカタコトという音を立てる
大鍋を前にして、話しかけていた。
素材はよかったか?
良い感じに茹で上げられているか?
おかずは美味しくなりそうか?
アキラ>僕たちがおじゃましたのはその直後。
ユキネ>ボクが合流できたのはそれからやや遅れてのこと。
トバリ>いい雰囲気で食事を提供したのもつかの間、こんどは、乱暴なお客がのれんをくぐる。
岡っ引き>やいやいやいやい。ここの家の主よ
出てきやがれ!顔を見せよ!
トバリ>なんだよ壮造しいね、
岡っ引き>おお!そこの女!
個々の家主を出せ!
トバリ>あたいだよ。小料理屋「桜の門」の家主トバリだよ
岡っ引き>そうか。じゃあ都合がいい。トバリとやら。昨日近くの料亭で殺しがあったことは知っているか?
トバリ>ああ。しってるよ。近くの料亭って言うと椿屋か。そこの娘が、うせたんだろ?
岡っ引き>さすがだな。
ん?よくみりゃそこに居るのは「番屋」のおふたりじゃねえか
アキラ>すみません。おふたりで。
ユキネ>わりぃかよ
岡っ引き>お盛んなこってー こんな真昼間から
アキラ>・・・?
ユキネ>ふん!
岡っ引き>まあいい。口酸っぱく言うがな、ここいらの事件を扱っているのは奉行所だ。
貴様ら「番屋に出番はない」以上だ。
岡っ引き>それでだ。
基本の情報、何か知ってんのかい
トバリ>
それでものライバル店の知らない方がおかしいだろ
岡っ引き>
何か変わったことはなかったか
トバリ>
台所事情が分かるくらいのものかしら
内情はどうとかそのへんのことは分からない
そこまでわかったら地獄耳だよ
岡っ引き>
そうか そうだよな
では、邪魔をした
第七条~レジデントコード エピソード1 第3話
アナ>DDNデイトラインニュース。
こんばんはこの時間のニュースをお伝えします
医療現場で“あるマスク”が物議を醸しています。このマスク「KN25というもので、」通常は「N95」というタイプのマスクが使われますが、需給がひっ迫しているため、国や自治体が用意したマスクです。しかし、この「KN75」は密閉性があまいことから。
医療現場からは「使い物にならない」との声が次々と上がっています。
アキラ>
医療体制崩壊の恐れ
ヒカル>
その悲痛な声を出すかから聞いたのは三日後のことだった
ユウキ>
アスカが先日の爆発物捜査で受けた傷がまだいけるまだいける入院を余儀なくされていた
アスカ>
そこで彼女は看護婦たちの向きがいろんなものならぬ動きをしていることに着目していた
アキラ>
何かに怯えている何かに混乱している何かの原因で右往左往しているその理由が何なのか私には分からなかった
アキラ>
直ちに俺はお上に送信する。ジャッジの必要性ありと
ヒカル>
その時私はお店の方に入っていた。
そして最初は何の事か分からないでいた
ユウキ>
その時拙者は道場の中で素振りの最中だった
アスカ>
爆発物の次は医療崩壊の危機・・・
アキラ>
そして私は混乱の最中の病院・・・
ヒカル>
この街で一体何が起きようとしているのか
ユウキ>
焦りだけが加速する時を刻ませていた
アスカ>
オリジナルオーディオドラマ
レジデントコード 第3話
アキラ>
アスカが入院してから、3日の時間がながれていた。
ユウキ>
連絡を受けてから20分後。
それがしは見舞いのものを持って病院の方に到着していた
アスカ>
ようやく来たかエロじじい
ユウキ>
エロじじいはないだろう?・・・悪かったよ
アスカ>
良き。では入るが良い。
アキラ>
ちょうどそのころ・・・俺も病室に到着していた・
アキラ>
お二人とも・・ちょうど良かった。今、上の方から
正式にジャッジの要請が来た。これが資料だ。
あとは・・ヒカルか・・・
まもなくあいつも着くだろう。
それまでしばらく調査資料を見ていてくれ
ヒカル>
運転手さん早く早く。
その時私はようやく病院の駐車場に到着していた。
ユウキ>
与えられたすの子葉双子葉には驚愕な事実が記入されていた
アスカ>
なんだと!?
今、この騒ぎの根元は まだ治療法の見つかっていない
新種のウイルスじゃと!?
どうしてそんなものが!?
・・・おぉ!こんなところにお噂をすれば
アキラ>
あぁ ヒカル。
待っていたぞ~はい、これ資料。
・・・どうだった?聞き込みの方は
ヒカル>
あぁ。資料ありがとう。
聴きこんでみたけどやはり例の病原体の被害が広がってるわ
各病院外来もうすぐ患者数が軒並み増えてきてる
ユウキ>
外来が増える・・・!
・・・しかし特効薬がない・・・
とりあえず、今は気休めの薬を与える・・・
アスカ>
じゃが、しかし・・すぐに死者は出始めるはずじゃ
・・・まずは体力のない女子供、
そして同人から死者が出るじゃろうな・・・
アキラ>
じゃあ・・・俺たちはどうしたらいい!?
ヒカル>
そんなの決まってるでしょ誰か一人でも救うのよ
ユウキ>
バカ!医療従事者でもない俺達がそんな事したって
足手まといになるだけだ
アスカ>
ではウイルスをばら撒いたやつを排除したらどうだ?
いつものように犯人を特定するのは
難しいことではないだろう?
アキラ>
いやしかしそれでは死者を増やすだけだ
確かに犯人は捕まるだろうしかし死者は生き返らない
ヒカル>
じゃあどうするって言うの?
あなたは一体何をしたいのどうしたいの?
私たちに何をさせようっていうの??
ユウキ>
ヒカルの言う通りだ。確かに、この場において、
事件の真相を知るのは俺たちかもしれん。
でも、俺達も人間だ。
できることには限りがある
アスカ>
そうじゃぞ
全ての事は出来ない。
だから、できることをする。
それがこういう時の行動の鉄則だ。
アキラ>
少し考えさせてくれ
ヒカル>
あなたね無責任よ
ユウキ>
ヒカル!そんな言い方ひどいぞ・・・
大丈夫だ。アキラ・・わかった
好きに考えるといい
アスカ>
ただし・・・忘れるでないぞ。
時間は有限じゃぞ
アキラ>
そして、僕は部屋にこもり・・・
一つの決断を探す「心の旅」に出た
ヒカル>
次回予告
ユウキ>
個室で悩む一人の上級軍人
アスカ>
混沌の末、光明のように 見つけ出した
その結論とは何か
そして チーム レジデントの 行方はいかに
アキラ>
ご期待ください
第七条~レジデントコード エピソード1 第2話
アナ>DDNデイトラインニュース。こんばんわ、
この時間のニュースをお伝えします。
県知事は記者会見で、季節外れのカゼの流行を想定した
医療提供体制を整える方針を示しました。
病床数は現在の状態を踏まえ、今後の感染拡大の状況に応じて、
段階的に増やす考えです。一方で検査体制や防疫体制は強化し、
リスクを早期に把握して万全の対応が取れるようにすると発表しました。
アキラ:女性が市内の病院に緊急入院という話は
お上から直々に聞いていた
ヒカル:その様子をからさせてそれがアスカであることは
容易に想像することができた
ユウキ:知らせを受けて拙者達は市内の病院に急いだ。
そこで某たちが見たものは、耳と目を疑うかのようなものだった
アスカ:オリジナルオーディオドラマ
レジデントコードエピソード1 第2話
アキラ>アスカ!おまえ・・・
ヒカル>なによぉ!?あなた、全然大丈夫じゃない!
全身やけどの黒焦げだって聞いたから、私、
あなたがベットの上で寝たきりになってるんだろなって
思ってたのに!?
ユウキ>これは・・・一体どういう・・・間違いじゃ?
アスカ>コラ!ユウキ!!間違えだとか言うてくれるなよ!?
たしかに、わらわはまっくろくろすけの意識不明の、
悲劇の乙女だったのじゃからな!
アキラ>たしかに、この状況をみると アスカは無事だったのかもしれん。
しかしだな、情報が錯綜(さくそう)している
ようだ。いったいどういうことだ?詳しい話を教えてくれ
ヒカル>そうよ。ついでに、ここの騒がしいお医者さん達の
事情も含めてね。
ユウキ>そういえば、さっきから妙に騒がしい。
アスカどのおぬし、なにか知っておるのではないか?
アスカ>気づいたか。すべてお気づきのとおりでな・・
わらわが目覚めたときから、こうなのじゃ。
そうじゃ・・・すまんがここではちょっと都合が悪い。
ちょっと場所を移したい。よろしいか。
アキラ>お、なんだなんだ。ここは秘密の部屋へ移動ってパターンか?
ヒカル>ものすご~い 機密情報というやつが出現してくるとか!?
ユウキ>おおお!興奮・・・って、あれ?
あの・・・アスカ殿?・・・こ、ここは?
アスカ>ん?談話室というとこじゃが?
病院というところでは、見舞いがたくさんのときはダンワシツというところで
話さないといかんと聞いたものでな・・・・
アキラ>なんだ?・・・それは??がっくりだ・・・
ヒカル>・・・・あたし、店に行こうかな・・・
ユウキ>・・・拙者は、ソバを食べに行くでござる~
アスカ>こらこらこらこら おぬしたち!
アキラ>・・・ったく、俺たちはなぁ、安月給で働いてるんだぞ?
軍人がアルバイトとスパイを兼任なんて、前代未聞なんだぞ?
ヒカル>わたしだって、そうよ。なんで儲かるはずのお店のほかに
こんな安い仕事請け負わなきゃいけないんだろ?
ユウキ>それがしだって、この世界のギンザのソバくらい食べに行きたいのに、
なんでこんな安い稼業に身を投じるようになったのか・・・まっこと、嘆かわしい・・・
アスカ>・・・よし、もういいじゃろう。端末に注目するように。
アキラ>・・・ふむ
ヒカル>・・・そういうと、アスカはその始終を話し始めた。
ユウキ>アスカは思念波をスマホにかける。
やがて、脳裏に実像が浮かびあがる・・・
アスカ>そのとき、わらわは浮遊術を使って、
光る閃光の見えるところまで移動していった。
アキラ>その後、強烈な目を痛めるような閃光にとらわれ・・・
それ以降は何も記憶していないそうだ。
ヒカル>その光は確実に、アスカの体を破壊しようとした。
ユウキ>激しすぎる閃光・・・灼熱の光芒。
アスカ>自身の感覚を全て止め、自らの身を闇に閉じ込める。
アキラ>そして気付いた時には、巫女服を黒く焦がしてしまった
状態でみつかった。
ヒカル>そのときの服がバスケットの中にに入れられている。
黒く焼け焦げた巫女服。無残にも煤汚れてしまっていた。
すごい・・・相当の爆発だったんじゃない?
ユウキ>それがし・・ちょっと気になる。(・・・クンクンクン)
アスカ>やめい!おぬしはチカンかあんぽんたん!!
アキラ>アスカのクレームをよそに、一通り匂いを嗅ぎ終えると
ユウキは我々に向き合った
ヒカル>ユウキはそして、病室から持ってきたマスクを全員に渡す
ユウキ>嗅いで見てくれ。
アスカ>はあ??てめえ!やめんかこのクソこれスケベ野郎!
アキラ>ふむ・・・・・
ヒカル>これが・・どうしたの?
ユウキ>金属の匂いがする・・・これは、霊的な何かではなく、
物理的な・・なにかだったのではないか?
アスカ>どういうことじゃ!?くわしく言うてみい!
アキラ>いや・・・その必要はない・・・
ヒカル>どういうこと!?
アキラ>これは・・・火薬の原料 マグネシウム四型乙だ。
ヒカル>な、なによ、それ・・・・
ユウキ>この時代でいう、ダイナマイトというわけさ。
やっこさんたち、ここに不発弾があることをしっていたな。
アキラ>知っていて、極秘に処理しようとした・・
ヒカル>なぜ、そんなマネ・・・・
ユウキ>工事を中止にしたくなかったのじゃろう。
危険物がみつかれば、調査が入るから、工事はできない。
さっさと決着つけたかったのではないか?
アキラ>・・・わかった。あとは俺がやる。
これは、俺が上へ報告して、上が動くべき仕事なのだからな
ヒカル>その日の昼・・・現場にはキープアウトのテープ
が張られ、ぞくぞくと鑑識チームが中に入ってゆくのを
テレビで見ることができた。
ユウキ>後日の報告で、そこから不発弾が多数見つかった
どこの業者のものかもわからない
そして工事を遅らせる理由にもなる
着服することもできるのではないか
などなど・・・様々な憶測が飛び交った
ユウキ>だが・・それを最後に・・・
その後の結末については語られることはなかった。
アスカ>
残った現実・・・・・
アキラ>
それはそこにはいくつもの不発弾がそこに置かれている
ということだけだった。
ヒカル>
無論住民側にはこのことは知らされまい。
ただ単にこの問題はのらりくらりと信仰され、
また再び闇の中へと消え去っていくのだろう
・・・・以上報告終わり
ユウキ>終わったな・・・・
アスカ>ああ・・・・
そうして私たちは、病院の屋上で、
黄昏をみているのだった・・・・
アキラ>次回予告!
ヒカル>一つの事件が解決したと思って
ホッとするのもつかの間
ユウキ>またメンバー四人の懐に持つスマホが、
バイブ音を鳴らす
アスカ>
新たなる事件がまた帰らを呼び出すのだった。
次回もお楽しみに
第七条~レジデントコード エピソード1 第1話
登場人物男2女2
日々のニュースから話題を提供したリアルニュース物語バラエティ
各員出身地バラバラなので訛り全面可
アキラ 帝国陸軍特機隊隊員 軍服コス ♂
綱紀粛正うるさい 白
→俺
ヒカル キャバクラ店員 ドレスコス ♀
明るい陽気的か情熱的か冷静 黄か赤か青
→あたし、わたし
ゆうき 幕末藩士 袴サラシコス ♂
革命好き新しいこと好き 赤
→それがし、拙者
アスカ 巫女(実は機械人形ハチュネミコ)
巫女コス ♀
遠目に見る 黒か白
→わらわ、花魁ことば
メモ★あらすじ★
第零部 ここに来るまでのストーリー
レジテンドチームに入るまでを描く
第一部 日常討伐編
毎日のニュースからそのニュース神様の背景を作り出している黒幕を討伐するためのストーリー黒幕は全てジョーカーと呼ばれる
第二部 野望革命編
自分たちの存在意義を問うと一つの作品集本当の敵は一体誰なのかなぜ自分たちが選ばれたのかそして明日は来るのかレジデントコードの意味を問う劇場版
エピソード1
アナ>DNNデイトラインニュース。こんばんわ この時間のニュースをお送りします。
まるでゾンビ、45年間本体未着工のダム計画 徹底抗戦です!
N県からのリポートです。
45年前に建設が決まりましたが、いまだに本体の着工すらしていないダム計画がうごきました。この公共事業は、Iダム計画で、県などがI川の流域に設置しようとしたものです。県側は本日未明、強制的に土地を取り上げる「行政代執行」を「選択肢のひとつ」と発表。45年間本体未着工のダム計画を再燃させたかたちとなりました。
県はダム建設に伴う移転は8割でおこなわれたものの、のこる13世帯ではまだおこなわれていません。住民たちによると「死んでもふるさとを離れない」と徹底抗戦の構えです。住民側は見直しを求めていますが、県は応じない構えを崩しておらず、両者の溝は深くなった模様です。
アキラ>そのとき、レジテンドチーム4人のもつスマホが特別なバイブを発した。
なになに? N 県のとある地域でストップしているダムの建設工事が再燃して、住民運動の波紋がひろがっている?
ヒカル>ふむふむ45年も止まっていた計画が、突然動きだしたのは不自然?
ゆうき>しかしながら、これは砂防目的のダム。工事を止めれば多額の損失がでるし、もしかしたら防災管理にも支障をきたす可能性がある
アスカ>どちらにせよ、市民からの増税は免れないが、さらに長期化すると無駄な税金がさらに発生する。
故にレジデントチームはこの工事一連に関してジャッジしてほしいとな!?
アナ>オリジナルオーディオドラマ レジデントコード エピソード1 第1話
アキラ>説明しよう!!ジャッジとは・・・事件を歴史的に判断して、超法規的に判断し、処置すること
ヒカル>処置の方法は 首謀者の殺害、未然に防ぐための警告の発令、はたまた傍観。
ユウキ>制限は4つ。ターゲットの時代に行って、作戦を行えるのは24時間だけ。
自分が未来から来たことは内密に。徒党を組んで革命をおこすような 反社会性な行動はダメ。
アスカ>そしてあとひとつ 離れた時間において死すこと歴史のわすれものゆえに屍拾う者なし・・・・
アキラ>おい!聞いたか?ダムのジャッジのこと。
ヒカル>知ってるわよ。45年放置のダムでしょ?まるでゾンビ現象だっていってたもんね。放置されていたとはいえ、立派な事業だったんだわね
ユウキ>みたいでござるな。1975年に建設が採択。のちに強制測量。だけど国が本当に動いたのは2013年に入ってからとなってるな。
アスカ>45年も動かない施設なぞ、本当に必要だったのでありんすかな?
アキラ>付近住民からのインタビューがついてた。それによると50年も作られなくっても大丈夫ということはなくってもいいんじゃないんですか?とある。
ヒカル>みて。この写真。ダムなんかなくってもこんなきれいな田んぼで平和にくらしてます~って絵よ。まったく。事業自体無駄なことだったんじゃないの?
ユウキ>しかしでござる。昨今では100年に1回の災害がおきているでござる。
雪が降らないところにふる。降る所に降らないということが当たり前のように起きている世の中でござる。めっそうなことをいうものではござらぬぞ?
アスカ>しかしながら、それでも50年動かないのは、なにか理由があるのではないか?その理由を探れというのがお上(かみ)の意向じゃろう。
アキラ>よし。打ち合わせたいことは以上だ。各自3日後までに結論をもって集合だ。いいな!
アキラ>そんなわけで、おれはまず、現地を視察してみることにした。
アキラ>なんだあ?これ?ほんとに荒地そのまんまだぞ。この現場事務所とか、なんだよ。廃屋じゃねえかよ。で、で、で・・・なんだ?退去したひとの家は撤去されることもなく、そのまんま・・・まったく・・・アッタマきた!!
ヒカル>そのころ私はI市の中心部のキャバクラにいた。私の隣には県の土木課の課長と次長を招いていた。
ヒカル>お待たせしました~ご指名のヒカルでーす 今日はよくいらっしゃいました~ 課長さん、ちょうど4か月ぶり。次長さんは2回目のご来店ですね。たのしいお話のついでに、ちょっとばっかしサービスしちゃおうかな
ヒカル>時はながれ・・・
課長>だめだよぉ!そんな、おねだりされちゃっても、出せないものはだせないの!
次長>ほんとうだよ!!大きいゼネコンの仕事あるっていっても、全然動きやしないんだから。もらったこの辺の予算はみんな予備費行きなんだよっ!
ヒカル>・・・なるほど。金の動きは正常ということか・・・。ちょっと強いお酒積みすぎちゃったな。しかたない。ここは私が自腹しはらっとこか・・・
ユウキ>拙者はその次の日、またダムの建設予定地を見学していた。
そこで目にしたのは、小さいながらも手入れされた水田だった。
ユウキ>たしか・・コメは平地で作られるはずのもの・・・しかし、ここでは傾斜地であるにもかかわらず、はぐくまれている・・・もしや・・これが棚田なのか・・・どれもこれも、同じ形はどれ一つとして、ない・・・これは綺麗だ・・まっことあっぱれとは・・・このことじゃ!
アスカ>そのとき、わらわは、その地よりやや高い場所から、この現場を望んでいた。50年も動かなかったのには何か理由がある・・・たしかに始まったのは1972年第2次ベビーブームの真っ最中で、生活水源が必要だったというのはわかる。しかし、それならそれで他にも方法はある。いずれにせよ・・・物理的な何かではなさそうじゃ・・・
アスカ>ん? あの現場で・・・なにか光った・・・・?
ここは、得意の・・浮遊術でさぐりをいれてみよう。
・・・ちょっと間・・・・
アスカ>ん?なんだこの光・・・俗世のものとはちがう・・・
うわあ・・・うわああ・・・うわああああああ!!
アキラ>そして、次の日・・・・
アナ>DDNデイトラインニュースをお伝えします。本日、未明に市内の山林にて
全身やけどの女性がはこばれました。奇跡的に一命はとりとめたものの、病院では面会謝絶の状態はつづくだろうとしています。警察では、付近の聞き込みをより強化するとしています・・・・
アキラ>次回予告!
ヒカル>病院にはこばれたアスカ。駆けつけるみんな。
そこで明らかになった事実・・・・
ユウキ>これは・・もしや・・・超常現象たることなのか?
アスカ>次回もおたのしみに!
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第八条~四十九条賭場物語 百合伝
エピソード1(比率1:2:0)
<登場人物>
みらい・・・アマ出身。おどおどしているが
冷静沈着な一面があり、
あっという間にアキラを追い抜いてしまい、
こうりに次ぐ名手になる。
基本:温厚 芯が強い
飲まないが飲める飲むと酒癖が悪くなる
こうり・・・プロ。物心ついたときから
この稼業を始めているずば抜けた直感力と
いぶし銀の腕は他の追随を許さない。酒豪。
基本:粗い。
あきら・・・プロ。数年ほど前にこうりに
命をかけた戦いでこうりに破れ、自刃しようと
したところをこうりに救われ現在に至る。
心臓に疾患があり、ノミの心臓である。下戸。
基本:温厚 気が弱い
鉄蔵>四十九条のなかにあるやくざ集団
のひとつ「クロガネ組」の若頭。
暴力と欺瞞が好き。
N>話は元禄の世。戦乱無く太平なりし頃の話。
表の世では町人文化華やいだ世の中となっていたが、
その背景裏側では、止められぬ闇がひそんでいた。
N>ここは東西7区画、南北7区画に、
碁盤目状に開発された、町人の都
通称「四十九条街(しじゅうくじょうがい)」。
この都市では、今日も事件が起きようとしていた。
N>これは そんな都市で起きたことの事件簿。
その渦中を駆け抜けた、3人の物語。
ボイスドラマ「四十九条賭場物語百合伝 第一話」
コウリN>そのとき私は四十九条のなかで
企業が集まってテナントを開いている産業会館にいた。
目的は2週間後に迫る華会で
使うモノの買い出しだった。
コウリ>アキラのやつおっそいな~
たくさん用事を頼んじゃったから
仕方ないといえば仕方ないんだけどね・・・
ま、いいか・・・任せておくとしようか・・・・
コウリ>それにしても、華会、どうしよっかな・・・
主催のほうは、へこむことなく
勝たせなきゃいけないし・・・
かといって不自然に勝ちすぎちゃうと・・
それはそれで問題おこるからな・・・
問題なく、進んで、終わってくれれば、
万々歳なんだけどな・・・・
そう・・うまくもいかないか・・・って、ン!?
アキラ>お待たせしました・・・
依頼されたモノは手にいれておきました。
・・・・って? コウリ様!
アキラ>あ、あそこだ・・・ああっ!
カタギが開く賭場イベントになんか
入っちゃって・・・もう・・コウリ様ァ!
ミライ>サアサアサアサア、
みなさん寄ってらっしゃい見てらっしゃい!
お待ちかね!丁半勝負の時間だよっ!
取り決めは簡単。
種も仕掛けもないこのサイコロ。
こうやって入れ物の中でカチャカチャして
出てきた目をあてるというものだよ~
サアサアサアサア賭けた賭けた!
丁か半か、さあ、さ、はったはった!!
コウリ>・・・・
ミライ>サアサアサアサア・・
丁がでました半もでました。
その割合は丁がちょっと多いか?
さてみなさん!半はいませんが?
いかがでしょう?いかがでしょう?
コウリ>フン!・・・
ミライ>(ちょっとムッとして)
・・さあ。出そろいました~出そろいました~
いかさま、八百長、口八丁に手八丁、
その類の仕事はやっちゃいませんやりません。
ささ、はったはった~~~~
ミライ>(でたことを確認してから)
さてまいります!よござんすねっ!
しょうぶ!!
ミライ>7!でございましたっ!!
ミライ>さてさて、お客人方・・
宴(えん)ならぬ賭場(とば)たけなわでは
ございますが・・・
ここいらでおひらきといたします。
今宵のごひいき、まいどありがとうございました・・・
コウリ>ちょいと・・・
ミライ>!?ん?
コウリ>私と・・・ちょいとあそんでほしいのだが
ミライ>だ、だめだよお。
もう花会はおひらきなんだから。
また、今度、来なよ?な?
コウリ>そんなこと言ってにげるのか?
ミライ>!?
コウリ>あたしは 長居しない。
ただ、ちょいとだけ、あそばせてほしいというただけ。
ミライ>・・・
コウリ>そうか・・わかった。では、
私のツレが相手をしよう。
勝負に金銭は発生しない。それでどうだ?
ミライ>い、いや・・・
それでも・・・こまります・・・
コウリ>なんだ? もしかしてあたしが、こわいの?
ミライ>そ、そんなわけ・・ないでしょ・・・ただ・・
コウリ>ただ・・なに?
ミライ>もう、退出の時間なんです。出ないと。
どうしてもやりたいなら、別にお部屋を借りないと
コウリ>なるほど・・それも、そうだな
・・・おい、アキラ!
アキラ>近くの旅館に、部屋を借りました。
これで、いかがでしょう
ミライ>あ、ハイ・・・これなら問題ありません
コウリ>ようし・・・じゃあ・・・
早速、腕をみせてほしい。おい、アキラ!
アキラ>ハイ! 勝負はボクのほうで 承ります。
ミライ>あ・・ああ・・・
アキラ>此度の勝負には金銭の享受は発生しません。
しかしながら、もし、こちらが勝利した場合、
わが主の願いをきいてやってほしいのです。
いかがでしょう?
ミライ>私にとって、無理ではないお願いを
聞くだけなら、かまいません。
アキラ>了解しました。それでは、始めましょうか。
そちらの先行でまいりましょう。
アキラ>では・・・どうぞ。
ミライ>では・・・はじめます・・よござんすね
・・・・勝負!
アキラ>丁!!
ミライ>はやい・・・?
アキラ>丁だ。まちがいない・・・・・
ミライ>なっ・・・!あああ!!
アキラ>どうした?結果はどうです・・・
ミライ>ち・・・ちょう・・・・
アキラ>ふっ・・・こちらの勝ちのようですね・・・
ミライ>く・・・くそ・・・・
アキラ>次はこちらの番ですね
・・・では、まいります・・・・勝負!
ミライ>丁!
アキラ>・・・・それで よろしいですか?
ミライ>・・・もちろんだ・・・・丁!
この勝負、もらった"!
アキラ>では・・・アガります・・・どうぞ・・
ミライ>・・・・半!?ま、まさか・・・
アキラ>残念でした。では・・・
コウリ>ちょいとまてや!
アキラ>!?
コウリ>おい!カタギさん相手になにやってるんだ!!
ミライ>え、えええ?
コウリ>アツくなりすぎるのは、お前の悪いところだ!バカヤロウ!
アキラ>す・・すみません・・・コウリ様・・・・
コウリ>すまない。うちの側近がとんだ失礼をした。
ほんとうにすまない。
ミライ>い、いえ・・・・ところで・・・・
コウリ>!?
ミライ>そちらの望みはなんだったのですか?
コウリ>もし、よければ、できるならば
お力になろうと思っていたのですが・・・
ミライ>しかし・・・
コウリ>大丈夫です。望みを教えてください。
ミライ>・・・3日後のことだ・・・
コウリ>えっ・・・?
アキラ>恐れながら、それは私の方から。
3日後に、このへんの組が一堂に会する
「大華会」が行われます。
コウリ様はその会のサイフリの担当となったのです。
その華会は、いわくつきの連中も
多数、集まってくる危険な会なのです。
コウリ>事なきを得るためには、どうあがいても、
人手が足りない。そこで、綺麗な技を持った
賽振り(サイフリ)がひとり、欲しくなったんだ。
ミライ>!?
コウリ>なにかコトが起これば、
責任を取らされてこの世とオサラバ。
そんな状況で賽打ち押し付けられたら、
キミならどうする?
ミライ>・・・・・!
たぶん・・緊張のあまり・・
なにも手につかないと思う。
コウリ>そうだろ?私もいっしょだ。
緊張のあまり、何も手につかなくなってしまっていた。
アキラ>それで、華会の開催という、大仕事のため、
ボクたちは買い出しに来ていたのです。
その折に、この会館で、賭場のイベントがあり、
アナタが見事な賭場をひらいてたというわけなんです
ミライ>・・・!
コウリ>流れるような、賭場の進め方・・そして、
筒のなかにサイコロを振り込むしぐさ・・・それらを
みていた私は、喉から手が出るくらいに
君が欲しくなってしまったんだ。
ミライ>・・・・!
アキラ>・・・その喉から手が出てしまった
ということですよ。ミライさん。
ミライ>お褒めの言葉・・ありがとうございます
アキラ>ミライさん!・・・・重ねてもうしあげます
3日後の華会・・・もし荒れれば、
私たちの命はありません。
なにとぞ、願い聞き入れていただけませんか?
ミライ>(悩んでいる演技入れてください)
ミライ>わかったわよ・・・
でも・・・今回だけですよ・・・
N>3日後・・・
開催会場横の控室にボクたちの姿はあった。
美粧室と書かれたブースの前で、
ボクたちは順番を待っていた。
ミライ>いよいよ・・か・・・
アキラ>そう・・ですね・・・・・
ミライ>コウリさんがこの部屋に入ってから15分か・・・
待ってるのって、結構しんどいんですね
アキラ>でしょう?僕もこの雰囲気には慣れません
ミライ>賭場のイベントには参加しているんですけど、
今回は、また・・・ちがいますもんね・・・
アキラ>・・・・ええ。趣が全然ちがいますから・・・
ぐっ・・ぐっ?・・はあ・・はあ・・・・
ミライ>アキラさん・・・
アキラ>だ、大丈夫です。ぐ・・ぐう・・・
(何かを飲む)
はあ・・はああ・・・・・
ミライ>アキラさん・・あなた・・
すっごい汗・・・本当に大丈夫ですか?
コウリ>くすっ・・・こいつはいつものことなんだ・・
ミライ>コウリさん!
アキラ>その通りです。ミライさん。
僕は大丈夫です。いつものことなんです。
すみません。もう・・大丈夫です。
ミライ>コウリ姐さん・・・
素敵です・・・かっこいい・・・・
コウリ>くすっ・・・ありがとう。
いいかい。ミライ。うちのアキラは
言葉はおちついているかもしれないけど、
中身はノミの心臓。
だから、大きい賭場なんか任せておけやしない。
アキラ>すみません・・姐さん・・・・
コウリ>ほんっと・・・しょうがない・・・
ミライ>・・・なんか緊張してきました・・・・
コウリ>うろたえるんじゃないよ~ミライ。
何度か賭場は経験してるだろ?
そのとおりにすればいいんだよ。
ラクにラクにラクにしてな・・・・・
ミライ>す~は~す~は~(深呼吸)
コウリ>よしよし。その調子だ。
今度は君の番だよ。かっこいい化粧しておいで。
ミライ>あ、はい・・・わかりました・・・・
では、いってきます・・・・
コウリ>あの娘、いい目をしているね。
将来、とってもいい賽振りになるかもしれないね。
アキラ>そうですよね・・・
ボクもそう思います。大事に育てないと・・
ですよね・・・・
コウリ>でも、いいかい?アキラ。うかうかしていると、
いつかミライに抜かれるよ。そのあげくに、
使い物になんない!って殺されちゃうかもしれないよ?
アキラ>!!・・・・(グサッ!!)
そ、そうですね・・・
それも、あるかもしれません・・・・
自分には・・このハンデがありますからね・・・・・
ミライ>お待たせしました。私は、準備OKです・・・
コウリ>おおお!すげえ・・・
そのメイク・・・よく似合ってる・・・
ミライ>ありがとうございます。コウリさん。
コウリ>さて、そろそろ行こうか。勝負は、これからだよ。
アキラN>ボクは急に背筋がピンとなるのを感じていた。
同じムジナのナントカというやつだろう
時刻はいつの間にか 定刻を指していた。
コウリ>ささ、みなさま、
今一度静粛におねがいします。
開場までいましばらくおまちくださいませ
アキラN>言うが早いか、
ボクはミライに目配せを送る。
ミライ>!?
アキラ>あなたには言ってませんでしたね。
あそこにいるのは、雅と辰。
私と同じくコウリ様の部下なんです
ミライ>そ、そうなんだ・・・
で、彼らとあわせて4人で、どう動くんです?
アキラ>私がおもうに、彼らには順番に壺振りを
やってもらおうと思っていますが。
ミライ>ちょ・・・ちょっと待って!中盆は?
もしかして一人なんじゃない?
アキラ>そうだが・・・
ミライ>危険すぎる!監視が甘い!
もし、誰かが物言いを打ち上げたら、
見張りが薄いと指摘され、
場は壊れてしまいます・・・!
アキラ>・・・では、どうしろと!
ミライ>中盆は最低でも3人にしてはどうかと思います。
私とアキラさん、コウリさんで座るんです
アキラ>!
ミライ>進行をこちらが担当し、
あとの二人は隣に座り、
ひたすら不正がないかを見張りましょう。
とにかく、われわれのほかに、だれも・・・
道具にさわらせてはいけません。
アキラ>なっ・・・
ミライ>カタギのワタシがいうのも変だが、
どんな状況でも不正はしこりをのこします。
未然に防ぐこと、それは雰囲気よりも大事な鉄則だ。
ちがいますか?
アキラ>ミライさん・・・
ミライ>丁半のばあい、
イカサマをするのは賭け手のほうです。
ボクがやってる時も一緒だったさ。
いいか。目の前にいるのはみんな野獣だと
思ったほうがいい。
やつらがヘンなことをしないよう、
いざこざが起きないよう、管理するのです。
アキラ>・・・!
ミライ>大丈夫だ。
これで、秩序と公正は、保たれます・・・・
アキラ>ミライ・・・さん
コウリ>2人とも。さあ、はじめるよ
時間だ。・・・場がひらく・・・・
アキラ>
さあさあさあさあ!
よってらっしゃいみてらっしゃい
コウリ>
お待たせしました、
サイコロつかった賭け事よろしく
丁半賭場の開場だよ!
ミライ>
参加は簡単、お金を払って丁か半か二つに一つに
かけるだけ
アキラ>
勝って天国、負れば地獄。
勝ったら儲けて、負けたら大損だ
だけどイカサマはやっちゃいけません、やりません
コウリ>
火の中、雨の中、来てくれてありがとう
老いも若きも、やんちゃなおねえちゃん。
ミライ>
ウブな若造、軍人さんも、民間人様も
そこですれ違ったかはなにかの縁。
アキラ>
お金を出して、盆に座れば、
さあ、あなたもバクチウチになかまいり。
コウリ>
ようこそ ようこそ ようこそ 賭場へ
ミライ>
夜の帳があけて、ニワトリがコケッコッコ
と啼くまでのしばしの刻限、
なにとぞ よろしく おねがいつかまつります。
アキラ>
そしてわたしたちの戦いの舞台が始まる
コウリ>
ボイスドラマ 49条賭場物語百合伝
ミライ>
一番初め先陣を切るのは私未来だった
入ります
ヤバい感覚が違う・・・
私は、アマチュア時代のそれとは違う感覚に
囚われていた。
集まっている参加者はみんな
ひとつひとつの行動をみて、
私の一挙一動を見ているのだ。
意識がスパークしそうになるのを堪えながら
サイコロを筒の中に入れて、からからからと
軽い音を鳴らして、そのまま盆の上に叩きつける。
そして、おもむろに手を離す。
「さあどうぞ」
周囲から男たち女たちの野蛮な声が殺到。
たちまち掛け金が丁半それぞれのブースに分けられる。
丁半をきれいに分かれたところで、
氷さんが大きく頷く
ではあげます
丁!!
たちまち周囲から歓声が起こり、
かけ台の上のお金が配分されていく。
かけ台の上にあった
私の一か月ぐらいの給料ぶんくらいのお金が
右から左へと動く。
すごい 私は絶句する
私の昨日までの賭場は
入場料さえ支払えばふんだんに
メダルゲームとして遊ぶことができた
しかし今はどうだろう。
世の人は汗水たらして儲けたお金が
このような形で右から左へと簡単に移動するのだ。
これが賭場・・・
中は私は恐れを抱きながら第2場第3場と
場をこなしていくのだった
アキラ>
胴師、変わります。
次に立ったのは僕あきらだった
汗ばんだ手にサイコロをまたおもむろに振り上げ
筒の中に入れ盆に叩きつける。
さあどうぞ
僕は静かに言った。
しかし背後に冷たい汗が流れるのを感じる。
僕は黒地に赤の召し物を着るようにしている。
それは異常に冷や汗をかくボクが
それを参加者に悟られないようにするための
苦肉の策だった。
5年前、僕はここにいるコウリさんと支払いをめぐり
命を懸けた戦いをした。そして最後の時・・・
僕は勝負をかけコウリさんに負けた・・・
おもむろに僕は、腰の刀を出す。
そして腹を一閃した・・・その時だった・・・
僕の腕が強烈な力で押され、
僕の刀は畳の上に転がった
力の主はコウリさんだった。
コウリさんはいう。あなたは腕は悪くない。
ただ気持ちの上で場に負けるところがある。
私と一緒に来ないか。
私ならあなたを支えてあげられる。
時々、悪態をつくのは、
勘弁してもらわなければならないが・・・
思えば、この5年間平坦ではなく、
色々なことがあった。
そういうところをコウリさんと一緒に潜り抜けてきたのだ。
ボクは5年間を振り帰りながら、
3場・・・・4場・・・・
賭場は流れるように進行していった。
皆さん今日ボクはお金に好かれているようですね
ちょっとしたボクは挑発を仕掛けるのだった。
ありがとうございました。
それではここで、休憩をはさみます
そう言い放つと、僕はすっくと立ち上がり
控え室と退く。
同時に今は安堵の吐息が漏れる巣窟と化した。
ふうと息を吐いた僕は、汗まみれになったさらし
と羽織を脱ぐと素早く着替え、離れの控え室へ急いだ。
コウリ>
今日この場に来た皆様・・・
オレ様もあなた様もどなた様も軍人さんも民間人さんも
ミライ>
老若男女、出会った人は、皆、挑戦者。
どうぞどうぞ 出場したりませ 賭場へようこそ
アキラ>話は元禄の世。戦乱無く太平なりし頃の話。
表の世では町人文化華やいだ世の中となっていたが、
その背景裏側では、止められぬ闇がひそんでいた。
アキラ>ここは東西7区画、南北7区画に、
碁盤目状に開発された、町人の都
通称「四十九条街(しじゅうくじょうがい)」。
この都市では、今日も事件が起きようとしていた。
コウリ>これは そんな都市で起きたことの事件簿。
その渦中を駆け抜けた、3人の物語。
ミライ>そしてここで3人の博徒たちが出会い、
時に導かれ。運命の歯車に取り込まれようとしていた
これはそんな港町近くの場所で繰り広げられる
青春群像劇 ボイスドラマ四十九条賭場物語
コウリ>
その時、私は気持ち良さそうに湯あみをしていた
アキラ>
姉さん 出番の時間15分前です
コウリ>
おお、アキラか。二番手おつかれさま。
分かったよ。
アキラ>
あの・・・
先ほど申し上げましたが・・
早めにお願いします
コウリ>
分かったよ
アキラ>
すみません。
こうして申しておりますのは、お客のイライラ
が募りますと、面白くないことが多々あるかと
思いますので
コウリ>
分かったよ。
ったく、あんたもしつこいよね男のくせに
アキラ>
すいません。これが性格なんで
ミライ>
性格なんじゃなくて、あなたの場合は性分でしょ
アキラ>
まあ、そうですね・・・
あまり認めたくはないのですが・・・
コウリ>
ここまでの戦績はどうだい?
アキラ>
まあまあ・・五分五分でございます
ちなみに、ここ最近7回同様でございます
コウリ>
そうか。それじゃあ、たまには
バーンと大勝ちしてやるとしようかな
アキラ>
姉様。ご冗談を。そんなことしたら、
お客さんたちをたくさん敵に回しますぞ
コウリ>
冗談だよ。もっとも。あんたじゃ
大したもうけも出せないないけどね
アキラ>
すいません。
自分はここがネックなので
コウリ>
分かってるじゃない。
アキラ>
その時だった。同じく着替えが終わったミライが
姉さんの部屋に駆け込んできた。
ミライ>
ふう~やっと着替えおわった~~
それにしても、すごいお客ですね。ここ
アキラ>
ここの施設は50年ほど前から伝わる
ギャンブラー達の集まる巣窟ですからね
コウリ>
そうだ、ミライ。
50年前の話って知ってる?
ミライ>
あぁここが呼ばれていた時代の話ですね
えぇ。知っていますよ
アキラ>
なんでも、あん時は・・・伝説のサイフリが
いっぱいいたそうだ
コウリ>
でも、そのあとの軍部による綱紀一斉取り締まりで
たくさん、つかまっちまったんだけどな
ミライ>
そうなんですよね~
見てみたかったなーあの華麗な技
アキラ>
まあ、おいらの場合は、技以前にメンタルが
壊滅的にダメだから、ムリだけどね
コウリ>
そう・・・だよね・・・・
ミライ>小声で・・・
(わかってるんだったら、克服すればいいのに・・・)
(克服できない弱点があるってありえない・・)
アキラ>
・・・姉さん!そろそろ時間です!
メイクのほう、できましたか
コウリ>
ええ。お待たせ。
ミライ>
綺麗!すごい!
アキラ>
そうでしょ!?
姉さんはこういうとこ超一流なんですよ
コウリ>
あきら・・ お前もうかうかしちゃいられないよ
ミライ>
ん?姉さん?どういうこと
アキラ>
ミライさん。あなたが、さあ皆さん!お立会い!
丁か半か入ります!って言った時のことを覚えてますか?
コウリ>
あの手さばきは まるでサイコロのココロを
感じ取ってるみたいだった。
ミライ。あんたすごいんだね
ミライ>
そんな・・・。
アキラ>
いやァすごいですよ。
僕では到底到達できない芸当ですから・・・
アキラ>
二人のやり取りを憎々しく思いながら、
傷つけられた自尊心を感じながら
コウリの召し物の手伝いをする
アキラ>
いつしか僕だってレベルアップを!
そう思うこともあった。
だけど、年月と結果が自分を変えた。
いたいさ思いたいけど・・・
老いと、この心臓がっ・・・
僕は着物の左胸の付近をつねり上げる
しかし現状はどうにもならない
残酷さが実情として横わたるのだった。
ミライ>
休憩が終わる・・・。
わたしたちは10分前には元の通りに座り、開場を待った
コウリ>
それでは再開いたします。なお、皆様・・・
以後はレートを2ばかり上げさせて頂きますので
あらかじめよろしくお願いいたします。
アキラ>
さあ!さあ!かけた!かけた!丁か半か
勝負いっこん!
ミライ>
すごい綺麗な技・・・
私はその手さばきに心底魅せられてしてしまっていた。
このサイフリというやつは、
お客からは分からないように
イカサマを仕掛け、上手な口車で人をけしかけ
人々を賭けの世界へ魅了していくことが基本なのだ
いつしか、私の心の中には、
コウリさんと肩を並べるくらいのサイフリに
成長したいという私の欲望が芽生えてきていた。
いままで、このサイフリという職業について、
自分と向き合えたことはなかった。
アキラ>
そのころぼくは・・・危機感を覚えていた。
危険すぎる・・・
レートを2も上げてしまって・・・
勝ち負けと儲けごとだけに執着する
狂気が蔓延してしまうかもしれない
・・・そっちの方が気がかりだった
確かにレートをあげるることで
常連の方は勝ち金が増して、楽しかったと
思うようになるだろうし、そこで華麗な技を見せれば
お客はヤレいいものが見れたと満足するだろう。
また、その魅せ方の技術がこれからのサイフリとしての
腕のみせどころとなるのだろう。
しかしここに参加しているのは、人間だ。
人間には狂気がつきものだ。
狂気が起きた時、それを止める術は
今の人間にはないだろう。
さながら、ここのお客は、外道の道に落ち、
刺青を彫って、借金まみれになった
人生の落伍者たちの巣窟だ
コウリ>
レートを上げた理由・・
それは、ここが私の勝負どころだったからだ。
つまり私がサイフリとして生きるための勝負どころ
私は雇われないと生きていけない。雇われるためには
客をあっと言わせる技を披露し続ける必要性がある。
その意味ではサイフリは職人芸であるといえる。
職人技を語るときには、優しさなどはいらない。
だから私はレートをあげた
ミライ>
ミライ・アキラ・コウリ・・・・
それぞれの思いが交錯して賭場はさらに進む・・・・
そのときだった・・・
アキラ1>
あんたコウリってんだね?あたいと勝負しなよ
アキラ>
そいつは花魁とも思うかのような
きらびやかな衣装を着たやつだった
・・・行き過ぎ感のある厚化粧が非常に痛々しい
アキラ1>
あたいはね・・・今日を待っていたのよ。
あなたに勝つためにねっ!
勝負しなさい!!!
コウリ>
勝負と聞いて、私の心の中のスイッチが入る。
方々、もうしわけありません。
ただいま、私めにサシの勝負の申し出がありました。
私は命をかけてこいつと戦いたいと思います
ミライ>
ねえさん!!
アキラ>
ねえさん!
コウリ>
あんたら手を出すんじゃないよ。
ここは私とこいつとの勝負だ
アキラ1>
あら、そんなこと言って、逃げるんじゃないわよ
ミライ>
私はそのゲドウがいぶし銀の腕を持っていることを悟った。
厚化粧の奥に隠された苦労、
傷だらけの体・・・
そしてなんといってもその言動だ。
言葉はいささか荒れてはいるが、それはこのゲドウが
コウリさんに勝つために自分を追い込んできた結果だと
いうことがうかがえた。
アキラ>
姉さん・・・また無茶なことを・・しょうがないな・・
ミライ>
待って!アキラ。ねえさんは真剣よ。
真剣勝負で、あのゲドウを倒そうとしているわ
邪魔しちゃいけない・・・
これは正真正銘のサイフリとサイフリの戦いなんだ
職人同士の力勝負なのよ・・・・
だから、おねがい・・・
わたしも、この勝負を身に目の裏に焼き付けようとおもう
いや、そうしなきゃいけないんだ・・・
アキラ>
危険だ!
僕はそんなゲドウの気持ちもわからないではなかった。
言動から過去に味わったであろう、屈辱と悔恨と日々を
感じることができたし、
なんといってもその厚化粧の中に垣間見る深いシワ、
血走った目・・狂気に甘んじた精神・・・
そしてボロボロになった歯全てが・・
この一戦のせいでに精神と体を蝕んでいったことは
想像はできた。確かにこれは戦いなのかもしれない。
しかしこれはあくまで人と人と戦いだ。
命をかけての戦いというのは
まるで野生動物の決闘を見ているかのようで
見てはいられないような気がしていたのだ
コウリ>
始めるわよ。丁か半か
ミライ>
姉さんは、妖艶な手つきでサイコロを振って盆に叩きつけた
アキラ1>
半!!
コウリ>
丁!
ミライ>
姉さんは静かに答えた。
アキラ1>
つぎはあたいだね 丁か半か?
ゲドウは、いぶし銀の手つきで
サイコロを振って盆に叩きつけた
氷>
ちょいと待ちや!そのダイス調べさせてもらう
アキラ1>
なんだと!いかさまだってのか?
あたいがこんなことにそんな技なんか使っちゃいねえよ!!
氷>
やかましい!言い逃れはやめろ みぐるしい!
さあ、とにかく、そのサイコロを改めさせてもらう!
やめろ!やめろ!やめるんだ!!
アキラ1>
くっそう!!
アキラ>
とうとう精神的に耐えられなくなったのか
アキラ1が腰のドスに手をかけた。
当然のことではあったが、
彼は周りの観客によって取り押さえられた。
コウリ>
ほれみろ!
やはりゲドウはいかさまサイコロを使っていたのだ!
アキラ!こいつ、やっちまいな!!
アキラ>
ちょ・・ちょっと待ってくださいよ・・・
僕にはそんなことはできません。
いくら姉さんの一声でも、それはあんまりです。
いいですか?あのゲドウだって、人間なんです。
それに、このようなカタチになったのは、
何か理由があってのことです。
ここは姉さんに我慢してもらって、
慈悲と更生の機会を与えるというのはどうですか?
それが人間というものの心の持ち方じゃないでしょうか?
氷>
しかし驚くべきことが待っていた。
なんとその影から小刀を持った女が飛び出し、
アキラ1の腹を一突きしたのだった。
アキラ>
だ、だれだ・・・!
氷>
あなた・・・なにやってるの!?
ちょ・・ちょっと・・・ミライ!!
ミライ>
その影から飛び出したのは、私、ミライだった。
直後にアキラの怒声、氷の叱責が聞こえる。
だけど、私にはその声は届かなかった。
私は言い放った。
おそれながら・・・
これはサイフリ同士の戦いです。
職人同士の命と戦った戦いだったのです
姉さんは勝ち、破れたゲドウはイカサマの責と
敗者の報いを受けねばなりません。
ときに、アキラさん。
あなたは優しすぎるとしかいえません。
あなたのような対応があるから、
ゲドウどもは増長するのです!
アキラ>おまえ・・そんなこと言って・・・
いつか、きっと報いをうけることになるぞ!?
ミライ>
なに?負け惜しみ?
偉そうにしてますが、そんな態度取るんなら、
もっと強くなったらどうですか?
私はもう、あなたを先輩とだとも思わないし
身内だと思いたくありません。
もう、辞めたらどうですか?
この世界、弱いものは去るべきなんです!!
アキラ>
・・・分かったよ
僕は力なくうなだれるしかなかった
悔しさはあるが、この歳、この体では、
体がしなやかに動くことはもうない。
話術でも、感受性と、洞察力が鋭いミライに
勝つことはできない。そして、
自分には精神的に苦痛が起きると、
すぐに起きてしまう、動悸、息切れ、
心臓病を抱えているのだ。
どうしても越えられない壁、
どうしても越えられないハードルというのも
そこには存在する。
だからこそ時には大人の対応が必要となり
だからこそ我慢というものが必要になるのだ
彼女はまだ若い。そして女だ。
その事について彼女を思うことはないだろう
アキラ>
姉さんお世話になりました
そう言って僕は、自分の道具を風呂敷に包むと
その場を立ち去ることにした
氷がボクを呼び止める声が虚しく響く。
しかし、それは僕の決意を変えることはなかった。
僕は・・・人として生きる・・・
それがたとえ命を落とすことだったとしても
サイフリである前に人間であれ
僕はそう思っているのもあった。
その瞬間、僕のどこかで考え方が変わる。
サイフリは人生のステータスではない・・・
僕はこの時、自分がサイフリを名乗ることを捨てた。
失意のうち、ボクは長距離列車に乗り、当てのない
旅へと出たのだった。コウリさんへの手紙を遺して。
コウリ>
その手紙は私が受け取ったのは翌日のことだった。
アキラが居ない。。だけど、もう後には引けない
・・・・そして、私は、ミライと一緒に
この道を歩むことにした。
わたしたちの戦いは、
これからずっとずっと続いてゆく。
わたしたちも、女からいつしか獣へと姿を変える・
ミライ>
賭世(とせ)の渦中において、
獣たちの戦いの話も また
続いてゆくのである。
その話は また 次の機会に
第九条~幻燈狼狐伝5 <非公開作品群> エピソード5~不死鳥~
●コウエン●
終始、福音の丘には
禍々しき陽光が差し込んだ。
■ツキ■
主はお尋ねになった。
禍々しき光の原因はなにか。
●コウエン●
とある鳥はこたえた。
禍々しい光の元凶は我ぞ
■ツキ■
すると主はお尋ねになった。
汝は、誰(だれ)ぞ
●コウエン●
その問いにとりは答えた
我は凶鳥(まがどり)フリアエ
■ツキ■
貴様フリアエか
●コウエン●
いかにも
我こそ そのように 導かれたり
凶鳥フリアエ
■ツキ■
フリアエ。キサマの求めるものは一体なんだ
●コウエン●
求めるものそれは人の世の理
■ツキ■
人の世のことをの理(ことわり)だと・・・・
それは一体全体どういうことだ
●コウエン●
俺はまだその真意を伝える舌を持たない
生を営む意味さえ解せぬ獣に!
■ツキ■
くそう!!コウエンは取り戻させてもらう!
テメエのその体。
この魔力にもとに砕けせてやろう
うなれ わが片鱗よ 岩石をも切り裂く
刃と化せ! テイルカッター
●コウエン●
これしきの魔法の攻撃わらわには届かんぞ
■ツキ■
な何いいいいい!
●コウエン●
ほれ、みやげだ・・・・・
ふうううううん!!
■ツキ■
ググアああああああ!!
強烈な意識が浴びせられ
僕は瞬時に意識を失った
・・・・・・・・・・間・・・・・・・・・・・
●コウエン●
おい大丈夫か
■ツキ■
気が付いたらそこは聖職者の神殿であった。
●コウエン1●
目が覚めたか
大丈夫か?
■ツキ■
ここは・・・・どこ・・・・
ボクは・・・いったい・・・
●コウエン1●
牢屋人ポツンと倒れていた
そこを通りかかった俺が助けた
■ツキ■
あっ!傷の手当て
●コウエン1●
まあ悪いと思うな
物事は全て思いやりとお互い様だよ
■ツキ■
オレ、行かなきゃ!
あの鳥を倒して、
アイツを助けなきゃいけないんだ
●コウエン1●
そうなのかおネツなこった
でも落ち着け。そう慌てるな。
まずは傷を治すのが優先だ
■ツキ■
お、おう・・・
●コウエン1●
ところでその鳥とは何だ
■ツキ■
なかなかキモいやつだ
●コウエン1●
キモいとは?
■ツキ■
気持ち悪い!ってことです!!
あと・・性格もわるいし魔力がハンパなく強いんです!
僕も思い切りできるだけのことをしましたが
叶いませんでした!
●コウエン1●
なるほど。
して、おぬしはなぜ、そうまでして戦おうとする?
■ツキ■
友達が・・・・行方不明なんです!
もしかしたら中に取り込まれているのかもしれません!?
●コウエン1●
ほう・・・取り込まれている・・・?
それは・・・どうしてそう思う?
■ツキ■
あの鳥から彼の気配がするんです。
気のせいかと思われるかもしれませんが、
あの波動はまちがいない。彼です!コウエンです!!
●コウエン1●
なるほど。
じゃあもし取り込まれていたらしたらどうなるんだ?
■ツキ■
もし閉じ込まれていたとしたら・・・
取り込まれていたとしたら・・・・
取り込まれてたとしたら・・・・・
●コウエン1●
分からないか?
では教えてやろう。
コウエンいったか?
あれの意識はあの鳥によって支配されている
それは、わかるな?
■ツキ■
はい・・・・なんとか・・・・
●コウエン1●
ようし。では次だ。
コウエンは取り込まれた先で、
都合のいいように変化させられ、
ついには同化される・・・・
■ツキ■
なんですって!?同化ですって!?
●コウエン1●
ニホンという場所で1999年南明日香村でギャロズという
生物がおり、ヒトが取り込まれ、怪獣以上の力を得たとされる。
■ツキ■
そんな・・・・
●コウエン1●
最悪お前のことも忘れているかもしれん
下手したら公園はもうこの世の生き物ではない
■ツキ■
そんな僕はどうしたら
●コウエン1●
うろたえぬことだ
■ツキ■
うろたえぬこと?
●コウエン●
そう。彼の生存をあきらめないということだ。
望みを捨てたらその時点で彼の生存理由がなくなってしまう
そうならぬように君だけは信じてやるんだ
■ツキ■
信じて・・・・やる?
●コウエン●
そうだ。今、一番君に会いたがっているのは彼だろ?
そして、今、一番君の前に姿を現したいと思ってるのも彼だろう。
そんな彼はあの鳥の中で一生懸命に自分と戦っている
悔しいと思っているのは君だけじゃないんだよ
■ツキ■
でも信じられない信じきれない
●コウエン●
それはなぜだ?
■ツキ■
自分が壊れてしまいそうで
何かしてないと落ち着くことができなくて
●コウエン●
なるほどそれがお主が九尾の妖狐よに変化した理由でもあるのかな
■ツキ■
僕が妖狐に
●コウエン●
妖狐はもともと悪しき生き物。乗じて悪さのする式神もおるくらいだ。
だが、そなたからはそういう感情は一切伺えぬ。
・・・・・・来るがいい。本堂にまねこう。
■ツキ■
そして男が招いたその本堂には微笑みを浮かべる銅像が著された
●コウエン●
これは名もなき本尊。
しかし魔力を発している。ゆえにわれは祈りの像とも呼んでいる
■ツキ■
祈りの像
その本尊は微笑みをたたえている。
それは怒ってもないし、悲しんでもいないし、
楽しんでもいないし、笑っても居ない
・・・・・ただただ微笑んでいた。
●コウエン●
いいか?この像は表情を放ってはいない。なぜか?
これは感情を自然のうちにとりこんでいるからじゃ。
■ツキ■
とりこんで・・・・いる?
●コウエン●
そうじゃ。激しすぎぬ喜怒哀楽。
激しい感情を胸の中にしまいこみただ一心、
友の無事を祈るのじゃ。
さすれば運命は魔力を閉じる力を貸してくれようぞ
■ツキ■
分かりましたやってみます
友よ・・・友よ・・・友よ・・・友よ・・・・
無事でいてくれ。出てきてほしいできればできれば話したい。
時間だって気にすることなく。
色々なことが走馬灯のように頭に駆け巡った。
ともに肩を組んだこと
笑ったこと 怒ったこと 楽しかったこと 悲しいんだこと
そして語り合ったこと
いずみの湯に沸き立つ思いを一心に押さえながら
僕は唇を一文字に結ぶ。
そして。そしてともの名前を呼ぶ
「コウエン!!」
その瞬間閉じられた まぶたから二筋の涙が流れていくのがわかった。
暖かい温かい涙だった
●コウエン●
ようし・・・気持ちに整理がついたか?
大丈夫か
■ツキ■
大丈夫・・・です
●コウエン●
よし、そなたの純粋な心を垣間見ることができた。
その気持ちがあれば、きっと、奴から相棒は救い出せるはずだ
■ツキ■
ありがとうございます
だけど・・・・・・・・・
●コウエン●
だけどまだ心配なことがあるのか?
■ツキ■
あの鳥のところまではどうやって行けばいいのかわかりません
●コウエン●
なんだそんなことか・
そんなことなら任せておけ
私が送り届けてやる
■ツキ■
なんと!?
●コウエン●
実はあいつは俺にとっては因縁の相手な因縁なんだ
・・・俺は同じように大切な人を取り込まれた
俺は力で取り戻そうと試みたが
どうしてもそれはできなかった
彼女を取り戻すために
力・・・チカラ・・・
とにかく俺は力が足りなかった
5年・・・10年・・・
ずっとずっとそう思っていた
だが・・・いつからか・・・
絶対に到達できないところが
あるのだと
気づかされるようになった
また・・・
5年・・・10年・・・
そして30年目の戦い
そこで俺は自分の心に終止符を打つことにした
■ツキ■
なぜ
●コウエン●
色々さ心がそれを求めなくなっていたし時間もなかったし衰えもあったし
だが今の君にはそれがない
まだ若いし
力だってある
魔法も使えるだろうし
何と言ったって君は賢い
君ならあの時に価値を決める
大切なものを取りをすると僕は信じているよ
一つだけ言わせないで欲しい
決して諦めないこと
いいな・・・
■ツキ■
はい!
●コウエン●
鳥の巣は
大空遥か上空にある
それは雲の遠く、われわれが知る空の
さらに奥のほうにある。
■ツキ■
着いたぞ
ここだ
●コウエン●
うわはははは
ハッハッハ!
予想通り、来たな!
低レベル妖狐 ツキ!!
■ツキ■
低レベルと言うな
●コウエン●
落ち着けそれはやつの策略だ
●コウエン●
ん!? なんだその声は・・・
なんだ死に損ない選手もいるのか
■ツキ■
死に損ないで悪かったな
悪いが今は俺はこいつの味方だ
今日こそお前の最後だキッチリと葬ってやる
■ツキ■
くらえ!フェンリルジャベリン!
斉射!!
●コウエン●
フハハハハ無駄だ無駄だ計算済だ!
●コウエン●
くらえ!ファイアストーム!!
■ツキ■
クソ間に合わないイージスシールド
●コウエン●
聖なる盾か。だがそれでは俺はお前の体が守りきれない
わははは
■ツキ■
そんな!魔力の盾を貫通する攻撃!?
グアアアアア!
●コウエン●
慌てるな!魔力で劣るお前が
魔法で奴にかなうわけがない!!
■ツキ■
じゃあどうすれば
●コウエン●
一撃必殺の作戦を立てる。
覚悟を決めよ!友を奪い返すか失うかの
■ツキ■
ああ!もちろん、おれは、友を奪い返す!!
●コウエン●
よし、それでいい。では、作戦を説明しよう。
向こうは攻撃に専念している。ゆえに近接防備には疎いはずだ。
だから・・・・俺が先鋒で特攻をかけ、やつの急所を突く。
お前はその突破口から入れ!そして
そこに取り込まれている友を救い出せ!
■ツキ■
そんな!!あなたは!?
●コウエン●
華々しく散ってやるさ。なに?自分自身の葬儀か?
そんなのはな、とうの昔に住んでいるのさ。
なにを いまさら。思い残すことはない
■ツキ■
・・・・・!!
●コウエン●
いいか?たとえ、懐に飛びこみ、傷を負わせたとしても
やつを取り戻せないと意味はない。
わかっているな?
■ツキ■
ああ!わかっているさ
必ず成功させる!!必ず!!
●コウエン●
いい心意気だ!! あ作戦を始めよう
行くぞ!!俺に続け!!
●コウエン●
最初は些細なことだと思っていた
昨日や今日までそこにあったものが
急になくなったところで後でまた取り返しに行けばいい
僕は簡単に考えていただけど
それが長期化することに従って僕は焦った
だけど自分の力が及ばないことを知って
だんだん焦るようになり悔しくなるようになり
そしていつしか求めるのをやめた
求めていたはずの自分に嘘をつくことを覚えた
そして諦めることこそ
自分にとって最良の処世術だと思うようになり
5年10年15年20年・・・
年月(としつき)を重ねることになり
嫌いな自分を受け入れるようになっていた
■ツキ■
とある日、彼女の死を告げる魔法・・・トリアージ・アラート
が入ってきた。
ことの重大さを理解した事の重大さを理解し
後悔した時には全て遅すぎたんだ・・・・
手をいっぱいに伸ばしても手に入らないものがあるって・・・
初めて知ったよ・・・・・
そして、いま・・・・・
あの時の悔恨(かいこん)を顧みること反省することも
全て今日この一撃を以て自分の過去との決別とする
やあああああ!!
■ツキ■
やった!!
鳥の急所に穴があいた!!
待ってろよコウエン!
コウエン!!
●コウエン●
ツキ・・・・
僕のことはほっといてよ
いまさら・・・僕なんて必要とされてないじゃないか
君の足を引っ張ってばかりで・・・
ボク。。。できそこないのワーウルフでさ・・・人に近いの
僕は一人前じゃない・・・・半人前の意味をなさない存在なのさ
仕方ないんだ・・・・人にもなれない、魔物にもなれない・・・
中途半端な存在なんだ・・・・・・
ぼくなんて、絶対に必要とされてない・・・・だから!
君は僕を諦めてくれ・・・・
ここまでこれで、本当に楽しかった・・・・
だからこれでいいんだ・・・さようなら・・・・・
■ツキ■
そうはさせない!!
コウエン!!力をだせ! 奴のプレッシャーに負けるな。
たしかに、お前は弱いさ。中途半端さ・・・・だからさ・・・・
ツッコんでツッコんで・・・・解決してきたじゃないか!!
お前は ヒトであり、狼なんだ!!そんな存在なら狼にもできない
ヒトでもできない難題に体当たりして、粉砕してみせろよ!!
負けるなよ!! おまえがいなくなっちゃったら・・・
俺は誰と一緒に旅していけばいいんだよ・・・・?
■ツキ■
一緒に帰ろう!!時に仲良く、時には怒ることもあるけどさ・・・・・
でも俺たちしてやってきたじゃないか!!
らだからだから俺お前のいない生活なんて考えられないよ
さあ、この手をを取ってくれよ・・・・
そして一緒に帰ろう!!さあ。おいらの手をとってくれ!!
●コウエン●
ツキ!
■ツキ■
コーエン!
こんな僕でもいいのか?迷惑かけるよこれからも・・・・
■ツキ■
かまわないさ・・・俺たちの絆は そんなものだって乗り越えられる!!
第九条~幻燈狼狐伝4 <非公開作品群> エピソード4~不死鳥~
●コウエン●
黒猫事件が一件落着した。
■ツキ■
しかし僕たちはまだ帰ることができなかった
なぜなのかは・・・わからなかった
●コウエン●
帰れない件の解決の糸口も見出せず、
僕たちは再び伸びる一本道を歩いていた
■ツキ■
なあ・・・コウエン・・・・
●コウエン●
ん? なに? ツキ
■ツキ■
なんでまだ帰れねーんだよ
●コウエン●
知らないよ。
運が悪いだけじゃないのか
■ツキ■
ちっ!運か・・・
おめえといるようになってからは
俺は不運にまされるようになった気がするぜ
●コウエン●
失礼な!おいしいものたっくさん食べられただろ?
■ツキ■
うん。食べられた。
●コウエン●
ふっかふかのベッドで寝ることができたろ?
■ツキ■
うん。寝られた。ぐっすり眠った。
●コウエン●
なら、よかったじゃないか~
全然不運じゃないじゃないか~~~
■ツキ■
それはそれ、これはこれだ!
とにかく!!帰れない以上、俺は不老不死にでもならない限り、
不運になったとしか思えないね
●コウエン●
その時だった。
聞いたこともない素敵な鳥の鳴き声が僕たちの耳を打った
■ツキ■
綺麗な鳴き声・・・・この鳥、いったい、なんなんだ?
●コウエン●
輝くようなレインボーの光を放っているな・・・
あれはきっと不死鳥だ・・・
■ツキ■
不死鳥ってのはフェニックスのことで火の鳥なんじゃないのか
●コウエン●
馬鹿言え。たしかにフェニックスは不死鳥だ。
ただ、それは大地の精霊の「火」の魔法が行っているにすぎん。
火の魔法から見ると、炎は生命の象徴であるからな
■ツキ■
そ、そうなのか・・・・
●コウエン●
ただね・・・世の中には天空の精霊というのもいる。
そのなかで、虹の魔力は天空の魔法の象徴
だから、あれも不死鳥なのさ
■ツキ■
なんだかしっくりこない話だな
●コウエン●
その証拠に・・・見ろよ
あの鳥が歩いたところに・・・芽吹きが見られるだろ?
■ツキ■
ほんとだ・・・・
さっきまで枯葉の山だったのに・・・
どういうことだ全く謎なんだが。
●コウエン●
謎なんかじゃない。
目の前の鳥が不死鳥だとすると
話は全て繋がるだけのことさ・・・
■ツキ■
なるほど。僕は再び不死鳥と呼ばれた虹色の鳥を
まじまじと見る。
そこには七色に輝く羽根に覆われた魔鳥がいた。
●コウエン●
あれ?こいつ・・・・ついてくるぞ??
■ツキ■
コウエンはよくモテるからな・・・
●コウエン●
ばかいえ!
■ツキ■
その時だった。
遥か遠方からものすごい高速で動いてくるものがあった
●コウエン●
なっ・・・止まれ!?だと
な、なんだよ逮捕
■ツキ■
えええ!?
政府の特使!?
●コウエン●
えええ?
妖鳥(ヨウチョウ)をかくまったですって!?
■ツキ■
えええ?
僕たちしりませんよ
こいつが勝手についてきたんですから
●コウエン●
えええ?
でもダメだってなぜ
■ツキ■
え?
怒ったら怖い
あんたらが?
●コウエン●
え?違う
この鳥が?まさか
詳しくは王宮でって
■ツキ■
分かったよ行くよ
いけばいいんだろ!
●コウエン●
ボクも行きます。
ここで話していても、ラチがあきませんから。
●コウエン●
言われるままに引き連れられ、王宮内に入ると、
そこで衛兵長が僕たちを待っていた
●コウエン●
あの・・・僕たちはどういう理由でここにつれてこられたのでしょうか?
■ツキ■
俺たちと鳥が、いったい何したって言うんだ!
さあ!おしえてくれよ。
●コウエン●
なんだって!あの鳥が怒ったら、火事が起こる?
■ツキ■
え?この辺一帯業火にまみれる?
ま・・・・まさか・・・バカいうなよ。
●コウエン●
え?冗談ではない?
炎の魔力がやたらと高、く炎のように短気な魔鳥。
■ツキ■
し・か・も・・・怒ったら手がつけられない
閉じ込めたり捉えようとしたら
容赦なしの火炎放射のおまけつき・・・・
●コウエン●
で、そいつは今、どんな問題起こしてるんですか?
え?今は簡単に言えば嫉妬!?
■ツキ■
永遠の命をまでを持って、
空を飛ぶことのできるような生物が
どうして嫉妬をすることがあるんだろう
●コウエン●
!なんだ? このざわめきは・・・・
なにかが・・・いらだってる?
分かった!どこかで魔力が共鳴しているんだ・・・・
ま、まさか・・・・あの鳥・・・?
■ツキ■
分かった!あの野郎、気に入らないあると
魔力が漏れてしまうんだ!だからこういうことが起きる
●コウエン●
そんな!暴発なんて!!
そんなのだめだ!!落ち着け!お前!
■ツキ■
むちゃだ!やめろ!!コウエン!!
●コウエン●
落ち着け!!
・・・だめだ・・・臨界点がちかい!!
だめだ!間に合わない
■ツキ■
・・・・・聖なる力よ
彼を身を強大な魔力から守りたまえ
ホーリークロス・ディメンジョン!!
■ツキ■
・・・・や、やった・・・・被害は最小におさえたぞ・・・・
●コウエン●
ぐあああああ
■ツキ■
大丈夫か!?コウエン!?
●コウエン●
大丈夫だよ・・・・
大丈夫だけど・・・・・魔法攻撃って衝撃強いんだな・・・
正直なめてた、かな・・・ハハハ
■ツキ■
はははじゃねえよ!
キモ冷やしたぜ!!
お前は確かにワーウルフだ!だけどな
魔力が極めて低いから、きわめて
人間に近いんだぞ!
●コウエン●
そうだったよね・・・・ハハハ・・・・
■ツキ■
ったく・・・
死んだらどうすんだよ!!馬鹿野郎!!
●コウエン●
ごめんね。ツキ・・・・
■ツキ■
ああ。かまわない。
それより、今後のことだ。
●コウエン●
あの鳥・・・寝てる。
ツキの魔法のおかげだね?
■ツキ■
ああ。眠りと結界の魔法をかけておいた。
だけどな、あの鳥は朝になったら起きちまう
●コウエン●
起きたらお腹すかせているだろうから、
エサたんまり準備しておいてあげないとだね
■ツキ■
ああ。もうひとつ、注意しないといけないことがある。
今回は、不意を突く形だったから、魔法はすんなりかかったさ
でも、これで警戒されるようになったから
次は効くかどうか、わからない。
あいつ魔法の耐性も強いからな。
●コウエン●
うん・・・わかった・・・
大丈夫。明日は何とかやってみせるから・・・・
■ツキ■
エサは、王宮の人に頼んで買いに行ってもらうといい・。
ここまで運ぶの 大変かもしれないがな
●コウエン●
ええと・・・・
鳥のエサ30キロ 30個に小分けして
コウエンのほうまで 翌朝までに準備のこと
ヒトの体臭厳禁、鮮度優先、異物混入注意・・・と
伝書バト~頼むよ~~~いけ~~~~~。
■ツキ■
コウエン・・・・お前・・・・
●コウエン●
王宮のひとから、使っていいって。
設備も、伝書バトも。
■ツキ■
あー、そうなのか・・・・・・
準備がいいな。さすがだな
●コウエン●
だんどりハチブっていうことばがありますからね・・・・・
そうだ、ツキ。ちょっともうひとつ、たのまれてほしい。
■ツキ■
な、なんだよ・・・・
●コウエン●
ちょっと休みたいんだ・・・つかれちゃった。
それでさ・・あの・・・
・・・くるんでほしいんだ・・・・
安心して・・眠れるからさ・・・・・
■ツキ■
くすっ・・・・・分かったよ。
今宵は尻尾に包んでやるよ。
●コウエン●
ありがとう
・・・夜はそうやって、更けていった・・・・
★★★↑前編 後編↓★★★
●コウエン●
夜が明けると、ボクはベッドで一人横たわっていた。
枕元には置手紙があった。
コウエンへ。準備しておいてくれ・・・・
夕方に、あの鳥を封印する大魔法を行おうと思う。
悪いが、オレはその準備のために、先に出る。
ついては、お前に準備をおねがいしたい
なんだ、なんだ?いつになく、あらたまってるな・・・・
■ツキ■
申し訳ないか、この鳥と一日、遊んでやってほしい。
必要ならば、エサもあたえてかまわない。ただ、
そのときは、お前のチャームの魔法と一緒にだ。
ぜひぜひ、惜しみなく注いでやってほしい
そのほか、王宮の設備をつかって、
飽きさせないよう、とにかく、親密な関係を築いておいてほしい。
■ツキ■
やれやれ・・・わかったよ・・・ツキ。
●コウエン●
僕はベッドを置きだすと、王宮の魔物専用の牢屋へ向かう。
そこにあの鳥はいた
鳥はボクを見ると嬉しそうな声を上げた。
どうして、ボク、この鳥になつかれてしまうんだろう・・・・
僕は思わず首をひねった
●コウエン●
正直、不安なことはたくさんあった。
どうやってこのトリと遊ぼうか・・・・・
だが、その心配は無用に終わる
鳥がすり寄ってきてくれたからだった。
鳥は気持ちよくなるところこちらにむけるとしきりに
すり寄る。それがいくら急所であってもだ。
「どういうことなんだ」
僕は困惑を隠せなかった
●コウエン●
愛撫がひととおり終わると、僕は近くからボールを取り出し
思いっきり遠くへ投げる
●コウエン●
鳥はそれはそれは子供のように、無邪気に一目散に駆け
そして僕のそばまで運んできた。
●コウエン●
一息つくと、僕は、今度は前足で蹴飛ばした。
鳥は一目散にそれを追いかけ、
こちらまで運んで来る・・・・
●コウエン●
そういうことを
何度も何度も僕たちはを繰り返す。
●コウエン●
回数を数えられなくなるくらい遊んだら・・・
僕は肩で息をした
●コウエン●
鳥はそれを見て、甘えてるような声を出して、近づいてきた。
●コウエン●
すげえな、お前。スタミナはたんまりあるんだな。
●コウエン●
つかれたよ。かなうなら、お前の番にしたいところだ。
俺は空をとべないから、大空を駆け抜けてみたいな・・・・・
#トリ#
それが、にいちゃんの願いなのか?
●コウエン●
・・・!?
#トリ#
どうなんた?
●コウエン●
そりゃあ、とびたいさ!!
#トリ#
じゃあ、のりなよ!!
●コウエン●
まさか・・・ほんとうに?ほんとうに乗ってもいいのか?
#トリ#
そうだよ
●コウエン●
聞いたことのないような声が聞こえる
誰だ
#トリ#
ひどいなあ。ぼくだよぼく。きみの目の前にいるじゃないか
●コウエン●
え?
#トリ#
僕は君の心の中に訴えかけているのだから
他の人に声なんかは聞こえない
●コウエン●
そうなんだ
#トリ#
まずは。お礼。ボクと遊んでくれてありがとう。
こんどは僕のわがままも聞いてほしい
●コウエン●
なんだ?なんだ?
#トリ#
空へ行きたいんだ!あの空に
●コウエン●
僕は周りを確認してから言う
閉じ込めておいてくれって、いわれたけど・・・
すこしくらいなら・・・まあいいだろ
●コウエン●
そういうと、ボクは部屋の扉をあけ放った。
たちまち、ひんやりとした外気が周囲を支配する。
#トリ#
すごい!!
ボクはおもわず声をあげる。
さあ!行こう!
虹色の翼をいっぱいにひろげると、
いちにのさんで飛び立った
●コウエン●
青空にすっと流れる雲
ちっぽけに見える人々・・・
#トリ#
そして僕は気持ちよく大空をかける
どれくらいの時間ぼくは空を飛んでいなかったのだろう
気が遠くなる時間
僕は大空をもとめていたのだろうと思う
#トリ#
空をとびまわる。いくつもの白いくもを抜ける・・・
ぶあつい雲を抜けると
ふと目の前に巨大な白い雲の
かたまりがみえた。
●コウエン●
あそこに降りるの?
#トリ#
そうだよ!
●コウエン●
ここ・・・不思議だね・・
まるで床に座っているみたいだ。
これは、キミのまほうなのかい?
そっか。すっごいなぁ~~~
#トリ#
ふう。ひといき ついた。
ちょっとまってて。
おもてなししたいから。
ちょっとやすんでて。
横になってくれても
構わないよ
きょうは ほんとうに ありがとう。
●コウエン●
つかれた・・・・・
横になっていると、
ふいに、
ヒタリヒタリという足音が聞こえるのを感じた。
その気配の主は 僕の前に姿を現した
#トリ#
おまたせ!!
●コウエン●
あああっ
僕は思わず声を漏らす
そこにしたのは取りなんかではなく
裸の人間だったからだ
●コウエン●
お前!!!
#トリ#
ひどいよお お前って
僕はあなたの好きな存在に
なろうとしていただけなのに
●コウエン●
ごめんな・・・・
#トリ#
今は僕のことだけ考えて
●コウエン●
・・・・・ああ。
そして僕はあいつの手を取った
あいつは僕の気持ちいいとこを優しく愛撫する
ながいあいだ 奥底に押し込めていた感情は
僕の中でみるみるうちにスパークする
彼はそれを餌と国と国僕の耳元で囁く
#トリ#
我慢しなくていい
我慢しなくていいよ
僕たちはこうやって素敵な仲になったんだろう?
今は誰もこんな僕たちは邪魔することはできない
今はただ僕たちの思いのままに自然のままに
●コウエン●
その言葉のすえに・・・・
おなかの下のところに秘めていた
熱いものが多いなうねりとなって溢れでた
アアア・・・・
僕はその声を止めることができなかった
恥ずかしいでも爽やかなそんな思い
僕はもう空を漂うかのように
いつしかその意識を手放していた
その時だった
■ツキ■
やめろお!!
白く濁った意識の中を一閃。
光の爪がモヤを切り裂いた。
■ツキ■
またせた!コウエン!!
●コウエン●
濁りゆく意識の中で・・・
僕は声の主を見た。
そこにいたのは、金色に輝く、9つの尾をもつ
妖狐だった・・・
●コウエン●
あ、ああ・・・・
ツキ・・・待て
あいつは、妖なんかじゃ・・・ない・・・・
そういったのがやっとで、僕は次の瞬間、
濁りの沼に沈んでゆくのだった・・・・
■ツキ■
!? コウエン!?
せ、瞳に生気がない・・・
ま、まさか・・・鳥に・・・・!!
次の瞬間、ボクは戦慄するばかりの
ケモノのこえを聞くことになるのだった・・・
●コウエン●
次回予告!!
■ツキ■
妖(アヤカシ)の鳥よ!
オマエの相手は、このオレだ!
●コウエン●
悲壮感にひびく ツキのこえ
●コウエン●
貴様の攻撃なぞ、通用もせぬわ。
わらわは ただの ワーウルフではない!
合体した、帝王なのだ!!
■ツキ■
まがまがしき 声を響かせる ワーウルフ
■ツキ■
コウエンを!!コウエンを返せ!!
●コウエン●
遅い。そいつはもう、われの ココロのつゆと消えた
■ツキ■
ばかな!!ばかな!!
でも、おれは あきらめない!!
あきらめるものか!!
●コウエン●
コウエンの姿はどこに、
そして、それを知ったツキが次にとるべき
道とはなにか?
■ツキ■
迎える最終決戦。時が満ちるとき。
魔の鳥はまがまがしさをたたえた、
穢れ(けがれ)きった 色の羽に
染まり上げるのだった
●コウエン●
ついに決着!次回!!
幻燈狼狐伝 エピソード5
戻るべき処(ところ)
ご期待ください